近頃のJKは告白のシチュエーションはどーでもいーらしい
--レイ--
冬の大陸で一応俺の同郷であり、クラスメイトらしい3名である。
なぜ曖昧かと言われると俺はぼっちだったから周囲の人間は亡くなった両親以外は全部同じ動く人形くらいとしか認識してなかったから。
簡単に言えば、同じクラスに誰がいたか名前どころか顔もさっぱり覚えてないし、声も覚えてないから。
ナデシコと、ヒグラシ、そしてひらりんとは、そこそこ仲良くなれたと思う。
正直友人なんて、記憶がうろ覚えなくらい過去に数名いた気が・・する?
くらいだけど。
元々友人はいてもいなくても困らないみたいな性格を物心付く前からしていた関係なのか、さみしいとも全く思わなかった。
思うとしたら両親である父さんと母さんがいなくなった時くらいだと思う。
でも、2人からは亡くなる前日までいろんなことを教わっていたし、2人が学生の頃から亡くなるまでの間書きためていた自身が得意とした分野の参考書というかレシピみたいなモノがあったし、
その中で書かれている中で2人らしいなぁと思うようなメモ書きやアドバイスがあってさみしくなかった。
それが唯一の心のよりどころだったとも言う。
ある程度落ち着いてからは、コーヒー店巡りをバイトしながらしてみたり、アニメをみてみたり作家になってみたりしていろんな方面に手を出しつつある人生を歩んできた。
そのせいで、父さんと母さん以外の人間には一切興味が出なかったけど。(現在半透明の状態で俺の傍で楽しく俺らを鑑賞してるらしいけど)
そんな生活が変わったと言うか、友人と和気藹々とするのが楽しいと思えるようになったのは心に余裕が持てるようになったからなのかな。
チェルニちゃんがいる。(時々半透明な俺の両親のリアクションとか俺宛の伝言とかをしてくれる)
リリィさんがいる。(よくツッコミをしている・・いやさせられている)
セバスさんがいる。(振り回されてるリリィさんを楽しく見守ってる)
フィリアがいる。(俺というか俺の作品を崇拝する義妹ちゃん)
この人たちは正直俺は父さんと母さんとは別で家族のようなモノと思ってる。
そのおかげだと思う。
互いに助け合い、高め合い、切磋琢磨する。
とまぁ、相変わらず俺の膝を枕にしてゴロゴロしてシャルをブラッシングしてるチェルニちゃんの頭を撫でつつ船の中の一室のバルコニーから水平線を眺める。
水平線って不思議なことに何にもないのにいつまでも眺めてられるから不思議だよね。
かなりお高い部屋と言うことと、シリウスがいることでバルコニー付きのかなり広い部屋を借りてるんだ。
シリウスは、寒さも暑さにも凄く強いのと体が大きいことからバルコニーにいる。(おとなしくしてることについては元々数百年単位で門番をしていたことから慣れてるらしい)
ナデシコとヒグラシの2人は、気付いたら俺の弟子っぽい感じになってた。
と言っても、俺の個人的な感覚だと父さんの弟子が2人で俺はその師匠代理みたいな気分なんだけどね。
だって教えていることは父さん譲りの内容ばかりだから。
けど、2人は覚えたいことがさりげなく違いがあるから意外と面白い。
ナデシコは主にパンチを鍛えることを中心にしてることから上半身の動きメインで、下半身の動きは上半身の動きを十全に発揮させる前提の動き。(最近手刀を取得しようとし始めてた)
ヒグラシはダガーの2刀流を扱うことから下半身での攻撃を行うための動きメインで、上半身はダガーがないときのサブ的扱いでついでという感じ。(足技で斬撃を出したいらしい)
で、2人は甘いものが大好きらしく俺の料理を大変お気に召してるようだ。
地球でもかなりあちこちを食べ歩きしていたことで舌もそれなりに肥えてるらしくおいしいと言いつつも中々良い要望とかをもらえている。(要望はあるけど、指摘はないんだよなぁ)
後、普通のご飯も作ってるわけだけど、俺の趣味で時折丸ごとシリーズを作ってる。(甘党2名からは好評)
ひらりんが言うには、2人とも地球にいた頃よりもはしゃぎすぎだと言うけど、俺からすると高校生というか学生らしく戻れてるだけだと思ってる。
今俺たちがいる異世界では、人の生き死にが当たり前な世界だ。
それに、チェルニちゃんたちと違って頼れる人がほぼいなかったことでひらりんを含めて3人は常に気を抜けない日々を送ってたと思ってる。
