僕VS Sランク冒険者もどき
バディという2人組をリリィさんと組んだら、認めねぇと叫ぶむきむきの筋肉だるまが乱入してきた。
本来なら、バディを組んでたり結婚してたりする相手に感情任せに怒鳴り込んで決闘をその場で申し込むなんてお縄に付けるどころか犯罪奴隷にも処刑にも簡単に出来ちゃうってすっごい有名なのに挑むアホが現れた。
「いかが致します?身分と結婚してるのに加えてバディを組んでる人相手に横恋慕ってスリーアウトですけど、一言で首ちょんぱも出来ますよ?と言うより、犯罪奴隷確定ですね。」
お姉さんが真顔でそう言うと、リリィさんが何か思いついた。
「ねぇ、チェルニ。」
「ん?」
「あなた、本気で暴れた記憶が私と出会ってからないわよね?」
「ないですね。」
「それと、こいつのアウトをなかったことを3つから1つに減らす代わりにこいつがなろうとしてたSランク、チェルニにプレゼント出来るかしら?」
何かリリィさん企んでる?
「構いませんよ?」
「リリィさん、そんな簡単にSランクってなれるの?」
「普通は無理よ。依頼をそれなりにこなす必要があるし、絶対的な実力と人格面や日常生活の態度とか色々と確認対象があるわよ。あなたの場合は、この国になんだかんだで2ヶ月くらい私の家にいるメイドや執事たちの確認やこの国にいる国民たちの評判もどれも問題なかったから既にクリア済みよ。後は実力だけだから、こいつを始末すればそれで完璧ってワケ。」
「やけに親切なメイドさんやコックさん、執事さんだなぁと思ってたりやけに視線が集まるなぁと思ったら監視してたんだね。」
「ごめんなさいね?」
「結果的に僕のためだから大丈夫。」
「と言うわけで、その決闘受けてあげるわ。あんたが勝てば私はチェルニと二度と会わないわ。そして、あんたが負ければ冒険者ランクをチェルニと交換、手持ちの装備も財産も全て没収、バディを組んだ相手にチャチャ入れた罰を犯罪奴隷として一生を償いなさい。」
リリィさん、普通に離婚するとは言わないんだね、さすがです。
それと、その感じからすると会わないと言いつつも、偶然すれ違って偶然同じ場所に予定がある的な感じになりそう。
「なっ、俺が負けるとでも言うつもりか!?」
そこでリリィさんはすごくどう猛だけど良い笑顔で応えてる。
・・なんか活き活きしてる。
「なぁに?あんた負けるのが怖いわけ?それとも、自分だけメリットのある決闘をするなんて卑怯なことを公爵家令嬢である私とクリアネス王国第一王子であるチェルニ相手にするわけ?不敬罪もこの場でプラスしてバディを引き裂こうとして結婚の儀式も無事に終わらせた私たち相手にやらかしたことを決闘なんて受けずにその場で処刑しても良いのよ?」
「うぐっ・・」
「わかってる?こっちは特別に情けをかけてあげてるの。あなたが口を挟むことが出来るのはさっきの暴言で情けで許されただけよ?」
リリィさんが言ってるのはタダの事実だしね。
周りの人が全員うんうんと頷いてるし。
「・・・わかった」
まぁ、素直になるだろうね。
僕も身分が見えるようにステータスを一部公開してるから周囲にいる人たち全員に見えてるし、リリィさん家の護衛さんたちとかこの国を警備して回る当番だった冒険者の人たちとかなにげに仲良くなった人たちがくるりと周りを取り囲んでにらみつけてるし、そいつを。
ついでに、やけに豪華な服装の渋系なのに張っちゃ蹴るのが大好きそうなおじさまがいるし。
本気で戦うときはシャルが振り落とされたり流れ弾に当たったりしたら大変だから大抵どこかに避難してもらうんだよ。
