青春っぽい感じ ~2頁目~
利用規約
性別変更はダメですが、楓だけは男性役をやれるなら女性でも可です。
過度でなければアドリブ入れても大丈夫です。
演じる側と聴く側が楽しんでもらえたらそれが一番なので!
【あらすじ】
青春っぽい感じの続編
前作では大樹の親友ポジションの楓が今作の主人公
作者は1頁で終わらせる満々だったのに『楓が不憫すぎる!』との周りの声から
出来た作品
大樹
前の学校からバンドを始めた
授業の単位が取れる程度で学校に居ること自体が珍しい
陰でかなりファンが多いが本人は気づいておらず
前作でコノハと付き合う事になった
楓
今作の主人公
大樹の幼少期からの親友で幼馴染
女子からの人気が高い
幼馴染のコノハの事が好きで告白したが振られてしまい
恋愛というものに自分で蓋をしてしまっている
立花 モミジ
楓のバイト先の後輩
見た目はキレイ系、性格はしっかりもの…
に見せかけた実は気が抜けるとオドオドしてしまう子
楓の事が好きで振られてもめげない心の強さを持つ
『先輩』と付けて楓を呼ぶが同学年
コノハ
大樹の幼なじみ兼彼女
小学校から大樹と楓、3人一緒に進学し続けている
小さい頃から大樹が好きで前作で付き合う事となったが
変化のない日常に少しモンモンとしている
蘭花
コノハ・大樹・楓の1つ上の先輩だが
見た目は小学生に間違われるかもしれない位、幼く見える
家庭の事情を彼氏の空に打ち明けた事で悩みから解放された
今作では後輩たちのアドバイザー的なポジション
配役 ♂2:♀3
大樹♂
楓♂
蘭花♀
コノハ♀
立花 モミジ♀
楓「いらっしゃいませ~
店内でお召し上がりですか?
テイクアウトですね、かしこまりました。
……………。
おまたせしました、アイスティーのストレートです。
またお越しくださいませ。」
モミジ「あの…、先輩。コーヒーメーカーの調子が
おかしいんですけど、見てもらっても良いですか?」
楓「ん?ああ、それ最近調子悪いんだよね~
えっと……。
ん~……。ここをこうして………。
あれ?おかしいなぁ…、いつもだったらこれで…
ちょっと時間かかるかもしれないからさ
立花さんは接客の方お願いしてもいいかな?」
モミジ「わかりました、すいませんお手間を取らせてしまって…」
楓「こういうのはしょうがないって
じゃあよろしくね。」
コノハ「あの~…」
楓「あ、お客さんだよ」
モミジ「あ、はい!お待たせしました」
コノハ「えっと、カフェオレのMサイズと
BLTサンドのセットを1つお願いします」
モミジ「かしこまりました、店内でお召し上がりですか?」
コノハ「はい、お願いします」
モミジ「カフェオレM、サンドイッチお願いしま~す」
楓「かしこまりました~」
コノハ「ん?この声、カエちゃん?」
楓「え?あ…、コノハちゃん…
ど、どうしたの?」
コノハ「あ…、うん。
ちょっと外で勉強しながらお茶でもしようかなって…
ここって、カエちゃんのバイト先だったんだね…」
楓「う、うん。
…そっかそっか
もうちょっとでテストだもんね」
コノハ「そっ、本当はあの馬鹿と一緒にする予定だったんだけど
バンド仲間とどっか行く約束してたの忘れてた~とかで
時間が出来ちゃったんだよね」
楓「そう、なんだね…
二人とも相変わらず仲良さそうで何よりだよ」
コノハ「仲が良いっていうk…」
楓「カフェオレおまたせしました。
頑張ってね!」(被せ)
コノハ「あ、うん。
ありがとう、カエちゃんもバイト頑張ってね!」
楓「うん、ありがと~」
間
楓「ふぅ……」
モミジ「先輩」
楓「ん?どうしたの?また何か壊しちゃった?」
モミジ「違います!
さっきのポニーテールのお客様って、
先輩のお知り合いですか?」
楓「え?あ~、うん。
僕と同級生のとm…友達、だよ」
モミジ「そうなんですか。
とっても綺麗な人でしたね。」
楓「そう、だね…
ん~………………。
って、どうしたの?立花さん。」
モミジ「別になんでもありません。
ちょっと聞いてみただけですから。」
楓「???
そっ、か
そういえば立花さんも、いつもポニーテールだけど
何かこだわりとかあるの?気合が入る~みたいな」
モミジ「いえ、そういう訳ではないんですけど…
もう別にいいかなぁって思っちゃったんで
今度切りに行こうかなって考えてました」
楓「あ、そうなんだ
おっと、お客さんだ
いらっしゃいませ~」
間
蘭花「あっ…」
コノハ「あ…ど、どうも」
蘭花「久しぶりね、何してるの?」(ストローを咥えながら)
コノハ「お久しぶりです先輩。
テスト勉強をしようと思って来たんですよ。
先輩は何してるんですか?」
蘭花「ふーん、私は何とな~く
デートの時間までお茶してるだけだよ~?」
コノハ「そうですか、それじゃあごゆっくり…」
蘭花「ねぇ、ところで~。あれからどうなの?」
コノハ「あれから……。
っ!!
あ、あの時はその…。
思いっきり殴ってすいませんでした!」
蘭花「ガクガクガクガクガクガクガク…
い、いやいやいや!その事は良いの!!
っていうか、私が悪いんだし…
あ~~!もう!そうじゃなくて!
あれから大樹くんとはどうなの?って事を言ってるの!」
コノハ「え?あ~そのことですか
ん~…、特段なにか変わった…って事はないですかね?」
蘭花「え~!だってチューだって、もうしちゃってるんでしょ?」
コノハ「っ?!
ちょっと先輩!!!
こんな所で何を言ってるんですか!」
蘭花「し~!コノハちゃん声大きいよ~?
とりあえずここ、座ったら?」
コノハ「~~~~~…。
………失礼します…。
んで!さっきの事ですけど
その…、きs…しましたけど…
付き合ってからは、今までと何も変わってませんよ」
蘭花「えー、つまんないの~
まぁ大樹くんって、奥手っぽいもんね~」
コノハ「そういうのはよくわかりませんけど…
大樹の頭の中って音楽9割、他1割ぐらいな気がしますね…」
蘭花「確かに
よくお付き合いまで漕ぎ着けたと思うよ、ホント。
それで、コノハちゃんはどうしたいの~?
このまま健全な学生生活を
のら~り、くら~りと過ごして行きたいの~?」
コノハ「確かにどこかにデート行ったりはしたいです、けど…
私は別に、大樹と一緒に居れればそれで良いですから」
蘭花「ふーん
で、その一緒に居れれば良いって思ってる
大樹くんは、今何してるの~?」
コノハ「うっ…。
一緒に勉強する予定だったんですけど……
バンド仲間の人達と何処かに行ってますね…」
蘭花「何よそれ~!
