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放浪の木刀使い~記憶喪失は主に周囲の人が気にするらしい~  作者: ミコト
これがホントの千客万来(求めてない)

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脳筋の町で人間拾ってました

--チェルニ--

頭が3つの狼(一部ドラゴン要素あり)な神獣のシリウスをお供にしたところで春の大陸をただいま爆走中です。

これまでは、お馬さんポジションはリベラに乗って、襲ってくる敵は遠距離系が得意なセバスさんかリリィさんが始末してました。

そのときは、リベラには速度を落としてもらうか止まってもらってたんだけどシリウスが仲間になったことでシリウスがそう言う連中の露払いをしてくれたり、シリウスの見た目的な威圧と魔力と感情のこもった攻撃的な威圧によって敵がガクッと減ったから進むペースが凄く速くなってます。


「そう言えば、神様について僕知らないかも。」

「神様?」

「うん。1人なのか、性別どっち?とかどういう人なのかとか」

「あぁ・・」

「では、勉強がてら私が」

セバスさんが教えてくれるらしい。

「チェルニ様のステータスにもあるように神々と記載されている通り、神様は複数いらっしゃいます。」

複数なんだ・・。

「性別も男性か女性かは人と同じでバラバラですよ。」

「そこはそう言うモノなんだ?」

「えぇ。そして、どういう方かという点は神様によって異なります。」

「そうなの?」

「えぇ。火や風、水などのそれぞれの属性魔法を司るお方は属性の数だけいらっしゃいますし、魔力を司る方もいらっしゃいます。他にも剣や槍と言った武器、鎧や盾と言った防具、戦いそのものを司るお方や、生物の三大欲求や、自然や種族ごとだったり豊穣や平穏とホントに様々です。」

「いっぱいいるんだ・・」

「そうですね。そして、司るモノの影響範囲によって神々の上下関係は変わってきます。」

「魔法の属性ごとの人たちよりも魔力を司る人が上みたいな?」

「そんな感じですね。更に上に魔法そのものを司る方もいます。」

「そう言えば、この刀をくれた女神様は?」

あのとき、凄い楽しそうな声が聞こえたけど。

「あぁ・・・・状況としては戦いなのか魔法なのか・・どうなのでしょうか?」

「私の勘だけど、あの声を出していたのは複数の神々の1人が言っただけでその場に何人もいたんじゃないかしら?」

「なんで?」

「だって、その刀の説明書きに神々って書いてあったモノ。もし見ていたのが1人だったらそれを作り出したその神様の天罰が下るって神様の名前が乗ってるはずよ。」

「言われてみれば・・」

「確かにそうですね。ですが、状況的にシリウス様と契約をしたことを踏まえると契約に関する神様ではないでしょうか?」

「あぁ・・そうかも。」

「契約?」

「些細な約束事からチェルニが行った獣魔契約に、貿易とかの取引とかあらゆる契約を司る神様よ。」

「いろんなルールを管理してる神様?」

「その言い方が近いかもしれないわね。」

「まぁ、他にも剣に魔法、獣、魔力、複数の属性、心を司る方々が大集合していたような気はします。」

「チェルニとシリウスが扱った関連全部ってことね。確かにその可能性が高いわ。」

「まぁ、チェルニ様は神々のお気に入りらしいですし、そう言うモノでしょう。」

「そうね。」

「やはり、改めて考えてみてもチェルニ様のこれまでの行動をよくよく考えると契約の神様が最も近いのでは?」

「やっぱりその可能性が一番高いわね。」

「そうなの?」

「そうよ。だってチェルニ、あなた戦うときは敵対したときであり、自分を含めて誰かを守るためって言ってしまえば自分自身のルールに従った結果でしょ?」

「うん」

「それに記憶喪失だからここは憶測だけど、あなたが身につけている技も技術も知識もおそらくあなたが元々過ごしていた場所で多くの人が教えてくれた結果よ。これに関しては、王族に仕える相手だからと言うその人たちのルールであり、後にその国を治める可能性があるチェルニが多くの人たちにとっての良い王様になって欲しい、チェルニ自身に良い印象を周囲の人たちから感じてもらえるようになって欲しいと考えた人たちが授けた善意。」

「その善意に関しても、明るい未来にしたい、良い人が王様になって欲しい、だからそうなるための対価に知識やワザを授けようと言う約束事になります。」

「そしてチェルニは、何度も言うけど記憶喪失で覚えてなかったとしてもその周りの期待に応える代わりに教えてもらったワザや知識を習得した。これも、等価交換でありルールとも言えるわ。」