まぁ、今回はガチの本気で戦うほどじゃなさそうとしてもそれなりに派手に動いてやろうかと思ってるし。
「シャルは、リリィさんといてね。」
「にゃう」
で、シャルをリリィさんに抱っこしてもらう。
そのときに当たり前のようにリリィさんには口にチューされる。
「まぁね。と言うわけでシャルをお願いします。」
「良いわよ。」
「あ、あの!」
仲良くなった受付のお姉さんがやけに興奮しながら僕に尋ねてきた。
「その猫ちゃん・・触っても良いですか!?」
「シャル、どう?」
「にゃう」
「力いっぱい撫でたらそのきれいな顔をひっかくから、優しくなら許すそうです。」
「やったっ・・・わぁ!わぁ!」
すっごいうれしそう。
どうやら猫付きらしい。
ちなみに、このお姉さんはリルナさんっていうお名前で、ゆったりした服を好んでるからあまり気付かれてないけど、お胸が軽くDは超えるほどの良いスタイルしてたりします。
何で知ってるかって言うと、シャルがリルナさんが着けてるブラのサイズが合わないっぽいと気付いてリリィさんを経由してさりげなく言ってもらったところ、本人的にはしっくりしたサイズと思ってBのサイズを身につけてたそうだけど、実はぎりぎりEに届かないくらいのDと言うなかなかのサイズだったことが判明したってわけ。
なんでそれを知ってるかというと、うれしそうに僕が目の前にいる(正しくは満面の笑みで抱きしめながら膝の上にのせられてた)のに普通にサイズを言い合ってたから。
その後、僕(一応男)がいるのを思いだして赤面しつつも僕ならまぁいいやって言ってたのは、色々とどうなんだろう?と思う。
でも、その後で普通に服を脱いでこんな下着を買ったんです!って僕の目の前で上下下着のみの姿になるのはさすがにダメじゃない?って思った。
リリィさんというある意味での最高級品になれてたから色々と幸せな気持ちにはなっても発情しません。
その後で、お家でたっぷりとリリィさんにいつもの倍くらい絞り取られたけど。
上も下も。
まぁ、メイドさんたちもわりと普通に僕の目の前で平然と全裸になって着替えたり、タオルで隠しもせずにお風呂入ったりしてるけど。
でも、リリィさんみたいに超過剰なおさわりはされないよ?
抱きしめられたりはされるけど。
「で、シャルはさっきなんて言ってたのよ。」
「あの程度の相手に本気を出すほどじゃないだろって。」
「相手の実力を見抜くのも得意なの?そのにゃんこは」
「野生の勘だそうです。中々精度は高いですよ。」
「なるほど」
リリィさん、僕が勝つのは確信してるから心配はしてないけど僕と離れるのはさみしいらしく会話を1つ挟むごとに口にチューしてくる。
いつも、僕は抱っこされるかどっちかが抱きしめるか手を恋人繋ぎするか、座ってたら僕が膝枕するかリリィさんの膝の上に座らされるかって感じでずっとくっついてるからね。
家の中だろうとお外だろうと。
「さぁて、始まりました。始まりはタダの嫉妬によるバカが乱入したこと!
結婚の儀式を終わらせ、バディを組んでる相手に別れろと言い出す時点で自殺志願者だって言うのに相手は、片方はこの国の公爵家令嬢、もう片方はなんとびっくりあの超大国のクリアネス王国第一王子!
そこで、首ちょんぱも出来たところをリリィ様の提案により決闘を開催することとなりました!
筋肉だるm・・・Sランク間近と言われている岩をも片手間に砕く怪力を持ちながら素早い動きを得意とする筋肉砲弾の二つ名を持つジョロリ!