コノハちゃん、ちゃんと一緒に居たいとかって伝えたの~?」
コノハ「いえ…、言ってませんけど…」
蘭花「あ~いう男の子は女の子の方からグイグイ言ってあげないと
勝手にフラフラどっか行っちゃうんだよ?
ちゃんと手綱をひっぱっておかないと~」
コノハ「そういう、ものなんですかね…?」
蘭花「男性経験豊富な私が言うんだから間違いないよ~」
コノハ「それは自慢にならないんじゃ…」
蘭花「あ~、もう!良いのそんなところは!
とりあえず今から連絡してみなよ
【会いたい】って!」
コノハ「いや、それは…
友達と一緒に居るのにそんな我儘…」
蘭花「今彼氏に我儘言わないで、いつ我儘言うっていうのよ!
好きだから一緒に居たいって思って頑張ったんだから
それぐらいしたってバチはあたらないわよ
あ~。だったら~…(ニヤケながら)
私がコノハちゃんの代わりに送ってあげようか?
一応LINEに大樹くんの連絡先も入れてあるし~」
コノハ「ちょ!先輩それはダメです!」
蘭花「なんで~?だって自分じゃ送れないんでしょ~?」
コノハ「そ、そうですけど…。
なんか…。それで、もし先輩から言われて大樹が来ても
嬉しくないというか…」
蘭花「ふーん。
まぁしょうがないか~。
二人の問題だしねぇ~」
コノハ「すいません…」
蘭花「何謝ってるの、別に悪い事したわけじゃないでしょ」
コノハ「そう、ですね…
ところで先輩の方はどうなんですか?」
蘭花「ん~?何が~?」
コノハ「空先輩とは」
蘭花「あ~後輩達に心配されるような隙間は、私達にはありませ~ん!
先週も空くんが免許取ったっていうから
ドライブ連れて行ってもらったし
その前はカラオケでアニソン縛りのオール大会でしょ~
あ~その時、空くん勝手に歌詞の合間に
『俺の筋肉よ響け~~~!!!!』って叫んでたんだよ?
ホント、そういう所も子供っぽくて可愛いんだよねぇ~」
コノハ「へ、へぇ…
蘭花さんは空先輩の子供っぽい所が好きになったんですか?」
蘭花「ん~~、そういう所も好きだけど
見てない様で、ちゃんと私を見ててくれてる所が
一番好きな所かなぁ~」
コノハ「なんか私の空先輩のイメージとちょっと違いますね」
蘭花「そりゃ~彼女ですから
他所様には見せない姿とか見てますから」
コノハ「見せない姿、かぁ…」
蘭花「あっ!!」
コノハ「どうしました??」
蘭花「そろそろ空くんとデートの時間だ
じゃあまたね♪
コノハちゃんも頑張って~♪」
コノハ「あ、はい。
楽しんできてください
・
・
・
ん~~~~………。
連絡…、してみようかな~」(ぼそ)
大樹「誰に連絡するんだ?」
コノハ「え?!大樹?!!!
あれ?バンドの人たちは?」
大樹「呼び出されて早々、メンバーの一人が彼女がどうこう~って
んで解散~!ってなったから帰ってきたんだ
その足でお前ん家行ったら喫茶店に勉強しに出たって言うから
適当に探して回ってたんだよ」
コノハ「あはは
行き先ちゃんと言っておけばよかったね
じゃあ今から一緒に勉強しよっ」
大樹「しゃーねぇ~…するか~」
コノハ「しゃーねぇって
元々、私と勉強する予定だったんですけどねーーーー」(つねる)
大樹「痛てててて…、ごめんなさい…」
コノハ「もう!ホントしょうがないんだから…
と~こ~ろ~で~。大樹くん?」
大樹「ん?なんだ??」
コノハ「勉強道具は、もちろん。
持ってきているんですよね~?」
大樹「……………………ぁ。」
コノハ「もう~
じゃあ大樹の家に行って勉強しよっか」
大樹「そうすっか」
コノハ「よし!そうと決まったら善は急げ!
行こっ!」
大樹「お、おい引っ張んなって!」
間
モミジ「ありがとうございました~。
先輩、さっきの人帰っちゃいましたよ?」
楓「そっか…。
って、なんでそんなこと報告してくるの?」
モミジ「いえ、なんとなくです。
なんか楽器背負った人と一緒でしたけど。」
楓「あ~…。そう、なんだね…」
モミジ「先輩って」
楓「何??」
モミジ「いえ、なんでもありません。」
楓「え?ちょっと気になるじゃん」
モミジ「なんでもありませんから、気にしないでください。」
楓「う、うん?」
モミジ「………」
楓「………」
モミジ「先輩、今日ってバイトもうそろそろ終わりですよね?」
楓「うん、今日はもう上がりだね」
モミジ「じゃあ…。
終わった後、少し時間を頂いて良いですか?」
楓「ん?良いよ?」
モミジ「ありがとうございます、先輩
それじゃあ私、着替えてきますね」
楓「じゃあ僕も、着替え終わったら店の前で待ってるね」
間
モミジ「お待たせしました。」
楓「どうする?どこかでお茶でもする?」
モミジ「そう、ですね
じゃあ行ってみたかったお店があるので、
そちらに行きませんか?」
楓「いいよ~、じゃあ行こっか」
モミジ「案内しますね、こっちです」
楓「あ、立花さんまって~!」
モミジ「…………」(一目散に進む)
楓「いや、この時間って人混み多いから…
そんなズカズカ行かれちゃうと…」
モミジ「あっ…。
す、すいません…」
楓「もう…、慌てなくてもお店は逃げたりしないよ?」
モミジ「そういう事じゃ…」
楓「あ!危ない!」
モミジ「ぁっ…」
楓「ふぅ…。やっぱり人多いね、この時間
立花さんも気をつけようね」
モミジ「はい…」
楓「ん?」
モミジ「その………。手…が…」
楓「ぁ、ごめn…」
モミジ「離さないで!」
楓「え、あ、はい!」(焦って両手で握る)
モミジ「は、はぐれたら…、その…。あれですから…」
楓「ん~~~。
そう、だね」
モミジ「行きましょ!」
楓「あ、うん…」
間
モミジ「先輩は何を頼むか決まりましたか?」
楓「うん。
決まったよ」
モミジ「私も決まったので店員さん呼びますね
すいません~
抹茶ラテを1つと…」
楓「僕はブラックコーヒーをホットでお願いします」
モミジ「ブラック飲めたんですね」
楓「え?!僕は何飲むと思ってたの?」
モミジ「ん~、ミルクとか?ですかね」
楓「ミルクって…立花さんは僕を何だと思ってるのかな??」
モミジ「なんか先輩って小型犬っぽいので…」
楓「小型犬?!えー…。そんなことないと思うんだけどなぁ」
モミジ「その悩んでる時の顔とか、犬っぽくて可愛いですよ」
楓「可愛いって
僕はこれでも年上なんだけどなぁ…」
モミジ「あはは。
そう、なんですけどね」
楓「まったく…
というか、立花さんがそうやって笑うの初めてみたかも」
モミジ「あっ…」
楓「バイト中でもあまり笑わないから、
そうやって笑ってるのがちょっと新鮮だよ」
モミジ「そう言われると、恥ずかしいです…」
楓「そっちの方が可愛くていいと思うけどなぁ」
モミジ「そうですか?……ありがとうございます…
……。
ちょ、ちょっと私、化粧室に行ってきますね!」
楓「あ、うん
行ってらっしゃい」
間
モミジ「ふぅ……。」
モミジM『あああああああああ!!!
