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放浪の木刀使い~記憶喪失は主に周囲の人が気にするらしい~  作者: ミコト
これがホントの千客万来(求めてない)

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35/45

とどめに、チェルニがお客さん(強制) 挿絵

なかなかの難産で時間がかかってしまいました。

--レイ--

テンペストドラゴン

嵐を巻き起こすかのように暴風を自身の翼で巻き起こす全長50メートルの青のような緑のような色をしたドラゴン

翼は片翼ずつそれぞれのサイズが自身の体長と同じ長さを誇っているため翼を広げると更に大きく見える。

一説にはワイバーンをドラゴンにランクアップさせるとこうなると言われているが繋がりは一切なくただ姿が似ている他人のそら似である。

だが、非常にどう猛で群れて各地を荒らして回ることで有名

獲得部位:魔石、魔核、皮膜、牙、骨、鱗、ドラゴンの肉、眼球、ドラゴンの血液




タイラントドラゴン

脚はそれほど速くないが、とにかく頑丈で暴れん坊な70メートルサイズの焦げ茶色のトカゲ型ドラゴン

自身の視界を遮られるのが非常に嫌いでとにかくけんかっ早く短気

強い個体であれば背中に透き通った茶色い結晶が生えており、強ければ強いほど結晶は透き通っており、数も多かったりする。

だが、結晶がなくても最低Sランクレベルなので数えるような酔狂な輩はいないため、その見分けは意味がないと言われている。

獲得部位:魔石、魔核、鱗、牙、骨、肉、眼球、ドラゴンの血液、まれに魔結晶






それぞれ、1000体ずつこいつらが突如として襲ってきた。

俺は氷で盾を作り出し、リリィさんを守るようにしつつ、俺自身は杖に氷を纏わせて薙刀に変えて攻撃準備をする。

チェルニちゃんは木刀を順手で、忍刀を逆手に握った2刀流で元気よく前戦に駆けだしていった。

後、魔力制御で常に俺の冷感体質を抑えていたのを本気モードで戦うために解除しているので周囲は勝手にピシピシと凍っていく。

大抵の人は俺に近づけなくなるけど、俺の魔法は周囲が寒ければ寒いほど扱いやすいのでむしろ相性は抜群なんだ。



「さて、私も準備しようかしら。」

リリィさんがそう言うと、周囲に水を浮かび上がらせて形を変えていく。

「久しぶりに本気だすから、レイ、巻き込まれないようにしなさいよね。威力と射程距離を優先させたからチェルニみたいに器用なことは無理だから。」

「リリィさんの直線上には立たないようにすれば良い?」

「そうね、それでいいわ。・・・さて、チェルニがせっかく名付けたんだし、ワザ名はそれでいいわね。」

とか言ってる間にリリィさんは魔法を発動させた。

「双龍」

そう言うとリリィさんの周囲に漂っていた水は集まり、みるみるうちに姿を変えていく。


太く

長く

次第に長いものの体には鱗のような模様が出来上がり、

先端部分は鋭く尖り

反対側の先端は2つに裂け、鋭い牙が出来上がり

そして、全てを射殺す瞳が顕現する。


それが2体

それを、左右に侍らせるリリィさんは正しく水神。



というか、何その技かっけぇぇ!

いーなぁー!!

そう言うワザ俺も欲しい!!

あ!

氷で作れば良いんだ!


けど、アレ普通の生き物みたいにすっごいうねうね動いてる・・そう言う操作も必要なのか・・。

リリィさんと違って俺の氷だから、常に氷で作り替える感じ?

むしろ、氷の神様に好かれてるのを有効活用して自在に動く?形を変える?氷を作り出してそれで、ドラゴン作っちゃう?


あ、それどころじゃねぇや。



「ほら、レイ。うずうずしてるのはわかってるんだからさっさと行ってこい。」

リリィさんがとうとう俺に対する言葉遣いが雑になり出した!

まぁ、実際リリィさん自分で身を守れるし、俺の盾も制御範囲内だったらぎりぎりの距離でも割と手足を動かすように自由に動かせるから俺が離れていても全く問題ないのも確か。

なんて言うか俺、ゲームで言うところのクレーンゲームの類いって得意なんだよね。

遠隔操作して、その対象をなんとなくで正確に狙えるって言うのかな?