俺の場合は、元々人に対しての興味がほぼ皆無だったこともあって正直目の前で人が死のうともあまり気にならなかったけど。
それで、今ようやく気を抜けるようになったというか、気を許せるようになれたから喜ばしいことなんだと思う。
まぁ、そんなことを考えながらデザートを作ってるからナデシコからオカンって言われるんだけど。
「で、ナデシコはなんでレイの膝を枕にゴロゴロしてんの?」
ヒグラシが、俺の隣でチェルニちゃんからもらったらしい本(クリアネス王国で過去に起きた(笑)な事件の特集)を読みながらチェルニちゃんとは反対側の俺の膝を枕にしてゴロゴロしてるナデシコに尋ねる。
「いや、だって、チェルニちゃんがお昼寝するとき凄い頻度でレイ君の膝を枕にしてるからどれだけ心地が良いのか気になって。」
チェルニちゃんの頭を膝枕しながら撫でてると近くで寝転がりながら本(クリアネス王国の偉人特集)を読んでたはずのナデシコがチェルニちゃんとは反対側の太股にコロンと転がりながら近づいてきたかと思ったらそのままマクラにし始めたんだよ。
ホントいきなり。
ドキドキすると言うより地味に驚いた。
「けどさ、ぶっちゃけ同級生で異性で同い年に膝枕されるのって地味に難易度高くね?」
「あ、あぁ・・確かにレイ君イケメンでドキドキするけど、オカンと思ってるから。・・でも、ほどよく柔らかくて触り心地も良い。」
ほんのりと顔を赤くしつつも気にせず俺に膝枕されながら顔を俺の太股にこすりつけてるナデシコ。
頭がすぐそこにあるからチェルニちゃんと一緒くたで頭を撫でてる俺。
「あぁ・・・」
わかるみたいな顔してヒグラシ・・納得しないでくれる?
と言うか、確かに俺、鍛えてると言ってもそこそこって感じだしほとんど魔力で身体強化するパターンだからガッチガチってわけじゃないからほどよく柔らかいのはわかるけど、触り心地良いってそうなの?
確かにさっきから太股揉まれてるけど。
「なんで、わかるって顔するの?」
「いや、だってお前の料理美味いし、面倒見良いし謎の包容力あるし俺らのわがままというか要望?は普通に受け入れるし、頼りがいあるし。」
「それね。けど一言言うけど、異性に対してこんなことするのレイ君だけだから安心してね?」
「何に安心すれば良いの?」
異性と好きだと言われてると判断すれば良いのか、台詞通りオカンに対してふしだらな子じゃない宣言と判断するべきか。
まぁ、今のところ異性に対する恋愛は良くわからないから妹扱いしてる気がするけど。
「んで、レイの膝を味わった感想は?」
「レイ君のひんやり体質が頭に良い感じに効く。後、謎の安心感がある。」
「なるほど。」
なんでそれでわかるの?
「それでわかるの?」
「アレだろ?頭はひんやりした方が心地良いし、謎の安心感は・・何だろうな。わかるけど言葉に出来ない。」
「だから謎の安心感なんだね・・。」
「その安心感が余計にオカンと呼びたくなる要因だよ。後、そのしょうがないなぁって感じで妹か弟をみるような目で俺らのこと見てるからだよ。そんな目で見られたら甘えたくなるんだよ。」
「えぇ・・せめてオトンしてくれない?」
「じゃあ、パパって呼ぶ?」
どこか楽しそうに小悪魔チックに微笑みながらそう言うナデシコ。
「それ、別の意味でぞくっとするからやめよう?」
なんか、よろしくない方面に聞こえていろんな意味で怖いから。
「うん、ナデシコにその台詞を言われると年齢制限的なよろしくない活動してるように聞こえる。」
「それは・・やだな。そんな風に思われるのは・・レイ君だけにしたいから不特定多数なふしだらな子は遠慮したい。」
「てかさ・・さっきから思ったけどナデシコ。」
「ん?」
「レイのこと・・好きなん?」
確かに、それっぽいリアクションがチラホラ入ってるよね。
「うん、好きだよ?」
俺ら「・・・」
すっごいサラッとサクッと告白されたんですけど・・俺の膝を枕にしてゴロゴロしながら。
「え、えぇっと、ライク?」
「ラブだよ?」
俺ら「・・・」
「あ、親愛とか?」
「熱愛だけど?」
「台詞だけ的な?」
「肉体関係から、子供産んで転生しても一緒にいたいレベルで、レイ君相手なら今からでもバッチコイ的な感じだけど?」
俺ら「・・・」
いきなり膝枕してる同い年の美少女にガチ告白されたんだけどどうすれば良い?
