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『ワイルドキャット・カンパニー』 ~俺達、過疎ゲー、ゲーマーズ~  作者: 水野 藍雷
第3章 遺志を継ぐもの……
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第34話 ミッション5-4 その2

 階段を上ると敵は居なかったが、開けっぱなしの扉の先の部屋には敵の集団の姿が見えた。

 エリート兵が6体とガーディアンが1体、ライトタンクが4体。

 そして、その集団の奥には、先へ続く扉とその扉の左右に敵が湧く転送装置が設置されていた。


アンダーソン『どうする?』

すぴねこ  『インプラントは……いけるな。まずは催涙弾で視界を奪う。アンダーソン、目を保護するゴーグルを付けろ』


 ヘルメットに付けているサーマルスコープを下に降ろしてから、KSGに催涙弾を装填。

 アンダーソンもゴーグルを付けるのを見て、作戦の続きを説明する。


すぴねこ  『アンダーソンは中に入って、スモークが消えたらインプラントを使え』

アンダーソン『敵の中にエリート兵が居るぞ』


 言い返すアンダーソンにフラッシュバンを見せて軽く振る。


すぴねこ  『あいつ等、これに弱いんだよ。敵が怯んでいる内にグレネードで転送装置を破壊してくれ』

アンダーソン『なるほど』

ミケ    『私は?』

すぴねこ  『ご親切に扉が開いているだろ、ここから隠れて狙え。優先はエリー……待て!』


 部屋の中の転送装置が光ると、ウォーリアーとバーサーカーが1体づつ現れてこちらに向かってきた。


すぴねこ  『どうやら、わざわざご親切に挨拶しに来るらしい』

アンダーソン『最初から部屋に居る敵に動く気配は見られない。向かって来る敵を叩こう』

すぴねこ  『それでオッケー。んじゃ俺とミケがウォーリアーを殺るから、バーサーカーを頼む』

ミケ&アンダーソン『『了解』』


 部屋の隅に控えて敵が来るのを待つ。

 そして、部屋の中に敵が入るのと同時に、近距離からショットガンを放ってウォーリアーを吹っ飛ばした。

 アンダーソンがバーサーカーを倒し、起き上がろうとするウォーリアーの頭をミケが撃ち抜いて撃退する。


すぴねこ  『クリア』

ボス    『こっちもクリアした。突入は待て!』


 どうやらボス達がタレット兵を殲滅したらしい。


すぴねこ  『意外と早かったな』

チビちゃん 『ねえさんが居たからね』

ねえさん  『褒めても、何もないわよ』


 階段を上って現れたボス達と合流して、改めて突入準備をする。


ボス    『すぴねこの作戦で行くぞ。ただし、こちらも数が増えたから全員で突入する。それと、エリート兵を誘発するインプラントはねえさんが担当だ』


 ボスの指示に全員が『了解』と応えると、部屋の中央に向けて催涙弾を投擲した。


ボス    『ムーブ!』


 部屋の中央が催涙弾の煙で包まれて突入を開始。

 敵からの当てずっぽうの銃弾が降り注ぐ中、無傷で煙幕前の遮蔽物まで移動してから、KSGにテイザーXREPを装填する。

 そして、サーマルスコープの熱源反応を頼りに、ガーディアンに弾丸を放てば、テイザーXREPを喰らったガーディアンが電撃のショックで攻撃を止めた。


すぴねこ  『ガーディアンは抑えた!』

チビちゃん 『ライトタンク2体のジェネレーターがボーン!』


 俺がガーディアンを押さえている間に、チビちゃんがライトタンクの後方にグレネードを放って、2体のジェネレーターの破壊に成功。


ねえさん  『インプラントを使うわよ!』

ドラ    『オッケー。フラッシュは俺がやる』

ボス    『全員伏せろ!』


 ねえさんがインプラントを発動すると、同時にエリート兵もインプラントを発動して攻撃が激しくなった。

 しかし、ドラがフラッシュバンを放り投げて激しい光と爆発音が聞こえると、攻撃がピタリと止んだ。


ボス    『チャージ!!』


 ボスが身を乗り出して脇に抱えた軽機関銃を乱射。それに合わせて全員の一斉攻撃が始まった。