そういうのが得意。




とか言う間にチェルニちゃんすっごい脚速いからもうドラゴンの群れの元にたどり着いてた。


全員「・・・・」


さすが義賊様という言葉以外出てこない。

なんて言うか、豆腐を切るかのようにスパスパと的確にドラゴンの死角に潜り込んだり、回り込んだりして一撃で首を落としてる。


木刀と、忍刀で


ものすごい速度でえげつない正確さで



相変わらずあの木刀すごいなぁ・・。

とんでもない切れ味だ。

チェルニちゃんの技術によって、すごいのか、それともあの木刀がすごいのかすごい謎だ。

後に、あの木刀はただ使用者の元に自動的に転移するのとタダひたすら頑丈で壊れないだけのものであって、切れ味云々は全くのゼロで、ただの鈍器だと判明してチェルニちゃんがすごいと言うことになった。


と言うか、おかしいなぁ・・ドラゴン

リリィさんが言うには、SSランク前後のレベルはあるはずでそんなのが合計2000くらいいるんだから劇的ピンチのはず・・。

後、Sランク1体を倒すのに同じランクの冒険者が10人前後は必要と言われているのに加えて、その人数も全員連係プレイがキチンと出来るという条件付きでの話だ。

おまけに1つ下のランクが対応する場合は人数は10倍は必要になるのに加えて、連携がより上手くないとならないらしい。

更に下のランクとなると同じようにだんだん10倍ずつ増えていく計算となるらしいよ。

あくまで基準らしいから多少の前後はあるらしいし、あくまでも理想的なメンバーだったらと言う場合らしいから大抵はその想定よりも1.5倍は人数が普通にいるんだとか。

・・・で、今たったお一人で何百体もそんな相手を虐殺というか瞬殺してる幼女がいます。


だが、チェルニちゃんがあの無双ゲーム系のようにバッサバッサと斬り飛ばしてる。

何の苦労もなく、淡々と。

チェルニちゃんが大暴れして大量殺戮をするからドラゴンもチェルニちゃんに殺到

そして、更に無双するチェルニちゃんという図だ。

で、チェルニちゃんはドンドン全身が頭から靴先まで真っ赤になっていく。

主にドラゴンの血。

全部返り血。

けど、チェルニちゃん気にせずにガンガン、バッサバッサと斬りまくる。


アレ?

これ、ヘタしたら俺とリリィさんなぁ~んにもせずに終わるパターン?

と、思ってチラッとリリィさんに視線を向けると頭を抱えている。

「そうだったぁ・・。あの子に言い忘れてたぁ!!」

「どういうこと?」

チェルニちゃんに言い忘れたことって?

そもそも、こんな状態になったきっかけが、言い忘れとはこれいかに?

と思って聞いてみるとセバスさんが教えてくれた。

「レイさんはお気づきどうかはわかりませんが、チェルニ様は非常に好戦的な性格をしてます。」

好戦的?

むしろめんどくさがりというか有象無象は気にする価値もないみたいなスルー気質を感じたんだけど。

それに、アレはどっちかというと・・

「好戦的と言うより、敵に容赦がなくて一度始めたら最後まで一気に終わらせたいだけって感じな気がするんですが?」

「それも間違ってはいません。例えば、1人違法なことをしている人がいたとします。レイさんならどうしますか?」

「俺?そう言う人たちを取り締まる人に証拠とかを渡して法的に始末してもらうかな?」

例え俺自身に裁ける実力があったとしても、それが時間がかかるものだとしても担当の人に任せるしかないと思ってるけど。

「えぇ。それが普通です。しかし、チェルニ様に関しては異なります。」

「どういうこと?」

「チェルニ様の場合は、二度と犯罪を起こさないに徹底的に心身のどちらも共にへし折るどころか粉々にします。物理的に。」

あぁ・・自分の手で始末したいタイプなのね。

「・・・」

「そして、徹底的に始末した後で、それらの証拠を担当の元へ提出します。」

憂さ晴らしした後で、キチンと法的にもとどめをさしてもらう・・と。

「・・・」

「つまりは、他人に任せる前にまず自分自身で徹底的に終わらせないと気が済まない方なんです。」

そこでリリィさんがぽつりと呟く。

「要するは信用してないのよ。本当に法的に始末してくれるのか、それとも隠蔽されて終わるんじゃないかって。だからそうされたとしても問題がないように自らそいつらを始末してるってわけ。」

