キミ僕・オサナイヒ:白河伊織side
先に連載のキミと僕との恋愛事情を見ておいた方が良いです。
わたしは10年前、はじめて友達ができた。
相変わらず、わたしの居場所は病院だったけど、友達の岡崎くんができてからは、今まで退屈だったこの場所も、とても楽しい場所になっていた。
だから、彼に向ける気持ちが好意に変わるのは、当然だった。
でも、わたしは普通の人と違って、長くは生きられないらしいから、お願いした。
わたしが死んじゃうまで、ずっと一緒にいて、わたしのお願いを叶えてって。
彼はよく分かっていないみたいだったけど、お願いを約束してくれた。
それから彼は、ずっと一緒にいてくれた。
自分が退院しても、度々病室に来てくれた。
わたしは、彼より一歳年上だったけど、高校に入って手術で1年留年してしまって、同じクラスになった。
彼は変わらず接してくれて、嬉しかった。
わたしの心配をとてもしてくれるし、守ってくれる。
でもそれは、彼にとって、”約束したから”、やっていることなのだと思うと、
心に穴が空いたような、空虚な感覚に襲われた。