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蓬莱島の工作箱  作者: 秋ぎつね
11/72

009  カレイドスコープ

仁「こんにちは、魔法工学師マギクラフト・マイスターの二堂仁です」

礼子「お父さまに作っていただいた自動人形(オートマタ)でアシスタントの礼子です」


仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第9弾です」

礼子「今回はカレイドスコープですか? 随分と趣旨が変わりましたね」

仁「たまにはな」作者が書いた別のラノベにちょこっと出てくるんだ

礼子「ああ、そうでしたね……」


仁「日本語では万華鏡」昔は駄菓子屋さんでよく見たんだが今はどうなんだろうな

礼子「駄菓子屋さんがなくなりましたからね」

仁「そうなんだよな……まあいいや。気を取り直して、まずは構造の解説だ」



挿絵(By みてみん)


礼子「鍵となるのは三角に組み合わせた鏡ですね」

仁「そうなるな。鏡がなければただのガラスの裏に黒い紙を貼ったものでもいい」

礼子「ああ、背後からの透過光がなくなることで、ガラス表面の反射が利用できるんですね」

仁「そういうことだ。窓ガラスが、暗い方から明るい方はよく見えるのと同じだな」

礼子「外が暗いと窓ガラスに顔が写りますからね」

仁「そうそう」



挿絵(By みてみん)


仁「で、材料だ」

礼子「メインは鏡と筒ですね」

仁「そう。この鏡はハ○ズで売ってたアクリルミラーだ。ガラスより加工性がいいし危険が少ない」割れないからな

礼子「筒は?」

仁「ラップの芯だな」トイレットペーパーの芯ではないですよ

礼子「この芯の中に、三角に組み合わせた鏡を入れるわけですが、どのくらいのサイズに加工すればいいんですか?」

仁「三角関数を使うと簡単だ」



挿絵(By みてみん)


仁「つまり、ガラスの短辺L=2r・sin60°だな」rは筒内部の半径です

礼子「なるほど、こうやって求めるんですね」数学も役に立つんですね

仁「平方根は電卓やパソコン、スマホの計算機能で求められるしな」昔は三角関数表というのがあってだな……

礼子「昭和ですか」でも、今も数学の教科書の巻末にあるのかも?


仁「こほん、この芯は外形33ミリ内径が30ミリだった。つまりr=15だ」

礼子「sin60°はおよそ0.866ですからL≒25.98ですね」

仁「そういうことだな。ただ、鏡の厚みもあるし、大きすぎると筒に入らなくなるから、やや小さめにして、緩かったら紙を巻く位のほうが失敗は少ない」

礼子「でしたら25ミリで作ればよさそうですね」

仁「そんな感じだな」



挿絵(By みてみん)


仁「で、鏡をカットした」

礼子「道具は何ですか?」

仁「アクリルカッターや金ノコだな」作者はバンドソーで切ったようだ

礼子「加工の際は怪我にご注意くださいね」

仁「ついでに筒も、鏡の長さプラス5ミリで切りました」

礼子「直角に切るのがコツですね」


仁「で、鏡を三角に組み合わせて、トレーシングペーパーを貼り、中に色紙や色セロハンを細かく切ったものを入れれば、一応は万華鏡になる」トレーシングペーパーがないならキッチンペーパーでもいい

礼子「でも、上を向けると中身が落ちてきますね」目に入りそうです

仁「まあ当然だな。だから筒に入れるため一工夫するわけだ」

礼子「鏡はテープで仮止めしてエポキシ系の接着剤で止めればいいですね?」

仁「十分だな」



挿絵(By みてみん)


仁「ピンぼけなのは許してください」m(_ _)m

礼子「透明なプラスチックの板を丸く切るんですね」

仁「そう。筒の内径に合わせて直径30ミリだな」モノはUSBかなんかのケーブルが入っていたブリスターパックを使った

礼子「以前はPVC=ポリ塩化ビニールが多かったですが最近はダイオキシン問題のせいかPET=ポリエチレンテレフタレートが多いですね」

仁「だな。……もちろん市販の透明樹脂板を使ってもらっても結構です」

礼子「この辺の工作がちょっと精度を必要としますね」丸く切ることや隙間なく嵌めることなんか

仁「まあな……。それを嵌めて、色紙や色セロハンを入れて、今度は筒の外形に合わせた半透明のプラスチック板で蓋をすれば……」半透明の板がなければ、透明の板を貼ってからトレーシングペーパーを貼ればOK

礼子「なかなか乳白色の樹脂板って手に入りませんよね」トレーシングペーパーやキッチンペーパーを貼ったほうが早そうです

仁「だな。……これで、本体は一応完成だ」

礼子「これなら上を向けても落ちてきませんね」

仁「そりゃそうだ」ところで、色紙や色セロハンの代わりにスワ○フスキーとかのカラークリスタルを入れるとすごいことに



挿絵(By みてみん)


仁「で、のぞき穴の付いた蓋も付けて、周りをちょっとデコレーションしてやれば……」100均のマスキングテープなんかがおすすめです

礼子「豪華になりました」



挿絵(By みてみん)


仁「で、明るい方に向けてくるくる回すと……」

礼子「綺麗ですね」

仁「デザインにも使われているそうだ」

礼子「2度と同じ模様にはならないでしょうからね……」一期一会です



*   *   *



仁「というわけで、第9回は『カレイドスコープ』の解説でした」

礼子「今回はちょっと高度な加工も入りましたね」

仁「素材も手に入れにくいものが若干あったかな」アクリルミラーとか

礼子「お父さま、お疲れさまでした」


仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」

 ごらんいただきありがとうございました。


 20201130 修正

(誤)

仁「だな。……もちろん市販の透明樹脂板を使ってもらっても結構です」

仁「まあな……。それを嵌めて、色紙や色セロハンを入れて、今度は筒の外形に合わせた半透明のプラスチック板で蓋をすれば……」半透明の板がなければ、透明の板を貼ってからトレーシングペーパーを貼ればOK

(正)

仁「だな。……もちろん市販の透明樹脂板を使ってもらっても結構です」

礼子「この辺の工作がちょっと精度を必要としますね」丸く切ることや隙間なく嵌めることなんか

仁「まあな……。それを嵌めて、色紙や色セロハンを入れて、今度は筒の外形に合わせた半透明のプラスチック板で蓋をすれば……」半透明の板がなければ、透明の板を貼ってからトレーシングペーパーを貼ればOK


 20210104 修正

(誤)礼子「sin60°はおよそ0.866ですからr≒25.98ですね」

(正)礼子「sin60°はおよそ0.866ですからL≒25.98ですね」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 009  カレイドスコープ 更新ありがとうございます。 [一言] カレイドスコープってどうなっているのか疑問に思っていた時期がありましたので、ありがたい記事でした。 次回の更新も、楽しみ…
[一言] 小学生のころ、なぜか「スパンコール」を集めることが流行っていた時期がありまして、 万華鏡作るときにビーズと一緒に何枚か入れた覚えがありますね 鏡は近所にあったガラス屋さんで切ってもらいました…
[良い点] 更新ありがとうございます。 万華鏡、お土産店や駄菓子屋さんでよく見かけました。 冬休みの工作に持ってこいですね。 [一言] ホ「まずは私がバンドソーの解説を。」 振「俺がコタッツに改良型を…
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