そして、どこからどう見てもタダの美少女にしか見えないがれっきとした男!いつも黒猫と一緒にいる猫大好き、そしてリリィ様が溺愛することで超有名!和服に木刀というものすごい身軽な格好がトレードマークだがその木刀はなぜか燃えず折れないという謎素材!彼が本気で戦っている姿を見たモノはいない!彼の実力はいかに!!」
そんな、テンションたかだかと活き活きした表情でナレーションしてるのはこの国の王様
さっき、渋系なのにテンションあげるのが好きそうなおじさまが王様でした。
何でこんなところに?というのは、護衛らしい騎士さんたちが目で聞かないでと悲しそうな目をしてたので聞いてないです。
リリィさんが苦笑いしてたので、わりと自由な人っぽいと仮定。
「ジョロリが勝てば、リリィちゃんとチェルニ君・・あぁ、かわいいからちゃん付け!チェルニちゃんは離れ離れ!一方チェルニちゃんが勝てばSランクゲット&ジョロリの所持財産全てゲット!アンドジョロリはバディ制度による罰を受けることに!」
君でもちゃんでもどっちでも良いけど
「へっ!てめぇのようなひょろいやつが俺様に勝てるわけないだろ。俺の肉体は金属の剣すらも傷一つ付かないんだ。」
「ふぅん。」
なんか、すごいありきたりな暴言を吐く筋肉だるまだなぁと思いつつ特に言い返す気も起きなかったので好きに言わせておいて聞き流す。
「けっ、今に見てやがれ」
そんな僕の態度が気にくわなかったらしいけど、どうでも良いよね。
「さぁ、戦闘開始!」
ぱーんと音が鳴った途端に筋肉だるまがものすごくでっかい斧を振り回して凄い速度で僕に向かって襲ってきた。
確かに早いね。
けどさ、
「っ!?俺の一撃を躱すだと!?」
あんな一直線に進んできたら何も考えなくても動きなんて軽く読めるし。
さて、思い切りやっちゃって良いって言われてるし、リリィさんに一応僕の戦いをみてもらいたいしね。
木刀を腰から抜き、
「炎よ」
ぽつりと呟くと木刀を包み込むように激しく燃え上がり、周囲に激しい熱気が漂う。
そして、足にぐっと力を込めて再度バカの一つ覚えで一直線に襲ってくるバカの脇をくぐって背中側から足を払うようになぎ払い、連撃でなぎ払った勢いを利用してそのまま体を回転させながら頭の後頭部を蹴り飛ばす。
すると慣性の法則に従い、派手に転ぶ。
自分の駆けだした勢いと体重が乗っていたから自滅する勢いでそこそこ言いダメージが入ったようだ。
で、そんな隙を見逃すわけもなく
「雷よ」
今度は激しく木刀がバチバチっ!っと稲妻を周囲を軽く巻き込むように迸り、斧を持つ手首に向かって自身の体重もかけてジャンプして重力も利用して突きを放つ。
「っ~~~!?」
骨が折れたのだろう。
おまけに雷によって体の内部も焦し、痺れたのだろう。
だとしても、雷の威力が良い感じで追加ダメージとなり、ものすごい声にならない悲鳴を上げるバカ。
けど、そこで僕は止まらない。
悪あがきで足でなぎ払うように暴れるのでひょいっとそいつの死角に潜り込む
「凍てつけ」
今度は木刀が凍えるほどの冷気を纏わせ、死角から死角へ足音もなく動き続けながら全身の関節や目、首元などの急所も遠慮無用で突いてなぎ払って、(斬らないけど)切り裂く。
この時点で転がった状態であがき続ける以外に何も出来ないようだけど、情けはかけるつもりは微塵もない。
リリィさんの気持ちを踏みにじって自分の欲望ばかりに素直な屑を僕が許すわけがない。
無言だけど、その他諸々の感覚強化系や、身体強化系はそれなりに並行して使ってるよ?
