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蓬莱島の工作箱  作者: 秋ぎつね
31/73

022-1 箸置き その1 (型作り)

仁「こんにちは、魔法工学師マギクラフト・マイスターの二堂仁です」

礼子「お父さまに作っていただいた自動人形(オートマタ)でアシスタントの礼子です」


仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第22弾その1です。

礼子「今回は箸置きですか?」

仁「そうだ。まあ半分はキャスティング超初心者コースだな」

礼子「釣り……じゃなくてレジンキャストですね」

仁「そうだ。『常温鋳造法コールドキャスト』ともいう。今回は型作りまでだな」





挿絵(By みてみん)


仁「まずは型枠の素材だ」

礼子「プラスチックの板ですね」厚さは1ミリくらいです

仁「そう。今回型枠材料にはシリコーンゴムを使うんだが、プラスチックは溶かさないとはいうものの、貼り付きにくいポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)の板がいいな」PP板は多分100均にある




挿絵(By みてみん)


仁「カットするためにけがく」

礼子「鉛筆ですね?」

仁「型の外形だから、多少誤差があってもいい」1ミリくらいの誤差は許容範囲だ




挿絵(By みてみん)


仁「で、カットした」

礼子「カッターで切れるんですか?」

仁「切れる。まあ紙を切るよりは力がいるが」怪我にはくれぐれもご注意ください

礼子「本体にも軽くカッターでスジを入れておくと折り曲げやすいです」切ってしまわないよう注意です




挿絵(By みてみん)


仁「で、組み立てるというか」

礼子「底に何か貼ってありますが?」

仁「この後雄型を固定するための両面テープだな」これも100均ので十分




挿絵(By みてみん)


仁「で、雄型の材料だ」

礼子「なんですか、これ?」

仁「渋谷のハ○ズで売っていた『人造大理石』で『コーリ○ン』だな」○はそれぞれ ン と ア です

礼子「硬そうですね」

仁「そうでもない。メタクリル樹脂、というからアクリル樹脂の仲間だな」削ったり磨いたりする加工がまあまあしやすい

礼子「軟らかいと磨いても艶が出ませんしね」紙粘土みたいなものではダメですね

仁「いや、その場合はサーフェーサーを吹いて磨けば多分行ける」

礼子「試してみるのもアリですね」

仁「自己責任でお願いします」




挿絵(By みてみん)


仁「で、雄型を作った」切って削ってひたすら磨いて

礼子「カットはいつものバンドソー、削ったのはベルトサンダー、研磨はスポンジヤスリとコンパウンドでしたね」

仁「そうそう」

礼子「形はどうしてこれなんですか?」

仁「箸置きだからな。真ん中が少し凹んでいたほうが安定がいいんだ」




挿絵(By みてみん)


仁「で、型枠にセットする」

礼子「両面テープで底に貼るわけですね」

仁「うん。だから箸置き、この場合は『雄型』だな。雄型の1面は平面である必要があるんだ」

礼子「横はガムテープですか?」

仁「それでいい。ただ、少しでも隙間があるとそこから型取り用のゴムが漏れてくるぞ」ちゃんとPPにくっつくテープならマスキングテープでもいいです




挿絵(By みてみん)


仁「さて、いよいよ型取りゴムの準備だ」

礼子「計量するわけですね」

仁「うん。型が直方体だから、おおよその体積が出る。で、流し込むゴムの比重もわかっているので、必要な量というか重さが計算できるな」

礼子「で、はかりが必要なんですね」

仁「そう。できれば0.1gまで計れるといいかな」

礼子「台所用のものを使う時は汚さないようラップで包んでから使うといいですよ」




挿絵(By みてみん)


仁「シリコーンゴムだ」ちなみに シリコン というとケイ素のことで、 シリコンからできた化合物を シリコーン という

礼子「シリコンゴムでも通じますけどプロの方はシリコーンゴムと呼んでいるようです」




挿絵(By みてみん)


