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12話 オリジナル魔法を開発!

パパに模擬戦で扱かれた翌日。

俺が、


「今日は疲れたから体を動かしたくない」


と言ったら、


「じゃあ魔法の開発をするわよ!」


と言われたので、庭に机と椅子を並べて魔法開発をする。


トーリアとパパは今日も元気に模擬戦をしている。


「ドラゴンの体力パないね。」


「本当よ。毎晩こっちが先にダウンしちゃって、少し申し訳ないのよね。」


「いや、そっちは知らんが。」


というか、もう子供を産むつもりはないとか言いながら、毎晩お盛んなんだから。

俺はもう慣れたけど、トーリアも最初は……別に最初からあっけらかんとしてたな。

あれ?俺が一番初心なのかな?


「さて、魔法の開発だけどね、まずはイメージが大事よ。イメージがふわふわしてると魔法が形にならなくて危ないわ。」


「ふむ、イメージ。」


「どんな魔法が使いたいの?」


「そうだなあ……。」


この二年で初級の魔法と中級の魔法は使えるようになった。

と言っても、中級の魔法は初級の魔法を実用的にしたものが多い。


例えば初級の火魔法フレイムボールは、1メートルの火球を生み出す魔法だけど、中級の火魔法フレイムスロワーは、魔力を流している間炎を吹き付ける魔法だ。


一発弾けて終わりの火球を、魔力の限り燃やし続ける火炎放射にしたわけだ。

使用感としては、ふっと一息だけ吐く息を、ふぅーっと長く吹くようなもので、そんな難しくはない。


他にもフレイムウォールという魔法がある。

これは炎の壁を作って矢のような飛来物を燃やして無効化する魔法だ。


これはフレイムボール打ち出さずに目の前で止めて、壁になるように広げたものだ。

さっきのフレイムスロワーよりは複雑だが、そこまで難しくなかった。


とまあ少し脱線したけど、中級魔法を習うことで魔法のアレンジの仕方を学ぶことができた。


だからこその魔法開発なんだけど……。


「どんな魔法が使いたいのかなー俺。」


「なんでもいいわよ。私が手伝ってあげるからどんな魔法でも作れるわ。」


「それは本当に頼もしいけど……。」


「前世で好きだった攻撃はないの?」


「ママも見てると思うけど、攻撃とかしないんだよ前世の世界じゃ。」


「そうじゃなくて、武器はあったでしょ?それに物語の中では戦ってるじゃない。」


「あ、そっか。んーじゃあ……。」


なにが良いかなー

か〇はめ波みたいなビームも良いけど、実弾の方が分かりやすいかな。

ミリオタってほどじゃないけど、銃器が好きだったんだよね。


「そうだ、この世界には銃ってないの?」


「銃ってあれよね、火薬で鉄の弾を撃ち出すやつよね?確か人間が使ってたような気がするわ。」


「本当!?俺、銃が好きなんだよね!かっこよくない!?」


「えー?魔法の方が強いじゃない。あんな重たくて嵩張るもの持ち歩くのなんて、魔法を使えない人間だけよ。」


「魔法は素手で使えるから、そりゃそうか。じゃあ俺はエルフ初の銃魔法使いになろうかな。」


「あら、面白そうねそれ。土魔法の応用で出来そうね。」


「そうだね、初級土魔法のアースボールを鉛製にして、小さくして、形状はこんな感じかな」


「鉛なんてチャチなのじゃなくて、アダマンタイトとかにしたら?」


「なんかそれ凄そうだね。」


「エルフの船の艦砲はミスリルの合金で出来た弾の先端に魔石を埋め込んだものを使ってるわよ。」


「エルフの船の艦砲!?凄そう!」


「ミスリルは魔力伝導率が高いから、魔道具にも使われてる金属ね。それを少量混ぜた合金で弾丸を作って、魔法陣を刻むのよ。」


「どんな効果の魔法陣なの?」


「主に結界破壊の魔法ね。この世界の戦いは如何にして敵の防御結界を破るかが重要なのよ。」


「なるほど。じゃあただ魔法を撃つだけじゃダメなんだね。」


「そうね、結界を貫通する威力の魔法を撃ったり、結界を破壊する魔法を使ったり、方法は色々あるけど、まずはそれよ。」


うーむ、魔法難しいな。


「まあ今はそんな事はいいから、面白い魔法を考えてちょうだい!」


「うん、そうだね。実用的なのはあとでいいや。」


となるとやっぱり分かりやすい鉛の弾丸で、火薬じゃなくていいや、普通に魔力で打ち出すようにしよう。


人差し指と親指を立てた右手を構えて……


「バン!」


ヒュッと飛んだ鉄の弾丸が大岩に直撃してめり込んだ。


「なんか口でバンって言ってもかっこ悪いな。」


