転移したのに転移できない
勇者は魔王を倒す。
勇者は魔王に倒される。
このお決まりといってもいい世界の理は一体だれがつくりあげたのだろうか・・・
「えー!やだよ俺勇者なんて。」
「そんなこと言ったってパーティーメンバーに1人は勇者を入れないと登録できないじゃないの。」
周りの人間が大声で話すなか、その2人も周りに負けないような大声で話している。
「勇者なんて冒険者のジョブのなかで唯一転移できないゴミみたいなジョブじゃねえかよ。」
「私がいれば転移できるんだから問題ないでしょ!」
「そういう問題じゃねえんだよ・・・」
「文句言われたって、魔王を倒すには勇者がいないとトドメさせないじゃないの。」
「んなこといったってよお。」
勇者は魔王を倒す。
魔王は勇者に倒される。
魔王は勇者がトドメをささなければ、たちまち傷は癒えていく。魔王が出現した今、冒険者ギルドではパーティーメンバーに必ず勇者を入れるよう促している。
「あのぉ・・・ご登録なさいますか?」
「すみません!今します!」
そういって彼女はそそくさと記入した。
「あってめぇ!何勝手に勇者にしてんだよ!」
「もうこれでいいじゃないの。あとでぱんぱん亭でご飯おごってあげるからさ。」
「ちっ」
勇者は転移ができない。それは子供でも知っている常識だ。しかし、魔王の根城に行くには転移魔法を使うしかない。どんなに強い勇者でも1人では決して魔王に辿り着くことはできない。魔法使いも戦士も、僧侶もシーフさえも転移魔法を使える。原因は不明のままだが、勇者は転移魔法を使えない。
「おかわり!!」
「そんなに食べてたら太るわよ。」
「俺はアキ姉と違って太りづれぇもん。」
ガンっ
「いってぇよ!!ホントのこと言われたからって足ふむなよ!」
ガンっ
「いってぇ!!この暴力女!」
アキはヒールを鳴らしながら聞いた。
「ケン?なんか言った?」
「言ってないっす。」
「あいよ。」
なんてことない昼下がり。店員が慌ただしく動き回ってるなか、姉弟は遅めの昼食をとっていた。
「ホントに魔王を倒せば帰れるのかしら。」
パスタをくるくると回しながらアキは言う。ケンは食べるのを少しとめ、
「そんなこといっても、こういう転移もんは大体魔王かなんかの強い感じのやつ倒して帰るか、永住かだろ?」
「最近のラノベ終わらないから絶対に帰れる方法ってほぼわかってないじゃないの。」
「おとさ、泣きながらさがしてるだろうなあ。」
「早く帰ってあげないとね。」
初めての投稿。ドキドキの投稿。友達できるかしら・・・
それは登校・・・
こんなところまで読んで頂き恐悦至極でございます。
鬼頭日向と申します。
売れたらいいな・・・そんな野望を抱いて小説を書くことに至りました。
小説は読むことは多かったですが、書いたことはなかったので文章も大変ごめんなさいな感じになっております。
ぜひ暖かい目でみてください。冷たい目だと目が乾きますよ。
それでは、今回はこのあたりで失礼します。
お読みくださりありがとうございました。