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2話 お腹空いた
なぜだろう?
「ゲギャゲギャ」
「ギャギャ、ギャギャー」
「ゲッゲッゲ」
みんなで食事をしている。
けれど僕には食べさせてくれない。
「ギャッギャッーー!!」
うん、凄い大きな鹿だよね。
お父さん?なのかな?おじさんがぶつけた石でトドメを刺したんだよね。わかるよ、身振りや手振りでなんとなく。
「ギャッ、ゲギャ」
五人で食べるから一人で食べるよりも量は少なくなるだろうけどさ、
「ギャーーッ!!ゲッゲッ!!」
僕だけなんで食べさせてくれないの?
突き飛ばしたり、しないでよ。
「ゲッ!ゲゲッ!!ゲーーッ!」
お母さん?なのかな?一人だけメスだもんね。兄さん?弟?かな??僕の兄弟達には食べる隙間を空けてくれて、なんで僕には空けてくれないの?
「ゲギャ、ゲギャッ」
ああ、みんな食いしん坊だからドンドン鹿が無くなっていくよ。
「ゲッゲッゲ………」
あ、やっと場所をあけてくれたんだね。
みんな森の中を進んでった。
「……………」
鹿、もう骨しか残ってないや。
ゴリ、、、ガリ、、、ゴリ、、、
あ、ちょっとだけ味がする。
血の味だ。
ゴリゴリ、、、ガリ、、、
お腹、空いたな。。。