シャルの経緯-後編- 挿絵
--シャル--
色々あって異世界に猫として転生した私は、異世界を気の向くがままに旅をして楽しんでたけどある日、魔物との戦いで不意打ちを食らってしまい、命からがら逃げることは出来たけど余命わずかと言う状況だった。
そんなとき、意識を保つのもやっとという時に目の前に華麗な妖精さんが表れた。
「ねぇ、大丈夫?」
あぁ、見た目も超絶美幼女なら、声も超可愛い!
私が人間だったら遠慮なく可愛がってあげるのに。
後、こんな状況で言うのも何だけどその握ってる木刀は護身用?
木刀が護身用になるのだろうか?と言うのと、幼女が木刀を振り回しても殺傷力が皆無な気がした。
むしろ、微笑ましい光景になりそうな気がする。
あ!そうか。
そうすることで、毒気を相手から抜く作戦だな?
あまりにも可愛くてやる気を相手からなくさせるんだね?
木刀を持たせた人・・・なかなか策士じゃないか。
それにしても、命からがら逃げたから全身ボロボロドロッドロなのに声をかけてくれるこの妖精さんは天使なんじゃないだろうか。
羽は隠してるのだろうか?
「にゃう(痛い・・お腹空いた)」
通じないとわかっていても声を出して助けを求める。
でも、もし死んだとしてもこんな可愛い子に看取られるなら悪くない。
むしろこれは、天からのお迎えではないのだろうか。
そう思ったら奇跡が起きた。
「痛い・・怪我したの?お腹空いた・・何も食べてないの?」
!?
通じた!?
これまで色々と出会った人間相手に声が通じないのを良いことに散々罵倒を吐きまくってたけど初めて通じる人間がいた!?
あ、そうか。
やっぱりこの子は妖精さんなんだ。
人じゃないから通じるんだ。
「怪我・・お薬ないし怪我を治す魔法は使えない。ご飯・・・どれからしよう?」
のんびりと首を傾げながら悩む妖精さん。
うん・・すごくマイペースだな妖精さん。
「にゃう(とりあえず痛いのをどうにかしてください)」
空腹は我慢出来るけど痛いのは嫌です。
「そっか・・よいしょ。」
そして私は、妖精さんに抱っこされて連れて行かれた。
あ、この子果物みたいな甘いようなさわやかなような香りがほんのりとして良い香りだ・・私の好きな香りだ。
連れて行かれた場所は、草の匂いが強い場所だった。
「あら、野良猫様じゃないですか。」
・・・何つぅ呼び方されてるのこの妖精さんは。
で、本人は全く気にしてない。
「この子痛いって」
「あら・・・どう痛いって?」
「にゃう(殴り飛ばされた)」
2足歩行の生き物に鈍器で
「だって」
「ごめんな?私、にゃんこの言葉わからないんだ。」
でしょうね。
この子だって、他の人がにゃんこの言葉がわからないとわかっていてそう返事したのだろうか?
・・この子は、天然さんなんだろうか?
あ、妖精さんだから天然さんなんだろう・・普通の人間と同じ価値観や考え方じゃないんだ、うんうん。
「殴られたって」
「こんな可愛い子を殴るなんてどこの屑だ・・・ったく。じゃあとりあえずこれを飲ませて体をきれいにして安静にさせることだな。」
何か、意見の食い違いが起きてるような、ま、いいか。
「おかね」
「あぁ、いらんよ。この間のお礼だ。」
「ん」
どうやら、薬代は何かしらのお手伝いによるものでチャラになったらしい。
「裏に洗い場があるから好きに使ってくれ。お代は近くに並べてる食器を一緒に洗ってくれたらチャラだ。」
「ん」
そして、私は薬らしき粉を飲まされ、妖精さんに全身を優しく洗ってもらった。
猫の姿になってから薬を初めて飲んだけど、すっごい飲みにくいね!
地味に、大変だったよ。
なんてテクニシャン。
全身のあんなところやこんなところまで隅々まで撫で回されました。
気持ち良かったです。(いろんな意味で)
そして、落ち着いたところで次のお店へ。
「ん?野良猫様じゃねぇかどうした?」
ここでも野良猫様って呼ばれてるのねこの子。
でも、やっぱり気にしないこの子は大物だな。
「この子のご飯」
「ん?あ、じゃあこれやるわ。」
定番のミルクっぽい・・けど緑色・・何入ってるの?