たしかに賄賂とかでなかったことにされてあっさり釈放されましたーと言うことは実際存在するらしいからその気持ちはわからなくもない。

「あのお方が、殺戮猫キリングキャットと呼ばれるようになったのは、証拠がなく法的に始末出来ない者どもがいつまでも裁かれずにのさばっていることが許せないと思ったからなんですよ。」

「証拠がないから法的に始末出来ない。それじゃあ、自分自身でそいつらを始末しよう。そうすれば被害者は少しは報われる。それが例え自分自身が法的に裁かれることになったとしても構わない。そうなるのならば、少しでも多くこの世に存在する屑共を始末して周り、断罪する。

・・それが、チェルニが殺戮猫キリングキャットと呼ばれるようになった理由よ。」

確かに地球でもそう言う奴らはいた。

チェルニちゃんは、冗談抜きでダークヒーローなんだ。

「・・・」

あの子は・・そこまでして正義感が強く、そして自己犠牲もいとわないのか・・。

そこまで覚悟をして。


「つまりね、考えるより行動するタイプなの。だから、私が事前にあの子に私がメインで戦うからサポートするように頼んでおかないと自分1人で相手がどれだけ多かろうと少なかろうと関係なく問答無用で1人で始末しちゃうのよ。」

「それが、今目の前で行われている惨状の理由です。」

「えぇ・・・」

それで、最低でもSランクで普通にSSランク前後の生き物を1人で何百体も斬首しちゃうの?

たしかに既に3割くらいはもう始末されてるけど。


「あぁもう!とりあえず、参戦するわよ!少しでもあの子から敵を奪い取るわ!」

奪い取る・・スタンピートを目前にすごい台詞である。

「ほら!あんたも!」

「うっす。」



で、一応かなりやばいレベルのスタンピートだったんだけど、チェルニちゃんのおかげ?せい?でシリアスが脱走した。

で、リリィさんだけど想像以上に水魔法が多才であることが判明した。

遠くにいる相手には、水で作ったヘビ型ドラゴンでブレスをレーザービームのようにまっすぐ貫通特化で発動させて数頭まとめて頭を貫いて瞬殺し、

リリィさんをそれじゃあと近寄って襲おうとすると双龍による尻尾のなぎ払いで殴り飛ばされ、噛みついて食いちぎって殺しちゃう。

そして、その合間で双龍とは別で小さな水玉を大量に宙に浮かび上がらせてそのまま貫いたり、刃の形にして斬撃を飛ばしたり。


リリィさん私は大して強くないからとか言ってたけど、とんでもなく強いじゃん!!

すっごい無表情で淡々と水だけで殺しまくってるじゃん!

たしかにチェルニちゃんみたいに瞬殺じゃないし、一撃でぴちゅんじゃないけど、それでも危なげもなく俺の盾もほとんどお役に立たずと言う状態でガンガン倒してる。



って俺もやらなきゃ!

とか思ってる間に、空から5体、地上から10体襲ってきた。


とりあえず、俺の冷気でフィールド作らなきゃ。

感情を高めて冷感体質を強め、周囲に漂う冷気を下げ、範囲を広げる。


ドラゴンたち「!?」

運がよかったのか何なのか、ドラゴンは基本的に爬虫類と同じような体質らしく、俺の冷気のフィールド内に入った瞬間動きが全体的に鈍くなった。


これ、すっごいラッキーじゃない?

俺、言い方を変えればドラゴン特攻のスキルを持ってるような感じじゃね?

あ、相手の動きが鈍いとは言っても一撃で骨がベッキベキに折れるのは確かだから安全重視でやらなきゃ。


俺を取り囲むように5枚の盾を宙に作り出す。

1枚は背中側に

残りは2枚ずつ左右に。


そう言いながらドラゴンが襲ってきた。

俺はドラゴンとの距離を詰めながら攻撃を躱しつつ、杖に氷を纏わせて薙刀の姿へと変えてまずは視界を奪うために切り裂く。


ガァァァァ!!