「風よ」
今度は、キンキンと言う音を鳴り響かせながら周囲を激しい風を巻き起こす。
そして、風の力を利用してそいつの手足の神経を切り裂き、
「無に帰れ」
無属性の魔力を纏わせて純粋に身体能力を上げて、斧を砕き、
「毒」
思い切り上からたたきつけながら毒を流し込む。
最後にとどめとして、強く高くジャンプして体をくるくると回転させながら遠心力をたっぷりと乗せつつ上からたたきつけるように重力に体重も乗せた激重な一撃を頸椎にかかと落しでたたきつけてとどめ。
そいつは絶望した表情のまま白目を剥いて倒れた。
「これにて決着!Sランク間近というのは確かな実力もあったのは確かだが手も足も出ずに圧倒的な勝利を収めたのはチェルニ・クリアネス!!」
そこで、勝利は確信しつつもうれしそうに僕を抱きしめてくれるのはリリィさんは、当然のように口にキスしてきた。
勝利のキスと言いたいところだけど、濃厚なのを5分くらい(リリィさん的には軽め)してたから僕に対する・・ではなくリリィさんへのご褒美扱いのような気がする。
「勝つとは思ってたけど圧倒的だったわね。」
「チェルニ様・・強すぎません?」
「確かにこの人は力は強いし体は頑丈だし、素早いけどあんなにわかりやすく一直線に突っ込まれたら対処なんて簡単と思いません?」
「まぁ、見切る目があれば簡単よね。」
「それを見切るのも凄く大変な気がしますが。」
「それもそうね。」
「ですけど、あんな頑丈な筋肉だるまに良くもあんなに攻撃をポンポン当てられましたね。」
「僕の武器は剣ではなく刀なんです。」
「そう言えばどう違うのよ。」
「刀は、剣と違って純粋な技術で斬るんです。剣は体重や力で引き千切る感じで突くことがメインだったりするモノなんです。」
「らしいわね。」
「耳にしたことはありますよ。」
「けど、刀は斬ることに特化してるので技術を学ぶのは大変ですけど、身につけさえすればどんなモノでも斬れるんです。」
「へぇ・・」
「大変そうですけど、身につけることが出来たら頼もしいですね。」
「それに、僕は強化系のスキルといくつか持ってるので同時並行で使えばかなりの強さになりますし、相手が強いなら攻撃させないようにして攻撃出来ないようにすれば良いだけなんです。」
「あぁ、それで転ばせた後は、関節だったり視覚だったりを潰してたわけね。」
「おまけに僕の魔法は刀に属性魔法を纏わせること。そうすることでそれぞれの属性の強みを状況に合わせて使い分ければ戦術は広がります。」
「なるほど・・」
「炎でやけどさせ、雷で痺れさせ、氷で体温を奪い、動きを奪い、風で切り裂き、後はとどめで数激。」
「ところで最後の毒?ってどういう毒なの?」
「死にはしませんけど、魔力の動きを阻害する類いの毒なんです。・・・場合によっては、魔力操作ができなくなるけど。」
「中々にえげつないわね。」
「魔法使い殺しとでも言えるワザですね。とにかくお見事です!」
「そいつの財産はどうするの?」
「必要なのは一通り買い揃ってますし、今後のために全部換金して欲しいです。」
「それが無難ね。旅の資金を一気にゲットね。」
結果として、王様が大変楽しそうに爆笑しながらその場で換金してくれました。
おまけでお金を上乗せしたらしく、白い金貨が1枚と金貨が50枚でした。
白い金貨は白金貨と言って、金貨100枚分の価値があるそうです。
あ、あのアホはどうなったか一応教えておくね。
こっちの事情なんて神様は知ったこっちゃないので、天罰が降り注ぎました。
なんか、僕の毒で魔力が操れないのに両腕がぴくとも動かせなくなり、男の象徴も不能になったそーです。
それと、犯罪奴隷として金貨10枚で売られて行き、そのお金は僕の元へ。
なんか、色々それでもあーだこーだ言ってたけどシャルがある意味トドメをさしました。
何したのかって?
覚えてるかな、シャルって口からビームが出せるの。
そうです。
何となく察したと思うけど鬱陶しかったらしく遠慮容赦なくビームを頬をかする感じでぶっ放しました。
遥か彼方向こうの方へビームは真っ直ぐ飛んでいき、空に浮かぶ綿飴みたいな雲に綺麗な穴を開けました。
なんか、記念に取っておきたくなるくらい綺麗に。
ついでに、それを見てた全員も口を開けたままフリーズ
そのアホは、怯えた表情で、抵抗しなくなったよ。
だって、シャルが口を開けてそのアホを見てたから今度は直撃するやつを撃たれると認識したらしい。
オマケで、シャルのご機嫌を損ねるなってこの国中に周知されたよ。
リリィさんの顔は引き攣ってたけど、後ほどお仕置き代わりなのかこれでもかとシャルをひねもつけしてたよ。
ちなみに、空に浮かぶ入道雲にきれいな穴が空いた件に関して、偶然その場に居合わせた絵描きさんがいたらしく、その光景を僕と僕の肩に乗っかるシャルと空に穴を開ける光景、そして口からビームを出してる光景をそれはそれは盛大に描いたらしく、その絵が僕という存在を故郷(記憶ないけど)に知らしめることになるらしい。
「さて、チェルニちゃん。ご褒美に何が欲しいかな?」
「え、えぇっと・・絶対もらわないとダメな感じですか?」
「ダメだねぇ。」
「そ、そうですか・・」
え?