「ん?」
「あぁ、なんか知り合いが体に良い薬草と果物と野菜をブレンドしてミルクにぶっ込んで良い感じの味にしたやつを試供品だってつってくれたんだよ。味はおいしいらしいから代わりに味見してくれ。俺がその返事をしとくから。」
「ん」
ナチュラルに毒味を任された気がするんですけど?
そして、飲みました。
腹は代えられないし、私の直感が悪いモノじゃないって言ってたし、この子も普通に飲んでたし。
・・味は、悔しいけどフルーツオレと抹茶オレを混ぜたような味だけど良い感じにブレンドされてるらしくって地味においしかった。
と言うか、この子まだ幼さそうなのにしっかりしてるなー。
自力で働いて稼いでるっぽい。
まぁ、お金じゃなくて現物支給なのはまだ子供だからだろうね。
でも、推定3歳くらいの子が1人でお買い物をしてるのに加えて、自力で稼いでるなんてしっかりしすぎじゃない?
私そのくらいの頃だと親にデロッデロに甘やかされて部屋でゴロゴロしてただけだよ?
・・いや、どっちかというと親が私に甘えるから私が相手してあげてる気分だったな。
警察のお偉いさんであるはずの父がパパと呼んで~とデレッデレの顔で写真を連射して、
弁護士界の魔王とか言われてるはずの母が、同じくままと呼んで~とデレッデレの顔で父が撮影した画像をせっせとネットに投稿して家の子自慢をしてた。
それを私は、いつもの奇行だとスルーして、子供がする顔じゃねぇと周りに言われつつも両親の仕事ぶりを知ってる人たちからはギャップが酷いとか言われて軽くどん引かれてたけど。
ちなみに、2人の仕事場にはこれでもかと私の写真が張り巡らされているらしく、油断すると家の子自慢に巻き込まれるのである意味地雷扱いされてたけど。
それから、連れて行かれたのはずっと視界の端っこに映り続けていたものすごくでかい城。
え・・この子何者?
「殿下、お帰りなさいませ・・その子は?」
「拾った」
まー、間違ってないけど説明がザックリしすぎでは?
「えぇっと・・良いのでしょうか?」
困惑する騎士さんの気持ちはよくわかる。
確かに、親御さんの許可的なモノとか、お城に無断で連れてくるとか。
「僕がルール」
さりげなくすごい暴論が聞こえた気がする。
「あぁ・・・まぁ殿下だから良いでしょう。どうぞ」
え、それでいいの?
「ん」
その感じだと、いつものことっぽいやりとり?
・・・・今、殿下って呼ばれてたよね?
じゃあこの子・・王族!?お姫様!?
と言うか、王族が一人で街中をウロウロしてていいの?
この騎士さんのリアクション的にいつものことっぽいけど。
後、お姫様なのに野良猫呼ばわりされてるの?
・・それって、良いの?
色々と、怒られない?
「チェルニちゃんお帰りなさい。」
「ん」
妖精さん・・チェルニって名前なんだ。
何気に初めて名前を聞いた。
ずっと、野良猫様としか呼ばれないんだものこの子。
で、目の前の巨乳美女は何者?
妖精さん・・チェルニちゃんを成長したらこんな感じというこの人のクローンがチェルニちゃんですと言っても納得しちゃうくらいそっくり。
にしても、チェルニちゃんそっくりというのもあってとんでもなく美人だな。
そして、なんていう素晴らしい巨乳。
目測では、あの契約の女神様レベルだ。
「あら、その子は?」
そりゃあ気になるよね。
私のこと。
「拾った」
間違ってはいないけどザックリとしすぎてないかい?
そう言う意味で聞いたんじゃないと思うよ?
「どうして連れてきたのかしら?」
そりゃあ聞くよね。
「僕が育てるから」
育てさせるのではなく、自分で育てると即決で言い切った点はホントに自立精神たくましくてお姉ちゃん涙がでちゃうよ。
「お世話はどうするの?」
子供相手にまず尋ねるよね、それ。
「僕がする。」
そこも即断な点は、ホントに素晴らしい。
こっちの世界で子供と遭遇したケースがほぼ皆無だから知らないだけで、実はこの世界の子供ってこのくらいの年で既に自立してるのが普通だったりするのかな?
