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第二十話 イケイケメンメン・コンテスト 1

午前中にコンテスト会場に集合だったので、俺と聖は先に家を出て、

おやじとおふくろは開場に合わせて来る事になった。



会場に着き、控え室に行くと出場者の半数近くがすでに来ていた。


「うっ、みんなカッコイイ…」 

俺は打倒日野!だけでこの日を迎えたので全国レベルを知らなかった。

全国各地から選ばれたメンズたちのレベルは非常に高かい。

というか、みんな線が細くて色白でモデルみたいだ。


―――俺…体力作り…一生懸命しちゃった…よ。日焼けも…


「聖、俺ヤバイかも…」 俺は気落ち寸前だ。

「だ、大丈夫…だよ。城、おまえが一番カッコイイ…よ」

聖の声は少し淀んでいた。

おまえも不安なのか、聖。


「やぁ、聖ちゃ~ん!!今日もかわいいねぇ。僕の応援に来てくれたのかい?」

控え室の奥から日野の声がした。

―――すでに来ていたのか、おまえは。

いつも目立っている日野がメンズたちの中に入るとイケメンオーラが薄くなっていた。

おまえがそんなんだったら、俺のオーラはどーなるんだ!


日野の声でメンズたちがこっちを見てざわついた。

俺じゃなくて聖を見ていた。

―――かわいいだろー、ちょっと自慢だ!


日野が近づいてきたが俺は今朝見た夢を思い出し、吐き気がして日野と目を

合わせられなかった。

そんな俺に日野が言った。

「城くん~かわいそうだが、聖ちゃんの横に引っ付いていられるのも今日、

 いや、夕方までだな!ぶっはっはっはっ」

いつものいやな高笑いが響き渡った。


俺たちは日野を無視して部屋の外に出た。

「おーい、無視するなよぉ~、お~ぃ」

後ろから聞こえる日野の声は少し淋しそうだった。


「城、あせらず、緊張せず全身で頑張れよ!とにかく目立て!オレちゃんと

 見てるからな!」

「うんうん!頑張る!」 

聖と熱い抱擁をかわし、聖は付き添い控え室に行ってしまった。


俺が出場者控え室に戻ると日野がすぐさま飛んできた。

「城…」

「な、なんだよ。しつこいなぁ」 

「お、おまえがいて少し安心…」 

いつもの日野じゃない発言にびっくりした。コイツも不安なんだろう。

地元ではNo.1を誇るいい男であっても全国区になると自信をなくすよな…

日野の気持ちはよくわかるよ…



「さっきの女の子、君の彼女?」 近くにいたメンズ君が聞いてきた。

「はい!そうです」 俺は間髪入れずに返事をすると、

「今日までは…」 と俺の横にいた日野が早口な小声で言った。

不安がっているわりには、そこらへんは譲れないらしい。


「かわいい子だよね、いいなぁ」

「ボクも彼女みたいな彼女ほしいな」

周りのメンズたちが口々に言った。


「えっ?みなさん、こんなにカッコイイのに彼女とかいないんですか?」

俺は素直に質問してみた。


「だって、ボクらレベルに似合う女の子って少ないよね」

「やっぱ、連れて歩くんだったらそこそこいい女じゃないと…」

―――あっ、そういうことですか…



その後、主催者側スタッフからコンテストの流れを説明され、通しリハをやった。

コンテストの流れは、最初、舞台に25名が全員並び、自己紹介をする。

一度袖に引っ込み、一人づつ特技を披露。

その後、10名にしぼられ、審査員からの質問に答え、グランプリ1名と

準グランプリ1名が発表される。



俺たちはリハを終え、再び控え室に戻り着替えた。

日野はNo.5の札を、俺はNo.21の札を胸に付けた。

出場者は全員で25名だ


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