わかりやすい現代語訳シリーズ その11 「 韓非子」より
法家の、法治思想、法治主義の考え方を表す、典型的なたとえ話です。
◯昔、韓の国の王様が、酒に酔って、うたた寝をしてしまった時、風邪をひいてはいけないと気をきかして、カンムリ係が王様にコロモを掛けてやった。目をさました王様は、うれしそうに、「だれがコロモを掛けてくれたのか」と尋ねた。家来たちは、「カンムリ係です」と答えた。
そこで、王様は、カンムリ係とコロモ係を、両方とも罰することにした。コロモ係は仕事に手落ちがあったからである。カンムリ係は、あたえられた仕事以上の出しゃばったことをしたからである。
忖度((そんたく)なんか、いらない、とも読めます。
キッチリした、いい世の中になるでしょうか。
それとも、うるおいのない、ギスギスした世の中になるでしょうか。