何がどうしたかって?
あの筋肉だるまとのゴタゴタとかが一応落ち着いたところでその現場に居合わせた(と言うか嬉々として自ら首を突っ込んでた)王様が、僕とリリィさんをお城に連れて行かれました。
あ、受付嬢のリルナさんは、僕たちが王様にターゲットロックオンされた直後に笑顔でサムズアップしてさっさとギルドに逃げました。
で、お城にたどり着いたかと思ったら豪華な食事が大量に並ぶ場所に連れて行かれ、王様と王妃様とリリィさんによる4者面談のお食事会に訳がわからない状態のまま開始され、さっきの台詞です。
何のご褒美なのか聞いたところ、Sランク誕生に対するもので一種の恒例行事なんだとか。
ある程度の限度はあれど、大体のことは叶えてあげるらしいけど、その態度次第ではSランクを禁止することもあるある意味での試験だったりするらしい。
まぁ、僕は速攻で欲しいのがないのでなかったことにして欲しいと言ったら満面の笑みで合格!と言われてそのネタばらしで教えてもらいました。
で、どさくさに紛れてなかったことに出来ないかなぁと思ってたけどダメでした。
「欲しいものがないのかい?」
「リリィさんにこの国を案内してもらうついでに一通り。元々なくても構わなかったんですけどリリィさんがないとダメだって言うので流れで」
「なるほど・・ホントに物欲がないらしい。それに、良い櫛を持っているようだしな」
シャルを僕の膝の上でブラッシングしてあげていたら微笑ましげな表情で王様が言う。
「あら、その櫛・・私たち王族ですら中々手に入らない実用性をとことん追求した最高級の櫛じゃない。チェルニちゃんは王子って自覚がないのでしょう?良く手に入ったわね。」
王妃様が珍しそうに僕とシャルを眺めながら尋ねてきたので素直に答える。
「前に偶然助けた老夫婦の方に助けたお礼にってもらいました。」
「あら、お礼にそれをくれるなんて凄く豪勢ねぇ。何があったの?」
「確か・・シャル、どれだっけ?」
「にゃう」
「あぁ、それそれ。」
僕が普通にシャルとしゃべり会ってることに関して王様と王妃様はびっくりした表情になってるけどスルーして答える。
「馬車を引いてその老夫婦が村に帰っている途中だったそうなんですけど、後ろから見上げても首が痛くなるような凄く大きいごっついヘビが襲ってきてたので倒したんです。」
「ごっついヘビ・・」
「さすがに、全力でまるまる2日くらい戦い続けてどうにかとどめをさしたんですけどほとんど気力だけで意識がない状態だったのでそのまま倒れて気絶したんです。」
「まるまる2日・・」
「それで、看病してくれた後、命の恩人どころか我が国の英雄だーっていいながら、是非お礼がしたいって言うので、ちょうどシャルに使う櫛がなかったので櫛が欲しいって言ったらくれたんです。」
「・・・」
「我が国?」
「ねぇ、チェルニ?」
「りりぃさんどうしました?」
「その老夫婦・・我が国って言ったのよね?」
「確かにそう言ってましたよ?」
「その老夫婦・・こぎれいな格好・・・と言うか、どこか気品のある感じじゃなかったかしら?」
「そう言えばそんな感じだった気がします。」
「後、その馬車・・どんなのだった?」
「確か・・シンプルそうに見せかけて意外とこぎれいでしっかりした作りでやけにピンシャンしてる執事さんっぽい格好したお兄さんが馬車を引いてたかも?」
「・・・・その老夫婦の名前とか国名とか聞いた?」
「いえ。もう4年も前でしたし、覚えてないです。それに、櫛をもらった後、ご飯と保存食とかもらって次に行きましたし。なんか、すっごい国中が騒がしくてシャルがうるさくて嫌だって言ってたので。」
「・・・その倒したヘビの体の一部とか持ってないかい?」
どうして王様も王妃様もリリィさんも顔が引きつってるんだろ?