それに、お金というか、飼育費は?・・と言葉が続こうとしたところでチェルニちゃんからのまさかの追撃。
「お金も僕が稼いで、僕が全部出します。」
確かに、さっきまでの町(正しくは城下町だったけど)でのやりとりを見聞きした限りでは、普通に生きていけそうだった。
寝泊まりするところも部屋の掃除をしてくれたら良いよーって感じで軽く許可されそうだったし。
「え、えと」
幼女らしからぬしっかりとしたお返事に巨乳美女様さすがに困惑。
「それがダメというなら、僕はここから出て行き、1人で生きていきます。」
「ちょ、ちょっと待って頂戴!許す!許すからそれはやめて!?」
チェルニちゃん本気で着の身着のまま返事を待たずにそのままくるんとUターンして出て行こうとするからチェルニちゃんそっくりな美女さんが慌てて止めて許した。
むしろ周りにいたメイドさんや執事さん、騎士さんなどお城に勤めてるっぽい人たち全員が同じようにすっごい慌ててる。
と言うか、むしろ顔を青から白にするくらい絶望しかけてる。
で、その冷や汗をかいてる美女相手にジトーッと本当だろうね?嘘ならこのまま出て行くぞ今すぐに出て行って帰ってこないからな?と視線で脅し(むしろ追撃)をかけるチェルニちゃん。
「大丈夫!大丈夫だから!あなたが出て行ったら、この国は終わるんだからそれだけはやめて頂戴!?」
・・・ん?
この国が終わる・・・滅ぶの?
この子がいなくなるだけで!?
ガチでこの子何者!?
良いだろうという感じでチェルニちゃん、鼻で笑って、出て行くのをやめたようだ。(でも、出て行く宣言は正直ガチだった、本気で着の身着のまま出て行こうとしてた)
それで、美女どころか近くにいた騎士さんたちやメイドさんに執事さんたちが本気で安堵のため息をついてた。(一部はひざから崩れ落ちてる)
・・話の流れ的に、この子がこの国の時期王様なのかな?
でも、女の子が継ぐんだね。
結構こういうパターンの時って男優先的なモノがあるから。
まぁ、時々女王が継ぐ的なモノはあるけど、この国ではそのパターンらしい。
「ふぅ・・。」
本気で冷や汗いっぱいだったらしい美女がメイドさんに差し出されたタオルで汗を拭いてる。(軽く脚がプルプルしてる・・)
「とりあえず、今日のお勉強は終わってるのよね?」
「お出かけする前に終わってます。」
この年齢で既に勉強してるんだ・・すごい。
しかも、既に終わってる。
「なら、とりあえずお風呂に行ってらっしゃい。」
「ん」
「殿下、お世話いたします。」
「ん」
そして、メイドさんに連れられてお風呂に行きました。
お風呂はさすがというか何というか、広くてすごく綺麗で豪華なところだった。(正直漫画の世界にやってきた気分で私、密かにはしゃいでます)
で、想像と異なった点はまず1つ。
王族というか貴族は、服を脱がせるところから体を洗うところまで全部メイドさんとかがやってくれるイメージだったけど、この子の場合は全部自分1人で対応していて、メイドさんは勝手に率先して洗うのを手伝って言うという感じだったこと。
そしてもう1つは・・・・。
この子が服を脱いだときに判明したんだけど・・。
ズボンを脱いで、パンツを見たところでん?となった。
だって、女の子にしてはシンプルすぎるというか、ボクサーっぽい感じだったから。
そのときは、動きやすさを重視したんだろうなと、思ってた。
実際、女の子用の下着でそう言うタイプのは実際あるし、スポーツする女の子だったら割とそのタイプを穿いてる子はいるし(ん?となった理由は、色合いとかが女の子らしからぬ感じだったから)
そして、それを脱いだところでびっくりした。
と言うか、絶句した。
だって・・
だって!
プラプラしてるのが付いてるんだもん!!
まさかの、男の娘だとは思わなかったよ!?
こんな美少女なのにプラプラしてるのが付いてるんだよ!?
びっくりするよね!?
ここまで完成度の高い男の娘、アニメに漫画の中でも見かけなかったよ!?
私、人を見る目はあったし誰がどう変装してようとほぼ完璧に見抜いてたのにこの子に関しては見抜けなかったよ!?
と、私は驚いてフリーズしてたけど、メイドさんはチェルニちゃんの髪を洗いながらチラチラと下半身を覗きつつ遠い目をしてる。
チェルニちゃん、実は髪長いんだよ。
肩は軽く通り越してるんだよ。
それもあって余計に女の子だと思ってたけど。
まぁ、短髪だったとしても、ボーイッシュな美幼女にしか見えないけど。
で、メイドさん
知ってはいるけど、現実を現実だと認めたくないんだね?
