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やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜  作者: 犬型大
第三章

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ゴブリンはダンジョンのボスに挑みます2

「寝てるねー」


「寝てるな」


 ということで観察していたのだけど平和。

 ボスアイアンテールウィーゼルはずっとスヤスヤと寝ていて目を覚ます気配もない。


「宝箱を守っていたタイプと同じだな」


 じっくりと休んで観察したけれど起きないということから宝箱を守っていたアイアンテールウィーゼルと同じく一定の範囲に入ると動き出すタイプだと考えた。

 こんなフィールド型のダンジョンにいるのに迷宮型のダンジョンにいるような行動するのだなと驚いた。


 ダンジョンを常識で考える方が間違いなのでこうだろうと枠にハマった考えは捨てる。


「まあそれならまた試させてもらうか」


 動かないというのならもちろん先制攻撃させてもらう。

 オルケが大きな火の玉を魔法で作り出す。


「いけー!」


 真っ直ぐにボスアイアンテールウィーゼルに火の玉が飛んでいく。


「ああ〜」


 例に漏れずボスアイアンテールウィーゼルはパチっと目を開いて火の玉を尻尾で切り裂いた。

 火の玉が真っ二つになって消えていく。

 

 体が大きいために尻尾も普通のアイアンテールウィーゼルと比べ物にならない破壊力もありそうだ。

 ドゥゼアはよくボスアイアンテールウィーゼルを見ていたので気がついた。


 一定のラインを越えたところでボスアイアンテールウィーゼルが目を覚ましたことを。

 だがそれを悠長に確かめている暇もない。


 顔を上げたボスアイアンテールウィーゼルがドゥゼアたちを睨みつけている。

 このまま戦闘になるか、あるいは逃げるか。


 距離もあるし一度逃げようかと思いながら睨み合いを続けているとボスアイアンテールウィーゼルは大きくため息をついてまた寝始めた。


「ふぅ……」


 ホッとドゥゼアもため息をつく。

 ボスアイアンテールウィーゼルは一定の範囲内から出ないボスであるようだ。


 おそらく決められた枠があってその中に入ると戦いが始まってその中でしか戦わない。

 出入り自由なボス部屋があるようなものだ。


「戦いやすいといえば戦いやすいが。

 面倒だといえば面倒だな」


 戦いから離脱できるというのはありがたい。

 危なくなったら退けばいいのだから。


 けれどその分ボスアイアンテールウィーゼルが目を覚ますまでの場所が結構早かった。

 つまりはボスアイアンテールウィーゼルが動けるエリアが広いということである。


 ボスアイアンテールウィーゼルまでの距離を考えると先手を打って奇襲するのはまず無理である。


「結局は正面突破か」


 大体の場合ボスに対して下手な作戦は通じない。

 多少の前準備は出来ても正面から戦うことになるのがダンジョンボスというやつである。


「あいつを倒すぞ」


 デカいが全身金属でなければ希望はある。

 水の精霊のお願いでもあるしここは一つボスに挑んでみる。


 ダメなら撤退。

 ある程度離れればボスアイアンテールウィーゼルは追ってこないはずである。


 周りに他のアイアンテールウィーゼルがいないことを確認してドゥゼアたちはボスアイアンテールウィーゼルの方へと向かう。

 どこで動き出すのか警戒しながら少しずつ近づいていく。


「むっ、動いたぞ!」


 先頭を行くドゥゼアが一歩を踏み出した瞬間ボスアイアンテールウィーゼルが目を開けた。

 素早くそこらへんで短剣を振って地面に跡をつけておく。


 徹底するときの目印になる。


「やるぞ!」


 睨み合いの時間もわずかに今度はボスアイアンテールウィーゼルも動き出す。

 やはり範囲内にいると襲いかかってくるようであった。


「ぐっ!」


「ドゥゼア!」


「大丈夫だ!」


 正面から攻めてきたボスアイアンテールウィーゼルの尻尾を受け流そうとしたが相手の力が強すぎた。

 受け流すのに失敗したドゥゼアが後ろに転がるが尻尾そのものは剣で防いだので大事はない。


 甲高い鳴き声をあげるボスアイアンテールウィーゼルとの戦いが始まった。

 出し惜しみはしない。


 ユリディカの強化も使ってみんなで囲むようにボスアイアンテールウィーゼルと戦う。

 攻撃パターンは変わらない。


 尻尾に爪、噛みつき攻撃と普通のアイアンテールウィーゼルと同じだ。

 ただ威力は桁違い。


 アイアンテールウィーゼルと同じように攻撃を受けてしまえば一撃も持たない。

 けれど大きくて威力が高い分攻撃も大きい。


 それなりに速さも上がっているのだが攻撃の動作も大きくて冷静に対処すれば回避は意外と難しくもない。


「やああああっ!」


「はあっ!」


 ドゥゼアが振り下ろされた尻尾をかわしている間にユリディカとレビスがボスアイアンテールウィーゼルを挟撃する。

 ボスアイアンテールウィーゼルは体の金属と爪を覆っていた金属を素早く移動させて攻撃を防御する。


「くらえー!」


 さらにオルケが魔法を叩き込む。

 火の玉がボスアイアンテールウィーゼルの顔に当たった。


「……こいつ!」


 これまでのアイアンテールウィーゼルはある程度の金属のまとまりを一つとして、それをどこか1箇所に移すような形で金属のまとまりを分割することはなかった。

 なのにボスアイアンテールウィーゼルは尻尾の金属を半分顔に移して火の玉を防いだのであった。


 金属の扱いが普通の個体よりも上手い。

ーーーーー

後書き、宣伝、お願い

2023年も一年間『転生ゴブリンはまたゴブリンになりました~もうゴブリンにはなりたくないので今度こそゴブ生を生き延びて終わりにしてみせる〜』にお付き合いくださいましてありがとうございます。


皆様の応援のおかげでここまで小説を続けることが出来ました。


まだまだドゥゼアの冒険は続きます。


のんびりと更新を続けていきますのでよければこれからもお読みくだされば幸いです。


最後にお願いですがカクヨムコンにこの作品は参戦中です。

カクヨムでお星様などで応援していただけるともっとやる気になります。


お年玉代わりに星三つやるか、という優しい方がいらっしゃいましたら応援よろしくお願いします!


いつも見てます!とか面白かったです!なんて応援コメントでもいいんだぞ!


改めて、いつもお読みくださってありがとうございます!

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