襲撃・・の前にチェルニちゃん?どこ見てるの? 挿絵
--レイ--
チェルニちゃんの故郷であるクリアネス王国へとりあえず向かう俺たちだけど、
「ん?」
「チェルニ、どうかした?」
ジーッと、チェルニちゃんが空の遙か彼方向こうの方を見てる。
ちなみに、その視線の先には快晴といえるレベルで青空しかなく、かろうじて極小の雲がちまちまと空に散らばっている程度でホントに何もない。
で、リリィさんの尋ねる声も気にせずにジーッと見てる。
シャルも揃ってジーッと見てる。
リリィさんに抱っこされ、両サイドからクリアネス王国の第二王子のチェルニちゃんの弟のグランツと第一王女でチェルニちゃんの妹フィリアがチェルニちゃんを撫で回し、
そんな3児の母である王妃、シュテルさんが気にせずにリリィさんを抱きしめて撫で回していて(リリィさんがシュテルさんの説得を放棄した結果)も気にせずにチェルニちゃんはジーッと空の彼方を見てる。
ちなみに、フィリアとグランツは双子なんだって。(フィリアが下で、グランツが上になるらしい)
そっくりだよ。
性別の違いがあるから見た目というか体格に差はあるし、髪の長さも差はあるけど、そこを気にしなければ服装だけで十分そっくりさんになるよ。
・・時々にゃんこが何もないところをジーッと見てるあの光景を思い出した。
アレって確か、お化けが見えてるとかなんとかが有名だけど、大抵は小さいホコリとか反射した光とか、虫だったりするケースがほとんどだって母さんの猫ラブな友人さんの実体験話として聞いたけど。
ただ、父さんの友人の霊感体質の人(自他共に認める実績あり)曰く、その子たちは大抵見えてる子たちが多いらしいけど。(視線がスィーッと動くときもあったそうな)
「おーい。チェルニー?」
「・・・・」
リリィさんが抱っこしたチェルニちゃんをふりふりと軽く揺さぶってもスルーするチェルニちゃん。
「・・ダメね。何?何が見えてんの?今度は何?」
「お姉様、今度は・・とは?」
「兄上は、以前は何か違うモノが見えてたのですか?」
チェルニちゃん常習犯?(確かに時々何もないところをジーッと見てたりスィーッと何かを視線で追ってたりするけど)
後、数日に1回くらいの頻度で俺の斜め上をジーッと見てはうんうんと頷いたりその合間に俺をチラッチラッと見るのは何なんだろう・・それと俺をチラ見するときにすごい微笑ましそうだったりかわいそうなモノを見るような表情になったりするのがすっごい気になるというか心の奥底がムズムズした気分になる。(聞いても俺の斜め上を見て頷いた後、教えてくれない・・俺の斜め上に誰がいるんだ・・)
「えぇ・・この間同じように何を見てるかと思ったら、ガチで幽霊だったわ。」
「・・・」
「・・・」
マジですか・・。
「まぁ、その幽霊は魔物のコロニーが立ち寄った町の近くに大量に出来てたことを伝えようとしている道中で亡くなった人だったんだけど。」
悪い幽霊じゃなくて正義感があるからこそ幽霊になっても成仏出来なかったパターンか・・。
「それで・・その後は?」
「チェルニがその話を聞いて、殲滅した。町に一言も告げることなく。」
「さすがお兄様」
「うむ、さすが兄上だ」
この2人はホントにぶれないなぁ・・。
「・・このブラコン共が。・・まぁ、一応町にはその子が亡くなったことと死して尚、町のために危機を告げようとしていたこともコロニーごと魔物は殲滅済みであることは言っといたから、町では幸運を呼ぶ守護霊扱いされてたわね。・・そのままその子に感謝を告げてるはずが信仰にいつの間にかすり替わって、浮遊霊だったはずが守護霊に強制的にジョブチェンジさせられて声は伝わらないモノの姿は心が清らかな人にだけ10%の確率で目に見えるようになったりして、当の本人・・じゃないわね、本幽霊は、顔を赤くしてどうしてこうなったって頭抱えて悶絶してたけど。」