で、がさごそと懐を探って・・あぁあった。
「これです。」
全員「・・・・」
お守り代わりにそのヘビの体の中で唯一輝き具合というか籠もってる魔力とかが凄かった虹色に輝く鱗と、あんな巨体なのに僕が両手で握るくらいの大きさの漆黒の牙を2本
それと、その体の大半を覆っていた黒に近い青から緑のグラデーション色の鱗を数枚。
きれいだったから記念にとっておいたんだよね。
あのでっかいその他諸々に関しては、その老夫婦の人に僕たち騒がしいの苦手だからそのでっかいのをあげるから内緒にしてねって言ってそのまま脱走したんだっけ。
あ、そう言えばあのヘビのお肉はおいしいからって老夫婦のお世話係の人かな?その料理人のおじさんに少しもらったんだっけ。
シンプルに焼いただけだったけど、凄くおいしかったなぁ。
「はぁ・・・道理で強いワケよ。そんなの倒してるんならそりゃ、あんなエセSランクなんて雑魚扱いにも納得だわ。」
「リリィさん、あのでっかいヘビのこと知ってるんですか?」
王様もなぜか顔が引きつってる。
「し、知らぬワケがないであろう・・確かその地は夏の大陸ではなかったかね?」
「確か熱い大陸でした。」
「やはりか・・・何の約束をしたかは知らぬが、噂話程度は耳にしたことがある。通りすがりの猫を連れた少女がたった1人で国を軽く覆い尽くすほどの巨大な龍を倒したと。」
「あのヘビ龍だったんです?」
「・・そうだ。正しくは、グランデヨルムンガンド」
「なんか有名なんですか?」
「有名というか、伝説にも残ってるかなり有名なやつよ。当然ヤバい方のね。」
「その巨体は国を丸ごと押しつぶし、その吐息はあらゆる生物を様々な毒に死滅し、その瞳は獲物は決して見逃さず、その牙は狙った獲物を離さず切り裂くと言われているSSS級のドラゴンよ。」
「ヘビじゃなかったんだ・・確かにでっかかったし、何度も変な色の息で死にそうになったし、腕とか足とか引き千切られそうになったし、どう死角に回り込んでも速攻で見つかるし鱗は硬いし素早いし一撃食らったら全身の骨が砕けるしでヤバかったけど。」
「・・・それを1人で倒したのよね?良く生きてたわね。」
「ほとんど気合いと根性でした。今思うと僕のステータスに乗ってたワザを全て無理矢理フルで活用したのに加えて火事場の馬鹿力と底力とか執念?みたいなので粘り勝ちしたようなモノだと思います。凄すぎて正直どうやってどのくらい戦ってたか記憶がないですし。どのくらいの間戦ってたかとかは、その老夫婦に聞いて知ったくらいでしたし。」
「あなたの属性魔法がフルで活躍してたのでしょうね・・。」
「だと思います。」
「よく勝てましたね・・。」
「ふむ・・褒美だが、1つお主が身につけている服をその素材を使用して強化するのでどうだろう?」
「これ使えるんです?きれいだから持ってただけですけど。」
「うむ。それだけあればかなり贅沢に使えるぞ?」
「あ、それなら1つ追加でお願いしたいんですけど。」
「追加と言うことは褒美はそれで良いと言うことだな!良いぞ!遠慮なく言いなさい」
「シャル用の首輪・・と言うより猫用ネックレスっぽいのってその素材を使って作れますか?」
「ふむ・・おしゃれな首輪という感じで良いのだろうか?」
「はい。首輪って雰囲気が出ない感じで」
「良いぞ。一部をシャル用に、残りをチェルニちゃんの服に・・という感じで進めさせてもらおう。」
「期待してくれて良いわよ。」
「じゃあチェルニ、着替えてその服を渡してとりあえず帰りましょうね。どのくらいで出来ますか?」
「この国に属す者たち総勢で対処させてもらう故に1月であろうな。」
「かしこまりました。」
「出来たら、説明書と共にリリィちゃんの家に持っていかせるわ。」
「ありがとうございます。」
そして、リリィさんに浚われてメイド服になって僕の服は王様に差し出されてリリィさんの家に帰りました。
・・その間、ずっと抱っこされて抱きしめられながらほおずりされ続けてたけど。
