第十八話 戦いはこれからだ!
俺の体力作りは、期末試験が終わり、クリスマスが過ぎ、正月を向かえ、
冬休みが終わっても続けられていた。
聖は、年末年始の一週間香港にもどっていたので、初詣には受験の神様のいる
神社へ健児たちと行き、受験合格とコンテスト優勝をお願いしてきた。
聖が日本に戻り、新学期が始まった。
コンテスト本選は2月14日バレンタインデーの日だ!
しかしその前に大学試験がある…
今日も教室の中で勉強と体力作りに頑張っていたが、
放課後、久しぶりに日野がお付のメンズたちと校門で俺たちを待っていた。
しかし、女子は群っていない。
龍星高の生徒たちは俺の応援にまわっている。
「やぁ、聖ちゃん!しばらく見ない間に、またかわいくなったね。
僕のためだったらうれしいなぁ」
相変わらず日野はニヤけていた。
「ふん!あなたのためじゃないわよ!ぜ~んぶ城のためなんだから!」
―――いいぞー聖。もっと言ってやれ!
「2月14日の優勝は城がいただくわ!」
聖の言葉に日野の顔がピクッ動いた。
「へ~、おまえも本選に出るんだ。まぁ、今日はそれを確認しにきたんだけどね。
僕はまぁ、本選出場は確実だったんだけどね。君の本選出場に僕もまたまた
張り合いがでるわけで…ははははは~~」
日野は高笑いをして聖の頬を撫でた。
聖は日野が触った頬をゴシゴシと拭き、日野菌を取り除くと、
「城~」と言って、俺に腕を絡ませピトッとくっ付いた。
俺は内心デレデレだったが、冷めた目で日野を見て言った。
「悪いな、日野。おまえにかまっている時間はないんで、失礼」
日野の引きつった顔を確認して俺と聖は背を向けて歩きだした。
「まじキモイやろーだぜ。城、本当に優勝しろよな!じゃないとオレ
あのキモ野郎と付き合わなきゃなんねんだからな」
「うん!わかった!」
俺たちは深くうなづき合い、夕日をバックに家路に着いた。
万が一、俺がコンテストで負けて、日野が聖と付き合うことになり、
聖が男とわかったら日野はどうするのだろう…
などという疑問は俺たちには全くなかった。
俺はただ、聖を取られたくないだけだ。