それから、チェルニちゃんに抱っこされたままお城の中を練り歩いたよ。
と言うか、チェルニちゃんがお城のあちこちでお勉強というか、お仕事のお手伝い?をして回っててそれを眺めてたというのが本音。
その年で忙しすぎないかい?
と正直言いたいレベルだったけど。
でも、大国の王子様だったら割とそんな感じなのかもと納得してる自分もいたけど。
後に、その年からそこまで忙しいのはおかしいと気付いたけど。
あ、私正式にチェルニちゃんのペットに就任しました。(と言うより密かに護衛扱いされたけど)
「にゃう(王子様だったんだね)」
「うん。」
雑談は何気にずっとしてたし、チェルニちゃんもチラホラ私に質問は飛ばしてて、互いに自己紹介も済ませてはいるんだけど・・。
「にゃぁう(私のこと・・聞かないんだね)」
こんなに頭もよくて察しの良い子なんだ。
私が普通の猫じゃないことはお見通しのはず。
けれど、聞かない。
「シャルは、隠したいわけじゃないけど無理して話したいとも思ってないんでしょ?」
「にゃう(そうね)」
「けど、ホントは有象無象が鬱陶しいから黙ってた方が楽と言うのが本音でしょ?」
「・・にゃう(そう・・だね)」
可愛い顔して毒舌だなぁ!この子!
と言うか、察しがよすぎやしないかい?
確かに思ってたよ?
そのまんま思ってたよ?
君、ホントに3歳児かい?
「だから、シャルが話したかったら聞くし、どうでも良いなら聞かない。僕にとっては、大事な家族の頭の良いにゃんこで十分だから。」
そっか・・私、ありのままの状態で生きて良いんだ。
どこかで、ずっと誰かのために自分で自分を縛っていたのかもしれない。
そして、チェルニちゃんのおかげでその楔はなくなったんだ。
そうだ。
私の知る限りの知識とワザの全てをこの子に託そう。
この子の明るい未来のために。
そして、私の身も心も救ってくれたこの子のために生きて、この子の護衛としてずっと傍にいよう。
この先、この子に何かがあったとしても私は世界が滅びようともこの子の傍にいて、この子のために生きよう。
例え、この身が朽ち果てようとも
この子が記憶が無くなって私のことを覚えてなかったとしても、そのときのこの子の望むようにいよう。
そうして私は、後に”クリアネス王国の逆鱗”と呼ばれるようになるほど、チェルニちゃんの守護者として、魂の相棒として名を馳せることになり、私に刃向かう存在は全て気合いと根性で消し去った。(えっへん)
言い方を変えれば、そう呼ばれるほど盛大にやらかしてあらゆる野郎共を物理的にも黙らせてきたとも言えるけど気にしない。(だって護衛だもん)
--チェルニ--
「と言うことらしいよ?」
シャルの言葉がわかるのは、一部だけだからね。
とはいえ、全部を説明するのが面倒くさかったから、シャルが神様だってことだったりステータスについてはガン無視しちゃったけど気にしない。
だって、家族にしか見せたらダメなモノなんだから公開する必要はないでしょ?
なので、みんなにはシャルはレイお兄さんと同じ異世界出身で事故で死んで、猫の姿でこっちの世界に転生したと言うことと、神様と仲良しになって加護をもらったと言うことくらいしかわかってないよ。
僕がかなりはしょって話したから。(色々と面倒だから)
ちなみに、魔道具のおかげでシャルの言葉がわかるリリィさんと獣魔メンバーと、長年の経験でシャルの言ってることを理解してるセバスさんは盛大に僕がスルーした内容のかなり大事な部分に頭を抱えてます。
でも気にしない。
「嘘でしょ・・これ(シャル)とほぼ同い年ってこと?・・嘘でしょ・・おまけにこれが神?」
「こちらの世界に越してきてからの年齢を足すとシャルの方が年上かと。それと種族に関してはナニカとバグっていたことを考えると納得出来るかと。」
「だとしてもぉ・・・」
何やら、リリィさんの中で葛藤する部分があるらしい。
そして、僕はずっと気になってたことがあってそっちに耳を向ける。
「ぴよぉぉ(我らが王よ。久方ぶりだな)」
「ぴよぉ(確か我らが王は、記憶喪失ではなかったか?)」
「ぴよぉぉ(そう言えばそうだったな。)」
色は、バラバラだけどシャルが言うところのダチョウサイズのすごくでっかい鳥さんです。
普通にお馬さんの2倍くらいあるけど、それは羽が空気を含んで膨れてるからなので、実際はお馬さんと同じサイズ。
足は、羽毛に埋もれてどこにあるか良くわからないからぱっと見はすごく脚?・・どこ?ってなるくらい短いけど。
見た目は、シマエナガって鳥さんにすごく似てるよ、シャル曰く。
けど、もっふもふだけど、お肉もだいぶ付いてるからもっちもちでまん丸でもあるから。
すごく丸いけど。
すごい手触りは抜群だよ?
