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【完結】遠くて近きは幼なじみ  作者: カムナ リオ
第一章
6/23

第6話「昔のように」

 華は登校中、大きい欠伸を噛み殺しながら、とんでもない事を言い出した。


「ねえ、翔ちゃん。ウチのwifi直るまで、翔ちゃんの家行ってもいい?」

「……え⁉︎」

「だってネット回線繋げないから、ローカル通信じゃないと、一緒にゲーム出来ないじゃん?」


 翔太は呆れて言葉を失った……

 今朝方の「迷惑かけてゴメン」のメモは何だったんだよ?アレは嘘か?ちょっと泣きそうになった、俺の純情を返せ! 


 翔太は沸々と、怒りの感情が腹から沸き起こりそうだったのを、何とか抑えた。


「直るのに、どれくらい日数かかるの?」

「業者さん、明日か明後日来るらしいから、そのくらいかな?」


 翔太は、まあそれくらいなら……と一瞬流されそうになったが、いや待てと被りを振った。昨日まで殆ど繋がりを絶っていたのに、この距離の詰め方、おかしくないか?


「その間、ソロクエストやればいいじゃん? それならネット回線要らないだろ。無理に今、マルチクエストやらなくても……」

「ソロクエスト、もう終わった」

「は⁉︎」

「後はマルチクエストやらないと、解禁されないんだもん」

「お前、家帰ってからずーっとやってたの⁉︎もう今日学校から帰ったら、すぐ休めよ!」

「学校で寝るから、大丈夫」


 翔太は、カーと頭に血が昇りそうになった。

昔、華に振り回されっぱなしだった事を、よくよく思い出して来た。


「ちゃんと家で寝ないなら、ウチ出禁だから」 


 えー‼︎ だって、気になって眠れないんだもんと、華は翔太に猛抗議した。翔太はううっとたじろいだ。


「……少しでいいから、ちゃんと家で仮眠しろよ。そしたら、来ても……いいよ」

「本当⁉︎分かった! 頑張って、仮眠する!」


 その屈托のない笑顔に、翔太は呆れつつも、何処か暖かい気持ちになった。昔の頃に戻った様な……もしかしたら、またあの頃の様に、戻れるんじゃないかと錯覚する程には。


 ただその考えが甘かった事に、後々嫌というほど気がつかされる事になろうとは、この時の翔太には、知る由もなかった。



つづく

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