「じゃあ音を鳴らせたら?」


「そんなこと出来るの?」


「そんな難しくないわよ。魔力を音に変換してね……」


「ふむふむ……」



――――――――――



「お兄ちゃーん、魔法出来たー?」


「おお!トーリア!出来たぞかっこいいのが!」


「おー、どんなの?」


「見てろ。これが新魔法!『ガトリング』だ!」


俺は完成した魔法を発動させた。


発動と同時、空中に無数の弾丸が生み出され、一列に整列して弾丸の帯になる。

そして帯の一端が俺の指先の前にやってくると、端から一発ずつ連射される。


ドドドドドッと重低音が鳴り響いて標的の岩がガンガン削られていく!


「ひゃっほーー!!!!!」


「派手で五月蝿くて最高ね!」


「吹き飛べえええ!!!!」


「私もやるわよ!『ガトリング』!!!」


一緒に開発したママももちろん使えるので、二人で弾丸を撃ちまくる。


「「ひゃっはーー!!!!」」


トリガーハッピー最高だぜーー!!!

気持ちいいー!!!


「うるさい!!!」


初めて聞くトーリアの怒声にびっくりして、俺とママはピタリと魔法を止めた。


「さっきから鳴ってたのはこれだったんだね。アタシたちが模擬戦してるところまで聞こえてきてちょーうるさかったんだけど。」


「アンは魔法の事になると暴走するからなあ。」


「もうちょっと近所迷惑を考えて!石を打ち出すだけでなんでこんなうるさいの!」


「いや、やっぱ音がないと寂しくて……。」


「わざわざうるさくしてたの!?信じられない!これからは静かにやってよね!」


「いや、妹よ。この魔法はうるさくないとカッコ悪いんだ。これだけは譲れない。」


「じゃあ静かな魔法も作って!あとアタシの前では使わないで!」


「わ、わかった。それで妥協しよう。」


「なんでお兄ちゃんが譲歩したみたいな空気出してるの?その魔法を禁止してもいいんだからね。」


「すみません!調子に乗ってました!」


「ママも!もっと実用的な魔法を作って。」


「ええー?十分実用的よ?こんな連射速度の魔法なんて無かったし、音だって威嚇には最適で……」


「でもうるさいからアタシの前で使わないで。ママも、いい?」


「はーい。」


「はっはっは。トーリアは強いね。」


ちょっと冷静になってきて、やりすぎたかなって気がしてきた。

次は静かな魔法を開発するか。


「じゃあママ、次は爆発反応装甲から着想を得た、爆発防御障壁なんてどうかな?敵が殴りかかってくると爆発してカウンターになるっていう。」


「なにそれ!面白そうね!じゃあまず普通の防御障壁を教えるわね。魔力をこうしてね……」


「ほうほう、こんな感じかな……」


「もう、また迷惑な魔法を作らないでよね……。」



―――――――――――



そうして三日ほどかけていくつかの魔法を開発した。


名付けて銃魔法!

土魔法の中でも鉱物の弾丸を撃ち出す魔法に特化させたものだ。

地面を掘ったり埋めたりなんて事は土魔法に任せた。


一つ目はキャノン。


普通の銃弾じゃあ人間にしか効果がないらしく、対魔物用に口径を大きくした弾丸を撃つ魔法。

弾丸に魔法を刻んで打ち出せば、着弾してから爆発させたり、毒を注射したりできる。


二つ目はガトリング(消音)。


クレームのあった音声魔法を削除して小さい弾丸を連射する魔法。

口径を大きくしてキャノンを連射するキャノンガトリングも可能。

ただし消費魔力が跳ね上がるため注意。


そして最後にスナイプ。


遠見の魔法を組み合わせて、遠くの標的を狙い撃つための魔法。

ママお手製の弾道制御魔法を組み込み、弾丸の周りの空気を操るため風の影響も皆無。

恐らく前世の全スナイパーが渇望してる夢の魔法だ。


今のところはこの三つが銃魔法のレパートリーだ。


本当はちゃんと筒から火薬で撃ち出したいんだけど、筒を作るのも火薬で撃ち出すのも魔力の無駄だからやめた。

ロマンは大事だが、実用性も大事だ。


そしてもう一つ。


爆発防御障壁も完成した。


ママが打ち出した魔法を障壁の爆発で弾き飛ばしたり、トーリアが斬り込んできても爆発で吹き飛ばしたりできる。


でも、爆発だけじゃカウンターとしての威力は弱いから、別でカウンター魔法を開発中。


そしてもちろん普通の防御障壁も習ったから、一応戦えるようになった。


もう少し練習したら、いよいよ森へ狩りをしに行くぞ!

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