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やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜  作者: 犬型大
第一章

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ゴブリンはゴブリンに会いに行きます1

 見た目的には違うが弱くて集団を成し、似たような性質もあるゴブリンとコボルトであるが違う点もある。

 それは溜め込むか、溜め込まないかである。


 ゴブリンは貯め込む。

 戦利品など、例えば冒険者に勝ったらその持ち物を巣に持ち帰って溜めておいたりする。


 そのためにドゥゼアが生まれたゴブリンの巣でも古臭い武器などが置いてあったりした。

 収集癖とでもいうのか、そのゴブリンの集団によってどこまで集めるのかは違いがあるけれど何かしら集めておくことがほとんどである。


 対してコボルトは集めない、溜め込まない。

 これはゴブリンに比べて移動することも多いためなのだろう。


 コボルトは自分の武器さえあれば他の戦利品を持ち帰ることは少ない。

 だからゴブリンがコボルトの後に残ったものを持ち帰るようなこともある。


 つまり何が言いたいかというと。


「何もねえな」


「……申し訳ない」


 コボルトたちはウルフに抵抗するために使えそうな道具も持っていないということになる。

 予備の武器なんか少しだけは道具もあるけれどこれもコボルト全体で抵抗しようと思ったら使ってしまう。


 真っ向勝負でコボルトがウルフには勝てない。

 ならば味方を増やして戦うか、知恵を絞るしかない。


「やっぱりゴブリンだな」


 自力でどうにかする方法は考えるがせめてもう少し武器ぐらい欲しい。

 ゴブリンそのものが手伝ってくれなくても溜め込んでいるものぐらいなら持って行ってもいいだろう。


 というから大体溜め込むだけで使いもしないのだから。


「俺がゴブリンのところに行ってみるつもりだ」


 物ぐらいの手助けならしてもらえる可能性がある。

 同族のゴブリンのドゥゼアが交渉したならゴブリンそのものが手伝ってくれる可能性もまだある。


 ウルフも直ぐに攻めてはこない。

 というのもウルフは先に先発隊を送り込んで来てコボルトを襲い、その後にこの場所を明け渡すように言ってきた。


 本隊は狩りをしながら少しずつコボルトの巣に近づいているようであった。

 なのでまだ数日余裕はありそうだった。


「何があるかも分からない道具だけ期待はしていられない。


 だからお前たちも準備はするんだ」


 まずドゥゼアはコボルトの確認をする。

 命をかけた戦いなのでこの際子供だろうと年寄りだろうと戦う。


 それでも総数としては30ちょっとでコボルトの群れとしては頑張っているがウルフを相手にしようと思ったら多くはない。

 装備は貧弱。


 最初にあったコボルトはまだマシで武器を持たないコボルトもいる。

 まあゴブリンよりも爪や牙で戦うことが多いのでしょうがない側面はある。


 次に場所の確認。

 ほとんど変わり映えのしない場所ではあるがどこを中心にするかによって多少の変化はある。


 逆に変わり映えがしなく見えるからその中でも攻めにくいところを上手く選んで陣取れば相手が気づかない有利を取れる。

 ついでに周りの自然環境にどんなものがあるかも確認しておく。


「それじゃあ頼んだぞ」


 コボルトの仲間であることを証明して、かつ道具を使う許可を取れたらそれを運ぶ必要がある。

 なので何人かコボルトを貸してもらってドゥゼアたちはゴブリンの巣に向かった。


「ユリディカ、大丈夫かな?」


「この森の魔物のレベルなら問題はないだろう。


 ウルフも攻撃しなきゃワーウルフの方に手を出したりはしない」


 そして今ユリディカはドゥゼアたちと一緒にいない。

 何をしているのかというとウルフの偵察に行ってもらったのだ。


 渋りはしたけどユリディカにしか出来ない。

 足も早く目もいい。


 見つかってもウルフの方から手を出してくる可能性も低く、まさかワーウルフがコボルトのために偵察をしているなんて思いもしない。

 位置や数を知っておく必要がある。


 あまりにもウルフの数が多いといかに策を弄しても勝てないこともある。

 最終的にはユリディカにしか出来ないことだとドゥゼアが押し切るとやる気を出してくれたので大丈夫なはずだ。


 それにワーウルフが一緒ではゴブリンたちも怯えてしまう。


「アッチ」


 最初に出会ったコボルトが道案内をしてくれた。

 コボルトの中でも有望株らしくて他のコボルトからも期待を寄せられている個体だった。


 けれどやはり低知能の魔物らしく個体ごとに名前などない。

 ひとまずドゥゼアはこのコボルトのことをひっそりとコボルトエースと呼んで一応他と分けていた。


 1番まともに戦えそうだし積極的に動いてくれる。

 コボルトの群れが生き残ったら未来のリーダーになるかもしれない。


「ココ、ゴブリンノス」


「へぇ……」


 また珍しいところに巣を作ったものだと感嘆の声を漏らした。

 ゴブリンの巣は大きな木の根元に空いた穴の中に作られていた。


 大きな木の根元には根っこだけが残されて土が流されたりした、ある種の洞窟に近いような空洞ができることがある。

 ゴブリンはそれを見つけて巣にしたのだろう。


 若干穴の周りの土が盛り上がっているところを見ると自分たちで拡張もしているようだ。

 ゴブリンの中でも賢いタイプなら見張りなどがいたりもするが今回はいない。


 飛び抜けて賢いゴブリンではなさそうである。

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