身悶え始めた辺りでリリィさんは姿が見えるようになったらしい。
にしても・・・可哀想に・・死んでも町の人のために頑張らなきゃって頑張った結果が羞恥心と長い年月戦い続けることになるとは・・。
うん・・祈っておこう。
その守護霊になっちゃった人の平穏に過ごせるように。
なんか、チェルニちゃんみたいにその地域で宗教が出来そうな気がするけど。
余談だけど、無事にその守護霊な幽霊さんは宗教というかファンクラブというか親衛隊っぽいものが出来上がって、本人的には大変なことになってるらしく、リリィさんがかわいそうなモノを見る目で見ながら、その子の心の支えというか精神安定剤的なモノになりそうなの類いを用意したり、その幽霊さん以外誰も入れないプライベート空間を作ってあげたり手配したりしたらしく、幽霊さんすごく涙目で感謝しててリリィさんをお姉様認定されたらしいよ。(チェルニちゃん談)
「む?」
「シリウス?どうしたの?」
「主は、アレが見えていたのか、さすがだ。」
「だからどれよ?」
「うむ。なんか大量にやってきてるな。」
「何が?」
「でっかい飛行タイプと飛ばないタイプ2種のドラゴンの軍団。」
全員「・・・はぁ!?」
ドラゴンがヤバい生物ランキングのトップを誇るのはどの世界でも同じらしい。
ワイバーンは、ドラゴンの劣等種という扱いでありながらAランクの魔物で、ドラゴンは一番弱くてもその1つ上のSランクなんだそうな。
ワイバーン
前肢と翼が一体化したタイプのドラゴンの劣等種
ドラゴンと異なるのは、火炎袋という内蔵がなければ自身のファイアーブレスで自身が焼けてしまうことと、魔核という魔石よりも高純度の魔力の籠もった宝石のようなものを魔石とは別に体内に宿していないこと。
非常にどう猛で相手が強かろうと弱かろうとお構いなしで群れで襲ってくる。
獲得部位:皮膜、骨、牙、眼球、火炎袋、肉、魔石
眼球は煎じれば、優秀なやけど用の薬になり、火炎袋は非常に強い炎耐性の袋なので、加工してコンロみたいな炎を扱った魔道具にすることが多いそうな。
後、魔核の有無で、同じステータスの同じ生物の戦闘力が最低でも倍以上は差があるほどの威力になるらしい。
話によると更に上位の存在になると魔核とは別で魔法石という魔核よりも魔力濃度と魔力の純度の高く、そして密度も高い宝石を体に宿す魔物も存在するらしいけどそんな生き物は最低でもSSSランクなのでチェルニちゃんが過去に何体か単独撃破したらしい生物くらいだろうとのこと。
・・一応リリィさんから言われたのは、そんな生き物は伝説級で、ヘタすればおとぎ話になるようなヤバいやつだから軍勢率いても勝てないことがほとんどで単独撃破出来るチェルニちゃんがある意味例外でありイレギュラーだから倒せる存在だと思うなとのこと。
・・・やっぱりチェルニちゃんすげぇと言うのと、密かに頑張って倒せるくらいに鍛えようと思った。
だって俺、そんな子の護衛であるのもそうだけど、命と心の恩人でもあるんだからさ。
「どこよ!!」
チェルニちゃんが見る方向を頑張ってみてみるけどガチで何にも見えない。
正直鳥が飛んでるのかただの雲に影が差してるだけなのかの区別が遠すぎてわからない。
「だいぶ先だ。数キロ以上先故にパンの一欠片すら見えぬ。我はどちらかというと感じ取ったと言った方が正しい。」
マジか・・・その前にチェルニちゃんすげぇ。
そんな遠いところにいる軍団を見つけるなんて・・見つけると言うより野生の勘で感じ取ったと言った方が正しいんだろうけど。
と言うか・・気のせいかな?