それにすごい可愛い。
それが、すごい数がいる。
扱い的には、お馬さんと同じような感じっぽい。
実際、この子たちの背中に乗って騎士さんたちは全員やってきてたし。
「あぁ、この子たちですか?殿下は覚えてないでしょうけど、幼少期に殿下がどこからともなく連れてきたんですよ。」
「また(チェルニ)か・・・」
リリィさんの頭を抱える呟き声が聞こえるけどスルーします。
だって覚えてないもん。
フニフモ・オルニスと言う名前の鳥さんらしい。
飛ぶことが出来ない代わりにすごく足が速いらしいですよ。
まぁ、見た目はすごく可愛いけど、ものすごく凶暴で背中に乗せる相手はすっごい見定めが厳しいらしいので滅多にいないとかなんとか。
後、ペットとしてもすごい人気ではあるけど、扱いが難しいというか相手の心を読み取るらしくちょっとでも気にくわなければあっという間に脱走するらしい。
蹴りは、軽く金属はへし折り、嘴は容易く金属系を貫くらしいので攻撃力もすごい高く、もっふもふのもっちもちの体は本人たちの気合いの入れ方次第ですごく頑丈でガッチガチにもなるんだとか。(正しくは身体強化のスキルが派生した身体硬化という羽も含む全身を硬くする力らしいですけど)
「確か、殿下が6歳の頃に、冒険者として近くの森で薬草採取に出かけたはずが、薬草と一緒に彼らを群れ丸ごと連れてきたんですよ。」
「そうそう。確か、住むとこ提供することになったから連れてきたとかなんとか。」
「チェルニ・・あんた、またなの?」
またって言われても覚えてないです。
で、鳥さんたちに聞いたところ
「ぴよぉ(我らは元は元ペットだったのだ)」
「ぴよぉ(そうそう。)
「ぴよぉ(我らを手懐けられれば将来も安泰だとかなんとか言うバカ共の元より脱走したのだ)」
「ぴよぉ(ふん、誰があんな欲にまみれた屑共に傅くか。)」
「ぴよぉ(我らは、凶暴なのではない。他者の欲に敏感なだけだ。)」
「ぴよぉ(なぜわざわざ己の欲望に忠実な屑におとなしく従わなくてはならぬのだ。)」
「ぴよぉ(そうして我らは各地で脱走したモノ同士で群れとなり各地を狙われ、撃退しながら旅を続けていたのだ。)」
で、さすがに落ち着いた生活というか、穏やかに過ごせる場所が欲しいと思いつつもどいつもこいつも欲にまみれて近寄ってくるバカしかいない。
そんな中、お出かけ中の僕と出会って、家に来れば?と提案、そして
まず、僕が権力と知名度を有効活用してこの子たちに欲にまみれて近寄るような連中は始末するように徹底的に始末するように王命を発動。
つまりは、絶対守れ、さもなくば私の手でそいつらを全員始末するということ。
実際に僕は何人か公開処刑したらしい。(かろうじて死んでない程度に9割殺しだったらしいけど)
で追加して
背中に乗せる相手は自分たちで決めてOK
無理矢理なやつがいたら問答無用で殺さなければどこまでもボコってOK(追撃で僕も始末するオプション付き)
ていう感じの約束事があり、クリアネス王国に住み着くことになったそうな。
ついでに、定期的にモフらせてくれれば良いとしっかりと注文も僕はちゃっかりしていたらしいけどそれはOKだったそうな。
で、僕の絶対命令(王命のことだよ)もあってかなり穏やかな生活が送れることと、
元々国柄の関係で欲にまみれて狙う人がほとんどいなかったから絶対命令がなくてもかなり過ごしやすい場所だったとしばらく過ごした後でこの子たちは思ったらしい。
まぁ、僕の一言がほんのわずかに企んでた連中(国外からやってきた奴らのこと)を徹底的に始末して回る部隊が別で出来上がったので、念には念をって感じの扱いだったそうなので結果として、
治安維持に貢献したことになったそうです。
そもそも、クリアネス王国の人たちはヘタすれば陛下や王妃よりも僕の言葉を優先させることが割と多めらしいけど。
凶暴ではなく、ただ誠実な人を選んでいるだけでそれ以外のじこちゅーな人は気にくわないから実力行使しているだけのようです。
