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やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜  作者: 犬型大
第四章

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ゴブリンはカジアを追いかけます4

 ジジイはこの奇襲に違和感を覚えていた。

 兵士たちは慌てふためいているが冷静になって見てみれば敵の数は決して多くなかった。


 最初に襲撃してきたジャバーナにいたっては一体だけしかいない。

 獅子族の数も少なく、他の獣人の姿もない。


 様子見や戦力把握という可能性もないことはないがそれにしてもおかしいと思った。

 少人数で襲撃してきた理由がある。


 今襲撃してきた理由として考えられるのは捕らえた獣人だとジジイはすぐに気がついた。

 相手が獅子族で捕らえていたのも獅子族という共通点もあった。


『ほぅ?』


「ぐっ……」


 レビスに感謝するべきかもしれない。

 胸当てがなかったら内臓がやられて死んでいた。


 ただ死ななかっただけでたったの一撃でドゥゼアは死にそうなダメージを受けていた。


『獣人ではなく、ゴブリンだとはな』


「チッ……」


 全身に重たい殺気を感じてドゥゼアは顔をしかめた。

 蹴り飛ばされた衝撃で犬の獣人の被り物が脱げてしまった。

 

 ドゥゼアがゴブリンだと分かるや否やジジイから強い殺気が放たれた。

 相変わらずゴブリンが嫌いそうである。


 ドゥゼアの後ろで火の玉が空中に上がって弾けた。

 オルケがカジアたちを助けた合図を出したのである。


『なぜ魔物が獣人と行動を共にしているのか知らないが……あいつらに協力することにしたのは正解だったな』


 ジジイがゆっくりと迫るがダメージが大きくてドゥゼアは動けない。


『その目つき……お前、前にもあったゴブリンだな?』


 ジジイがドゥゼア目を見て気がついた。

 理性的な光を宿しながらも敵意を剥き出しにして睨みつけるゴブリンには見覚えがあった。


 ここまでジジイは多くのゴブリンを殺してきた。

 1匹のゴブリンも逃さぬように徹底してきたのだがたった1匹逃したゴブリンがいた。


『なぜこんなところにいるのかは知らないが……』


 ドゥゼアとジジイが最後に直接に会った場所からここまではかなり遠い。

 同じゴブリンであるという確信めいたものはあるけれどたかがゴブリンが長距離を移動したことに驚きの気持ちがある。


 さらに獣人と行動していることや人質となっているカジアたちを救おうとしていることにも疑問は感じるが、とりあえず殺して終わりにしてしまえばいい。

 ジジイは動けないでいるドゥゼアの目の前まで来ると剣を振り上げた。


『ほんのわずかな因縁のようなものがあったが、ここで終わりだ』


『やめろ!』


 実はもうちょっと因縁があるのだけどジジイはそれを知らない。

 剣を振り下ろそうとしたジジイに石が飛んできた。


『獣人の子供か……なぜ魔物を庇う?』


 石を投げたのはカジアだった。


「お前ら……逃げろと言ったろ!」


「カジア勝手に戻った」


「置いてけないからね」


「わたしたちの言葉通じないので説得もできないんですよ……」


 みるとヒューリウも含めて逃げたはずのレビスたちも戻ってきていた。

 カジアがやっぱり戻ると引き返してしまったので仕方なくレビスたちも戻ってきた、というテイ。


 レビスたちだってドゥゼアのことは放っておけない。

 カジアが戻るならレビスたちも喜んでドゥゼアのところに戻ってきたのである。


『獣人……? いや、お前ら魔物だな?』


 ユリディカとオルケが獣人ではなく魔物であることに気がついた。


『人質だと聞いていたが魔物と仲良くしているのならここで殺さねばならないな』


「な……」


『うっ……』


 ジジイの殺気に当てられてみんなが怯む。

 濃密な殺気はまるで首元に剣を突きつけられているかのように恐怖心を掘り起こし、体の自由を奪い去る。


 圧倒的な強者が放つ殺気はただの殺気だけでなく魔力も含まれていて、それだけで一つの攻撃にすらなりうるのである。

 ドゥゼアは何度も回帰した経験からか多少死について耐性があるので胸が苦しくなる程度だが、初めて強者の殺気にさらされたレビスたちは完全に飲み込まれてしまっていた。


『まずはお前からだ』


 動けなくなったレビスたちに殺気を向けながらジジイはドゥゼアに目を向けた。

 何より優先するべきはゴブリン。


 特にここまで生き延びてきた奇妙なゴブリンは最も優先して倒すべきである。

 再び剣を振り上げたジジイ。


「カジオ、頼む」


『任された』


 以前までなら抵抗もできずにやられていただろう。

 しかし今はドゥゼアにも切り札がある。


『ぬっ!』


 ジジイの顔にカジオの拳がめり込んだ。


『ここは俺に任せろ』


『…………お父さん?』


『カジア、元気そうだな。今は早くここから逃げるんだ』


 ドゥゼアは切り札である獅子王カジオを召喚した。


「みんな、手を貸してくれ……」


 骨ぐらい折れてしまっているかもしれない。

 ドゥゼアは痛みで汗を流しながら這うようにしてレビスたちの方に向かう。


 ジジイの殺気がなくなってみんなもハッとしたようにドゥゼアの方に駆け寄る。


「治療は後だ。とりあえずここから逃げるぞ」


 もう合図は送ってしまった。

 獅子族やジャバーナも頃合いを見て撤退し始めることになっている。


 ここに増員が来るのもすぐなので早く逃げねばならない。

 ユリディカに抱えられてドゥゼアたちは逃げ始める。

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