楓先輩かっこいいよ~!!!
ホント好き!いやもうシュキ!!
あんな可愛い見た目して、咄嗟に取る行動がカッコいいとか
もう反則でしょ!
ブラックコーヒー飲めるなんて以外だったし、
指とかメッチャ綺麗だなぁって
仕事中にもちょこちょこ見ちゃってたけど、
この距離でもメッチャ綺麗!!
それに…、あ~…手握られちゃった~~!!!
先輩の手…。男の人の手だったなぁ…うへへ~
ん?
はっ!
ダメダメダメダメ!!
あ~~~!顔緩んでるよぉ~私!!!!
シャキッとしろぉ、私ぃ~~~~!!!
せっかく先輩と二人きりになれたんだし
頑張れ~頑張れ私~!!
大丈夫、きっと大丈夫!
先輩良い人だし………。
えへへ~…(緩む)
はっ!ダメダメダメダメ!!!!!!!
シャキッと!シャキッとするの!!!』
間
楓「あ、おかえり~
飲み物来てるよ」
モミジ「ぉ…お待たせしました」
楓「このお店、初めて来たけど良い雰囲気だし
店員さんの接客態度もしっかりしてて、いいお店だね」
モミジ「そう…ですね…。(飲み物を飲む)」
楓「??
立花さん?」
モミジ「っ!?ふぁい?!
けほっけほっ…」
楓「だ、大丈夫?!立花さん」
モミジ「だ…、大丈夫です
ちょっとむせただけですから」
楓「そ、そう?」
モミジ「え、ええ。
ところで先ほど何を言われてたんですか?」
楓「いや、いいお店を教えてもらえたなぁ~って」
モミジ「あぁ。ここ路地裏にあって目立たないので、
あまり人が来ないのか穴場みたいですね
前に店の前を通った時に店内が見えて、
行ってみたいと思っていたんです」
楓「そうなんだ
なんか立花さんの雰囲気に合ってるお店だよね」
モミジ「私の雰囲気に、ですか?」
楓「うん
なんて言うんだろう、ん~。
静かで温かい感じかなぁ」
モミジ「~~~~~っ!」(照れ)
楓「立花さんってバイトでも後輩の面倒よく見てくれるし
仕事はきっちりやるタイプだし、
服装とかもしっかりしてるから
いつも感心して見てるよ」
モミジ「そ、そう…ですか…
わ、私からしたら先輩の方がしっかりしていて…
その、見た目も清潔感があって、柔らかい雰囲気で
仕事も何でもこなす凄い人だと思ってますよ」
(照れるのを我慢しながら)
楓「あはは
そんなことないって
僕は普通の事をしてるだけだよ」
モミジ「そんなことないですよ
先輩はとっても…、その…」
楓「ふふっ
なんか褒め合いっこみたいになっちゃってるね」
モミジ「そう、ですね…」
楓「ところで、時間ある?って言ってたけど
ここに来たかったって事なのかな?」
モミジ「あ…、いえ…その…」
楓「ん?」
モミジ「その……、ですね…」
楓「うん?」
モミジ「…………。
えっと……。
その………。
ちょっっっっと待ってください!!」
楓「ん?う、うん」
モミジ「スー…ハー…
・
・
スー…ハー…」
楓M『深呼吸…?』
モミジ「スー…ハー…」
楓M『3回…目?』
モミジ「スー!!ハー!!
スー!!ハー!!
スー!!ハー!!」
楓M『なんかいっぱい深呼吸してる?!』
間(若干)
モミジ「ふぅ……。
か、か、か…楓、さん。
あのですね…。」
楓「ん?」
もみじ「私…。
楓さんが好きなんです」
楓「ぁ…。」
モミジ「私、その…。
バイトで一緒に働いていくうちに
楓先輩の事が気になってしまって、ですね…
仕事をしっかりとやっている姿とか、
人当たりが良いところとかに惹かれていって…
その…。
良かったら、私と付き合ってください!」
楓「………。」
モミジ「…………。」
楓「あの…ごめんね。
立花さんの事もそういう目で見た事ないし
今、僕は誰とも付き合うつもりはないんだ…」
モミジ「そ、それは…
それは、あの知り合いの女の人が関係してますか?」
楓「あ、いや……。
そういうのじゃないよ。でもごめん。
君と付き合う事は出来ない」
モミジ「そう、ですか…
わかりました…」
楓M『本当は失恋から立ち直れてなくて
恋愛とか、どうすればいいのか分からなくなっていて
昔の大樹みたいな感じなんて、全然笑えない状況なだけなんだけど……
まぁ、今までの告白してきた子も
こうやってバッサリと言えば諦めてくれたし
この子だって一時的な感情のはず
これで諦めてくれr…』
モミジ「私!」(被せ)
楓「はい?!」
モミジ「私、諦めませんから!」
楓「………。
ぇ…?」
モミジ「先輩はそういうのじゃないって言ってましたけど
あの女の人が、私は関係してると思います!
もし、そうだったなら…。
私が、忘れさせられる位、貴方にとって大きな存在になってみせます!
違ったとしても、絶対振り向かせて見せますから!」
楓「えっと…」
モミジ「私、諦めませんから。
それじゃあ先輩、また今度
今日はありがとうございました!」
楓「ちょ、ちょっと!」
モミジ「………」(戻ってくる)
楓M『あ、戻って来た?』
モミジ「こ、ここのお代は私がもちます!
じゃあ先輩またバイトで!!!」
楓「あ!いや僕が払うよ…って……
行っちゃった…。
ん~…、どうしよ…。」
間
コノハ「だーかーら!!
ここはこうで、こうしてこうすると~!」
大樹「いや、全然わかんねぇ…コレがどうしてこうなるんだ?
考えたやつ頭イッてるだろ…」
コノハ「あ~もう!頭イッてるのはアンタの方でしょうが!