痛みで激高して暴れ出した。

それに合わせて周囲にいたのが空から襲ってきたから盾で防御しながら翼の皮膜を切り裂いて動きを奪い、更に襲ってきた地上のドラゴンの脇やアキレス部分を切り裂いて動きを奪う。

かなり圧縮して刃を作ってるから凄い切れ味だ。


チェルニちゃんに斬ることに対する技術をいくつか習っててよかった。

おかげで腕力で切り裂くなんてことをせずに最小限の力で対処出来てる。


そうして繰り返しながら、俺は薙刀を大鎌へと変える。

そこで思い切りジャンプすると問答無用!という感じで周囲を取り囲むようにドラゴンが地上と空から一気に数体ずつ襲ってきたが、これまでずっと盾で防いでいたこともあって十分、充電出来ている!


だから、【堅忍】の効果を発動。

「なぎ払え!!」

声に出して発動させるキーワードにすることでその効果を十全に発揮させるらしく、頭の中がこんがらがって発動させる必要がない時に発動させないように制御すると言う意味も兼ねている。

だから、このやり方は凄くありがたい。

まぁ、キーワードはキチンと決めてないから気合いを入れる言葉を適当に叫んでるだけだけど。


そして、俺を取り囲むドラゴンたちが凄い勢いで吹っ飛んでいくが、そいつらを取り囲むように氷の壁を作り出す。

すると当然ながら氷の壁に思い切りぶつかった。

とっさに作ったからそこまで硬度はないけどそれでも良いダメージを入れることが出来た。

で、【堅忍】の射程範囲外だったドラゴンに向かって宙で全体重をかけながら思い切り遠心力をプラスしてドラゴンを真っ二つに切り裂く。


大鎌は、単純な攻撃力だととんでもなく高い。

だから、一撃で一気にやるときに凄く重宝する。


かなり良い感じだったからまとめて数体を切り裂くことが出来た。

おかげで俺もドラゴンの返り血で真っ赤になったけど気にしないでいいや。


そして、吹っ飛んで壁にぶつかってよろよろしてたドラゴンが更に激高して俺に襲いかかってきた。



以前までの俺ならビビって氷を乱発していたかもしれない。

正直俺自身は強いのかどうかあまり自信がなかった。

災厄の種族とも言われるほど最低でもSランク以上しか存在しないドラゴン


そんなのが大量に襲ってくるんだ。

俺ごときが対処出来るのか正直不安だった。

足手まといになるかもしれない。

だから、攻めて足止めくらいはと思ったけど俺・・強かったんだ。



そうか。

不安だったのは相手にじゃない。

自分自身のことが信じられなかったんだ。

ずっと1人だったから。


「ククッ!」

あぁ、楽しくなってきた。

盾で襲ってくるやつを防ぎながら盾を操作してはじき飛ばしながら受けた攻撃をそのまま上乗せして地面にたたき落としながら別の盾を足場にして宙を舞い、

クルクルと遠心力をたっぷり乗せて別の方向から襲ってくるドラゴンを切り裂き、

クルクルと未だに遠心力が残ったまま地面に足が付いたところでたたき落としたドラゴンを更に切り裂く。


「アハハハハ!!!」

薙刀に変えて更に別方向から襲ってくるドラゴンの肩部分を切り裂いて動けないようにしてそのまま薙刀をその傷口に突き刺して体内をそのまま凍り付かせて生命を停止させる。


魔眼で射程範囲外にいるやつを凍らせて動きを奪い、近くにいる奴らを盾で殴り飛ばし

薙刀で切り裂き、突き刺し凍死させ

大きく振りかぶって大鎌で斬首する。






--グランツ--

クリアネス王国メンバー「・・・・」

「グランツ・・」

「う・・うむ。」

「お、お母様・・」

「え、えぇ・・リリィちゃんはワザはびっくりしたけど凄く安定して戦えていて凄いわね。」

正直全員が絶句していた。


兄上の強さは噂もあったし、送られてきた動画で見た故に知っていた。

兄上の嫁である姉上の強さも、歩き方やその身に宿る魔力から感じ取れていた故にある程度はその強さを感じ取れていた。

まぁ、あのドラゴンの姿の魔法は正直かっこいいと思ったし驚いたが。



で、全員が絶句している理由はレイだ。

「・・戦闘に入ると性格が変わるタイプだったのね、レイちゃん。」

「あやつは何というか、姉上とは異なり、その強さが全く見えない故に判断が付かなかったのだが・・。」

「えぇ。お兄様と同様に実力を隠しているというか、ごまかすのがすごく上手いのはわかったし、お兄様が認めているのだから強いのは想定していたけれど・・。」

「正直想像以上ね。」

「氷で盾を作り出したときには防御型で、相手の隙を作って攻撃する長期戦タイプかと思っていたのだが・・。」

「まさか、あの盾・・カウンター機能が付いてたなんてね。いえ、元々防御タイプではなくカウンタータイプだったのを勝手に私たちが防御タイプだと勘違いしてたのね。」

「しかも、戦い方が上手い。」

「あの武器・・確か1つは鎌・・いや、大鎌と、もう1つは刀の一種だったか?」

「確か、薙刀と呼ばれるものだったはずよ。」

「剣術・・いや、この場合は刀術か?優雅さがあるわけでもないが、とにかく実戦向けの動きだ。」

「えぇ。相手の動きを奪うことを念頭に置いた薙刀と、一撃の威力を突き詰めた大鎌。」

「そして、レイちゃんの専売特許とも言える冷気と氷。あそこまで組み合わせがえげつないのは初めて見るわ。」

「まさか突き刺して体内から全てを凍らせて殺すとは・・。アレは生物特攻とも言えるワザだぞ?」

そこで、アルムとシエルが目を見開いてフリーズしながら答えた。

「一撃でも食らえば終わり。おまけに、あれだけの冷気を周囲にまき散らされては寒さに強い者でなければ普段通りの動きは発揮出来ない。」

「そして、死角から襲ったとしても盾で防がれ、カウンターを食らって吹き飛ばされる。逃げようとしても氷の壁で逃げられない。例え逃げたとしても遠隔で凍らせるワザか何かで凍って動きを封じられる。」

