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第四十四話「ファーストキス」


しばらく薄暗い山道を歩くコルトとゆきは寄る辺なく彷徨っていた。


「コルト君、次のアジトまでどれぐらい?」


「しらん」


「しらんて……」


「お前の方が知ってるだろ?」



そう、この道は知っている。だからこそ確認をとらなければならない。


「ここからあと一キロ先に町がある。どうする?」


「その町がアジトのある所なんだろ?」


「そうだよ。でも、いいの?一人で…」


「お前を盾にするから問題ない。」


「そうかな?私はたぶん、捨てられたと思うの……」


「……ふーん?」


「ふーんて、…きゃっ!?」


その場でゆきはコルトにいきなり押し倒される。


「かわいそうになぁ?じゃ、ここで死ぬか?」


「い、いや……っ!????」



そして急に唇を奪われる。突然の事でゆきはよくわからずに驚くばかりだった。


そう言えばさっきよくわからないきのこを食べた気が……あ!


そう、ゲーム版のストーリーに毒バレットがキノコをたべてピストレット以外に恋に落ちるはなしが……。



解読方法は…。水を飲ませる事っ!!


み、水なんて…ゆきはコルトを押し退けて水を探す。なんとか近くに川をみつけるとそれをコップのような形にした葉っぱにくんだ。



「コルト君!これを…」


「そんなのいいから抱かせろよ。」


「?!?!はい?!?!」


「遊ぶだけだ…」


うん、気のせいだね。と、言うよりきのこ恐るべし……。ゆきはなんとか無理やり水を飲ませた。


「……あれ、僕…」


「あ、起きたの?!コルト君!」


「…………忘れろ。」


「へ?」



「さっきのわすれろーっ!!」


バンバンー


「ひぇぇええええっ」


何故か銃を向けられ追いかけ回される事になったゆきはさっきのことをきれいに忘れる事にしたのだった。


★★★★


デリンジャー達はピストレットを連れて本部のアジトへと車で移動していた。


「ちょっと、私をどこに連れていくつもりなの?」


「お前が気にする必要はねぇ。」


「私は…うっ」


ピストレットはどこかぼうっとして頭痛に頭を押さえた。


「お前は俺の新しいおもちゃだ。」


「へ?」


そうしてピストレットのファーストキスは奪われた……。


ゆきと扱いが違うのはタイプの問題らしい。

★★★★


対してバレットはゆき達と逆の方向へきていた。

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