「チェルニちゃんの目が、猫の目になってるように見えるの気のせい?」
俺がぽつりと呟いた台詞を聞いて、リリィさんがぎょっとした表情でチェルニちゃんの顔を鷲掴みしてぐいっと動かして瞳を確認したところ絶句した。
ちなみにチェルニちゃんは、速効でリリィさんがフリーズしたところで手の力が弱まったらしくそのままふいっと再度同じ方向に視線を向けてたけど。
「・・マジで猫の目だったわ。・・どこまで人外化すれば気が済むのよこの子は・・。仕舞いには、尻尾まで生えてくるんじゃないでしょうね・・。」
リリィさん頭を抱えてます。(シュテルさんは気にせずにリリィさんを抱きしめて愛でてるけど)
確かに尻尾・・生えてきそう・・それどころか人耳から猫耳に変化してもおかしくないと思ってる自分がいる。(チェルニちゃんの長い髪が時々尻尾に見えるときがあるけど)
ただでさえ妖精王という言ってしまえば人外で、その証でもある翼が生えてるというのに更に目がにゃんこになってしまうと言う。(一時的とはいえ・・ねぇ?)
余談だけど、翼は見えないように消そうと思えば消せるらしいので普段は見えないよ。
翼を消したり出したり出来るのは、妖精族であれば出来て当たり前なんだとさ。
本人曰く、お昼寝するときに邪魔で、周囲から無駄に視線が集まって鬱陶しいかららしい。
「にゃう」
シャルが仕方ねぇなぁって感じで視線をこちらに向けずに一鳴きした。
「っ!そうなの!?」
「シャル、なんて言ったの?」
「・・猫の目ってスキルがあるのは知ってるわよね?」
「うん。知ってる。」
チェルニちゃんのステータスを見せてもらったときに見た。
確か、あらゆる場所で視界をすごい速度で適用させる見ることに関してすごく万能感あふれるスキルだったはず。(おまけで余計なのまで見えるっぽいけど)
「・・そのスキルに隠し効果があったらしいわ。」
「隠し効果?」
【猫の目】
どんなに視界が悪いところでも、真っ暗闇でも真昼の霧1つないようによく見えるようになる。
たまに半透明な何かも見える
※隠し効果として、狩るべき対象がいたとき、感情の揺さぶりに合わせて猫の目になる
「・・・つまり、チェルニちゃんは暴れる寸前ってこと?」
「そうなるわね・・。はぁ・・。」
「お嬢様、数もかなり多いようですし、どうせなのでご自身のお力を皆様に見せてはいかがですか?」
セバスさんがなんか提案しだした。
「あぁ・・言われてみれば私、説教してるか軽く魔法使った程度だったわね。」
確かに魔法を使って戦ってる姿は見たことはある。
けど、小さな水玉を大量に呼び出して一斉掃射して殲滅するってすっごいやつだったけど、アレ手加減してたんだ・・。
確かに、言われてみればそうかも。
リリィさんの表情がガチじゃなかったし。
「そう言えば、お姉様がまじめに戦うお姿は見た記憶がないわ。」
「確かにないな。兄上の妻となるのだから、是非見て知っておきたい。」
「そうねぇ。ある程度は実力は見てわかるけどそれを使いこなせてるかどうかは別なのよねぇ。」
王族メンバーも見たいらしい。
「はぁ、まぁ良いわ。口先だけの女だって思われたくないし。だからレイ。」
「はい。」
いきなりリリィさんに呼ばれた。
「私、集中するから守りはほどよく頼むわね。だから、好きに暴れてきなさい。」
「っ!はい!任せてください。」
守りはしないとならないけど、最低限で良いから俺も前戦で戦ってこいって言ってくれた。
つまりは、俺の氷の盾で守りを専念させつつも俺自身は氷の盾の効果範囲内にいさえすれば好きにしても良いってことだ。
けど、パーティでの戦闘・・チーム戦だと互いが互いを支え合うモノだから言われてみれば守る代わりに攻撃に集中してもらうことで戦闘をスムーズにするモノと考えたらそう言うモノなのかもしれない。
「ふむ・・では、我らはピンチであれば加勢するようにしよう。」
「そうね。お手並み拝見とさせていただくわ。」
「特に、合格不合格はないから厳しそうなら手は貸すから遠慮なく言ってちょうだい。既に私たちはあなたたちを認めてるんだからこれからのは試験ではなくただの好奇心よ。」
「ありがとうございます。そのときはお言葉に甘えさせていただきます。・・まぁ、あのチェルニを前にしてピンチになる事は皆無と思いますが。」
「・・・まぁ、ねぇ。」
苦笑いしてるシュテルさん。
・・・ってアレ?