後、その子の頭を撫でてた俺の手を両手で握って幸せそうに頬ずりされてされるがままになってるんだけどどうすれば良い?
冗談かと思ったけど表情はどう見ても、真剣というか俺のことが好きでたまらないという顔をしてる。
恋愛を知らないくせになんでそんなことわかるかと言われると、チェルニちゃんを溺愛してるツッコミマスターからフィリアにグランツ、シュテルさんに俺のこと大好きな義妹なアルジェと同じ顔してるから。
言われてみれば、やけに俺限定でスキンシップが激しかったような気がするけど、ガチでオカン扱いしてるから異性としてノーカンだからだと思ってた。
「って言うかさ・・そう言うのそんなサラッと言って良いん?もっとタイミングとかシチュエーションとかある気がするんだけど。」
「私は気にしない。」
「気にしよう?周りが気になるから。」
引きつった表情になってるヒグラシがナデシコに色々とツッコミを入れるが華麗に我が道を進んでスルーするナデシコ。
え?
ひらりんはって?
さっきから頭抱えてうずくまってうなってるよ。
ちなみに、チェルニちゃんはその関係の話に興味がないらしくうとうとしてたはずが気付いたらガッツリ寝てた。
一方、シャルは興味があるらしく丸くなってチェルニちゃんの腕の中で寝てるように見せかけてこっちの話は聞いてるみたい(尻尾がゆったりまったりと動いたりお耳が時折ピコピコしてる)
元々俺らと同郷のJKだったらしいからね。
恋バナ・・好きなんだろうなぁ。
「ひらりんと幼馴染みって言ってたからどっちかがどっちかを好きだったりするのかって思ってたんだけど。」
「あぁ、それは互いにあり得ないよ。」
「そう言うモノなの?」
なでしこはさておきひらりんにチラッと視線を向けるとすぐに肯定する旨で頷いた。
「どっちかというと腐れ縁って言った方がちけぇんだよ俺らは。」
「それそれ。」
なるほど。
そこから、恋愛漫画のような展開にはならないらしい。
「って、ナデシコいつから!?」
ヒグラシが先に復活した。
そこそこの大声だったけど、興味が皆無なチェルニちゃんは華麗にスルーして寝てた。(気付いたら耳栓を装備してた)
「え?中2だけど」
「出会ってすぐじゃん・・・え?一目惚れ?」
「2月目惚れだけど?」
どういう単語なんだろう・・初めて聞く単語だ。
「えぇっとぉ?」
さすがにヒグラシも頭が回らずにはてなが頭の上を大量に浮かんでるのが見える。
「2ヶ月くらいだけど。」
ナデシコが翻訳してくれた。
・・なるほど。
一目見たときに惚れましたと言うわけではなく、2月ほど見ていて惚れましたと言う意味なんだ・・。
「その2月で何があったんよ。レイの反応からして一切存在を認識されてないけど。」
「うん、自分で言うのも何だけど、俺、こっちの世界に来てやっとナデシコのこと知ったくらい人に対しての記憶が皆無な薄情者だけどなんで惚れたの?」
「えっと、最初は綺麗な髪色だなぁと思ってチラ見してたけどレイ君一切眺めても何も反応しないからこれを良いことにガン見してたんだけど、ある日チラッとレイ君の素顔が見えてね。」
「あまりにもイケメンで惚れたか?」
「それもあるけど、本を読んでるときにほんのりだけど表情が変わってるのに気付いて、それを眺めてる内にレイ君を眺めるのに夢中で、もっと笑顔がみてみたいとか、もっとレイ君のことが知りたいって感じで・・。」
「つまりは、レイを観察している内に惚れたと。」
「うん。」
人間観察を俺限定でやっている内に夢中になって、そのまま好きになったらしい。
「で、レイ。返事はどうすんの。」
「正直に言って良い?」
俺がそう聞くと、ナデシコは即答した。
「むしろ、オブラートに包まないで言って欲しい。どんな結果も受け入れるから。」
「わかった。正直に言うと・・わからない。」
ナデシコたち「わからない?」
「どういうことなん?」
「正直、恋愛どころか親友とか友人とかも良くわからないんだよ。俺にとっては、父さんと母さん以外の人間は、チェルニちゃんたちを除いて全部、物語のモブと同類にしか見えないから。」
俺がガチでストレートな台詞を叩くと、ヒグラシが察した。
「あぁ・・両親以外に心を許せる人物がそもそもこっちの世界に来るまで皆無だったもんな・・そうなってもおかしくないかぁ。」
「ホントに今、ナデシコたちとこうして笑い合ったり軽口たたき合うような仲を友達って言うんだろうなって最近理解し始めた程度なんだよ。だから、友人の延長戦と言うことなのか、また全くの別物なのかがわからない。」
「・・・じゃあ、恋愛を抜きにして私のことどう思ってる?」
「少なくとも嫌いじゃないよ。ナデシコ、美少女だしスタイル良いし、優しいし一生懸命で思いやりがあるし、楽しいし、一緒にいるこの時間は居心地良いと思ってる。」
スタイル良いはセクハラだったかな?
