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『ワイルドキャット・カンパニー』 ~俺達、過疎ゲー、ゲーマーズ~  作者: 水野 藍雷
第3章 遺志を継ぐもの……
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第7話 ミッション5-1 その3

 要塞の薄暗い通路を進み、階段のあるホールへと入る。

 ホールでは階段を守る様にバグス兵が待ち構えて居た。


すぴねこ 『コンタクト! ドロント5、ウォーリアー1』


 仲間への報告と同時にインプラントを起動。世界がスローになる。


 敵が撃つ前に接近して、目の前のドロント兵にショットガンを放った。

 高速でリロード。続けざまに隣のドロント兵も撃ち殺す。


 2体倒している間に、他のドロント兵が俺を狙って銃を撃ち、ウォーリアーが突進してきた。

 サイドステップで敵の弾丸を回避。体を低くしてショルダータックルを仕掛けるウォーリアーをひらりと躱す。

 そして、ウォーリアーの背後に回ると、後頭部に銃口を押し当てて頭を撃ち抜いた。


 再びリロード。目に入ったドロント兵を撃ち殺す。

 敵の数が半分以下になり、残り2体のドロント兵が銃を撃つのを止めると自爆の突進を開始。

 自爆で近づかれる前に連続でショットガンを撃って2体を殺すと、インプラントが終了して元の世界に戻った。


すぴねこ 『オールクリア。25秒で6体か……まあ、ウォーミングアップには丁度良かったな』


 戦闘が終わり静かになった部屋で、俺の声だけがする。


チビちゃん『やっと、すぴねこ君の本気モードが見れたね。おめでとう』

ミケ   『全部一人で倒しちゃって呆れたわ』

ねえさん 『本当よ。少しは手を抜きなさい』

すぴねこ 『そりゃ失敬』

ドラ   『はいはい、俺ツエェ、俺ツエェ』

すぴねこ 『お前ウゼエェ』


 皆に肩を竦めつつ、ショットガンに弾を装填する。

 俺の使うレミントンM870ショットガンは14インチサイズで、装弾数が6+1発入る。

 そして、インプラントの稼働時間が25秒も有ると、雑魚なら効果が切れるまでの間に6体ぐらいならギリギリで倒せた。

 俺のインプラント構成とショットガンの弾数は相性が良いと言える。


すぴねこ 『なあ、ドラ。ロック様が俺のスキルをパクったのは聞いたけど、武器は何を使ってるんだ?』


 俺の質問にドラが良い笑顔を見せた。キメェ。


ドラ   『安心しろよ。聞いた話だとアサルトらしいぜ』

すぴねこ 『そりゃ残念だ』


 口では残念と言いつつも、ニヤリと笑い返す。


 ロック様は俺よりもプレイヤースキルがあるかもしれない。だけど、彼は武器の選択を間違った。

 動体視力と筋力増加のインプラントを合わせると高速で動けるが、インプラント発動中はセミオートの銃だとリロードが追い付かない。

 アサルト銃でもインプラントが使えないわけではないが、連射速度と弾速が自分の感覚とズレて、ロック様はさぞ苛ついている事だろう。

 実際にミケは動体視力のインプラントを使っているが、慣れるまでかなりの時間が掛かっている。


ボス   『久しぶりだからと言って、今の調子だと弾が尽きるぞ。少し控えろ』

すぴねこ 『了解』


 ボスの警告を素直に頷き階段を上れば、奥へと続く通路が見えていた。







 通路を進むと前方から敵が次々と現れた。

 そして、一部のドロント兵は、俺達を見つけると同時に突進してきた。


すぴねこ 『気を付けろ。クレイジーが混ざっている』

ボス   『了解』


 俺の報告を聞いたボスが前に出ると、軽機関銃を乱射。ボスの威嚇射撃で敵が怯んで動きを止めた。

 クレイジーモードの敵はシールドで防御を固くして自爆特攻してくるが、それでも撃たれれば怯んで動きが鈍くなる。

 その隙に俺以外の皆がヘッドショットを決めて、敵を倒していた。


 ボスの攻撃中、クレイジーモード以外の敵がボスを狙って銃を撃つが、サイボーグ化したボスは撃たれてもダメージが少なく、しかも自動で回復してほとんど無傷だった。


 そして、背後にしか弱点のないライトタンクは毎回最後まで生き残るが、雑魚敵を殲滅すると自爆行動で近づくため、俺がインプラントを発動させて後方に回りジェネレーターを破壊すれば、後は誰かが倒していた。