「そして、チェルニ様はそんな身につけた知識を無意識だったとしても世のため人のために善意で行動している。これで、ルールを徹底的に守る善人という印象になります。」

「そりゃあ、お気に入りに決まってるわよね。それだけ無自覚に善意にあふれてるのに加えて、周りも善意で多くのことを授けてるんだから。そしてその授けたワザや知識にこもった願いにチェルニは無意識にでもその受け取った対価の分、しっかりと善意には善意で返している。」

「・・・・そうだったんだ。無自覚だったけど言われてみたら確かに自分で決めた決まり事に従って動いてたような気がする。・・世のため人のためとかは、正直わからないけど僕としては周りにあふれる理不尽を僕自身が気にくわなかったから始末して回ってただけなんだけどね・・自己満足だよ。」

「あなたがそう思っても周りはそうは思ってないってことよ。」

「まぁ、チェルニ様に関してはあまり深く気にしなくても構いませんよ。」

「うん」

「とはいえ、その契約の神様がメインになってるだけでチェルニが扱う技術やワザで関連してる神様たちも嬉々として見守ってるんでしょうね。」

「そうでしょうね。・・神々のお気に入りなんですから。」

「そうね。」

うーむ。

僕は思った以上に周りに恵まれていたらしい。


全く覚えてないけど。

僕としては、やりたいようにやってただけで下心も何もなかったんだけど・・ある意味自分の欲に忠実?

と思ってるから、自分の欲に忠実な行動が世のため人のためになってましたと言われても微妙な気持ちにしかならないんだよね。


まぁ、いいや。

「でも言われて思い出したけど、僕とシリウスとの契約に対して当時は言葉だけだったのに認めるって言ってたよね?」

「確かに認めてあげるって言ってたわね。」

「普通、契約するにはリリィさんは知ってると思うけどあの言葉でのやりとりと一緒に主の血を飲ませる必要があるんだよ。その人の情報を獣魔に教え込ませるために。」

「確かにリベラと契約したとき血を使ったから正式に契約出来たんだったわね。」

「でもあのとき、殺し合いはしてたし、互いに血は流れてたけど飲んではいないんだよ一切。それは互いに覚えてる。」

「うむ。確かに血を浴びたりはしたが飲んではおらぬな。」

「けど、契約はされた。」

血を与えないと契約出来ないんだよ。

わかりやすく言うと、書類を提出しないとお役所的に認めてくれませんって感じかな?

お役所へ書類を提出 = 主の血を飲ませる

って感じなんだよ。


「なるほど。そう言われてみると、チェルニとシリウスの言葉だけの契約を認めると言った時点で、契約を司るお方だという可能性が非常に高いですね。」

「確かにそうね・・言われてみればそうだわ。」




--リリィ--

・・・つくづくこの目の前にいる幼女・・・じゃなかった、旦那がなんなのかわからないわ。

見た目は、傾国の幼女(見た目的に美女とは言いにくいし美少女にしては幼い)・・・としか言い様がない美貌と華奢な体つきに白い肌。

それと何度見ても、胸があるように見える・・でもないのよねぇ・・不思議だわ。

と言うか、人外染みた美貌よねぇ・・・あながち間違ってないけど種族的に。

そして、敵を本気で始末するために一度スイッチが入るとその美貌が後押しして迫力が半端じゃない。

と言うより、その見た目からは全く想像が付かないほどの重たい一撃をチェルニは放つのよねぇ・・。

一応身体強化に関して、チェルニが何をどうしてるのかは聞いてはいるから知ってるとは言え・・。

自身の魔力を体内の隅々まで行き渡らせる強化と合わせて、属性強化。

属性はチェルニは纏わせること限定とは言え複数の属性を操ることが出来る。

だから、属性の数だけ重複して身体強化を施しているのに加え、属性ごとの強みを生かせるような割合を体の部位ごとに調整してるのに加えて、それらの属性が喧嘩し合わないように魔力を体に纏わせる身体強化で補助をしてる。

補助と良いながらもそれも立派な身体強化だから更に重複して強化されてるわけだし。

それだけで、内側から身体強化をして

体の外から7重にも纏わせてるんだからそりゃあ強いわよね。

言ってしまえば、攻撃力がチェルニの素の実力×8なわけだし。

おまけに、種族的に魔力の回復速度がかなり速いから長期戦に持っていっても全く問題ないし、本人の属性によって食らったあらゆる攻撃は自身の身の守りの糧になるから守りも問題なし。