それと、僕のことを我らが王と呼ぶのと、僕の言葉に一切の疑いを持たないのは僕が妖精王だからだそうな。
聞くと、彼らは妖精族という僕のような妖精としての血脈だと大体70%くらいで残りが魔物だったり動物だったりする所謂妖精の混ざり物のような種族が通称妖精族と呼ばれる。
そんな妖精族であるから、そのトップである僕の言葉を疑うこと自体が愚かなことと言うことらしい。
なので、妖精族であれば必ず僕が妖精王として未覚醒だったとしても本能的に妖精王だと察することが出来るらしい。
と言う部分を僕が翻訳しながら話したら、当時の状況を聞いていた団長2名が合ってると頷く。
「と言う感じで、我ら騎士団と魔術師団に加入出来る条件は、クリアネス王国内各地で自由気ままに過ごしている彼らに認められ、背中に乗せてもらえるほどの中になることと、確かな実力があることが条件なのです。」
「なので、実力は合っても彼らに認められない輩は何かしら企んでいる可能性があると言うことで、徹底的に性根をたたき直すのが恒例行事です。」
ある意味、騎士団に変なのが入り込まないための防衛戦代わりになってるようです。
よきかなよきかな。(覚えてないけど)
でも、何だろうね?
故郷の人たちがゾクゾクと集まってくるのに加えて、過去の僕のことを教えてもらってたりするとなんとなくそう言えばそういうことがあったなぁと思ったり、そのときは確かこういうこともあったっけー?って、思う頻度がちょっとずつ増えてるような気がするんだよね。
まぁ、そのときは大抵頭が痛くなるけど。
そのときにすかさず察したリリィさんが速効で僕を栄養のあるモノを無理矢理食べさせて寝せようとするけど。(マスターは過保護なオカンなのですとか考えてたら、お胸で窒息の刑に処されました)
で、移動しながらぽつりとレイお兄さんが呟く。
「でも、シャルが人だった頃ってどんな姿だったか同じ故郷出身だったら余計に気になる。」
「あぁ、レイの言いたいこともわかるわ。」
「え?わかんないの?」
全員「は?」
「え、チェルニ・・あんたわかるの?」
「うん。」
「・・・なんで?」
「いつも見てるからだけど?」
全員なんでびっくりした顔してるんだろう?
するとリリィさんに抱きしめられたまま至近距離でにらめっこ状態で尋ねられた。
「・・普段からシャルのことどういう風に見えてるかはっきりと言いなさい。」
「黒いにゃんこの中に、黒髪の清楚そうな感じのリリィさんと同じくらいの年の女の人がたたずんでるのが見えてるだけだよ?猫耳と尻尾は生えてるけど」
全員「・・・・・」
「・・・チェルニ様、ちなみに私やリリィ様はどういう風に見えてますか?」
どうしてセバスさんは顔が引きつってるの?
「ん?セバスさんは、中身にエルフの男性の姿。リリィさんは水で出来た女の人が見えるよ。」
「水で出来た女の人・・それって、水の精霊?」
「そんな感じ。」
精霊は、各場所に存在する聖地を管理する存在なんだけど、司る属性の場所にそれぞれ住んでるの。
それに、姿は様々だけど体は司る属性そのもので出来てるんだ。
だから、水の精霊だと水で出来た生き物の姿。
火の精霊だったら火そのもので出来た生き物の姿ってわけ。
「・・・ちなみに、レイは?」
リリィさん・・すごいしかめっ面になってるよ?
美人が台無しだよ?
と言ったら、あんたのせいでしょうがと言われてお胸で窒息の刑に処されました。
「氷で出来た女の人?雪女?」
「そういうことなのね・・。」
リリィさん何かわかったらしい。
と言うか、昔からそういう風に見えるんだよね。
どんな生き物も体の中にいろんな姿の生き物がいるの。
肉体と同じ姿だったり、性別が違ったり、種族が違ったり、はたまた虫や植物だったりとホントに色々。
「あんた・・・魂の姿か何かが見えてるわね?」
「そうなの?」
「はぁ・・また無自覚か。」
どうやら僕にとっての当たり前の光景は、当たり前ではなかったらしい。