「え、えと・・ありがと//」
うれしそうだ。
とりあえずセクハラにはならないようだ。
「あ、けどお前、公爵家に養子入りしてなかったか?そこら辺は大丈夫なん?」
「まだ義妹になった子とそこの家の護衛の人たちとしか話してないけど、全く問題ないみたいだよ。」
「え?」
「は?」
「その前に御両親に会ってないのか?」
「決まって時にその人たちいなかったんだよ。だから、チェルニちゃんをクリアネス王国に発送するついでに挨拶しようとしてた。」
「なるほどな・・とことん間が悪かったんだな・・。」
「貴族って、貴族同士の結婚じゃないと色々問題あるとかじゃないの?」
「チェルニちゃんママからは、我が国はそんなことする生き物は皆無よーってほわっと言ってたけど。」
すっごい軽くふわっと。
「えぇ・・そんな軽く言うこと?」
「チェルニちゃんママってそんなふわっとした人なの?」
「うん、すっごいほわっとしてる。チェルニちゃん過剰ラブだから時折暴走するけど。」
ついでに、癒しの魔法が凄く得意らしいよと言ったらナデシコが師匠になってくれないかなぁと呟いてた。
「あぁ・・察した。」
「で、実際のところどうなん?」
チェルニちゃんにヒグラシがチラッと視線を向けて尋ねる。
寝てたはずだけど、いつの間にか起きてた。(俺に膝枕されたまま動かないけど)
「他国ではヒグラシの認識通り、所謂政略結婚は割とありますよ。ですが、元々政略結婚は家と言いますか、一族の力をつける、所謂身分的に成り上がるためにするモノなので、身分のない国民たちと結婚することに対しての皆さんが考えている面倒ごとは、身分差別だったり、メリットがないから嫌がられているだけですので。」
「・・やっぱり、身分差別ってあるんだ。」
「貴族って、メリットデメリットでしか動かないの?」
「大抵はそうですね。・・弱いくせに無駄に知恵と欲望だけを蓄えた害虫ですよ。」
・・チェルニちゃん、差別とか嫌いそうだけど、これは相当だな。
「で、クリアネス王国には皆無って言うのは?」
「我が国は、元々成り上がりたいという欲望を持つ者たちは存在しません。不思議と寄ってくることが非常に少ないのです。」
「あぁ、そう言えば身分の位が上がったり貴族になったりしてもヤッターじゃなくてもらったから頑張りますかーくらいの軽い扱いで身分差云々とか考えるのめんどくせぇって感じだったね。」
「そんな軽く言うことか?」
「それはそれで大丈夫なの?」
「基本そう言う欲望は、ありませんからね。それに、我が国のあり方として政略結婚でしか力をつけられないならその程度、故に必要なしという判断で切り捨てて終わりですよ。」
うわ・・こわっ。
「・・こっわ。」
「貴族こえぇ・・」
「実力主義ってそこまでなのか・・」
「ってことは、恋愛結婚推奨で、結婚相手が例え孤児だったとしても実力でどうにかしてみろってこと?」
「そんな感じですね。むしろそう言う場合は周りがハッピーエンド見たさにさりげなくフォローしますし、恋愛結婚した相手が偶然貴族同士であればそれはそれで構わないという感じです。
