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やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜  作者: 犬型大
第四章

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ゴブリンは男ゴブリンと戦います2

「まあ俺もレビスを渡すつもりはない」


 レビスは大事な仲間である。

 ドゥゼアのことを信頼してくれているし、ドゥゼアも信頼できる。


 金属を操る力や冷静さなども非常に好ましい能力も兼ね備えている。

 負けるつもりもなければ大人しくレビスの判断にだけ任せているつもりもない。


 勝ってこの話を終わらせる。


「来いよ」


 先手は譲ってやる。


「……イ、イクゾ」


 真剣な目をするドゥゼアに圧倒されたゴブリンだが己を奮い立たせてドゥゼアに殴りかかる。

 それだけでも立派だと思う。


 振りかぶられた拳をドゥゼアはかわさなかった。

 ドゥゼアが殴りつけられて周りがざわつく。


 何が起きたのか周りはまだ分かっていないようだった。


「良いパンチだ」


 今度はドゥゼアはゴブリンを殴りつける。

 フラフラとゴブリンは後ろに下がるけれど倒れはしない。


 思いの外根性もあるようだ。

 ゴブリンがドゥゼアを殴り、ドゥゼアがゴブリンを殴る。


 簡単にかわすことも出来るのだけれどドゥゼアは足を止めて全てを受ける。

 ゴブリンの方もかわすことができなくて結局はドゥゼアと同じように全てを受け切る形となる。


 やはりドゥゼアの方が強い。

 獅子王の心臓で体が強化されているということもあるがドゥゼアの方が狩りをして魔物の魔力を取り込んでいる。


 そうして食べてきたものの方が強いのがゴブリンである。

 さらには殴る時にもドゥゼアは腰を回してしっかりと拳に威力を乗せる。


 数回のやり取りでドゥゼアの顔も腫れてきているがゴブリンの顔はもうパンパンになっていた。

 周りのみんなは固唾を飲んでドゥゼアとゴブリンの決闘の様子をうかがっている。


「いいか、覚えておけ」


 最初の頃の勢いもなくペチンと弱々しい殴打がドゥゼアの頬に当たる。


「弱くても罪じゃないが何かを欲するなら強くなきゃいけない」


 これで終わりとゴブリンの顔面にドゥゼアの拳が叩き込まれる。

 これまでよく耐えてきたゴブリンであったが糸の切れた人形のようにぶっ飛んでいって地面を転がる。


「レビスに気に入られたきゃ強くなることだな」


 最後に立ちあがろうと気合いを見せたけれどそのままフッと気を失って倒れた。


「ただ……見込みはあるぜ」


 リーダーシップも気合いもある。

 変に調子に乗って冒険者に目をつけられたりしなければそれなりに強いゴブリンなれることだろう。


「ドゥゼア大丈夫?」


「ああ」


 レビスが心配そうにドゥゼアの顔を覗き込む。

 悲しいかなその目にはゴブリンの姿は映っていない。


「何してたの?」


「男の戦いさ。引けない時が男にはあるんだ」


「ふぅーん?」


 ユリディカも不思議そうな顔をしている。


「痛いから治してくれ」


「うん、いいよ」


 ドゥゼアはユリディカに顔を治してもらう。

 回避も防御もしなかったので結構頬が腫れている。


「あっちはいいの?」


「あっちはいい」


 勝者と敗者。

 余計な気遣いはプライドを傷つけてしまう。


 負けた痛みを痛感して、覚えておくことはきっとゴブリンの次に繋がる。


「ホーホー、やはり面白いゴブリンだぁ。ここを離れてしまうのが残念でならない」


 出来ればこのままゴブリンたちのリーダーとして君臨してほしいぐらいだとチユンは思う。


「すまないな、やることがあるんだ。まあそのうち群れ作るつもりだから気が向いたらここに来てやるよ」


「ホー……まあ気長に待とう。来なくても恨みはしない。

 ただ困ったことがあったらいつでも来るといい。チユンはドゥゼアの友である」


「……ありがとな。ゴブリンのこと、頼むぜ」


「任された」

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