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やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜  作者: 犬型大
第一章

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ゴブリンは嫌われているようです3

 生きている。

 しかし、それはゴブリンとして。


 いつも目覚めるたびに期待する。

 この長い夢から目が覚めて人として戻れるのではないかと。


 けれど起きるたびに自分はただのゴブリンなのである。

 せめてウルフぐらいの能力でもあれば楽なのにと思うことはある。


 四足歩行は嫌だけど。

 なんでゴブリンに転生するのか。


 人であった時にはその理由を覚えていたような気がするのに今はもうなぜなのか分からない。

 いつまでも続くのなら諦めることなく足掻いてみようと思うドゥゼアはきっとどこか異常なのだろう。


 でも諦めることはしたくない。

 諦めてはならないような気がするから。


 焚き火の番をしてくれるやつなんておらずすっかり燃え尽きている。

 幸いコボルトたちが集めてくれた枯れ枝はまだあるのでまた火をつける。


 そしてウルフ肉もまだ余っているので焼いて朝食にする。

 焼いて良い匂いが漂ってくるとレビスたちやコボルトも起き始める。


「食べるか?」


「うん……もらう」


 目をしょぼしょぼさせてドゥゼアのところに来たレビスは串を受け取った。

 ドゥゼアが焼いてくれたものを受け取らないなんて選択肢はない。


「私もぉ〜」


「重いぞ。


 焼いてやるから待ってろ」


 ユリディカも起きてきてドゥゼアに後ろから抱きつくように甘える。

 自分の分は食べながらユリディカの分も焼いてやる。


 コボルトたちも各々毛づくろいをしたり、お肉を焼いたりしたりしている。

 コボルト族長も起きてきたので約束だった周辺の話を聞くことにした。


 そうはいっても所詮はコボルト。

 知恵も低ければ力も低いのでそんなに有益なことは分からなかった。


 今いるところは人が通る道にも近くで弱い魔物が住んでいるところでもう少し奥に行くとちょっと強くてナワバリ意識の強い魔物がいて、さらに奥に進むと賢くて強い魔物が住んでいるらしい。

 なんというか聞かなくても分かることだった。


 ただこの辺りはナワバリ争いが多いらしくてナワバリの境界が曖昧なところや空白地帯となっているところもあるのだとコボルト族長は教えてくれた。


「グガ、これからどうするつもりなのだ?」


 なんならこのまま生活を共にしてもいい。

 友となったのだしドゥゼアたちが強いことは分かっているからむしろ居てほしいぐらいに思っている。


 ついでにコボルトのメスもドゥゼアを狙っていたりする。

 強い雄がモテるのはモンスターの中でも常識だ。


「しばらくはのんびりと旅でもするつもりさ」


 このゴブ生の主軸をどこに置くかは難しい。

 ひとまず危機的状況を脱したので本格的になにを目標にするのか考えなきゃいけない。


 レビスやユリディカという頼もしい仲間も得られたので選択肢は意外と狭くない。

 ただ生き延びなければならないゴブ生とは違って自分で動いていけそうな感じがある。


「そうか……」


 シュンとするコボルト族長。

 別にここも悪くないけれどユリディカのことを考えるともう少しダンジョンから離れておきたい気もあるし、ここと決めるのも早すぎる。


「しかし……どう移動するかな」


「グガ、ゴブリン!」


「……あっ?


 なんだ?」


「チガウ。


 ゴブリンキタ」


「なんだと?」


 周りを警戒に出ていたコボルトが慌てたように戻ってきた。

 ゴブリンなんて言うから自分のことかと思ったドゥゼアだったがどうにもドゥゼアやレビスのことを指しているのではないようだ。


 ドゥゼアは焼けた串をユリディカに渡してコボルトについていく。

 するとゴブリンが数体コボルトの巣の方に走ってきていた。


「どうした?」


 非常に暗い面持ちのゴブリンたちにドゥゼアも眉をひそめた。

 なんだか嫌な予感がする。


「スガオソワレタ……」


「……なんだと?


 話を聞かせろ」


 ーーーーー


 ゴブリンたちが不安に思っていたことが現実となってしまった。

 いきなりゴブリンの巣を冒険者たちが襲撃してきた。


 ゴブリンを殲滅しろ、皆殺しにするんだと叫んで次々とゴブリンを倒していく冒険者たちは明らかに初心者の冒険者ではなかった。

 全滅は避けられないところであったのだけどゴブリンリーダーが必死に抵抗して隙を作って何体かのゴブリンを逃した。


 ゴブリンのオスが2体とメスが2体がコボルトの巣に逃げ込んできた。

 他にも逃げたゴブリンはいたようだけど散り散りになってしまったみたいだ。


 まだ襲われるような規模や行為まで至っていなかったのに。

 なぜ冒険者たちがそこまでしてゴブリンを倒そうとするのか訳が分からない。


「……今すぐ出発するぞ」


「分かった」


「モグ……行きますか」


 けれどこのままここにいるのは危険だとドゥゼアは思った。

 ドゥゼアの言葉をレビスもユリディカもすんなりと受け入れるがコボルトは驚いていた。


 今すぐ出発するのはコボルトのためである。


「生き延びたきゃ足を動かせ」


 コボルトに短い別れを告げてドゥゼアたちは動き出した。

 まずはコボルトから離れる。


 なぜならゴブリンを追いかけて冒険者たちが来てしまう可能性があるからだ。

 せっかくウルフと戦って生き延びたのにゴブリンのせいで冒険者にやられるだなんてことさせたくない。

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