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13話 はじめての狩り!

メンテが明けたので初投稿です。

言ってみたかっただけです。

「お兄ちゃんはどんな魔物を倒したい?」


「そうだなあ、やっぱ最初はゴブリンじゃないか?」


「アタシはスライムかなー。倒すんじゃなくてペットにしたい。」


「あなたたち。ゴブリンもスライムも魔物じゃないわよ。正確にはこの辺だと魔物なんだけど、魔族の国がある魔大陸だと魔族の一部族として認められてるから、無闇に攻撃しちゃだめよ。スライムも同じね。」


「そうなの?前世でもゴブリンが味方の話もいくつかあったもんね。」


「でもこの辺だと魔物なの?なんで?」


「魔大陸以外のゴブリンは言葉を喋らないし、人を見かけると襲いかかってくるから、魔物とされているわ。でも魔大陸のゴブリンは普通に話せるし、頭も良いから中身は全く別物なのよ。見た目は殆ど変わらないのにね。」


「じゃあ魔族の前でゴブリンを倒したらダメ?」


「いいえ、それは問題ないわ。むしろ、魔大陸のゴブリン族と一緒にしたら怒られるわよ。」


「ふーんそうなんだ。」


「スライムも同じって言ってたけど、スライムも喋るの?」


「スライムの場合は喋るっていうか、変身するわね。人になったり、たくさん集まってドラゴンになったりするわ。そうすると話せるみたいよ。」


「おおー!スライムおもしろ!」


「ママ!あたしスライムさんとお友達になりたい!」


「魔大陸に行けばなれるかもね。でもあそこ以外のスライムは変身したりしないのよ。向こうから襲っては来ないけど、危害を加えると飲み込まれて窒息するわ。」


「じゃあこの辺のスライムならペットに出来るってこと!?」


「大丈夫よ。スライムの肉は食材として人気が高いから、家畜として育て方も確立しているわ。」


「スライムの肉ってどんな味なの?」


「ゼリーよ。」


「oh、想像通りだった。」


「葡萄を与えて育てると葡萄ゼリー、蜜柑を与えて育てると蜜柑ゼリーになるわね。」


「うわ、うまそー。スライム食べたくなってきた。」


「ちょっとお兄ちゃん。うちで飼うスライムは食べちゃダメだからね?」


「分かってるって。食べるのはそのうちね。」


「絶対食べちゃダメだからね!一口だけとかやったら怒るからね!」


「分かってる分かってる。」


そんなことして口聞いてくれなくなったりしたら、お兄ちゃんが泣いちゃう。


「この辺だと最初の狩りはヴィラントレントが良いんじゃないかしら?」


「「ヴィラントレント?」」


「トレント族っていう樹木の種族があってね。エルフやドライアドと共に世界樹より生み出されたとされる種族なんだけど、ほぼ魔物なのよ。だから人に有効的な者たちをトレント族、敵対的な者たちをヴィラントレントと呼んで区別しているわ。」