しかも、チェルニの戦闘スタイルはスピードタイププラスの技巧派。

ヒットアンドアウェイから暗殺系にあらゆる攻撃を受け流す無駄なモノを削いだ刀術・・・やっぱり半端じゃないわ。


後、チェルニは【刀術】と【木刀術】をそれぞれ持ってるし、

強化系のスキルも【脚力強化】【魔力強化】【五感強化】【耐性強化】【打撃強化】【突貫強化】を持ってる。

まず、刀術の方だけど、実はこれ木刀を使ってると刀術も同時に発動してるらしく、

スキルなしで威力が1.0倍で、

結果的に刀を使えば威力が1.5倍だと仮定すると、

木刀だと刀術の倍率とは別で1.5倍になるって感じなの。

だから、刀術だと素の能力×1.5倍×1.5倍って感じになるのよ。

あ、1.5倍はあくまでも仮の数字だからね?


で、身体強化は属性系で8倍になってると言ったけど、それとは別でさっき言ったようなパッシブスキルが別枠で発動してるのよ。

属性強化とは別枠で。

あ、パッシブスキルって言うのは、何も発動しようと意識しなくてもそのスキルを所持しているだけで勝手に条件が整えば自動的に発動するスキルのことよ。

それが、属性強化とは別枠で発動するからね・・そりゃあ、チェルニの素の身体能力が見た目通りしかなかったとしてもそりゃあ強くなるわよね。

しかもそれらのパッシブスキルは、互いに強化を相殺したりすることはないから、数があればあるほど強くなれるのよ。


・・・ホントどんな人生を送ればこれだけえげつないスキルの組み合わせを大量に所持出来るのかしら。


と言うか、チェルニの本気の戦闘を神獣のシリウスとの戦いで何気に初めて見たけど想像以上に強かったわ。

それにシリウスが仲間になったことは正直ありがたい。

私たちやセバスに人外チームは全員見た目に迫力が皆無だ。

おかげで、チェルニの美貌と私の胸に吸い寄せられてくるバカ共が鬱陶しいったらありゃしないのよ。

私も周りはよく言うけど、美少女よ?

ただ、チェルニの美貌が妙に目立つだけで。

不思議なのよねぇ。

本人は目立たせるつもりは全くないのに私とチェルニの顔を並べるとチェルニの方に行くのよ。

何にもしてなくても。

で、次に目に入るのが私の胸ってわけ。


まぁ、黒猫のシャルが割と短気だからビームを発射させるから全員強制的に急ブレーキをかけてたけど。

そのたびにお仕置き代わりのひねもつけをするけど・・シャルは全く懲りてないし・・私もあまり本気で怒ってるわけじゃないし・・じゃれ合う言い訳代わりに使ってるような気がするけど気のせいねうんうん。

え?

ひねもつけってなんだって?

言ってしまえば、モフったりもにったり、と撫で回して揉み回して頬ずりしたり猫吸いしたりと少々過剰なスキンシップ?みたいなものよ。


そこで、見た目も含めて迫力のあるシリウスがいるとそのバカ共が寄ってくることがかなり減るからありがたいわ。


この旅の目的はチェルニを故郷に引きずって行き、チェルニがどういう人間なのかという記憶探しだ。

本人は物忘れ程度の認識だけど。

後は、こいつの両親にどういう教育をしてるのか問いただすことよ!

何で一国の王子様で、しかも王位継承権第一位だって言うのに野良猫扱いされるほどそこら辺をホイホイ彷徨いてるのよ!

おかしいでしょ!

おまけに、無駄に頭がよくて強いから手に負えないじゃないのよ!

ってツッコミを入れるためよ。

義父と義母になるんだしそのくらい許してもらえるわよね?