「あの・・もしかして・・チェルニちゃんの通り名を皆さんご存じだったり?」
殺戮猫のことを、すごく遠回しに聞いてみた。
それは、世界中で有名な呼び名で絵本まであるし(絵が気に入ったから買った)、裏世界では恐怖の代名詞でもあるから色々と騒ぎになってめんどいと言う理由で極秘だったはずだ。
時々チェルニちゃんは脅迫代わりにバレたら隠蔽はしなかったけどその後、他人に漏らさないように必ず口封じしてたし・・その方法は・・相手は死んではいないとだけ言っておきます。
もしも、違ったとしても、木刀の歌姫って二つ名があるから十分ごまかせるし。
リリィさんも俺と同じ考えになったらしく静かに反応を見てる。
すると、護衛メンバーも含めて全員頷いた。
「知ってるわ。木刀の歌姫と」
「殺戮猫であろう?」
「私たちはお兄様の行方を追う関係で偶然ね。」
「私は、姫様に野良猫様との関係で偶然教えていただいたので知ってます。」
「我々も、殿下方に仕える存在ですのでその関係で。」
「お嬢様がお嬢様ですので内秘で教えていただきました。」
「あ、当然このことをバラしたら心身共に全員にメッって言ってるから安心して頂戴?」
「・・・承知しました。」
シュテルさん・・・可愛い顔してシレッとえげつないことをさりげなく匂わせるのをやめてくれません?
言い方は可愛いけど、言ってる内容は可愛いの範疇を超えてるよね?
・・怖いから内容は聞かないけど。(騎士団の一部が遠い目をしてる)
ちなみに、騎士団長のアルムさんと魔術師団長のシエルさん2名とその部下一同の騎士の皆さんだけど、守るべき対象が世界中で有名な最強の義賊だと知ってしまって頭抱えてます。
守るべき相手が強すぎて守れないとか自分たちの存在意義が・・とかなんとか。
・・言われてみればそうだよ。
チェルニちゃん一国の王子様で、既に王位継承権が云々を無視して、今の王様が退任?退職?・・えぇっと、とにかく王様であることをやめたらチェルニちゃんが引き継ぐことは既に決定しているんだ。
それに関しては、グランツにフィリアも賛同していて、国内で身分の有無関係なしに全員が賛同しているから。
記憶がない頃のチェルニちゃん自身も賛同しているらしいけど、現陛下であるチェルニちゃんパパ曰く、出来るだけチェルニちゃんには経験を積ませると言うか、この世界を楽しんでもらいたいという思いで、生涯現役を目指して王位を譲るのを保留してくれてるらしい。
周りもなるべくチェルニちゃんへの負担が減るようにと色々と動いて回ったり、グランツとフィリアもチェルニちゃんの代理的なポジションでサポートが出来るように学んだり手を回したり脅迫したりしてるらしい。
で、そんな王子様どころか次期国王になる偉いお方を守らないとならないのに守られてるはずの人の方が圧倒的に強いという騎士としての存在意義に大ダメージどころか致命傷を手軽に与える存在がチェルニちゃんである。
・・可愛い顔して、世界中で有名な義賊様だからなぁ。
あ!