「ふーん。さっきのゴブリンみたいだね。」


「そんな感じね。友好的なトレントは大体把握されていて、バンダナを巻かれてどこかの都市に植わっているから、この辺にいるのはヴィラントレントよ。」


「じゃあ最初はそいつを狩りに行くんだね。」


「そういうことよ。他にも出てきた奴は片っ端から倒して食べるわよ。この森の魔物は大体美味しいから。」


「「おおー!」」


「じゃあ僕は留守番しているから、気をつけて行っておいで。」


「あれ?パパは一緒に来ないの?」


「僕が一緒に行くと、弱い魔物は隠れちゃうんだよ。僕に向かってくる魔物は、君たちには強すぎるからね。」


「アレイクスがいつもこの森で狩りをしてるから、魔物たちはアレイクスの魔力に敏感なのよ。」


「ママは引きこもってるからバレてないのか。」


「そうだけどその言い方はなんか嫌ね。私は頭脳労働だから内職なのよ。」


「でも本職は王様でしょ?国ほっといて良いの?」


「大丈夫でしょ。なんかあったら連絡あるわよ。」


「そうかなあ。」


これはあれだね。国に帰ったら怒られるやつだね。

俺たちにとばっちりが来ませんように。


「じゃあ行くわよ、あなたたち。」


「「行ってきまーす。」」


「行ってらっしゃい。」


俺とママとトーリアの三人は、家の外の森を歩いて進んでいく。


「そういえば普通の木とヴィラントレントってどう見分けるの?」


「魔力が多い奴がヴィラントレントよ。あなた達なら見分けられるでしょ?」


「うん、なぜか魔力が見えるね。」


そうなのだ。俺もトーリアも魔力を視認できるのだ。

多分、ハイエルフと竜人の種族特性みたいなものだと思う。


「それなら安心だね。」


「ねえママ、魔物って魔力が多い方が強いの?」


「絶対じゃないけど、そう考えて問題ないわ。」


「あ、ママ、あそこの木、ヴィラントレントじゃない?」


「ん?ああ、あれは違うわね。魔力の高いただの木よ。」


「そうなの?よくわかるね。」


「だってこの辺はまだパパの縄張りだもの。ヴィラントレントなんて雑魚が近寄るわけないわ。」


「じゃあこの辺も家の庭ってことか。」


「あ、この辺の草原はアタシとパパがよく模擬戦してるよ。」


「おお、こんなところでやってたのか。」


こんな綺麗な草原でやってたら気持ちいいだろうな。


今度混ぜてもらおうかな、魔法ありで。



――――――――――――



「あ、あそこに居るのがヴィラントレントね。違いわかる?」


草原を抜けてさらに歩いた先にそいつは居た。


樹皮が黒々していて、周りの木と揺れ方が違う木だ。

普通の木の何倍も高い魔力を持っているようだし、間違いない。


「あの黒い奴?」


「そうよ。もうこっちには気付いてるでしょうね。」


「そうなの?全く動いてないけど。」


「あいつらの戦法は基本的に待ち伏せよ。近くに来るまで普通の木に擬態して、間合いに入ったら根で絡み取って、魔力を吸い取るの。」


「おお、恐ろしい魔物だな。」


「あいつらは火を苦手とするけど、絡み付かれると自分も燃えちゃうから使えないわ。遠くから燃やすのがセオリーね。でもそれだと練習にならないから、取り敢えず捕まってきなさい。」


「え!?やだよ!」


「大丈夫よ、アタシが切り裂いて助けてあげるから。」


「ええ……。はあ、分かったよ。絶対助けてよ。」


わざわざ敵に捕まりに行くなんて嫌だなあ。

潜入スパイとかこんな気持ちなのかなあ。


「ぴゅーぴゅぴゅー」


俺は口笛を吹きながら歩いて近づく。


うわあめっちゃ見られてるような魔力を感じる。

実際に目がある訳じゃないんだろうけど、なんかジロジロ見られてる感じがする。


ヴィラントレントの幹まであと1メートルの所まで近づいた時、地面から太い根が飛び出してきて、俺に巻きついて宙に持ち上げられた。


「いででででで」


痛えよ!めっちゃ締め付けてくるじゃん!

男の触手ものとか需要ねえよ!

あ、でも俺今ショタか。ならアリだな、痛くなければ。


でもあれだな、魔力を吸うって言ってたけど、思ったより全然減らないな。

それより締め付けられる方が痛い。

獲物はもっと優しく扱ってくれないかなあ。

そんなんじゃ同人誌に出れないよ、キミ。


「グローウ!大丈夫ー?」


「大丈夫ー!締め付けが結構痛いけど、それだけー!」


「じゃあそろそろ切るわねー!」


「よろしくー!」


ビュウッと風の刃で根が切り裂かれて、俺は地面に降りた。

即座に防御障壁を張って、もう一度捕まらないように壁を作った。


「こいつ、もうやっちゃっていいの?」


「待って、次はトーリアの番よ。」


「えーアタシもやるの?まあ、お兄ちゃん平気そうだし大丈夫か。」


「なに!トーリアもやるのか!?」


それはけしからんぞ!

R-18になっちまう!


「トレントくーん。捕まえてごらーん。」


ママに切られた根が再生して、トーリアに襲いかかる。

トーリアは大人しく捕まって、宙に持ち上げられた。


……別に何の問題もない絵面だな。

多分、トーリアが真顔だからだろうな。


「お兄ちゃん、これ全然痛くないよ?大袈裟じゃない?」


「え?結構痛かったぞ。ほら、ここ赤くなってる。」


「え、ほんとだー。お兄ちゃん弱いね。」


「お、お兄ちゃんが弱いんじゃないぞ!トーリアが強いんだ!」


「グロウの言う通りね、私だって赤くなるわよ。トーリアは身体が丈夫なのね。」


「ふーんそうなんだ。もう倒していい?」


「いいわよー。」


「じゃあ、ふん!うりゃあ!」


胴と一緒に縛られていた両腕に力を込めると、巻き付いていた根が弾け飛んだ。

そのままがおーの手を一閃すると、魔力の爪が伸びてヴィラントレントを切り裂いた。


またいつの間にか新しいことが出来るようになってるな。


「お、ちゃんと魔石を斬ったわね。流石トーリア。」


「魔石?」


「魔石ってなに?ママ」


「あら?無意識だったの?魔石っていうのは、えーと、これよ。」


ママがヴィラントレントの死体を漁って取り上げたのは、茶色っぽい水晶みたいな宝石みたいなものだ。

綺麗に真っ二つに斬られている。


「これが魔石。魔物の心臓みたいなものね。」


「綺麗な石だね。」


「ね、飾っておきたいくらい。」


「記念に持って帰って飾りましょうか。」


「わーい!あ、じゃあお兄ちゃんの分もゲットしなきゃ!」


「そうね、もう少し狩りを続けましょうか。」


「「おー!」」


その後、俺が2匹、トーリアが3匹のヴィラントレントを倒して、家に帰ることにした。


ヴィラントレントの死体は木材として需要があるらしく、ママの魔法ポーチに入れて持ち帰った。

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