表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜  作者: 犬型大
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/324

ゴブリンはコボルトにお願いされました3

「困った時に助け合いをすることができるのは素晴らしい。


 もちろんオレの知ることならなんでも教えよう」


「助かる。


 その前に、困っているのはお前らの方だろう?」


「グガ、そうだ。


 出来るなら……助けてほしい」


「まず何があったか聞かせてくれ」


 これで人間と戦いになっているなどとのたまうのならさっさと逃げろとアドバイスをしてドゥゼアも立ち去るつもりだ。


「最近森に変化があったのだ。


 他の魔物が動いて、色々と縄張り争いが起きている」


 コボルト族長は悩ましげに頭を振る。


「長いことここに住んでいるがある時同族が襲われた。


 犯人はウルフだ」


 なんだか毛皮率たけぇなとドゥゼアは思った。

 ウルフは動物に近い方の魔物であり、二足で立って歩くコボルトやワーウルフと違って四足歩行である。


 戦闘能力としてはコボルトより上でワーウルフよりも下なのであるが厄介なのは単体の能力よりも群れで動く集団としての能力だろう。

 コボルトも群れているが単に寄り集まっているだけ。


 危機になったら互いに助けようとするが連携して戦うという意識はかなり薄い。

 それに比べてウルフは集団として連携して戦う。


 個体ではワーウルフに敵わないが何体かで連携して戦えばワーウルフでも倒すことができるだろう。

 縄張りとしてはコボルトとも似たような感じの場所に構えることが多い。


 今回は何かウルフが移動せねばならない事情があってコボルトの縄張りに目をつけたのだろう。


「行く先を探してみたけどどこにもない」


 コボルトだって戦わないのならその方がいい。

 しかし周りで良さげなところはすでに占領しているものがいる。


 どこかに行っても戦いになるし勝てる保証もない。

 逃げられる場所がないのなら戦うしかないのだ。


 非情な魔物の世界である。


「相手の数は?」


「分からない。


 偵察に行かせた同族は帰ってこなかった」


 たとえコボルトがウルフの倍いても戦いに勝つのは難しかろう。

 相手の数が少なければ少ないほどいいがウルフもバカではないので勝てるだけの数はいると推測できる。


 知能が低くウルフよりも足の遅いコボルトでは相手を偵察することすらままならない。


「それでゴブリンに助けを求めたのか」


「グガ、そうだ。


 ゴブリンは敵じゃない。


 オレたちがウルフに倒されると奴らも困るはず……だった」


 これまでの話を聞いていてもゴブリンから協力に関して色良い返事が得られなかったことは確かだろう。

 ゴブリンが何を考えているのかゴブリンであるドゥゼアにも分からない。


 勝ち目がないと思ったか、実はそんなにコボルトをよく思っていないのか、はたまた別の事情か。


「共に戦ってくれると嬉しい。


 だが強制はしない」


 すがりついてでも共に戦ってくれと言いたいところだろうにコボルト族長はそうはしなかった。

 ワーウルフがいてくれたら心強い戦力にもなるはずだけどよそ者を強制して戦わせることはできないと考えている。


 思っていたよりも知恵がある。


「ドゥゼアどうする?」


「私はどっちでもいいよ」


 レビスとユリディカがドゥゼアの様子を伺う。

 ドゥゼアが戦うなら戦うし、逃げるなら別にそれだっていい。


「……ウルフの肉は腹一杯食わせてもらうし、魔石は全部もらう」


「それでは……」


「コボルトだからと舐めてかかっているウルフに痛い目見せてやろう」


 ドゥゼアが笑った。

 それだけでレビスとユリディカはなんだか勝てそうな気がしていたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