「あの武器の扱い方・・チェルニ様に鍛えられてるな。」

兄上は、自身は使わない武具に対しても知識はある故に教えることは出来る。

更に、実戦向けに鍛えるのであれば兄上ほど経験豊富なお方はいない。

そうなるとあそこまでドラゴン相手に一方的な蹂躙も可能であろう。

「えぇ、アルムと同意見ね。しかも氷の盾の操作も手足のように全く見ずに自由自在に操っているし、シールドバッシュまで・・。」

シールドバッシュは、盾で防いだ後そのまま敵に盾ではじき飛ばしながら打撃ワザを与えるワザだ。

本来は盾を構えたまま突進してぶつけるワザだ。

「盾の形状も、アレは専門のやつに習っているな。攻撃を防ぐことと、受け流すこと。それらを上手い割合で作ってる。あれだけでもその技術力は半端じゃない。」

あまり気にしてなかったが形にも気を遣っていたのかレイ・・意外と細かいやつだ。

「しかも、寒ければ寒いほど氷の魔法を扱うのに有利になるし、加護持ちだからもう一度あの冷気にとらわれたらおしまいね。」

「唯一対処出来るとしたらあの冷気の空間外からやるしかない。」

「けれど、ちょっとやそっとじゃ無理よ。どれだけ離れた場所から襲っても瞬時に察して盾で防がれるわ。」

「長期戦でやればもしかするとレイはやばいかもしれないが。関係ないな。」

「えぇ。レイさんは、遠距離タイプのリリィ様を守りながら戦うタンクとしてのポジション。」

「近くの敵を倒し、あらゆる攻撃を防ぎさえすればリリィ様が倒すだろう。実際、遠距離でブレスを飛ばそうとしたやつがレイに防がれ、リリィ様にやられてる。」

「近寄れば冷気の空間で動きが制限され弱体化し、距離をとれば水の魔法でやられるか、チェルニ様によって速攻で懐に潜り込まれる。」

「しかも、セバスさんがいる。」

「えぇ。あの方はサポートタイプとは言え弓術はかなりの技術でしょう。魔法を対処したとしてもアレで貫かれて終わりね。」

「かなりバランスの良いパーティだな。」

確かに。

前戦で暴れる接近戦での攻撃特化の兄上。

そして、遠距離特化の魔法タイプの姉上。

サポートタイプの弓術による物理的な遠距離タイプのセバス

そして、遠距離タイプを守りながら接近戦もこなせ、防御タイプと見せかけてカウンタータイプのレイ。


バランスが良いに加えて、どの距離でも全員がガンガン戦える攻撃特化パーティ。

・・正直理想的すぎるな。

「で、そんな方々を本来なら守る立場である私たち・・」

「それを言うな・・・。」

ガックリとうなだれた。


まぁ、守るべき対象が自分たちよりも圧倒的に強いのだ、しょうがないだろうな。



とか言ってる間に、レイが敵を殺しまくりながら笑い出した。

・・すっごい狂気的に。



「故郷では色々と苦労していたと聞いてはいたが・・」

「ストレスが溜ってたのかしら・・。」

「で、でしょうねぇ・・・。」

全員が軽く顔が引きつってる。

自分もそうなってる自覚はある・・正直今のレイには近寄りたくない。

「で、ですが、狂気的になった辺りから動きが格段とよくなりましたよ?」

「確かに・・・・ん?」

