プリンが弱点?!
騒がしい教室の中で、俺は机に突っ伏していた。
「はあ、俺はいったい何をやっているんだ……」
こんなはずじゃなかったのに!俺のバカ!
今日は高校の入学式。なのに、俺――小鳥遊柚子は、直前の自己紹介で噛みまくっちまった。最悪だ、さっきまで自信満々にプリンドッグのフィギュアを撫でながら「今日こそ学校を攻略してやる!」なんて意気込んでいたのに。
「はあ、プリンでも買いに行くか」
俺は自分を奮い立たせるように呟いた。
そうだ、俺はプリンを愛している。
朝食に一個、昼食に二個、夕食に三個。
ある日の夜、夢の中でプリンを見た。彼女はその滑らかで柔らかい唇で「結婚しよう」と言ってくれて、その時になって俺は気づいたのだ。「あれ? 俺、もしかして中毒か?」って。
そこから謎の恐怖心に襲われ、傷ついた心を癒やすためにプリンを一個食べ――って、違うわ! 買いに出かけたんだ……。って、もういいよ。俺は歩きながら、そんなプリン中毒の自分に向けて盛大にため息をついた。
その時、ふと周囲が妙に静まり返っていることに気づいた。
「あっ、やばい」
昼休みがもうすぐ終わっちまう。今日はいったいどうなってんだよ! どうして俺みたいなか弱い柚子プリンばかり狙い撃ちにするんだよ! 俺はただプリンを食べたかっただけなのに。
そろそろ教室に戻ろうとした時、隣の使われていない教室が目に留まった。
「あれ、誰もいないはずなのに」
気になって教室のドアを開けてみると、誰もいないはずの教室なのに、明かりだけが煌々とついていた。そして、俺の目の前に現れたのは――ライトノベルに出てくるような美少女……ではなく、それよりも眩しくて可愛い、超巨大なケーキ……の真ん中に挟まったプリンだった。
先にはっきり言っとくけど、俺、小さい頃ケーキを食べるときは、いつもケーキを……ぜんぶ……きれいに……食べてた、よな?
って、ちょっと待て! 俺、もしかして真ん中のプリンしか食べてなかったか……?
っ、ゴホン、今のナシ。
俺はゆっくりと歩み寄った。(待てよ、これってさすがにマズいよな? 勝手に食うとか……って、あれ?)超巨大ケーキのそばには、一組のナイフとフォークが置いてあった




