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魔法と奇跡  作者: 蒼狼
5/6

一戦



剣道場に向かう途中、職員室で暇そうにしていた担任の峰崎に魔法使用の承認を得る。

剣道場は会議室からそう遠くなく3分ほどの距離。その間一切の会話なかった。



晴「始めよう」


グレフ「防具ぐらいは着けても構わんぞ?」



挑発といわんばかりの態度。

剣道の防具は剣道で打ち合うからこそ意味がある。ただの喧嘩に使っても邪魔なだけだ。

そう思いつつ、グレフとは反対の所定の位置に立つ。



晴「必要ない」


グレフ「大した自信だな。……なら、始めるぞ」



グレフが魔術式を書いた紙を竹刀に貼り付ける。

その瞬間、竹刀だったはずの物は長い槍になっていた。



グレフ「一気に行く!」



グレフが槍を構えて突進してくる。それを躱し蹴りを一発入れた。

が、蹴りは防御されたようだ。槍で蹴りを受けたグレフが後ろへと押されていた。



グレフ「初撃で決めるつもりだったんだがな……。相応の実力はあるらしい」


晴「遠慮してないで使えよ、魔法。魔法に勝たなきゃ意味がない」



この喧嘩の目的は生身で魔法師に勝つこと。

魔法を使っていないグレフに勝っても、それは俺の力の証明にはlならない。



グレフ「いいだろう、ならば見せてやる。グレフ家の魔術をな…」



そう言って数枚の紙を取り出し槍に貼り付ける。そして槍から赤や青といった色のオーラが出てきた。



グレフ「いくぞ…」



グレフが槍を俺へと向ける。そして次の瞬間、数本の細い「何か」がすごい速さで向かってきた。

……だが、超人的な動体視力と反応速度を活かし、それを回避。そのまま地面を蹴って一気にグレフまで接近する。もちろん、脚力も並外れているため一秒とかからずに6m近い距離を詰められる。



グレフ「ッ!?」



さすがにこれには驚いたようで、グレフに一瞬の隙ができた。

そこに一発拳を入れる。さすがにこれには反応できなかったようで、この一発は見事直撃した。



グレフ「が…は……ッ」



よし。まずは一発。

このままもう一発…… と思ったが、槍に纏わり付いていた細い何かがまた襲ってきた。

急いで距離をとるため、後ろに飛ぶ。



グレフ「なかなか効いたぞ…」


晴「それは良かった」


グレフ「最後の魔術だ…。これで……!」



グレフが最後の魔術式を発動させる。その瞬間グレフの槍には黒い霧を纏った。



蓮華「あれは…」



一瞬会長の方に目がいった。そして次にグレフへと集中した時、すでに視界から消えていた。

けど… なんとなく分かる。………後ろだ。


考えるのとほぼ同時に体が動き、後ろから来ていたグレフの槍をギリギリで……いやちょっとカスったけど回避。

そして最後に一発、グレフのこめかみへと拳を入れる。

グレフはそのまま地面へと叩きつけられ、立つことはなかった。



蓮華「終了。勝者、六興晴」



会長が告げる。

周囲は唖然としていた。まぁ当然だろう。ヴィンハイムの風紀委員の委員長というのは、魔法科の中でも特に優秀な生徒にのみ就任権がある。

つまり、この女は魔法科の優等生というわけで、ただの生徒が、ましてや普通科の生徒が勝てるわけない。



蓮華「六興くん。勝ったことはスゴいのですが…… 女性の顔を殴るのはどうかと思います」


晴「仕方なかった」



それにこめかみだから痣になったとしても髪で隠せるだろう。



グレフ「……おい」



後ろを見るとグレフはフラフラになりながらも立っていた。槍はもとの竹刀に戻っている。



グレフ「お前……名前は…?」


晴「六興晴」


グレフ「私はフィグネリア・グレフ…。……先ほどの無礼を詫びよう…貴様の実力、見事だった」


晴「それはどうも。……これで文句ないな?」


グレフ「ああ…。…何か困ったら風紀委員に来い。力になろう…」


晴「わかった。……わかったからもう休め」


グレフ「そう…する……」



それだけ行ってグレフはまた倒れた。

そしてようやく動きだした数人の観客がグレフの元へ駆け寄る。



蓮華「後は任せましょう。……戻りましょうか」


晴「ん…。了解」



これで会長も多少は安心してくれるんじゃないかな…。

そんなことを考えながら、会長の横を歩いた。


ご一読ありがとうございました。

5/13(火)更新予定 よろしくお願いします

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