まぁ、見合いで恋愛感情が芽生えたのであれば構いませんが、片側が恋愛感情皆無のような下心全開の政略結婚であれば周りがそいつを敵認定して勝手につぶしにかかり、被害者側を保護するでしょうし。」
「・・・」
「国のトップが潰すんじゃなくて、周りが所謂気にくわないから排除するからいなくなる・・って言うか、存在しなくなるってこと?」
「村八分の国版的な?」
「我が国の場合、そうですね。」
「それ、色々と大丈夫なの?」
「ただの喧嘩に国が脚を踏み込むのは御法度です。」
「・・ただの喧嘩扱いなんだ。」
「実力主義って言うか、基本緩い国かと思ってたらそうでもねぇな。」
「むしろアレじゃね?人が嫌がることはやめましょうみたいな暗黙のルール?一般常識?と、国とかの決まり事を守れば好きにして良いけど守らないなら容赦しねぇどころかどうなっても知らねぇぞって感じ?」
「その認識で構いませんよ。」
・・・・凄い国だな。
「クリアネス王国のルールブックみたいなのがあれば貸して。」
「俺も欲しい。」
「同じく」
全員、クリアネス王国にたどり着く前に守るべきことを把握しようとする理由が言わずもがな、敵認定されたくないって言うのが良くわかる台詞だね。
まぁ、チラホラグランツたちと会話してて人じゃない生き物が割とたくさん国中をほっつき歩いてるくらいある意味緩い場所ではあるけど親しき仲にも礼儀ありって程度で良いみたいだけど、まぁ知らないよりは知ってた方が良いから気にしないでおこう。
「で、結局どうすんだよ、レイ。」
「だからさ、ナデシコ。ここからは提案なんだ。」
「提案?」
「そう。俺にさ、恋愛というか、異性を好きになるってことを教えてくれないかな?」
「え?」
「まだ俺さ、恋愛って言われても独占欲と家族としての愛情の中間くらいにしか思ってないんだ。」
「あながち間違ってないけど。」
「あぁ・・レイの言いたいことわかった。アレだろ、恋愛漫画は読むし面白いけど、理解出来ないって言うか共感出来ないパターンだろ。」
「それが近いかも。」
「じゃあ、私がレイ君を私色に染め上がれば良いってこと?」
「っておい!ナデシコはナデシコでなんつぅとんでもないことを言ってやがる!」
「ナデシコ?その台詞は女の子が言う台詞じゃないよ?」
「だって、私以外の女性に興味をなくすくらい私のことを好きになってもらえば私はレイ君と結ばれるし、レイ君は恋を知ることが出来る、一石二鳥!」
台詞はアレだけど・・アレ?
間違ってない?
「って、レイもレイで間違ってなさそうって感じでナデシコにのまれるな!」
「でもりん・・あながち間違ってないように聞こえるぜ?」
「だから質が悪いんじゃねぇか!」
「レイ・・そのままだとお前がナデシコに押し倒されて食われるぞ?」
・・・なんでだろう。
俺が押し倒す想像よりもナデシコに押し倒される想像の方がすっごい簡単にイメージ出来る。
「それをお望みならするけど?」
俺に膝枕された状態でにっこり微笑みながら両腕を俺の背中に回して抱きしめ・・じゃないな、拘束しようとしてるのは何かな?(腕の動きがヘビに締め付けられるように見えたのは気のせいかな?)
