第二十五話 そして高校卒業(完)
卒業式当日、聖にとっては女生徒としての最後の日だ。
俺たちは、いままで通り、手を繋いで登校した。
―――今日が最後か…こうやって聖と手をつなぐのも…
俺は少し黄昏ていた。
そんな俺の気配を察したのか聖が言った。
「これからデートするときは、オレまた女になってやるから
こうやって一緒に歩こうな!」
「うん…」
―――やっぱ男同士で手を繋いで歩くのは世間の目があるよな…
かといって、聖は女装の趣味はないから卒業してからも女にさせるのは
かわいそうかなぁ。
そんなことを考えているうちに学校に着いた。
最後のHRでサエドンはすでに泣いていて、女子も男子も目が潤んでいた。
式の最後に3Bはみんな大泣きし、校庭に出てサエドンを胴上げをすると、
下級生や他のクラスの生徒から少し羨ましがられた。
それだけ俺たち3Bは一つになっていたと言うことだ。
卒業式を終え、「俺の彼女」は「俺の彼氏」になり、
「俺」と「彼女」の10ヶ月はこうして幕を閉じた。
完
ちなみに、卒業してからも3Bはサエドンを含め定期的に会っていて、
聖が男だとみんなにバレたのは卒業して間もなくのことだった…
そして…俺は4月から楽しい大学生活が始まる…予定…だった。
−−−日野が…
登戸くんが…
だ、だれか、誰か助けてくれ~~~~~!
一応、高校編はこれでおしまいです。
読んでくださり、ありがとうございました。