第八十一話「デリンジャーvsリボルバー」
リボルバーが入り口にいるのでバレルとゆきは部屋から出られない。穴に戻るには天井への高さがある為、それも難しい。
「たく、世話がやける。」
バンッバンッ
デリンジャーは入り口にいるリボルバーを部屋の中へと誘導するように射撃する。だが、リボルバーもそう簡単には退かない。……否、リボルバーに撃った弾がリボルバーの肩を掠める。
「ちっ」
リボルバーが舌打ちしたのと同時にデリンジャーの弾が片目を失っているリボルバーの視覚へと回ってくる。
「ぐあっ?!」
デリンジャーの弾はリボルバーの右腕を抉る。リボルバーはデリンジャーからの猛攻を避けようと入り口から部屋の右側へとよろけた。その隙にバレルとゆきは部屋の外へと脱出できた。
「っ!くっ!逃がしたか!」
「よそ見してんじゃねぇー。」
バンッ
★★★★
天井にいたバレットとピストレット、コルトは天井から移動し、隠し通路の先にある南口の廊下へと移動していた。
「大丈夫か?誰かいないか?」
「ああ、誰もいないよ。」
様子を伺うコルトにバレットが聞いた通りそこには誰もいなかった。
「とりあえず、片っ端から爆薬を仕掛けなくちゃね。」
ピストレットはその天井に爆薬を仕掛けて床へと降りる。
「ああ、急ごう!」
コルトはゆきに渡してある無線を繋ごうとするが返答はない。
「キャノン、行くわよ!」
「あ、ああ。」
★★★★
デリンジャーはやはり優勢に勝負を進めていた。しかし、リボルバーも負けてはいない。片目がないとは思えないほど正確な射撃とスピードでトリガーを引く。だが、どうしても失った右目をカバーしようとして左側に隙ができたり、右を庇わないと右側から射撃されかねない。更に、何よりデリンジャーは明らかにリボルバーより格上である。
「俺は負けるわけにはいかねぇーんだ!!」
「そりゃそうだろうよ。俺を裏切った今、お前に帰る場所なんざなくなったってわけだからな!」
全く隙がないどころか隙を付こうとして逆にリボルバーと隙を付いて弾丸が走る。
ダンッ
両者が同時に撃っただが、
「があ……なん…で……」
朱い血が床へと落ちる。リボルバーはデリンジャーを越えられなかった。
まだ若造の頃のデリンジャーに挑んだが為にそれからデリンジャーの元で働く事になったリボルバー。デリンジャーさえいなければ負けなしの、おそらく最強だっただろう。そんな彼を差し置いてバレルなんて小僧を右腕にし、老兵の自分は左腕にされた事に納得がいかなかった。ずっと自分を倒したデリンジャーへの復讐を考えていたのだ。ずっと、ずっと、そして……このバレット騒ぎに乗じてデリンジャーを倒して全てを得るはずが拾われたはずの命すら捨ててしまったのだ。
「がはっ……あぁ…」
リボルバーの口からは朱いモノが吐き出される。腹に一発。そして、
バンッ
「あぁ……」
心臓を穿たれた。リボルバーはその場に崩れ落ちる。朱い血は彼から止めどなく吹き出ていた。デリンジャーがたばこに火を付ける。
「たく、世話がやける。」
ふぅーと煙を吐き出すとそれをリボルバーへと投げた。
「おっさん、ゆっくり眠れ。今までご苦労。」
そういって部屋を後にした。老兵は静かに永遠の眠りに付いたのだった。
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