召喚されたら周りが大きくなっていた
基本的に主人公目線で物語が進んでいきます。
「」の横に名前がない場合は主人公の言葉となります。
【】の中の言葉は3人以上の人物が喋っている言葉です。
「ん………………ん?」
いつの間にか眠っていたのか、僕は目を覚まし、立ち上がった。
周りには大きな布の塊があり、遠くの方には柱?のような物が見える。
地面はとても綺麗な大理石の様だった。
因みに布の塊は素材と縫い方などから僕の学校の制服だと推測できる。
なんだこれ………………何があった?
確か、朝学校に来て……………席に座ってスマホを弄っていたら突然床が光り出して……………それで、視界が真っ白になったんだ。
………………いや分からない。
そう思っていると、突然布の塊が動き出した。
何やらうめき声のような物も聞こえる。
ま、まさか熊とかか?!服を着た熊か?!
昔映画で見たようになんとなく手を握り、前に出して構えてみる。
だが、聞こえてきたのは予想外の声だった。
海原「ここ、どこ?」
天ヶ「教室じゃない…………?」
朝野「なんだここ!ヤベェな!」
え、海原さんと天ヶ崎さんと浅野さん………………?!
その声は確かにクラスメイトの声だった。
それ以外にもクラスメイト達の声が聞こえてくる。
もしかしてこの大きい布の塊ってクラスメイト達だったのか?!
驚いていると聞き覚えのない老人の声がした。
国王「突然このアーフィリアの世界に召喚してしまってすまなかった。余はクレヴァス王国の国王、アルグレス・レラス・クレヴァスである。君達を魔王を討伐する勇者として召喚した」
国王がそう言うとクラスメイト達は騒ぎ出した。
野沢「巫山戯るな!俺達を元の世界に戻せ!」
秋森「そうだ!なんで俺達がそんなことをしなきゃいけねぇんだ!!」
山口「うちら、あんたらの都合なんて知らないんだけど?!」
加藤「家族と離れ離れになるなんて………………!!」
そう騒ぐクラスメイト達に対し、クレヴァス国王が口を開いた。
国王「今は君達を元の世界に帰すことは出来ない。しかし伝承では『魔王を倒した勇者は元の世界へ帰還した』とある。つまり魔王を討伐すれば帰れるのだ」
そう言う国王は一瞬だけだがニヤリと笑っていた。
………………ああ、もう戻れないのかもしれないな。
なんとなくそう思った。
野上「魔王を討伐しない限り、僕達は地球に帰ることが出来ない、と……………」
佐藤「だったら、俺達で魔王を討伐しようぜ!!」
小田「私達は勇者として召喚されたんだから!きっとできるわ!」
天ヶ「皆!!僕達で魔王を討伐して、絶対に地球に帰るよ!!」
【オー!!】
円陣には入れないし入るつもりもないが、彼等の足元に隠れた。
目を付けられたら面倒だしな。