第22話「華の後悔」
(あああああああ……)
華は、机につっぷして項垂れた。
やってしまった……定期テストの結果は散々で、母親に烈火の如く怒られた。
当分ゲームは禁止だろう。
(……でも、いいか……何もする気、起きないし……)
テストの結果が、散々だった理由は分かっていた。信じられないくらいに、勉強に集中出来なかった。こんな事は初めてだった。
自分から、集中力を取ったら何もないのに。
全ては因果応報だと華は思った。
もし、あの日をやり直せるならと頭をよぎったが、そんな事は現実では無理な事は分かりきってる。ここはゲームの世界じゃない。リセットなんか出来ない。
ずっと、あの日の翔太の事が忘れられない。
忘れたい……知らなかった頃に戻りたいと、華は何度も何度も願った。
ふと窓の外を見遣ると、外は陽が暮れ始めていた。
その時、コンコンと部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「華、起きてるか? 」
父親の声だ。ずっと部屋に篭りきりなので、心配してるのだろう。
「今日、近所の神社でお祭りがあるみたいだぞ。気晴らしに友達でも誘って行って来たらどうだ? ……りんご飴でも買って来たら、母さん、機嫌直すかもしれないぞ」
そんなに、簡単なものではないと思うけれど、その父の気遣いがなんだか、嬉しくて、居たたまれなくて、華はうん、分かったよと今込められる精一杯力で返事をした。
***
華は、久々に外の空気を吸った気がした。
神社の方へ向かう程、人は増えていった。屋台が沢山出ており、皆んな浮き足立っている。
本来なら、自分もお祭りごとは好きな方だ。でも、今は周りの様にはしゃぐ事が出来ない。
(こんな風に、思う事なかったのに……)
華は、自分がすっかり変わってしまった様に感じた。
賑わう人々の中にいると、華はより一層孤独を感じた。華は群衆を避ける様に、いつの間にかあの公園に来ていた。
神社から離れているせいか、公園はひっそりと鎮まりかえっていた。まるで貸切だと、華は昔を懐かしく思い、年甲斐もなくジャングルジムに登ってみた。
(昔は、もっと高いと思ってたのに……)
幼児用にあつらえられたその園具は、高校生になった自分には、とても小さく感じた。
気がついたら自分もすっかり大人になってしまっている事に、華は寂しくなった。
もしあの頃のままでいられたら、こんな風に今悩んだりしてないのかもしれない。
戻りたい……戻りたいのに、もう……
「華?」
その時、聞き覚えのある声がした。
華は、ギョッとその声がする方に振り返る。
今この世界で、一番会いたくない人がそこに居た。
つづく
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