大樹って、よく赤点とらないで済んでるよね…」
大樹「そりゃもちろん!一夜漬けの賜物だな!」
コノハ「じーまーんーじゃ~なーーーーーーい!!!」(頭グリグリ)
大樹「痛たたたたた!!!暴力反対~!!!」
コノハ「はぁ…、大樹がここまで勉強できないとは思いもよらなかった…」
大樹「いや、お前が出来過ぎるんだって…」
コノハ「それと!!」
大樹「はいっ?!!」
コノハ「その、『お前』って言うのヤダ!」
大樹「…はい?」
コノハ「ねぇ私達って付き合ってるんだよね?」
大樹「そりゃな」
コノハ「じゃあ、ちゃんと名前で呼んで欲しいよ…」
大樹「うっ…。だって、なんかこう…
こっ恥ずかしいじゃん…」
コノハ「私は大樹の何~?」
大樹「それは……、彼女ですけど…」
コノハ「じゃあ名前で呼んでくれてもいいでしょ?
っていうか彼氏になってからも全然呼んでくれないじゃない」
大樹「うっ……」
コノハ「ね?お願いだから」
大樹「………コノハ…」(小声)
コノハ「何~?
聞こえなかったなぁ~~~」
大樹「あ~~もう!
コノハ!!!」
コノハ「はーい、大樹♪」
大樹「なんか…。恥っ…」
コノハ「可愛いなぁ、よしよ~し」
大樹「からかうなよ」
コノハ「ふふ
たーいじゅ♪」
大樹「なんだよ、抱き着いてきて…」
コノハ「んーん
ん~~、大樹の匂いだ~」
大樹「何言ってんだよ、そりゃ俺だから俺の匂いだろうが…」
コノハ「わかってないなぁ~大樹は
好きな人の匂いだからいいんじゃない」
大樹「そういうもんか?」(嗅ぐ)
コノハ「くすぐったい」
大樹「お前が先に…」
コノハ「お前~?」
大樹「ぅ…、コノハが先にしてきたんだろ!」
コノハ「にしし
あ~、幸せ~♪」
大樹「ふーん…
じゃ、じゃあさ…」
コノハ「ん?」
大樹「こういう事されたら、もっと幸せって思うか?」(キス)
コノハ「っ!
それは…。ずるい…」
大樹「ずるくねぇよ」
コノハ「………」
大樹「な、なぁ…コノハ…」
コノハ「な、なぁに…?」
大樹「俺……。
今…コノハの事…抱k……
ん?」
コノハ「ケータイ、鳴ってるよ?」
大樹「ちっ…、誰だよまったく…
ん?楓?」
コノハ「え?カエちゃん?」
大樹「もしもし、楓か?どうした?」
楓「あ、大樹
今大丈夫?」
大樹「大丈夫ってか、大丈夫じゃなかったって言うか…」
楓「あ、もしかしてお邪魔しちゃったかな?」
大樹「う、うっせぇよ!!
なんだよ、用事あんだろ?どうしたんだ?」
楓「あ、うん…
えっと、ね…。
これから会えないかな?」
大樹「いや、今コノハと一緒に勉強してるから厳しいな~」
楓「そっ、か…
ごめん、じゃあまた今度でいいや!
邪魔しちゃったね」
大樹「いや、別に…、って切りやがった…」
コノハ「カエちゃん何だって?」
大樹「いや、また今度でいいってさ」
コノハ「でも、なんか声が神妙な感じに聞こえたよ?」
大樹「ん~……」
コノハ「迷うぐらいなら行ってきなよ」
大樹「でも…」
コノハ「親友なんでしょ?だったら大事にしなきゃ
私との時間はまた作ってくれたらいいから」
大樹「ん~…。
わかった、ちょっと行ってくる
ありがとうな、コノハ」
コノハ「はーい
ちゃんと勉強もするんだよ~?」
大樹「へぇ~へぇ~
わーったよ
あ、家は玄関開けっ放しでいいからな!」
コノハ「おばさんが帰ってくるの待ってるから
心配しないで行ってらっしゃい♪」
大樹「おう、行ってくる!」
間
楓「はぁ~…
どうしたらいいんだろ、僕」
大樹「何ため息ついてんだ?青春ですかこのやろー」
楓「わっ!びっくりした…」
大樹「よっ」
楓「よ、よっ…。
よくココがわかったね」
大樹「そりゃ昔っから何かあったらお互いにココだろ?」
楓「そういえば、大樹が僕のオモチャをバラバラに分解にして
家から脱走して泣いた時もココだったなぁ」
大樹「そんな事あったな……」
楓「大樹がオネショして、ばれない様に証拠隠滅だ~!って
火をつけようとして怒られた時も…」
大樹「余計なことは思い出さなくてよくないかな?!!」
楓「ふふ、ホントココばっかりだったね」
大樹「だな。
んで、何があった?」
楓「ん~…。
あのさ、僕って…モテるじゃん?」
大樹「………。
自分で言うのはどうかと思うけど、そうだな」
楓「でも、今まで自分が相手を好きになって
付き合った事は1度もなかったんだ
コノハちゃんと大樹の事を考えて、自分なりに諦める口実として
付き合ったら好きになるのかなぁって付き合った事はあってもね」
大樹「うん」
楓「それもダメで、それでコノハちゃんに振られてから
もう恋愛とかなんか無理だなぁって思って、
数人から告白されても全部断って来たんだ」
大樹「あれから数か月しか経ってないのに
そんなに告白されてたのか…
ホントにモテるよな」
楓「それでね、きっぱりと断ったら
そこでいつも皆諦めてくれてたんだ」
大樹「そりゃ脈がないってわかったら、
そういうもんなんじゃねぇの?」
楓「でもさ、その…。
今日…、告白してきた子が居てね
いつもみたいに諦めてくれると思って断ったんだけど
諦めないからって
思ってる女の子の事を忘れさせる、みたいな事言われてさ」
大樹「ふーん」
楓「僕さ、そんな返事貰った事なかったから、
どうしたらいいのかなって思ってさ」
大樹「そんで俺に連絡してきた、と」
楓「そっ、僕の好きだった人の彼氏ぐらいしか
連絡する相手が居ないって、笑えるけどね…」
大樹「バーカ。アイツの事抜きにしても、俺たちダチだろーが
変な考えすんなっての」
楓「何か照れ臭いけど、ありがと
それでさ、どうすればいいのか聞きたくてさ」
大樹「それは、構わねぇんだけどよ
一ついいか?」
楓「ん?なーに?」
大樹「俺、最近になってようやく初恋愛したばっかなんだけど、
答えられると思うか?」
楓「……そう、だよねぇ……。はぁ…」
大樹「いや、頼ってくれたのは嬉しいけどな…。
わりぃ…」
楓「いや、別に大樹が謝る事じゃないって…」
大樹「んー、なんか良い案ねぇかな…」
楓「ん~~…」
大樹「はぁ~あ…」
蘭花「何二人して唸ってるの~?」
大樹・楓「っ?!」
蘭花「ちょっと、二人でいきなり振り向かないでよ
びっくりするでしょ…」
大樹「ふっ…ふははは
楓、良い案出るかもしんねぇぞ?」
楓「え?」
蘭花「え?何?どういう事????」
間
蘭花「なるほどねぇ~
確かに美形だわ、うん」
大樹「ちげぇよ!そこじゃねぇっての蘭花先輩!」
楓「あはは…」
蘭花「軽い会話のジャブじゃない
えっと楓くんだっけ?