「その前にあのドラゴンの塊・・どうにかしないと。」
「そうよ!で、種類は?」
相変わらずチェルニちゃんはお目々をにゃんこにしたままジーッと遙か彼方向こうの方を見ていて返事をしてくれないのでシャルが一鳴きして教えてくれたっぽい。(俺、何言ってるかわかんないし)
「にゃう」
シャルが一鳴きしたところでリリィさんはひざから崩れ落ちてOTL状態になった。
「シャルは何だって?」
チェルニちゃんに頭を撫でられながらリリィさんはうなだれた感じで答えてくれた。
「感じ取ってるだけで見えないからそんなの知るかだって・・」
リリィさん頭を抱えてます。(回復役代わりにチェルニちゃんを抱きしめて頬ずりしてるけど)
でも、シャルの言いたいことも否定出来ない自分がいる・・あ、だからリリィさんはツッコミを入れられずに頭を抱えてるんだな。
で、結局どうすることもなく30分ほど経過したところでセバスさんの手持ちに望遠鏡のような感じの魔道具で覗いてたらようやく姿が豆粒くらいに見えて種類が判明した。
テンペストドラゴン
嵐を巻き起こすかのように暴風を自身の翼で巻き起こす全長50メートルの青のような緑のような色をしたドラゴン
翼は片翼ずつそれぞれのサイズが自身の体長と同じ長さを誇っているため翼を広げると更に大きく見える。
一説にはワイバーンをドラゴンにランクアップさせるとこうなると言われているが繋がりは一切なくただ姿が似ている他人のそら似である。
だが、非常にどう猛で群れて各地を荒らして回ることで有名
獲得部位:魔石、魔核、皮膜、牙、骨、鱗、ドラゴンの肉、眼球、ドラゴンの血液
タイラントドラゴン
脚はそれほど速くないが、とにかく頑丈で暴れん坊な70メートルサイズの焦げ茶色のトカゲ型ドラゴン
自身の視界を遮られるのが非常に嫌いでとにかくけんかっ早く短気
強い個体であれば背中に透き通った茶色い結晶が生えており、強ければ強いほど結晶は透き通っており、数も多かったりする。
だが、結晶がなくても最低Sランクレベルなので数えるような酔狂な輩はいないため、その見分けは意味がないと言われている。
獲得部位:魔石、魔核、鱗、牙、骨、肉、眼球、ドラゴンの血液、まれに魔結晶
魔結晶
魔力そのものが結晶化したモノであり、魔力が宝石化した魔法石より伝導率や内包量は劣るが、内包されている魔力の持続性は非常に高く非常に安定していため、魔道具を作成する界隈には魔法石よりも人気が非常に高く、重要施設であればあるほど使用されている比率が高い
ドラゴンの肉
ドラゴンの種類によって味の差はあれど、最高級品のおいしいお肉で、焼いても煮ても、何でもござれ。
食べると、ないよりマシ程度にドラゴン特攻的な感じの効果が永続的に付与されると言われているが、大抵は雀の涙ほどしか高まらないので、基本的に気のせいで終わる。
だが、まれに五感を高め、肉体の回復&治癒速度をほんのりと早める効果を獲得することがあるらしい。(高くても1%未満の確率)
ドラゴンの血液
様々な病に対する耐性をワクチン接種した程度に作ってくれる、他の薬品と上手く調合することが出来ればその薬品の効能を倍加してくれる。
たまに、効き目が強すぎて元々持っていた耐性も一纏めに強化して、プラスして全状態異常に対する耐性も作っちゃったりすることがある。
だが愉快な味がしておいしくはない。(味は人によって様々のため、誰も説明出来ない)
※複数のドラゴンの血をそれぞれまとめて飲んでも浴びてもどちらも効果的であり、重複はない。
同じ種類でも個体ごとにドラゴンの血液の効能は微妙に異なるため、そちらも同じく重複なし。
魔法石は、魔結晶よりも色々と優れてはいるらしいけど、属性ごとの魔力のバランスによって非常に左右されやすいんだとか。
俺が持つ杖みたいに氷属性単発だととんでもなく強いけど、最も多い複数の属性が混ざったタイプだとその混ざった属性ごとの割合によって使いどころが限られてくるので使い勝手が難しいらしい。
一方、魔結晶は不思議なことに属性は全くないのだとか。
そのため、属性に特化させるようなモノに使うには弱いけど、使い勝手は良いし属性ごとの魔力のムラもなく非常に安定していて、持続性も高いから便利で尚且つ扱いやすいから魔道具を作る人たちからすると一番欲しいものになるらしい。
って感じらしいけど、ドラゴンってやっぱりすげぇ。
血と肉に関しては何かしら強くなれるらしい・・効果が微妙なのはなんと言えばいいのやら・・ギュワーっと一気に強くなるわけではないのは残念と思うと言うより、夢見すぎかな?