「肉体的じゃなくて精神的な方でとりあえず教えてくれる?」
「うん、良いよ。その提案乗った。」
「なんなんだ・・なんで、カップル成立で盛り上がるはずがこんな微妙な気持ちになるんだ・・。目出度いはずなのに、嫉妬なんて皆無なのに・・。」
「まぁまぁ・・でも、確かにここまで打算でいっぱいでしかも女性側が襲う側って言うのもなんとも言えないカップルだ。」
「あ、そう言えばさっきギルドタグでステータスみたら、”黒の撲殺姫”って二つ名が乗ってたよ。」
「おぉ、二つ名決定おめでとう。」
「ありがとー!」
「って、その物騒な名前・・・それでいいのか?」
「え?かっこいいよね?」
「はぁ・・・。」
「ねぇねぇ、チェルニちゃん。ステータスに二つ名が乗るってことはもう決定事項って認識で良いん?」
「そうですね。一定数以上の人たちがナデシコのことをそうだと認識したことで、ステータスに乗ってますので。なので、もう変更は無理です。まぁ、例外はありますが。」
「二つ名がステータスに乗る条件ってそれだったんだ・・って、例外?」
「二つ名は実はたまに2つ出来るんです。」
「出来るの?」
「所謂表世界と裏世界です。」
「裏世界って、悪い人たち側ってこと?」
「えぇ。」
「って、アレ?チェルニちゃんのアレは?」
アレとは、殺戮猫のこと。
ヒグラシたちはまだ知らないからぼかした。
「アレは、呼び名は知られてますが、私自身だと知っているのは一部ですから。それに、名前だけでしたら世界中で有名ですがその場合、それにある程度比例する数の人数が私のことだと認識しないと判明しません。」
「名前だけ知られてもそれが誰だって言うのがわからないとダメって言うのはわかったけど、名前だけ知られるのと、それが誰だって言うのの割合も条件だったんだ?」
「そうですね。基本的にその2つは数がばらけることはあまりないので、イレギュラーですがね。」
「そうなんだ。」
「なぁ、チェルニちゃんのアレって?」
「あぁ・・この子、色々と有名人だから。」
「・・・ホント外猫の如くあちこちで呼び名があるんだな・・。」
「やっぱり凄い子なんだねぇ・・私たちよりも年上だって忘れそうになるけど。」
それねぇ。
ナデシコがぽつりと言った一言はチェルニちゃんのことを知る人全員が言うことだよ。
後、フィリアの話だとチェルニちゃんが男だと未だに信じないと叫ぶ野郎共は大変多いんだとか。
本人は全く気にしてないけど。
で、船の中でいつまでもゴロゴロしてるのも10代の若者である俺たちからすると飽きるモノである。
本を読んでいるのもそれはそれで面白いけど、体を動かしたくなっちゃうのは若者だからなのかただ落ち着きがないだけなのか。
チェルニちゃんからいろいろと貸してもらった本は面白いモノから勉強になるモノまで色々ある。
その中には、シレッと殺戮猫の活躍を絵本にしたモノも混ざってたけど。
ちなみに、シリーズ化されており現在14巻まで存在するベストセラー作品である。
殺戮猫は大変有名な伝説というか都市伝説のようなものだから絵本にする人は以外と多い。
けれど、描かれてある内容は各地で活躍した内容が異なることもありバラバラである。
そして、目撃者や当事者以外に詳細を知る人はいないため、どこまでホントかどうかもわからない。
そのため、同じ物語を書かれていても内容がガラッと異なってたりするのでコレクターが存在するくらいの大人気作品。
で、チェルニちゃんが用意している絵本は、クリアネス王国で最もポピュラーなモノらしい。
子供の文字の勉強から、大人の目指すべき目標的な扱いまで非常に幅広く愛されてるのだとか。
だが、チェルニちゃんは本人だと言わずにスルーしてる。
「アレ?ってことは、私、レイ君に膝枕されるときの難易度が下がった?」
「確かに、ただのクラスメイトの異性を膝枕よりは、恋人相手に膝枕の方が難易度は低いな。」
「それって・・レイ君に異性として認識させる罠としては失格?」
「いやいや、ただの買い物も、カップルと意識するかそれともただの異性の友人で全く意識しないかでかなり違うから前進前進。」
「そっか。じゃあ、良いんだ。」
「って言うか、ナデシコ。お前、異性に意識させるのが肉体接触って言うのはどうなんだ?他にないのか?」
「だって、ご飯私よりもおいしいし、気が利くのも私より先攻に回ってることが多いし。」
「あぁ・・」
「そうなったら、この体で誘惑させるのが定番じゃない?」
「とは思うけど、それを本人の前で言うのはどうなんだ?」
「え?カップルの相手が意識して欲しいから好きに触って良いよ?って言ってるようなモノだよ?むしろご褒美じゃない?」
「・・・否定しない。」
「ナデシコも、ヒグラシもなんつぅやりとりをしてんだよ。もう少し恥じらいってモノを覚えろ。」
「えぇ。レイ君は気にしないよね?異性としては気になって欲しいけど。」
「んー。と言うより、カップルのやりとりも正直恋愛漫画くらいしか知らないからどっちをされてもピンとこないんだよね。」
「あぁ・・。とりあえず、思いつく限りのことを片っ端から試すから覚悟してね?」
「えぇ・・ほどほどにね?」
「うん♪」
大変良い笑顔である。
うーむ。
これは、喜ぶべきなのかな?
皆さんは、どう思う?