君は本当に恋愛なんてもう良いって思ってるの?」
楓「え?あ…はい。
僕が好きだったのは1人だけだったんで…」
蘭花「ふーん
でもそれって自分で無理って決めて
相手を見てないだけじゃない?」
楓「それってどういう…」
蘭花「ん~、自分が好きにならないと恋愛なんて出来ない~
自分が見てきた人以外、僕は見てないからよく知らないし~
また空っぽの付き合いをするぐらいなら~って」
楓「まぁ…」
蘭花「でもそれってさ、本当に今まで付き合った人の事も、
告白してきた子の事もちゃんと見ようとしてた?」
楓「それは…」
蘭花「楓くんさ、付き合ってた子に寂しそうな顔された事あるでしょ」
楓「言われてみれば、確かに何度か
『私じゃない誰かを見てる気がする』って言われた事がありましたね…」
蘭花「でしょ~
好きな人と付き合えた~ってなったのに、
自分の事見てもらえてない感覚って
誰だって寂しいし、顔にも出ちゃうよ」
楓「…じゃあ僕はどうすれば」
蘭花「好きになる好きになれない以前に
もっと相手を見てあげれば良いと思うな~
それでダメなら合わなかったって事だし?
もしかしたらとっても相性が良い人が居るかもしれない
私は変な付き合いばっかりしてきたけど
一人の女として、ちゃんと自分の事を見てもらいたいって
思ってたからね~
簡単に言ったらアレだね!
楓くんは顔が良いだけのダメンズだね♪」
大樹「ぶっ…」
楓「ダメンズって…」
蘭花「しっかり相手が見れてないのに、
付き合って来たとか、もう付き合えないなんて
そんな事言ってる時点で、顔からマイナスしてマイナス男子だよ
楓「………。」
蘭花「でも。
まだやり直せるから!
過去はもう、どうしようもないし
今、君を見てくれてる子の事を
もう少し見てあげたらいいと思うよ~」
楓「そう…ですか。」
大樹「どうよ、楓。」
楓「確かに…、言われてみたら
僕は自分だけの考えで、相手の事を考えてなかったと思う。
他力本願過ぎたのかもしれない…」
大樹「ふーん。
つか、先輩もたまには良い事言うじゃないっすか」
蘭花「たまにはって何よ~」
楓「あの…。先輩」
蘭花「ん~?なーに?」
楓「諦めないって言ってくれた子の事…
この機会に、ちゃんと良く見てみようかと思います
それが良い方向に行くかは、別としても」
蘭花「うんうん
顔は良いんだから、そこまで出来るようになったら
もっとモテると思うよ~?」
楓「あはは…そこは謹んで遠慮させてもらいます」
蘭花「あはは、だよね~♪」
楓「あはは
先輩、ありがとうございます!
大樹もありがとね」
大樹「おう!」
蘭花「大樹くんは何も出来ずに一緒に唸ってただけじゃない」
大樹「そこは拾わなくていいでしょ先輩」
楓「あはは」
間
大樹「ただいま~
ん?誰も居ねぇのか?」
コノハ「おかえり~」
大樹「っ!なんでまだ居るんだよ」
コノハ「おばさんが帰ってくるまで待っていよって思っていたら
待ってても誰も帰ってこなくてね
でもさすがに、カギをかけないで帰るわけにもいかないから
大樹が帰って来るの待ってたの」
大樹「マジか…つか姉さんは良いとしても
お袋達はどこほっつき歩いてるんだ?」
コノハ「連絡とか来てないの?」
大樹「んなの…………来てたわ…」
コノハ「えー…ちゃんと見ようよ~」
大樹「わりぃわりぃ…
えっと何々…
………………………。
あ?!」
コノハ「え、えっとどうしたの…?」
大樹「うっ…え~っと…
見てみ…」
コノハ「う、うん…
『やっほ~マイサン~♪突然だけど今日は何の日でしょ~?
そう!今日は私とダーリンの結婚記念日なのだよ~
ってなわけで、今日の帰りは遅いからご飯は適当に食べておくれ~
追伸
緊急の要件以外で連絡してきたら、コ・ロ・ス・ゾ♥』……
あ~…ホント大樹の両親って仲いいよね」
大樹「いや、普通にうざいぞ…
ん?また連絡来たな……
『弟か妹どっちがいい?』………
……………………………。
知るかああああああああああああああああ!!!」
コノハ「あはは…」
大樹「はぁ……なんかどっと疲れたわ…
さすがに遅いし送ってくよ」
コノハ「うん、ありがと
ところで、さ。
明日って空いてたりする?」
大樹「明日って…なんか予定があったような…
なんだったかな…」
コノハ「そっか、じゃあ明日は一人で…」
大樹「あ!そうだった」
コノハ「ん?」
大樹「すっかり忘れてたけど
コレ、よかったら明日一緒に行かね?
って聞こうと思ってたんだったわ
ほい、チケット」
コノハ「動物園のチケット?」
大樹「ほら、おま…コノハって昔から動物園好きだっただろ?
だから、その…たまには…
デ、デートとか…行かないかな…と…」
コノハ「あ…その…は、はい…
じゃあ明日行こっか」
大樹「お、おう…
ほら!送るぞ!」
コノハ「はーい
(こういう所がずるいんだよなぁ~)」()内小声
大樹「ん?なんか言ったか?」
コノハ「なんでもなーい
さ、行こっ!」
間
楓「おはようございまーす」
モミジ「おはようございます」
楓「あ…」
モミジ「さぁ先輩、今日も頑張っていきましょう」
楓「う、うん。
そうだね」
モミジ「とりあえず、今日の品切れと
品切れをおこしそうな一覧です」
楓「ありがとう、こんだけ無くなったって事は結構忙しかったでしょ?