でも、強いのは確かだから死なないように頑張らないと・・けど、どんな味なのかすごい気になる。
強くなる効果については、お守りくらいのポジションで思っておこう、うん。
さて、チェルニちゃんがリリィさんから抜け出して木刀と忍刀をそれぞれ抜いて準備をし出したから俺も準備しようかな。(木刀は順手、忍刀は逆手で持つのがチェルニちゃんの二刀流のようだ)
・・・あ、そうだ。
「俺が戦うとき、全員俺に近づかないようにしてもらっても良い?」
リリィさんとセバスさんとかは俺のことを知ってるから即座に頷いてくれた。
一方、俺のことをあまり知らないクリアネス王国メンバーは全員首を傾げ、代表してグランツが尋ねた。
「お主の戦い方は周りを巻き込むのか?」
「俺の戦い方と言うより、俺の体質かな?」
「お主の体質は、冷気を周囲にまき散らすモノだと聞いているが。」
そこでフィリアが追加で尋ねてきた。
「あら?けどそれは、お兄様との訓練である程度克服出来たと聞いているわよ?」
「それ実はさ、簡単に言うと、魔力制御で無理矢理押さえ込んでるような状態なんだよね。」
俺の台詞で、目を見開いて驚愕していた。
「お主!もしや、寝ているとき以外常に魔力制御をし続けていると言うことか!?」
「まさか、道中私たちと訓練をしていたときは、自身の体質を魔力制御している状態・・つまりは、本気ではなかったと!?」
「まぁ・・そういう感じになるかな。けどさ、これしとかないと相当慣れてる人じゃないとまともに会話も出来ないよ?俺、魔力制御で冷気を放つ範囲を狭めるのと、温度を抑制しているんだから。」
「つまりは、冷気が垂れ流しになる範囲を狭くし、冷気をぬるくしていると?」
「まぁね。じゃないと、本気でヤバいよ?制御をやめると大抵の人は気合いを入れないと近づけないだろうし、更に水とか軽く表面が数分も経たずに凍るし」
感情高ぶると更にすごくなるけど。と続けて言うと全員が絶句してた。
全員「・・・・」
「最近は、慣れてきたのか寝てるときも今ほど抑えられてはいないけどある程度は抑えられるようになったかな。」
正しくは、俺が寝てるときにチェルニちゃんたちが確認してくれたというのが真実。
起きてるときは、温度も範囲も全体の1割くらいにとどめてると仮定するなら、寝てるときは3割くらいになってる感じらしい。
実力が上がって、氷の神様と縁が出来た関係なのか何なのか俺の冷感体質も強くなってるんだよね。
まぁ、前みたいに俺の感情に揺さぶられて暴威を振るうことはないけど。
昔は、うれしくて感情が高ぶっててもなってたけど、それは今と言うより、チェルニちゃんたちと出会ったり、氷の神様に気に入られるようになってからは完全になくなった。
その代わり、俺が意識的に体質を強めるか、不愉快だと思うときだけ、体質は強まるようになった。
そんな感じで変化したから事実上、緊急時以外は心配はなくなったと言うことになる。
まぁ、良い感情の時に荒ぶっていた分も不快な感情の方に濃縮されたんじゃね?とチェルニちゃんから言われてそうかもしれないと思ってるけど。
答えはまさしく神のみぞ知るってやつだね。