と言うかその辺りを言うのはもう決定事項だけど。



とか言ってる間に町に着いたわね。

「・・なんか、むさ苦しそうなところね。」

並ぶ人間が・・と言うよりその中に住んでる連中がなんかむさ苦しい。

と言うか暑苦しそうな雰囲気の野郎ばっかだわ。

なんて言うか、戦いこそが生きがいとか戦場こそが我が人生とか、魔法とは実戦で鍛えることが一番だとか魔法は撃って撃破してこそ!とか言いそうな脳筋っぽいのが多いわ。

「ここは、物理的な実力者の集う町ですからね。」

「物理的?」

「えぇ。要するに知識戦なんてないので、実力がものを言う町です。」

「あぁ・・・戦闘力重視の町なのね。」

文字通り脳筋の町だったわ。

でも、そう言う場所だからこそ護衛を雇うためにここにやってくる人は割といるらしいわ。

・・たぶん私たちも雇うためにやってきてると思われてそうだけど・・まぁ良いわ。

「そういうことです。」

道理で、暑苦しい野郎共ばかりなわけだわ。

「とはいえ、コロシアム等の闘技場があるので純粋に力を高めたいという人にとっては良い場所ですよ。それ用に食事も割と体を作るための類いが多いですし。」

「へぇ。」

私たちが闘技場に参加することはないでしょうけど、食事は肉体労働者向けな部分と、体を作るために必要な栄養とかカロリーを計算されたモノの2種類ってわけね。


面白そうね。

港町で山ほど購入はしてるけど、食材の購入をここでするのは悪くないわね。

で、順番に並ぶわけだけどいつものように凄く注目される。

・・チェルニの美貌と私の胸に。

まぁ、シリウスのおかげで全員近寄ってこないけど・・ホントシリウスの存在がありがたいわ。

凄い楽で良いわ。

後で、チェルニと一緒にブラッシングしてあげないとね。


で、チェルニはちょうどお昼寝の時間らしくシリウスの背中の上でうとうとしてる。

ちなみに余談だけど、チェルニがうとうとしてる姿は凄く可愛いけど、一番危険な状態だったりする。

私とかセバスのようにチェルニにとって身近な人だったら問題ないけど、赤の他人とかが近づくと問答無用で仕留められるのよね。

あのうとうとしてる状態は、言ってしまえばチェルニの敵味方を判別する部分の箍が外れた状態だから、味方か否かとものすごく極端な区分けされるから他人がヘタに近づくと死に目に会うのよね。

普段は見極めてから判断してるから心配ないけど。


それもあってあの状態になったときは被害者を出さないように誰も近づかせないようにしないとならないので地味に大変なのよ。

だからシリウスがいてくれて凄く助かるわ。

こう言ったら失礼だけど、ばかでかくて厳つい生き物相手に喧嘩を売るバカは滅多にいないから凄く楽なのよ。

おまけにシリウスは頭が良いし、実際強いし。


シリウスはものすごく物知りだから凄く会話が弾んで楽しいのよ。

しかも、本では知り得ないことも長生きと言うこともあってよく知ってるから貴重よ?



まぁ、そんな感じでシリウスのおかげでナンパも含めて誰も絡んでこないから凄く快適ね。

で、しばらくして私たちの番になった。

「この町には何のようだ?」

「近くを通ったから食料の調達と観光よ。」

「じゃあ、そのでかいのは?」

「背中で寝てる子の獣魔よ。」

「証拠は?」

「寝てるこのギルドタグに乗ってるわ。」

「今すぐ起こして証拠を見せろ。」

イラッ。

「は?あんた何様?今こうして子守してくれてる状態で敵対してないのは見たらわかるでしょうが。」

尻尾の一振りで人間なんて容易く全身ボッキボキに出来るわよ。

「ふんっ、どうだか。その寝てるやつがろくでもないやつの可能性があるだろう。」

苛つくわねこいつ。

本気で何様のつもりよ。

言ってることは間違ってはいないけど言い方ってモノがあるでしょうよ。


で、キレたのはその獣魔の方だった。

「ほう・・貴様、我が主に悪意を向けるか。」

チェルニと本気で殺しあいしてたときほどじゃないけど結構な威圧が飛んでるわね。

「き、貴様ぁ!!獣魔のくせに人間様にたてつくか!!」

足腰プルプルさせながら言ったって野郎だから可愛くないわね。

「はっ、たかが人間ごときが我にたてつくか。」

そりゃあ、神獣だし。

面倒だから言わないけど。

「良いのか!ここで騒げば貴様の主を指名手配犯として手配してもよいのだぞ!!」

・・本気で息の根止めてやろうかしら?(視界の端でヤレと合図する同じく並んでる人たちが見えるけど)

で、ギャーギャー騒いでうるさい門番のせいでチェルニが起きた。


・・目を据わらせた状態で。


スタンと、シリウスの背中から飛び降りてゆっくりと門番に向かって近づいていくチェルニ。


「主よ、騒がせてしまい申し訳ありません。」

チェルニは一言も言葉を出さずに片手を軽く上げてひらひらしてる。

どうやら、気にするなと言うことらしい。


・・・と言うより

「まずいですね・・」

「そうよね・・完全に寝起きで機嫌が悪いわ。」

チェルニは眠りを邪魔されるのが一番嫌いなのよね・・。


で、そうとは気付かずに門番のバカは

「ほう・・貴様、見た目は良いな。刑をなくす代わりに俺の奴隷にでもなるか?」

イラッ、あいつ殺して良い?

