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第六話「そのアニメは紅茶の香り。」


今日が来た……。ミサはテレビをつける。思い返せば一週間前、親友が天に旅立った日の事………。

テレビをつければ親友に瓜二つの少女が悪役を助けると言う衝撃のラストを迎えた一話。

EDが流れる中放心状態となる私。


それからとにかく、いろいろ調べてみるが親友と新キャラが瓜二つの事に関して記載されたモノはなく。声も偶然似た声の声優らしく、親友に瓜二つなのは偶然の一致らしいが……。


「なんの因果か……。」


テレビをつける。今日は何を隠そう「トリガーバレット」の二期の第二話の放送日である。


ゆき似の人大丈夫かな?デリンジャーを庇って頭から血流してたけど……!?


親友ではないだろうが、そっくりなので気になって仕方なかった。ところで、新キャラの名前ってなんだろう?確かまだ名乗ってなかったなぁ。OPがリビングに流れる。


「おっ、始まった!」


「ミサ、お菓子あるんだけど紅茶飲む?」


母の声がキッチンから聞こえた。


「うん。」


リビングのソファからテレビを眺めるミサに、母は紅茶を入れながらキッチンから声をかける。


「あんたまた、アニメなんか見てんの?勉強は大丈夫なんでしょうね?」


「ハイハイ、大丈夫!大丈夫ー!」


「それにこれはゆきが好きだったヤツだし……。」

そう言う、娘に母はボソリと優しげな声でこう言った。

「…そう。ゆきちゃんの代わりに見てあげてるのね。」


少し重苦しい空気の中、友達思いの優しい娘に育ったのだと母は微笑んだ。


親友似の女の子が登場する。頭の怪我は治療されていた。


「おっ!生きてる!?」


良かったぁ。無事だったんだぁ………て、別にゆきではないんだし!!そんなに心配とかしてないしっ!!ただのアニメだしっ!!


脳内でツンデレるミサの前に母がトレイを持ってやって来る。

「ミサ、お菓子と紅茶置いとくわね?」


「うん、ありがとうー。」


眼の前のテーブルの上にチーズケーキと紅茶が置かれた。

紅茶の香りがリビング中に広がる。


「わぁ、美味しそうー!」


そのブルーベリーソースのかかったレアチーズケーキはあまりにも美味しそうにみえた。


「今日、ゆきちゃんのお母さんから頂いたの!有名なところのらしいわ!」


キッチンから自慢する母の声が聞こえた。


「ふーん。」


気がなさそうな返事をしながら皿に置かれていたフォークを手に取り、チーズケーキにフォークを入れる。


サクッと言う下のタルト生地の切れるいい音がした。


そうしてテレビに、眼を向けながら口に運ぶ。


「うまー!」


「そう、良かったわ。」


チーズケーキに舌鼓しながらテレビを見るとテレビはバレットの登場場面に変わっていた。


バレットには興味ないんだよなぁ。私が今一番興味あるのは……。


チーズケーキを食べ終えた二話終盤になった頃、ようやく親友似の少女が出てきた。


「ミサ、紅茶。おかわりは?」


「うん。入れてー。」


「はいはい。」


そうしてティーカップに二杯目の紅茶が注がれた。

テレビを見ながらティーカップに手をつける。

バレルが少女に声をかけるシーンが流れた。


「名前は?」


紅茶を口に含む。


「私はゆき!よろしくね?バレル君!!」


ぶぶぶーーーーーーーっ?!?!


その聞き覚えのある声と名前に耳を疑い、勢いよく紅茶を吹き出していた。


「げぼっげほっ…!!」


「ミサどうしたの?!」


母は突然、何故か紅茶を吹き出した娘を心配しながら不思議そうに見守る。

「い、いや、なんでも、……けほっ。」


「大丈夫?ゆっくり飲みなさい。もう、こんなに溢して……。」


紅茶で悲惨な事になったテーブルの上を母はタオルで拭う中、ミサは心底その現実を疑った。


「これ本当に現実なの?!ははっ………。」

もはや笑うしかない私の周囲には紅茶の香りが漂った。

この小説は不定期掲載となります。申し訳ありませんがご了承ください。


評価、感想お待ちしてます。



それでは次回までエターナル( ´ ▽ ` )ノ

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