そして、肉眼でもはっきりとドラゴンだぁとわかるくらいの距離になったところでチェルニちゃんが賭けだそうとしたのを、グランツはすかさず見抜いて1つ、あるモノをチェルニちゃんに向かって投げた。
チェルニちゃんは、危なげもなくノールックでそれを片手で受け止めた。
それは、ぱっと見、ベルトポーチ(ベルトに付けるタイプのバッグのことね)だ。
黒を基準とした和服に合わせて作られたかのようなシンプルだが洒落たデザインの縮緬っぽく見えるものだ。
「それは、兄上のマジックバッグです。兄上のことを考慮して兄上の私物が全てそこに納まってます。他にも役立ちそうなモノを色々入れておきましたのでご活用下さい。」
「お兄様のマジックバッグは、クリアネス王国の王太子専用ですので、時間制限は通常の2割ほど遅延させる程度ですが、容量はほぼ無限になっております。」
ちなみに、このバッグ、王太子専用と言う言葉の通り無関係者が不用意に触れようとすると、そいつの魔力を根こそぎ絞り尽くすらしく、そいつの心の黒さに比例した威力の激痛が+α(プラスアルファ)で全身にプレゼントされるとのこと(強制)。
だが、その奪った魔力がどこに行くのかは不明らしいが、一説にはそのマジックバッグの品質を保つために使われてるんじゃないかとのこと。
「ん、ありがと」
「いえ、ご存分に」
「ご随意に」
チェルニちゃんは、腰のベルト・・と言うか、和服っぽいから帯に取り付けた。
うん、すごくぴったりだ。
ちなみにそれ、チェルニちゃん用に改良されてるらしく、いざとなればシャルが背中に背負えるように出来てるらしい。
・・サイズもぴったりで、すごく見た目に違和感がないのがすごいよね。
とか言ってる間に、チェルニちゃんはすごい勢いでドラゴンの元に突っ込んでいった。
すごい速度で走ってるのに足音が全くしないのはさすがだよね・・と言うか、暗殺者みたいだ。
さて、
「ふぅぅ」
俺は、ずっと魔力制御をして抑えていた体質を完全解放する。
すると周囲に俺を中心とした空間で、突如として極寒の地帯が出来上がる。
俺は、全く寒くない、そう言う体質だから。
そして、ピシピシと周囲が凍っていく音がするが無視。
「氷盾展開」
俺は、リリィさんたちを取り囲むように盾を計4つ氷で作り出し、宙に浮かせて展開する。
盾の形は、真正面から受け止めるタイプと、受け流すタイプを織り交ぜた俺オリジナル。
丸とか逆雫型とかの物理的な形はそのときの状況次第で変えるからあくまで俺の盾の役割に合わせて、いろんな人に盾の扱い方を教わり、俺なりに改良したのがこれだ。
俺の場合は、カウンターワザを持ってるから受け止めることをメインとした方が都合が良いんだ。
けど、全てを真正面から受け止めていては、氷が壊れてしまい、再度俺の魔法で修復させないとならない。
そうなると、効率が悪いから受け止めることで6割、4割を受け流すようにしている。
そして、俺の愛武器である杖に氷を纏わせて薙刀に変える。
大鎌は、強いけど1対多の場合だと動きが大きくなるから使い場所が限られてくるので、基本的に薙刀型がメインだ。
さぁ、来い!
俺の実力を、見せてやる!