 アンダーソンとチビちゃんのグレネードが転送装置の破壊に成功。

 ボスとミケとドラの3人がエリート兵を4体倒し、ねえさんが先ほど装甲が剥がれたライトタンクを2体倒した。

 これで残りの敵は、左にエリート兵が2体、中央にガーディアン、右にライトタンクが2体となる。


すぴねこ  『アンダーソン、行くか?』

アンダーソン『もちろん!』


 顎をしゃくって敵陣への突入を誘えば、肩を竦めて笑みを返してきた。


すぴねこ  『俺は右から行く。そっちは左から行ってくれ』

アンダーソン『了解』

すぴねこ  『ガーディアンの前で落ち合おうぜ』


 アンダーソンがニヤリと笑みを浮かべて頷くのを確認すると、俺とアンダーソンは身を屈めて部屋の左右に移動を開始。

 そして、インプラントを発動すると、そのまま敵陣へ向かって走り出した。







 2体のライトタンクが俺の前で立ち塞がり、彼等は俺を殺そうと軽機関銃を放った。

 射線から逃げ場がないのを判断すると、右の壁に飛び上がって壁を蹴り、さらに高く飛び上がる。

 そのまま側宙して上下逆さまになると、その真下を弾丸が通り過ぎた。

 空中でスラッグ弾を放ち、ライトタンクの装甲を破壊する。


 着地と同時にサイドステップしながら、ポンプを引いてリロード。

 もう1体のライトタンクが慌てて弾丸を放つが、その弾丸は俺がステップする前の場所を通り過ぎていた。

 撃たれる前にスラッグ弾を放ち、2体目のライトタンクの装甲を壊すのに成功。同時にインプラントの効果が切れた。


すぴねこ  『後は任せる』

ねえさん  『了解』


 後はねえさんに任せると、ガーディアンに振り向いた。


 一方、アンダーソンは、左から回り込み敵陣に侵入するとエリート兵の陽動を誘い、ミケとドラがエリート兵を撃ち殺していた。

 そして、アンダーソンは俺よりも先にガーディアンと対峙すると、接近攻撃を躱しながら俺の攻撃を待っていた。


すぴねこ  『待たせたな』


 ホルスターからグロックを取り出すと、ガーディアンの背後から両腕のユニットを撃ち抜く。


アンダーソン『デートの時間に何時も遅れる、俺の彼女よりかは早かったぜ』


 俺にターゲットを変えたガーディアンが振り向くのを見て、アンダーソンが両足のユニットを破壊した後にジェネレーターを壊した。


ドラ    『リア充かよ!』


 言おうとしたセリフを先に言われて、顔を顰めながらKSGのトリガーを引く。


すぴねこ  『バーチャルとは違うんだよ、バーチャルとは!』


 俺とアンダーソンが同時に銃を撃ち、ガーディアンは前後からヘッドショットを喰らって背中から床に倒れた。


ドラ    『だから現実の女だ。それに、女の顔を理解できないお前にだけは言われたくねえ』

すぴねこ  『俺は女の顔じゃなくて、心を見てるんだよ』

ドラ    『それ、結婚できない独身貴族の典型的な思考だぞ』

すぴねこ  『……マジ?』


 ガーディアンを倒して俺とドラが言い合っていると、ねえさんとボスが2体のライトタンクを倒して全ての敵を殲滅した。


ボス    『オールクリア。お前等ウルサイ、戦闘中だぞ。それに、すぴねこが女性の顔を正常に見れたとしても、性格が捻くれて結婚なんて無理だ』

すぴねこ  『待て、今のはどういう意味だ?』

ミケ    『言葉のままでしょ。もしかして、自分がピュアな心の持ち主だと思ってるの?』

すぴねこ  『……20過ぎてピュアな心とか、ただのマザコンじゃね?』

ミケ    『つまり、穢れてるのね』

すぴねこ  『穢れ言うな! せめて捻くれていると言え』


 ミケに言い返していると、奥の扉が開いて新手のバグスの集団が現れた。


ドラ    『チッ! どうやら、休んでいる暇はないらしいな』

ボス    『全員、攻撃開始!!』


 慌てて遮蔽物に隠れてから、ショットガンを放つ。

 まだミッションは始まったばかりで、俺達の行く先には多くの敵が待ち構えていた。

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