で、出来上がったのがこれです。
聖魔の着流し
↓
アルテミスのキトン
グレー寄りの黒色を中心とした首元や肩、脇の露出が多い色っぽさが少々目立つキトンと言う名前だが袖なしの和服
紺色と緑系統の色で縁取りとシンプルながらに洒落た柄が描かれており、光に照らされるとさりげなくその柄は色が変わる
そして、二の腕に和服の振り袖のようなものは外付けされていることが特徴
更に太もも辺りには深いスリットが入っている。
魔力を込めることで頑丈さを上げることも可能だが、何もしなくてもそこらの金属より頑丈でしなやかさも兼ねているため動きやすく、肌触り最高で、敵を狙う際の命中率が細やかに上昇する。
配偶者以外より貞操を守り続けることで配偶者に対する様々な愛が上昇する。
手洗いで汚れは簡単に落とせる
実はあちこちに小瓶の1つくらいならバレずに仕込むことが可能な小さなポケットが隠しポケットとして存在している
ヘカテのタリスマン
幾何学模様の輪の中央に太陽を模したシャル専用のネックレス
青とも緑とも言える銀で出来ており、様々なモノを見抜くことに関する能力の補助を行い、敵対する相手に存在を認識されにくくなる
月光のある場所で、淡く光り細やかな癒しをもたらす
・・・・ここで残念なお知らせです。
僕にとってだけど。
前に言ったことがあるんだけど覚えてるかな?
メイドさんたちの暴走によって僕の上の肌着が肩紐じゃなくても女性用で、
パンツがボクサーっぽくても女性ものになったって。
なんとなく察した人がいると思うけど、服装が深い深いスリットが入ってるからボクサーパンツだとパンツが見えちゃうからそれは芸術的じゃない!
とか
肩とか脇とか首元とか盛大に露出されてるから今のタイプのシャツっぽいのじゃダメって言われちゃった結果、こんな装備をすることになってしまいました(強制)
純潔のキャミソール
色は、淡い寒色系のいずれかの色にランダムに日替わりする肩紐キャミソール
配偶者以外にセクハラされる確率が半減。
純潔のストリングショーツ
色は、淡い寒色系のいずれかの色にランダムに日替わりするストリングショーツ
配偶者以外にセクハラされる確率が半減。
確かに僕は男だって言うのにセクハラをさりげなくしかけようとする人は多いけど、淑女扱いしないで欲しい。(まぁ、全部未遂で終わるし、実行してる大半はリリィさんだけど)
だけど、これ意外を身につけるのは禁止と笑顔でリリィさんに言われたのに加え、他のを着ようとしたら一生ノーパン、肌着なしであのキトンを着ろって言われてしまいました。
・・・冗談抜きで、男の象徴以外に体以外の道具とか装備品からも一切一欠片も残すことなく男が消失したんですけど?
密かに心配してるのは最終的に僕のプラプラが消失してお胸が大きくなって冗談抜きで女の子にならないかどうかである。
リリィさん的には僕のプラプラはお気に入りだからそれはやだって言ってたけど・・なんか言ってることが微妙に僕とずれてる気がする。
それと、着流しのときとあまり変わらないと言えば変わらないけど、着流しの時は太ももと首元とか脇辺りが露出してたけどこっちの方がちょっと露出が凄い・・まぁ、デザインとしては好きだけど。
なんか・・リリィさんが熱っぽいと息を吐きながら僕をすっごいみてる・・すっごいみてる。
・・・
とりあえず、見なかったことにしてシャルの首飾りをみてみるけど、凄くおしゃれなのが出来たみたいでシャルも凄く気に入ってる。
効果もなにげに凄いし・・あの巨大ヘビ・・やっぱり凄かったんだ・・。
ヘビじゃなかったけど。
僕の服も凄くなったし。
まぁ、見なかったことにしたけど何の抵抗も許されずにリリィさんに食われたのは言うまでもないよね。
【絶倫(極)】様がいなかったら、とっくにミイラになって腹上死だったね。
ありがたやありがたや・・・・うれしくねぇ、それでもリリィさんのそういうところも大好きなのは惚れた弱みってやつかな?