大変だったね」
モミジ「いえ、これぐらいはいつも通りですから」
楓「あれ?そうだったっけ?」
モミジ「そうですよ?いつも週末近くのランチ後はこうでしたよ
どうしたんですか?先輩」
楓「あ、そっか…もう週末だったね
ちょっと忘れちゃってたみたい」
モミジ「いつもの事なんですから、忘れないでくださいね」
楓「あはは…
気をつけるね
あ、じゃあ僕お冷を回ってくるね」
モミジ「それも、もう終わってますよ?」
楓「あれ?」
モミジ「先輩が出勤する前にその辺はいつも終わらせてましたから」
楓「あ、ごめん…じゃあバッシングを…」
モミジ「それも終わって…」
間
蘭花「あちゃあ…、忠告したのを意識しすぎて
普段の事が抜けちゃってるよぉ…
はぁ…。なんでこう私の後輩たちは不器用な子ばっかりなんだか…」
大樹「で、なんでコソコソ見てるんっすか先輩」
蘭花「そりゃ…、アドバイスした手前、気になるじゃない」
大樹「野次馬したいだけじゃないっすか?」
蘭花「バーカ、私は単純にどうなるか見ていたいの!」
大樹「それを野次馬と言うんじゃ…。
あ、そういや空は?」
蘭花「あ~、うん。置いてきた!」
大樹「は?」
蘭花「空くんだって、私が後輩の成長を見守るって知ったら
応援して心から送り出してくれると思うの♪」
大樹「そ、そーっすか…
はぁ…。空…、どんまい」
蘭花「しっかしあれね」
大樹「なんっすか?」
蘭花「あの子が例の告白してきた子でしょ?」
大樹「そうっすね、多分」
蘭花「多分?!え?知らないの大樹くん」
大樹「知らないっすよ?見たことないっすから」
蘭花「えーーーーー!じゃあわからないじゃない!」
大樹「しー!声でかいっすよ、先輩
でもあの子なんじゃないっすかね?
楓の奴、ずっとあの子の事見てるし」
蘭花「多分、ね…
でもなぁ…そういう事じゃなかったんだよなぁ…
いや、合ってると言えば合ってるんだけど…」
大樹「そうなんっすか?」
蘭花「はぁ…。空くん以外の男子って皆こうなのかなぁ…」
大樹「皆が空みたいな筋肉バカなわけないでしょ」
蘭花「あぁん?!」
大樹「す、すんません…」
蘭花「はぁ…。
ん?
あ、何かあったのかな?」
間
モミジ「どうしたんですか先輩、今日なんか変ですよ?
普段ならしないミスばかり…」
楓「あ、いや。その…」
モミジ「もしかして、熱でもあるんですか?」
楓「いやいやいや!なんもないよ!ホント!
ちょっと僕、客席回ってくるね!!」
モミジ「あ…」
間
大樹「こっち来ますね」
楓「はぁ…」
蘭花「おう、にぃちゃん。
ちょ~~っとツラかせやぁ~~」
楓「っ!って蘭花先輩…、に大樹も」
大樹「よっ!」
蘭花「楓くん…、あのね…よく見るようにとは言ったけどね…
その、なんだろうなぁ~…
意識しすぎてボロボロになってるの見てられないよ~?」
楓「すいません…
なんか見よう見ようとしてると、つい…」
蘭花「はぁ…恋愛初心者みたいになっちゃってるじゃない…」
大樹「俺は見てて面白いけどな」
蘭花「あんたは黙ってなさい!」
楓「あの子を見ようとするほど、他の事に目が行かなくなっちゃって…」
蘭花「不器用だなぁ…
ん~~
一旦仕事は仕事で切り替えていこっか。
余裕ができるまで見るのを止めてみよ?
このままだと、好きになってくれた子に
心配ばかりかける事になりそうだから、ね?」
楓「はい。
でも、仕事以外ではどうやって
あの子の事を知って行けばいいのか…」
蘭花「それは、途中まででも良いから一緒に帰るとか!
時間が合うなら少しお茶するとかでもいいんじゃないかな?」
楓「なるほど…。わかりました、やってみます!」
蘭花「うんうん、頑張ってね」
間(少し)
大樹「ところで、先輩から見たあの子はどうなんっすか?」
蘭花「ん~、手入れされた綺麗な髪の毛に
スタイルも…、お、大きいわね…」
大樹「何がっすか?」
蘭花「なんでもない!
そうね~、なんだか固いイメージかなぁ~」
大樹「性格がって事っすか?
確かになんか堅苦しい感じですね」
蘭花「いや、そういうんじゃなくて…
なんて言うんだろ、頑張って真面目を作ってるっていうか…」
大樹「なんで?そんな事する必要ないですよね普通」
蘭花「そうなんだけどねぇ…
まぁ私のイメージだから、わかんなーい」
大樹「結局投げるんっすね…」
楓M『あれから仕事も普通にこなすよう気をつけて
今まで通りに出来るようになり、
立花さんを落ち着いて見る余裕も出てきた
彼女は凄い、前までは仕事ぶりばかり見ていたから
表情なんかは、正直あまり見ていなかったけど
お客さんへの対応や、常連さんとの他愛もない話も
嫌な顔一つしないで対応している
店長から聞いた話だけど、入ったばかりはガチガチで
よくミスもしていたけど、しっかりとメモしたり
次に生かそうと努力していたらしい
僕は、この子の事を全然知らなかった
そして、気づけば
もっと立花さんの事を知りたい、
そう思うようにさえなっていた。
・
・
だけど…。』
楓「あの…立花さん」
モミジ「はい、どうしましたか?」
楓「良かったら途中まで一緒に帰らないかなぁって」
モミジ「ぁ…、すいません先輩
今日はこの後は母と用事がありまして…」
楓「あ~…そっかそっか
うん、わかった
それじゃあまた今度~!」
モミジ「はい、お疲れ様です」
間(少し)
楓「あの…立花さん…」
モミジ「すいません…今日も…」
間(少し)
楓「えっと…」
モミジ「まだ上がれないので…」
楓「う、うん!
それじゃあお疲れ様!」
間
楓「はぁ……。
もしかして僕って嫌われた?」
蘭花「諦めるのが早い~!
まだ数回断られただけでしょ~?
まだまだこれからだよ!」
楓「そうなんですかね…、僕はもう、心が折れそうですよ…」
蘭花「見極めるのも大事だけど、
まだそのタイミングじゃないと私は思うよ
もう少し、頑張ってみよ?」
楓「はい、頑張ってみます…」
間
大樹「で、最近の楓はどうっすか?」
蘭花「意気消沈って感じかな~」
大樹「楓の言うように、もう諦めたって事なんじゃないっすか?」
蘭花「ん~…、私さ
あれからあのお店にたまに行ってるんだけどね
あの女の子、楓くんが居る時と居ない時だと
表情とか見た目とかが少し違うのよね~」
大樹「表情や見た目?
居ない方がラフにしてるとか?」
蘭花「むしろその逆。
居る時の方がちょっとだけだけど気合入れてるように見えるの
あれはもしかしたら…」
大樹「もしかしたら?」
間
楓「お疲れ様でした~」
楓M『今日で2週間近く立花さんに会えてない…
ここ最近シフト被っていたからか、もの寂しさっていうか
居るのが当たり前って感じがしちゃってたんだよな…
はぁ…僕の気分みたいに今日は雨かぁ…』
楓「ってあれ?駅に向かってる人って立花さん?