 通路の敵を倒しながら先へ進み、次の部屋に入る。

 誰も居ないと思った部屋は、俺達が入ると同時に奥の扉が開いて、ガーディアン1体とタレット兵5体が現れた。

 俺達が戦闘体勢をとる前に、ガーディアンが挨拶代わりのグレネードを放つ。


ボス   『全員回避!』


 散開してグレネードの到着地点から距離を取るが、爆風で俺、ドラ、女性3人を庇ったボスが被弾した。

 俺は全体HPの20%を損傷。新しいアーマーのおかげで致命傷には至っていない。


 お返しにチビちゃんがガーディアンにグレネードを放つ。

 しかし、ガーディアンが剣を振り払って弾を弾き飛ばすと、跳ね返った弾は壁に当たり誰も居ない場所で爆発した。


チビちゃん『……むう』


 敵を倒せず、チビちゃんが不貞腐れる。

 しかし、チビちゃんのグレネードが囮となったのを見逃さず、部屋の左を壁沿いに走りだした。

 走りながら、ショットガンのポンプを引いて弾を取り出し、替わりにテイザーXREPを装填してポンプを戻す。

 近づく俺にタレット兵が攻撃。俺の走り抜けた後ろを弾丸が通り抜け壁に穴を開けていた。


 今度は俺の移動を囮にして、皆がタレット兵を攻撃して撃ち倒す。

 タレット兵が撃たれて床に落下する中、グレネードの装填が終わったガーディアンが射撃体勢に入っていた。


すぴねこ 『遅い! よって罰ゲーム』


 撃たれる前にテイザーXREPを放つ。

 テイザーXREPが命中すると、ガーディアンの体に電撃が走り動きを止めた。


ボス   『チビちゃん!』

チビちゃん『はいな!』


 俺の合図でチビちゃんが再びグレネードを放つ。

 グレネードの弾丸がコロコロと転がり、ガーディアンの背後でピタリと止まった。

 逃げたくても感電していて動けないガーディアンの足元でグレネードが爆発。

 全てのユニットが破壊して、ジェネレーターを守るバリアが解除された。


ねえさん 『ミケは頭よろしく』

ミケ   『了解!』


 部屋の右隅で待機していたねえさんがジェネレーターを破壊して、ガーディアンの装甲が解除される。

 最後にミケがヘッドショットを決めて、全ての敵を倒した。







ミケ   『オールクリア』

ドラ   『ここまで余裕だな』

すぴねこ 『さすがドラ様。なめプ(なめたプレイ)でイキリっすか。この調子で頼のんますわ』

ドラ   『チョッ……イキってねえし、言い方にトゲ!』


 余裕そうなドラに向かって肩を竦めれば、慌てた様子でイキリを否定してきた。


チビちゃん『はいはい、ドラ君のイキリは何時もの事だから。今のでダメージ受けた人、集合』

ドラ   『なんか、チビちゃんにイキリ認定されてるんですが……』

ミケ   『全員同じ気持ちだけど、今頃気付いたの?』

ドラ   『嘘?』


 驚くドラに向かって全員が「イキリ野郎」という視線を向ける。


すぴねこ 『まあ、イキリってのは自覚がないらしいからな』

ねえさん 『すぴねこが言うと説得力があるわね』

ボス   『確かにな』

すぴねこ 『お二人さん。チョット後で話をしようか』


 冗談を言いながらボス以外の皆がチビちゃんの周りにが集まった。


チビちゃん『はい、エリアヒールっと』


 チビちゃんが床にメディカルキッドを叩きつけると、緑色の煙が噴き出て全員のHPが回復した。

 これはチビちゃんが取ったメディック兵専用のスキルで、範囲回復の効果があった。

 ちなみに、ボスはサイボーグ化で自動回復する代償に、メディック兵の治療で回復できない。


ボス   『よし、先に進むぞ』


 回復した俺達を見てボスが先を促して、俺達は先へと進んだ。


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