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やがて王になりし転生ゴブリン〜何度転生してもゴブリンだけど次のゴブ生こそ魔王を倒してみせる〜  作者: 犬型大
第二章

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ゴブリンはリッチに協力します4

「なんだって!?」


「以前と同じ方から、かなりの人数が!」


「クソッ……思っていたより早いな。

 おいっ、あんたたちは逃げるといい。


 今ならまだ逃げられる。

 私たちが無事だったら戻ってくればいいさ」


「いや、俺たちも行こう」


「なんだと?」


「俺たちの目的はコイチャだ。

 まだ返してもらってないからな」


 フォダエの研究の話などはついでのものでしかない。

 ドゥゼアたちの目的はあくまでもコイチャの奪還である。


 このままいけばコイチャは戦いに駆り出される。

 それを黙って見てはいられない。


「こちらで守ってやる余裕なんかないぞ」


「結構。

 自分の身は自分で守る」


「なら好きにしろ。

 オルケ、杖だ」


「分かりました!」


 オルケはどこかに走っていき、フォダエは屋敷の外に出る。

 ドゥゼアたちもフォダエについて屋敷を出た。


 まだ屋敷のあるところからでは敵の姿は見えず、森は静寂に包まれているように見えた。


「ご主人様、杖です!」


 オルケが杖を持って屋敷から出てきてフォダエに渡した。

 落ち着いた見た目をした真っ白な杖であるがドゥゼアにも感じられるほどの魔力が溢れていた。


「集まれ!」


 フォダエが杖で地面を突いた。

 波が起こるように魔力が周りに広がっていく。


 すると地面から手が出てきた。

 皮も肉もない骨の手。


 次々と地面から手が突き出してきてスケルトンが出てくる。

 同時に屋敷の中からもスケルトンが集まってくる。


 死を操るものと言われるリッチの能力で危険なものの一つにやはりアンデッドを従える集団能力があることだろう。

 スケルトンは一体一体相手にするならさほど驚異的な相手ではない。


 骨だからだろうか力も速さも高くない。

 しかしスケルトンの厄介なところは痛みを感じないところと死を恐れないところである。


 そのためにスケルトンは数が増えるほど面倒な敵になる。


「コイチャ!」


 ピュアンがユリディカの肩から飛び降りて1体のスケルトンに駆け寄った。

 他の個体よりもボロボロになった姿を見ればピュアンにはすぐに分かった。


「コイチャ、私よ!」


 同じくボロボロになった剣を持ったまま立ち尽くすコイチャはピュアンの声にも反応しない。


「ねえ……ねえって!」


 もはや守ろうとしていた場所にもいない。

 コイチャが今どのような状況にあるのかイマイチ分からない。


 ただ今のコイチャは接近しても戦いになることはなさそうである。

 そうしている間にも他のスケルトンたちは屋敷の中に入って装備品を持ってきて武装していた。


「何度来たって負けない!

 思い知らせてやる!」


 フォダエが杖を振ると地面が盛り上がる。

 腰ほどの高さがある土壁が屋敷をグルリと囲む。


「な、なに!?」


 弓を構えて壁の後ろで待機するスケルトンたち。

 その1体の頭が急に撃ち抜かれた。


 弓矢で撃たれたのだけれどスケルトンの頭に頭に見事に直撃して頭蓋骨が砕け散ってグラリとスケルトンが倒れる。


「どこから……」


 まだ敵の姿も見えていない。

 なのに正確に、一撃でスケルトンの頭を撃ち抜くなどあり得ない。


「みんな伏せろ!」


 またスケルトンの頭が撃ち抜かれて倒れる。

 これは危険だと思ったフォダエがスケルトンに壁の後ろに臥せて隠れるように命令を出す。


 正確無比で強力な射撃。

 それを見たドゥゼアはなぜなのか痛くもない肩がツキンと痛むような気がした。


「……きた!」


 ユリディカのミミがピクンと動いた。

 ぬかるんだ地面を踏み抜く音。


 気配を殺してはいるがこう足元が悪くては全ての音を消し切ることはできない。


「放て!」


 フォダエはアンデッドであるためにより広い範囲を魔力で感知していた。

 射撃圏内に人が入ってくるの待ち、スケルトンに指示を下した。


 乱雑な射撃であるが数がいる。

 特に弓矢の回収も考えていないので好き勝手にスケルトンは矢を放つ。


 ドゥゼアが土壁から顔を出して覗いてみると武装した冒険者たちが迫ってきていた。

 素人集団ではないようで弓矢でやられた人は少なく、木に身を隠したり盾を全面に押し出して距離を詰めてきている。


「舐めるな!」


 フォダエは魔法を使う。

 鋭く研ぎ澄まされた炎の槍が飛んでいき、盾ごと冒険者を貫いた。


 戦いが始まった。

 矢も無限にあるものじゃない。


 手持ちの矢が減って射撃の勢いが減じた。

 その時を待っていたかのように冒険者たちが盾の後ろから飛び出してきた。


 軽装の足の速いものを中心としてあっという間に壁の前まで接近してきた。


「刺せ!」


 弓矢を持ったスケルトンが下がり、代わって槍を持ったスケルトンが壁の後ろから立ち上がって槍を突き出した。

 何人かの冒険者が槍に刺されるがそれでも防ぎきれずに壁の中に冒険者たちが入ってきてしまった。


 激しく暴れ始める冒険者たち。

 数名がフォダエのところに向かう。


『なに!』


『くっ!』


 しかしフォダエが動くこともなく剣を持ったスケルトンたちに攻撃は阻まれる。


『クソッ、このスケルトンたち強い……ぐわっ!』


 数の差もある。

 愚かにも突っ込んできた冒険者たちはスケルトンにあっという間に倒されてしまった。

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