確かに相手を瞬殺するまでの速度が速くなったな。

そこで、アルムが何か思い出すように悩み始めた。

「アルム?どうかしたのか?」

「いえ・・・あ!思い出した!」

「なにがだ?」

「あ、申し訳ありません。レイの戦いを見ながらモヤモヤしてたのですがようやくわかりました。」

「だからなにがだ?」

「氷魔と呼ばれる冒険者の噂、ご存じですか?」

「うむ、軽く耳にした程度だがな。」

少し前から冒険者の中で囁かれ始めた氷を巧みに操る人物だったはずだ。

そして怒らせたら氷像にされてしまうとかなんとか。

「確か、氷の悪魔騎士だったわよね?」

フィリアも知っていたか。

「氷を巧みに操り、主を守る騎士であり、敵対する相手には恐怖を与える冷血で冷徹な悪魔と変貌する氷の王子って、通りすがりの吟遊詩人が引きつった表情で歌ってたわね。」

シエルがそう呟いたところで、全員が気付いた。

「あ!そうか!」

「レイだったのね!?」

「レイちゃんがそうなのね!?」

「間違いなくそうでしょう。」

まさか、レイが氷の悪魔騎士だったとはな。

兄上に鍛えられたとは言え、わずかな期間でそう呼ばれるようになるとはやはりあやつは才能があったのだろう。

それが兄上によって開花した。




そして、数時間ほど経過したところで最後の数体は姉上が倒して完了した。

うむ、危なげもなく壊滅か。

さすが兄上と兄上が認めた者たちだ。


で、セバスが倒したドラゴンの群れを集めてる中、兄上が数体ほど自分のマジックバッグに仕舞っている。

兄上は、倒した相手の中で一際強かったモノであれば懐にしまう癖があったのだが、未だにそれは健在なのだな。

で、それ以外は全部放置するのだが・・それもあの頃のままなのだな。

実際兄上が放置したモノをセバスが仕舞っている。

兄上に渡したマジックバッグには、あらゆる種類の薬と書物(あらゆる種類の図鑑)に、薬草に、様々な機材に家事道具に野営セットに携帯食料に串にナイフにととにかくまぁ、どこにいても全く困らないようにあらゆるモノが入っている。

後は兄上があちこちを彷徨っては集めたモノも全部入っている。

兄上は部屋にものを置かずに全てあのマジックバッグの中にしか仕舞わないのだ。

そのせいで、兄上の部屋はすっごい質素な感じになってしまうので、大抵はメイドたちの趣味で兄上の見た目ぴったりな感じのかわいらしい部屋に変貌してたりぬいぐるみだったりクッションだったりが増えてたりするのだが兄上は気にしない故にエスカレートしてそう言うモノが増えるというループに陥ってたりするのだがまぁ余談だ。


だが・・・

「お兄様もレイも・・血まみれね。」

「全部返り血なのは見ていたから知っていたけれど、端から見たら悲鳴を上げられるわね。」

まぁ、普通全身血まみれの人物が歩いて近づいてきたら血を見慣れている者であっても固まるだろう。


で、兄上は満足して疲れたらしくレイにおんぶを要求しておんぶされてる。

レイも、疲れた表情はしているが先ほどまでの狂気的な雰囲気は完全に消えていつもの儚げな雰囲気な貴族令息に戻った。


ところで、レイは手に何を持っているのだ?

