番外03 お狐様グッズ
仁「こんにちは、魔法工学師の二堂仁です」
礼子「お父さまに作っていただいた自動人形でアシスタントの礼子です」
仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画ですが今回は番外編です」
礼子「今回も番外ですか?」
仁「そう。年末で色々忙しいのと寒くなったのでモノづくりができなかったらしい」
礼子「それで番外編と」
仁「そういうことらしい」
* * *
仁「そういうわけで、まずはフィギュア系です」
礼子「白狐ですね」
仁「伏見稲荷とか、そうしたお稲荷さんに行くと、陶器製のお狐さんが販売されていたりするんだが、自己流で作ったらしい」
礼子「素材はなんですか?」
仁「針金で骨格を作ってからポリエステル樹脂を盛って、硬化したあとで削って着色……ということだな」
礼子「フィギュアと同じですね」
仁「原型師もそうやってるのかなあ」
礼子「こっちはリアル系ですね」
仁「かなり苦労したらしいな。特に塗装がテカってしまったのが残念らしい」
礼子「確かにそうかも」
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礼子「あ、面白いですね」
仁「博多人形風にしたらしい」
礼子「これも素材は同じですね」
* * *
礼子「お面ですか」
仁「大きさは畳の目で想像してください。だいたい5センチくらいです」
礼子「これもポリエステル樹脂ですか?」
仁「原型を作って、シリコーンで型取りしたんで同じものを大量に作れるらしいな。もっとも、今は型が壊れてしまったようだが」
礼子「どれだけ作ったんですか」
仁「面倒くさがって離型用のシリコーンスプレーを吹かなかったら抜く時に型が切れたらしい」
礼子「……」
* * *
礼子「小さくなりましたね?」
仁「うん。やっぱり原型を作ってシリコーンで型取りし、『銀粘土』というやつで作ったんだ。純銀だぞ」
礼子「型取りは難しいんですか?」
仁「これとさっきのやつは『片面取り』という方法なのでさほどでもないな。原型を平らな板の上に置いて型枠で囲んで中にシリコーンゴムを流し込むだけだ」
礼子「立体フィギュアは『両面どり』でしたっけ」
仁「そうなる」
礼子「色が違うのはメッキですか?」
仁「そう。金メッキとロジウムメッキをしている。磨いて艶を出したものとそのままのものとあるが、俺は艶消しのほうの質感が好きかな」
礼子「メッキは難しいんですか?」
仁「趣味用のキットが販売されているよ。それを使えばニッケルとか銅メッキもできる」
礼子「キーホルダーとかアクセサリーとか作れそうですね」
仁「いずれ紹介したいな」
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礼子「根付ですね」
仁「今風に言えばストラップだな」
礼子「木でできていますね。手で彫ったんですか?」
仁「そう。ちなみにカヤの木だそうだ」
礼子「高級な碁盤とか将棋盤にする木ですね」
仁「そうだな。香木っぽい木で、彫っているといい香りがするそうだ」
* * *
礼子「鈴ですか」
仁「銀で作った鈴だな。板をタガネで打ち出して、それを張り合わせて銀ロウ付けして……というものだ」
礼子「面倒そうですね」
仁「でも澄んだいい音がするのでお気に入りだってさ」
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仁「というわけで、作者が作ったきつねグッズでした」
礼子「ペンネームにふさわしく、お狐様が好きなんですね」
仁「だな」
* * *
仁「というわけで、番外編第3回は『おきつね様グッズ』でした」
礼子「お読みくださりありがとうございました」
仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」
ごらんいただきありがとうございました。