おーい!」
楓「すいません、通らせてください!
立花さん!」(人混みをかき分けながら)
楓M『だめだ…この時間、人込みがすごくて…
全然気づいてくれない…』
楓M『こんなに必死に頑張ってるのに、何で…』
蘭花M『自分の事見てもらえてない感覚って誰だって寂しいものだよ~』
【3秒あける】
楓(過去)『へぇ、髪型変えてたんだね
全然気付かなかった…
似合ってると思うよ!』
楓(過去)『付き合ってる感じがしない?
でも君は僕の彼女だよ?
そういう事じゃない?
ごめんごめん、普通にしてるつもりなんだけどなぁ…
今度から気を付けるね!』
【3秒あける】
楓M『今まで付き合って来た子達も
こんな気持ちだったのかな…
いや…。もっとずっと…………。』(走るのを止めて立ち止まる)
間
楓「ありがとうございました…
またのご来店をお待ちしております…」
モミジ「お疲れ様です、先輩」
楓「あ、立花さん。お疲れ様」
モミジ「ん~……なんか今日は元気ないですね?」
楓「あはは…ちょっと自省する事があって…ね」
モミジ「??」
楓「えっと…、今日はもう上がり?」
モミジ「はい…今日は終わりですね」
楓「………。
あ、あの。
良かったら一緒に帰れるかな?」
モミジ「………」
楓「ぁ、いや…忙しい、よね…」
モミジ「じゃあ着替えてきますね」
楓「そっか…やっぱり忙しいよn……え?」
モミジ「一緒に帰りましょ、先輩
だから、着替えてきますね」
楓「ぁ…。
う、うん!じゃ、じゃあ僕も着替えてくるね!」
間
楓「ごめん!待たせちゃったかな」
モミジ「いえ、全然ですよ
私もさっき出てきた所なんで」
楓「じゃあ行こっか」
モミジ「はい」
楓「今日はいつもより人が少なかったね」
モミジ「まぁ連休が控えてますからね
皆さん仕事が忙しいんでしょうね」
楓「あ~そっか、もうちょっとで大型連休か…」
モミジ「そうですよ、なんでかわかりませんけど
うちのお店って連休前から
連休中にかけて、すごく暇になるんですよね」
楓「なんだろうね?やっぱり皆連休はどっか行きたいのかな?」
モミジ「どうなんでしょう
先輩はどこかに行ったりしないんですか?」
楓「僕?ん~、僕は特にないかな
立花さんはどこか行くの?」
モミジ「私は家族でたまに1、2泊
どこかに泊まりに行ったりしてましたね」
楓「そうなんだ、今回の連休も?」
モミジ「今回は特に予定は聞いてないので
ゆっくり家で過ごすと思います」
楓「そっかそっか」
モミジ「あ、じゃあ私はこっちなので…」
楓「ぁ…」
モミジ「っ…。どうしました?先輩」
楓「あの…さ、良かったらなんだけど
この間のお店行かないかな~って…」
モミジ「………」
楓「時間があれば…だけど」
モミジ「はい、じゃあ行きましょう」
楓「ありがとう」
間
モミジ「私はこの間のと同じで…」
楓「OK、すいませーん!えっと抹茶ラテとブラックコーヒーをお願いします」(被せ気味)
モミジ「あ、覚えていたんですね」
楓「え、あ。うん…
あ~、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
モミジ「はい、いってらっしゃいです」
間
楓M『あああああ~~~!!!
え?嫌われてたわけじゃないって事だよね?コレは
本当にたまたま都合が合わなかっただけで
っていうか!!
一緒に帰るだけだったのに、なんで僕誘ってるんだ?!
いや…、なんか最近断られ続けてたから
なんていうか舞い上がっちゃったというか…
このまま帰りたくないなって思っちゃって…
って僕は一人で何を考えてるんだ?!
戻ったら何を話せばいいんだろ…
最近仕事が……って!特に何も変化なかったじゃん!
いつも通りちゃんとしてたよ!
あああああああああ…
でも、ちゃんと伝えることは伝えないとなぁ…
あ~~!なんでこんなに冷静でいられなくなるんだろ…
はぁ…落ち着け~落ち着くんだ…
普通に、普通に!!話…立花さんに…!』
間
楓「ただいま~」
モミジ「おかえりなさい」
楓「(コーヒーを飲む)」
モミジ「(飲み物を飲む)」
楓「そういえば言いそびれちゃってたけど、
髪型変えたんだね」
モミジ「はい、結構短くしちゃいました」
楓「すごく似合ってるよ」
モミジ「ありがとうございます」
楓「………」
モミジ「………」
楓・モミジ「あ、あの!」
楓「あ、いいよ先に」
モミジ「いえ、先輩こそお先にどうぞ」
楓「いや、立花さんからでいいよ」
モミジ「そう…ですか
ん~…えっと」
楓「ん?」
モミジ「私…迷惑でしたか?」
楓「え?」
モミジ「いや…、その
私が告白した後から先輩
仕事も手につかない感じで…
無理に私に接しようとしてる感じがしてたので
諦めないって伝えたのが重荷になってしまって
無理をさせてしまったのかな…と…」
楓「いやいやいやいや、そんなことないよ?!」
モミジ「そうでしょうか…」
楓「確かに仕事もあまり手につかない時もあったし
そう思われても仕方ないかもしれない…
けど!」
モミジ「先輩っ…シー!声が大きくなってます…」
楓「あ…。ご、ごめん」
モミジ「いえ…、続けてください」
楓「その……。僕がそうなってたのは
君が迷惑だったからとかじゃなくて…」
モミジ「じゃあ、どうして、ですか?」
楓「えっと…、その…」
楓「君を、立花さんを
ちゃんと見て、理解しようとしていたからなんだ」
モミジ「え?」
楓「前に君が言ったのは正解で
僕は少し前にずっと思い続けた人に告白して
失恋をしたんだ」
モミジ「そうだったんですね…」
楓「自分から好きだって思えた唯一の人だったんだけど、
見事に玉砕しちゃってね」
モミジ「……」
楓「そこから僕は恋愛とかどうでもよくなっちゃって
誰からの告白も断って来てたんだよ
バッサリ言い切ってしまえば、皆諦めてくれていた…」
モミジ「私もバッサリ振られましたもんね」
楓「うん…、でも諦めないって立花さんに言われて
僕そういう風に返された事が初めてだったから
友達にどうすればいいのか相談したんだ…
そしたら【ちゃんとその人の事を見てあげな】って言われて」
モミジ「ちゃんと見るですか?」
楓「うん、僕は今までちゃんと他人を見ようとしてなかった
その人の変化とかに全然興味をもって接していなかったんだ