口の動きから話している内容を察するに倒したドラゴンの中に紛れ込んでいたモノのようだ。

小さい球?

で、兄上に尋ねているようで兄上はつまんでジーッと見た後、ポイッと捨てた。

どうやらいらないモノだったらしい。


兄上の野生の勘は優秀なのだ。

どんな毒物でもスパイでも全部見抜く。

どんなに寝ぼけていても。



で、捨てたモノが地面に当たった瞬間カッ!と光り出した。


「何だ!?」

光り出したかと思いきや、兄上とレイをその光が取り囲み始めた。

「どうなっている!!」

「レイ!!」

レイに声を上げて尋ねる。


「ダメだ!出られない!壊せない!」

「何だと!?」

そこで、シエルが何か気付いたようだ。

「アレは、転移魔方陣!?なぜ!!」

「転移魔方陣だと!?」

アレは、一部のモノしかしようが許されていないモノだぞ!

許可なく使用するか、使用目的が拉致同様のモノであれば処罰モノだ。


アレはどう見ても使用目的が拉致以外言いようがない!


「兄上!!」

「チェルニ!!」

「お兄様!」


「ちょうど良い。」


全員「っ!!」

ゾクリとした。

兄上の声は静かなのにものすごくはっきりと聞こえた。

「私の前にわざわざ敵が赴いたのだ。いつか始末してやろうと思っていた故にちょうど良い。始末してきてやろう。」

「チェルニちゃん、これがどこに向かってるかわかるの?」

レイ・・なぜお主は冷静なのだ。

「この先からレイと同じ気配を感じる。おそらくレイを捨てた国であろう。」

「ってことは、拉致魔法を使ったあの屑の国?」

「うん。」

・・ってちょっと待て。

兄上の表情は凄く包容力のある凄く深みを感じる笑みだった。


!!そうか!

「兄上!・・記憶が!!」

そう叫ぶとフッと肯定するように微笑んだ。

「チェルニ!」

姉上が必死になって叫ぶ。

「リリィ、すぐに敵を始末して帰ってくるから私の国で待ってて。」

兄上が記憶が戻ったことを姉上は瞬時に察したようだ。

「・・大丈夫なのね?」

「むしろリリィがいない方が動きやすいから、そっちにいてもらった方が安心する。」

「わかったわ。」

「グランツ。」

「はい!」

「リリィに私の権利の全てを使用することを許可する。」

「そのように手配いたします。」

「フィリア。」

「はい」

「愚か者は全て消せ。」

「招致しましたわ。」

「母様。」

「ちゃんと帰ってくるのよ?」

「必ず。猫の帰巣本能を侮らないで下さい。」

「えぇ。」

記憶が無くなって行方不明になったのとは異なり、キチンと記憶があれば兄上は何があっても必ず帰ってくる。

それを知った母上は静かに微笑みながら頷いた。


「主!」

兄上の獣魔であるシリウス殿が叫んだ。

「向こうに着きましたら我を呼んで下さい!我との契約であれば必ず呼び出せます!」

「わかった。じゃあ、ちょっと国を潰してくるね。」

「これって、国丸ごとお土産になるパターン?」

レイの割ととんでもない台詞を聞きながら2人は消えた。




「さて、帰ったら姉上のことを公開し、」

「えぇ。」

「チェルニちゃんの台詞から大体のことはわかったから」

全員「敵の本拠地を見つけ、滅ぼす」


兄上。

兄上ご自身で潰すとは言っても、こちらはこちらでその国に宣戦布告を行い、戦争を起こしますからね。


我らを敵に回したことを後悔すると良い!!


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

4/15に画像4種を追加購入いたしました。


成長が楽しみです。

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