第七話 今後の二人
「おまえに託す!!」
サエドンの言葉を思い出した。
託す…託されちゃったの?…俺…
晩ご飯を済ませ、俺は聖の部屋に行った。
だいぶ緊張している。
どんな顔をすればいいのだろうか…
俺が聖の家のチャイムを鳴らした。
インターホーンで俺とわかると勝手に入って来いと言われ、俺はリビングに行った。
聖はパジャマ姿のままソファに座り、テレビを見ていた。
「だ、大丈夫なの?か、風邪、も、もう」 俺はしどろもどろだった。
「あぁ、お母さんのおかげで良くなったよ。おまえに助けられたらしいな、
サンキュウ~」
聖が聖でない…喋り方が男だよ…
「なに落ち込んでんだよ。オレが男だったからか?」
オ、オレとか言ってるしぃ。
…顔は女だ、うっ…でも男だしぃ。
「悪いな!だましてて。でもさぁ、お父さんとお母さん、オレが男だって
告白しても喜んでたぜ。いい両親だよなぁ」
聖が言った。
「うん…ちょっとあの夫婦変わってるかも…」
俺が言うと聖は笑った。
「で、どーする?オレたち、これから~」 聖の言葉の意味がわからなかった。
「ど、どーするって?なにが」
「付き合ってく?それとも」
「俺、サエドンに頼まれたから、聖の監視役!だから…」
俺はなぜだか聖とこのまま終わりたくなかった。
他の誰かが聖の監視役になるのはイヤだと思う自分がいる。
どうしてだ…どーしたんだーーーー俺――――。
「うん~、じゃ監視役でオレと付き合っていくか?」 聖が俺を見て笑った。
「あぁ、ど、どっちみち後半年だし…」
「わかった。じゃぁ、よろしくね~城」 いつもの聖のかわいいしぐさで言った。
と思ったら、
「あっ、そうだ、悪いけど家にいるときはオレ男だから、頼むぜ!」
こ、今度は男になった…
とりあえず、このギャップに慣れよう。




