保全フォーヴィスム
激発する事柄を
消し炭にして
流露に身を任せる
朴直な人間では無いが
自らを探すしか出来ない
内臓を揺さぶる事で
鈍化した心情へ
響かせる声
穏やかなだけの川は
既に人工物だ
土気色で怯える
人間の感情は
躓く事への恐れ
充電器に自らを
突き刺したまま
何も無いのは当たり前で
身体と心を携帯しなければ
熟慮する事は出来ない
生きてる事への横着者だから
訪れる人間も同じ色だ
天才じゃ無くとも
生き残れる世界
可燃物は点火しなければ
燃えることは無い
憂鬱である事が
天才的に上手いのなら
それで生きる術もある筈だ
思いつかないのは
考えるという戦い方が下手だから
生きているだけで
リスクはあるのに
自らを動かさず
生きているだけでは
一秒後ですら
変えられない
内在する自分を
消し炭にして
変流の波に乗る
多機能的人間では無いから
自らを試すしか出来ない
生命を昂ぶらせる事で
堅固な身体へ
浸透する力
遠目に
綺麗なだけの山は
近づけば険しい
道すがら立ち止まる
人間の感情は
失敗への恐れ
充電器から
解き放たれたのは
何かあると見つける為
嘘で固めた自己満足を
黒で塗り上げた心情を
生きてる事への横着を
踏みつけられるからこその
努力だ
凡庸であるから
生き残れる世界
そんな心情への同意を
無視する事は出来ない
不屈である事が
天才的に下手なのなら
それで生きる術もある筈だ
運を味方につける事は
人間には計算出来ない
生きているだけで
リスクがあるなら
支払った分だけの
運は味方である筈だ
差があるのは
それを
無視していたからだ
動かない理由を
棚に並べて
面白いと言えるのは
一週間だけ
増えていく理由に
圧迫されて
一部屋分を倉庫みたいに
使っている
それは忘れられる存在の作り方だ
「居たね」じゃなくて
「居たっけ?」になる理由だ
大小様々な光を
人間に当てはめるなら
根本的な行動は同じ
取り敢えず
光っている
何もしなくても
生き残れる世界
何もしなくても
生き残れる居場所
そんな所で暮らしていながら
そんな所で動かないなら
上を向いて
光の呪文を唱える理由は無い
何もしないというリスクを選ぶ
それで
生きていく人生もある筈だが
最低のリスクには
最低の目が向けられる
当人の人生など関係なく
目の前の現象だけを見るのが大衆だ
自らを動かさず
生きているだけでは
そんな奴らに
文句が言えないのだ