表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜  作者: 犬型大
第四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

200/324

ゴブリンは荷物を整理します1

 なんとかバレることはなく町中を抜けてきた。

 最初に目的にしていたよりも良い感じで買い物ができたと思う。


「遅い!」


「遅い」


「慎重に買い物してたんだからしょうがないだろ。ほらこれでも食え」


 カジアがたくさん買ってきた串焼きを紙の袋から取り出してオルケとレビスに渡す。

 なんの肉かは知らないけれど結構良い匂いがしている。


 お腹は空いていたようで大人しく受け取って串焼きを食べ始める。


「さてと」


 ドゥゼアは買ってきた地図を床に広げた。


「オチミヤコだったな」


 地図の中からオゴンが住んでいるオチミヤコという町を探す。


「ここか」


 地図を見ると獣人の国トウゲンは首都であるウヨキシガヒがほぼ中央にあって東西南北にそれぞれ大きい都市がある。

 ドゥゼアたちが今いる場所は南側の地域で、オチミヤコという町は西側の地域にあった。


 思っていたよりも遠そうではあるが真逆の北側にあるよりはマシである。

 正規のルートとしては首都近くまで行って、そこから西の方向に伸びる道を行くのが良いのだろう。


 大きな道が通っているので人なら魔物との遭遇も少なく行ける。

 けれどドゥゼアたちは人ではない。


 普通の道を通ることはしない。

 わざわざ人が多い首都まで行く必要はなく突っ切って行ってしまう方が早く着く。


『想像よりも立派な国になっているのだな』


 地図を見てカジオが感動したようにつぶやいた。

 国も持たずに迫害されるように生きてきた獣人がしっかりとした国を持てている。


 激しい戦いの日々が無駄ではなかったのだと実感する。


「そうだな。文化のレベルも高そうだし町に住まう人も穏やかだ。良い国だと言っていい」


 物価も安めで食料なんかの事情も安定していそう。

 不穏な噂はあったが少なくとも表面上は平和で豊かな国である。


「出発は明日にしよう。今日は早めに休んでおけ」


 買い物も時間がかかってしまった。

 今から出発してもさほど移動もできないのでこのまま小屋で休んでから移動することにした。


 買ってきたものの整理をする時間も必要である。


「カジア、これを着とけ」


『ん、なに? これ僕の?』


 ドゥゼアは買ってきたクロークをカジアに渡した。

 寝る時に毛布代わりにもなる厚めのクロークで、魔物と動く以上カジアも顔を隠しておいた方がいいと思ったのである。


『ありがとう!』


 カジアはクロークを身につけて嬉しそうにひらりと一回転した。

 こんなことで喜んでくれるのならドゥゼアも買ってあげた甲斐もあるというものだ。


 ドゥゼアとレビスも買ってきた服を着る。

 レビスはちょっと煩わしそうにしていたけれど最近気温も下がってきたので防寒は大事である。


 あとは裸にレビス特製装備を直着用だったので多少肌を隠すことも必要だと考えていた。

 なんとなくだけどレビスの体つきもメスっぽくなってきた。


 おそらく通常のゴブリンよりも長生きして魔力を得たことでレビス自身も変化をしてきている。

 このまま順当にいけば進化をする時も近いかもしれない。


 なので多少の恥じらいも覚えてほしいとドゥゼアは思う。

 逆にレビスとしてはドゥゼアが欲情してくれるなら四六時中裸でもいいと考えているけれど。


 ユリディカは服要らず。

 毛も生えているので地肌は見えないし温かい。


 ユリディカ自身も服を嫌がったので無理に着せることはしない。


「下が……欲しいですね」


「要加工だからな……ちょっと我慢しろ」


 1番服を欲しがったのはオルケ。

 リザードマンの体ではあるが人としての恥じらいは残っている。


 上の服はいいのであるが問題は下である。

 太くて立派な尻尾があるのでそれに合わせて加工しなければ履くことができない。


 しかし加工すると言っても実際にやろうと思うのは簡単ではない。

 裁縫道具もないのでそうしたことは次回の機会に、ということになった。


 とりあえず大きめのローブは買ってきたのでそれを着てもらうことにした。

 リザードマンは特に気温変化に弱いので防寒の必要性は高い。


「……エッチな目で見てませんよね?」


「見てないわ!」


 レビス特製装備で一応隠してはいるがほぼ裸なようなものである。

 オルケはいぶかしむようにドゥゼアのことを見た。


 ただのリザードマンよりも白いリザードマンの体は綺麗だと思うけれど今のところドゥゼアもそうした目で見たことはない。

 ただそうした行為に及べないかと聞かれれば多分及べる。


 ドゥゼアも魔物歴が長いので価値観もやや特殊になってきている。


「ドゥゼアには、私がいる」


「私もいるよ!」


 オルケには負けられないとレビスとユリディカもアピールをする。

 もしドゥゼアの理性が焼き切れて本能に身を任せるならレビスとユリディカにお願いすることにはなるかもしれない。


「まあありがとな」


 現在そのつもりはないけれども想ってくれるのは嬉しいことである。

 あとは食料品の整理もする。


 最初は荷物を運ぶための袋すらなかったが今は死んでいた冒険者たちのリュックなどがあるのでみんなで荷物を持っていける。

 一人に偏らないようにしながら荷物を平等に分配しておく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