仁「混ぜるための『ディスポビーカー』だ」

礼子「ディスポーザブル(使い捨て)のビーカーですね」

仁「うん。ただ、シリコーンゴムはプラスチックを溶かさないので紙コップでもいいな」

礼子「樹脂の場合はダメですけどね」

仁「あと、作業の時はポリエチレンかビニールの手袋をしましょう」

礼子「万が一手に付いたらシンナーのような溶剤で拭いてください」




挿絵(By みてみん)


仁「で、重量比をきっちり計って混ぜ合わせるわけだが……」

礼子「何か問題が?」

仁「ああ。……硬化剤と混ぜ合わせると反応硬化する製品がほとんどなんだが、かき混ぜる時にどうしても気泡が入るんだよなあ」

礼子「入らないようにする方法ってあるんですか?」

仁「一応あるぞ。『真空脱泡』ってやつだ」気圧を下げると気泡が浮かんできて自然消滅する

礼子「でも、お高いんでしょう?」

仁「だな」

礼子「他にはないんですか?」コツとか


仁「あるっちゃある。まず、静かにかき混ぜること」

礼子「勢いよく混ぜると気泡が入るんですね」

仁「そうだ。だが撹拌不足で硬化しないという落とし穴がある」

礼子「それは怖いですね」


仁「あとはゴム(主剤)の粘度を下げることだな」

礼子「ああ、サラサラならすぐに気泡が浮き上がってきますものね」水みたいに

仁「そのために、少し温めてやるとかな」まあ夏ならそんな心配はないんだが」

礼子「そうですね」


仁「あと、製品によっても随分違う」

礼子「そうなんですか」

仁「今回作者が使ったのは『シームレス』っていうシリコーンゴムだ」

礼子「割合使いやすかったみたいですね」

仁「ただ1つ不満なのは、色が白で気泡が見えないんだよな」完成するまで不安で不安で

礼子「ああ、半透明のシリコーンゴムなら気泡がどこにあるか見えますものね」

仁「以前使った某楠の型取りシリコーンは半透明だったが粘度が高めで、もう悲惨なことになったようだしな」

礼子「ああ、狐のお面の置物を作った時ですね」

仁「そう。まあ、型の表面に気泡が出なければ使い物にはなるんだが」心配な方は刷毛でまず雄型にシリコーンゴムを塗ってから流し込むといいです




挿絵(By みてみん)


仁「で、流し込むとこうなる」

礼子「お豆腐みたいですね」

仁「俺もそう思った」

礼子「で、製品の硬化時間分放置するわけですね」

仁「そうそう」




挿絵(By みてみん)


仁「で、念のため24時間放置して型から外した」

礼子「気泡は大丈夫ですね」

仁「うん。型の上の方が泡立っているくらい、気泡が上がってきてくれたみたいだ」




挿絵(By みてみん)


仁「で、型が完成した」

礼子「きれいに外れましたね」

仁「シリコーンゴムは接着力がないからな」

礼子「離型剤を塗布しておくとなお安心ですね」専用のスプレーがあります

仁「だな」型枠と雄型は再使用可能です




仁「というわけで、『片面取り』の型作りでした」

礼子「次回はここに樹脂を流し込むんですね」

仁「そうなるな」


仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」

 ごらんいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 人造大理石の雄型の時点で一点モノの箸置きが出来てる件 振「型に流し込む時に色つけてマーブル模様にしてみたいな。」 エ「理想と現実の残酷さに絶望するのがオチだよ、兄者w」 振「ガーン( ̄◇ ̄…
[一言] >>釣り……じゃなくて 明「全力で釣りに行ってるだろ」 56「・・・・・・あれ?」竿&リール&ルアー >>型枠材料 明「型枠と型の材料は別・・・」 56「VM004+VM007とVM001…
[良い点] シリコーンゴムでキャスティング アクリルあたり流し込みますか [気になる点] 伏せ字になってない されてもこまるけど [一言] 次回 ベーゴマを鋳物とか
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