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第十九話「手巻き寿司パーティーは勝利の後で」


「さぁ!手巻き寿司食べましょう!!」


デリンジャーの部屋にて張り切って海苔に酢飯を乗せるゆきを背に、デリンジャーとバレルの眼は死んでいた。何故こんな事になったのかと言うと話しは数時間前に遡る。


★★★★★★


西のアジトから海路を経て電車に乗ったバレルとゆきの二人は無事に本部へと戻る事ができた。そして、帰るや否やデリンジャーに呼び出されたのだ。デリンジャーはバレルに今回のバレット撃退の報酬を与えた。そして、ゆきにも何か褒美を取らせると言うのだ。


「さぁ、小娘。何が欲しい?金か宝石か?なんでもいいぞ?」


「うーん、じゃあバレル君とデリンジャー様と私で、三人で手巻き寿司食べましょう!」


「「は?」」


その答えにバレルとデリンジャーは眼を丸くした。


★★★★★★


そして今に至る。


「ささ!デリンジャー様もバレル君も食べて食べて!」


ゆきは手際よく海苔の上に酢飯を乗せ、ネタを乗せていく。マグロとサーモンを乗せた。


「いただきます!」


もぐもぐと美味しそうに食べるゆきだがデリンジャーとバレルは気まずそうに静まり返っていた。


「なあ、なんで俺がお前と飯を共にしなけりゃならねぇ?」


デリンジャーは横目でバレルに視線を送る。

「そんなの俺に聞かないでくださいよ。なんでもなんて言ったデリンジャーさんの落ち度ッスよ。」


ゆきは一人で手巻き寿司をもぐもぐと食べていく。


「さ!バレル君も!」


ゆきは自分が作った手巻き寿司をバレルへと差し出した。


「なっ?!お、俺は…」


ゆきは拒否しようとしたバレルの口へ無理やり手巻き寿司を押し込んだ。


「ね?美味しいでしょ?」


「……まあ。」


それを見ていたデリンジャーは眉をひそめた。


「おい、女。」


「は、はい!」


突然呼ばれた事に動揺するゆきにデリンジャーは静かに話しかける。


「俺にも寄越せ。」


「は、はい!!喜んで!!」


ゆきは大急ぎで手巻き寿司を作る。なんとか大急ぎで作った手巻き寿司をデリンジャーへ渡そうとするが、食べさせるように催促された。


「あ、は、はい。」


ゆきは照れくさそうにしながら手巻き寿司をデリンジャーの口へと運んだ。それを見ていたバレルは少し複雑な気持ちになっていた。


俺の時は普通に押し込んできたくせに、デリンジャーさんの事になると乙女なんだな……変なやつ。


しばらく手巻き寿司パーティーは続いた。


★★★★★★★


パーティーが進むにつれてゆきは騒ぎすぎたのか疲れ果ててうとうとと微睡む。


「おい、ここで寝るなよ。聞いてんのか?!バカ女!」


「う……ん。」


そのままバレルの肩にもたれてゆきは眠ってしまった。


「ベッドに運ぶ。貸せ。」


「いえ、こいつは俺が責任をもって連れて帰るんで、デリンジャーさんはベッド使ってくださいね。」


「……貸せと言っただろぉが?」


「いえ、必要ありません。今は俺が預かってるので。」


デリンジャーもバレルも一歩も引かない。バレルも何故自分がデリンジャーとゆきを争って言い合いをしているのかよくわからない。よくわからないがなんとなくデリンジャーに快くゆきを渡す事が不愉快だったのだ。


「ふん、いいだろ。好きにしろ。」


デリンジャーは少し不機嫌そうにそう言った。


「はい。」


「いっておくがソレは俺のオモチャだからな?」


「はいはい、わかってますよ。ただ、預かった限りは責任がありますので。」


「……」


殺伐とした糸が張ったように張り詰めた空気を二人をゆきの寝言が和ませた。


「むにゃ……もう食べられな……い。」


「「……」」


ゆきの寝言で二人はいがみ合うのをやめた。


「……バレル、ここ片付けておけよ。」


「え?あ、はい。」


テーブルの上には手巻き寿司の酢飯の残りと具材、飲み物海苔などが散乱していた。


………結局片付けるのは俺かよ。


バレルの深いため息が重くのし掛かったゆきのように重々しい空気を醸し出していた。その後、片付けが終わるとバレルはゆきを担いで部屋へと戻って行った。


しばらくお休みします( ・ω・)

そう、つまりストックはほぼないのです。

( ・ω・)キリッ

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