君はそんな僕の事を見ていてくれて
それに僕もしっかり応えなきゃって思ってさ
付き合うとか付き合わないとか別にしても
ちゃんと立花さんを知ろうと思ったんだ」
モミジ「………」
楓「でも、今までしてこなかった事をし始めたら
それ以外の事が疎かになっちゃってね…
色々、心配かけてごめんね…」
モミジ「………。
ふふっ」
楓「??」
モミジ「良かった…」
楓「え?」
モミジ「私、先輩が右往左往してるのを見て
私が告白して思い続けてる事がきつくて
それでも先輩は優しいから
普通に接しようとして
あんな風になったんだと思っていました
だから、帰りのお誘いも…
もしかしたら迷惑だからって……
思うのも止めてほしいって………
そう…。言われちゃうんじゃないかなって……」
モミジ「良かった…」(泣きそうになりながら)
楓「僕が、君を迷惑なんて思うわけないよ」
モミジ「はい
先輩がすっごく優しいっていうのを忘れてました」
楓「そうじゃなくて、ね…」
モミジ「???」
楓「こんな気持ちになったのは初めてだから
言葉を纏めて言えないんだけど、ね…」
モミジ「はい?」
楓「君を知ろうと最初は頑張っていたんだけど
いつの間にか、いつからかはわからないけど
自然に君を目で追っていたんだ
仕事をしている時、君と話したりする時
すごく楽しかったし
一緒に帰るのを断られた時は、ものすごく凹んだりして
僕は、立花さんの一挙一動に心を動かされていた」
モミジ「はい…」
楓「もし、もし良かったら
これからも、もっと立花さんと過ごせる時間を
傍いる権利を、僕にくれないかな」
モミジ「それ…って…」(泣きそう)
楓「僕と、付き合ってほしい
まだまだダメな事も多いし、期待外れな事をするかもしれないけど
ちゃんと君を理解していくから
その、不器用な僕で良ければ」
モミジ「(泣く)」
楓「あ~ごめん。泣かないで…」
モミジ「んーん。
私こそ、よろしくお願いします…」
楓「っ…!うん
よろしくお願いします」
モミジ「あの…先輩」
楓「ん?どうしたの?」
モミジ「やっぱり先輩は小型犬っぽいですよ」
楓「????」
間
(泣き止んで)
モミジ「あ~あ。でも、なんか悔しいですね」
楓「なんで?」
モミジ「だって、好きだった人を忘れさせる位とか
大きな存在になる~って言ったのに
自分でそうさせる前に告白されちゃいました」
楓「何言ってるの?君は充分すごいよ」
モミジ「?」
楓「君が…あ…、その…。
モミジが諦めないって言ってくれたから、
僕は君をちゃんと知ろうと出来て
そして僕にとって、とっても大きな存在になったんだから」
モミジ「なんか、ごまかされてる気がしなくもないですけど…
そういう事にしておきます」
楓「そういう事にしておいて
あ、この間休みの時に駅に向かってたでしょ
声かけたのに全然振り向いてもらえなくて悲しかったよ」
モミジ「え?休みの日は両親と一緒に車で出かけてたので
こっちには来てないですよ?」
楓「え…?」
モミジ「ふふ、先輩はまだまだ私を見続けないとダメですね」
楓「うっ…精進します…」
モミジ「それと、わかってなかったみたいなので一応教えておくと」
楓「ん?なに?」
モミジ「ポニテにしていたのは
先輩が仕事中、ずっとポニテの人が来るたびに
そっちの方向ばっかり見ていたからで
もしかしたら好きな髪型なのかな~って思って
やっていただけなんですよ」
楓「え…僕そんな事してたの?
全然気づかなかった…」
モミジ「先輩が好きだった人を見た時に
『あ~そういう事か』ってなって
気持ちを切り替えようと思って変えたんです」
楓「無意識で追いかけちゃってたのか…
ごめんね、せっかく綺麗に伸ばしてたのに」
モミジ「いいんです
だって結果的に先輩は私だけを
見てくれるようになりましたから」
楓「そういえばあの勘違いした日も、
モミジと似た髪型だったから勘違いしちゃってたのかも…」
モミジ「先輩私の事好きすぎませんか?ふふ」
楓「あはは
僕が思っているより、ずっと好きなのかもしれないね」
モミジ「私は欲張りなんで、先輩にもっともっと好かれるように
見続けていてもらえるように頑張りますね」
楓「一瞬も見逃さないよ、モミジ」
間
コノハ「なるほどねぇ~それで?その後はどうなったの?」
大樹「そんなん本人の顔見りゃわかんだろ?」
コノハ「ん?カエちゃ~ん、こっち見て~」
楓「ん?どうしたの~?」
コノハ「あ~、うんわかった」
楓「??」
蘭花「かーーーーえーーーーーでーーーーー!!!!!
うりゃあああああああ!!!!」
(遠くから近づいてドロップキック)
楓「ぐはっ!!!
え?!先輩?!」
蘭花「なーんで!私が一番協力したのに
結果報告が一番遅いんですかねぇ~え?!!!」
楓「いやぁ~、つい舞い上がってしまって…」
蘭花「舞い上がって?」(ニコ)
楓「忘れてました~!!ごめんなさ~~い!!!」(逃げる)
蘭花「謝るぐらいならちゃんと言ってこ~~~~い!!!
待てやこらあああああああああ!!!」(追う)
楓「しょうがないじゃないですか~!夢中なんですから!」
蘭花「知るかボケェェェェエエ!!!」
楓「あはは」
大樹「何やってんだ?あれ」
コノハ「さぁ?
でも良い顔してるね、カエちゃん」
大樹「ふっ、だな」
終わり!
ここからは1から続けてやってた方向け↓
先生(空)「出席取るぞ~
今回全く出番がなかったから先生は割愛する
感想の時間は後でちゃんと取るから安心しろ~
そんじゃまず、出席番号1番大樹」
大樹「うーっす、1,2で大樹役の〇〇です
(簡単な終わりの挨拶)」
先生(空)「次、2番コノハ」
コノハ「はい、同じく1,2コノハ役の〇〇です
(簡単な終わりの挨拶)」
先生(空)「3番、蘭花」
蘭花「はいはーい!どっちも暴れ散らかしてた蘭花役の〇〇で~す
(簡単な終わりの挨拶)」
先生(空)「4番、楓」
楓「はい、楓役をやらせてもらった〇〇です
(簡単な終わりの挨拶)」
先生(空)「5番、唯一この作品で苗字がある立花」
モミジ「今作初登場した立花モミジ役の〇〇です
(簡単な終わりの挨拶)」
先生(空)「それじゃあ今日はこの辺で終わるぞ
日直、よろしく~」
楓「起立、気を付け
ご視聴ありがとうございました!!」
読んでくれてありがとうございました!