と視線でセバスに向けて聞いてみる(やっぱりヤレと合図するのがいっぱいいる)

「そんなことをせずとも本人に始末されるかと。」

よく見るとチェルニは手刀を手で作った状態で雷と炎を腕に纏わせている。


「あ」

「あの愚か者・・死にましたね。」

「止めなくて良いの?」

「ぶち切れてる状態の陰の英雄が寝ぼけて敵味方の判断が付かない状態ですが止められます?」

「・・・無理ね。」

実は一度寝ぼけてぶち切れた状態になってしまったチェルニは、私たちが何を言っても一切反応しないどころかチェルニを止めようと攻撃しようとしたら速攻で敵認定されるからこっちも近づこうにも近づけないのよ。

一応攻撃をしかけなければ近づくことは出来るけど止まらないし、魔法を纏わせるからこっちも触るだけで被害受けるし。


「ん?・・っ!?」

「あ、ようやくチェルニ様がキレてると言うことに気付いたようね。」

あ、つい様付けしちゃったわ。

「あわあわして周囲に助けを求めてますが全員彼の戯れ言を聞いてるので助ける気が皆無ですね。」

「他の門番は?」

「シリウスが威圧を放っているのに加えて、彼が主と慕う相手ということもあって速攻で白旗上げてます。」

「あぁ・・」

チラッと見てみると全員武器を捨てて万歳してる。

「ま、待て待て待て!!!」

「・・・」

寝ぼけてるから全く話を聞かないわよその子。

聞かないというか聞こえてないと言った方が正しいわね。

「おい!貴様等こいつの連れだろう!!さっさと止めろ!!」

「無理よ。そうなったら私たちも止められないし、あんたみたいな屑、なんで助けないとならないのよ。」

「そうですね。少なくとも上位貴族相手にそんな暴言を吐いてただで済むと思っている時点で平和な頭をしておりますね。」

「じょ・・・っ!」

不敬罪だのなんだのをその子の憂さ晴らしで相殺してあげようって言うんだからありがたく思いなさいよね・・・と言うことにした。


そして、彼はどうなったかって?

チェルニは寝ぼけてるときは問答無用で文字通りの一撃必殺の攻撃を放つ癖があるんだけど、あの手刀で彼の心臓をひと突きで殺そうとしたのよね。

まぁ、寝ぼけてるから動きはあの本気モードを見た後だからわかるけどだいぶスローね。

酔拳よろしく動きがフラフラしてて読めないけど。

彼は本気でガードしてぎりぎり防ぐことが出来たモノの、一撃で装備はボロボロ本人もボロボロ。

その一撃を防がれた後、チェルニは2撃目でそのまま首を落とそうとしてさすがに周りが止めた。

周りが止めた理由は、チェルニのことを案じてよ?

業務に忠実だったという言い訳をされるとチェルニが悪く言われる可能性があるからね。

そう言う意味では凄くありがたいんだけど・・・色々と申し訳なかったわね。


だって・・本気になったチェルニ相手に勝てるはずないし。




結論から言うとチェルニは途中で飽きてシリウスの背中の上でお昼寝を続行した。

・・・周囲が死屍累々な状態になってるけど。

チェルニのことを案じて止めに入った冒険者たち70人と、他の門番とそいつと同じ場所に勤める騎士連中300人全員がかろうじて死んでない状態で装備はボロボロ、本人たちもボロボロだったけど。


で、全員がボロボロになってる状態でかろうじて意識のあった騎士団っぽい連中のボスらしき男性ギルドカードを見せる

「ねぇ?入っても良い?」

一応止めに入った冒険者の皆さんにはシャルが作った傷薬(結構効くのよ?)を配ってお礼を言ってあるわよ?

みんなボロボロでしゃべる余裕がなさそうだったけどサムズアップしてたし。(チェルニの絵はがきも追加でプレゼントしておいたら凄く喜ばれた)

「か、構わない・・・がっ!?」

この有様を見てその態度か?と言いたげだったけど、私の身分を見てフリーズした。

「その程度で済んでよかったわね。あの子ちなみに言うと、私よりも身分は圧倒的に上よ。あの門番のやらかしからすると全員首をちょっきんされてもおかしくないレベルだったわよ。それをこの程度で済んでるんだもの。」

善意で止めに入った冒険者たちの装備品の賠償もそっちがやりなさいよねと周りに聞こえるように言っておく。(周りも私の意見に納得して頷いてたから言い逃れされる心配はないわね)

「ぐっふ・・と、とりあえず・・・ギルドで獣魔の証・・を・・がくっ。」

あ、意識失った。


でも、意識を失う直前で、私たちにアドバイス的なモノを言うところはさすがと褒めておくわ。

心の中で。

「とりあえず、ギルドに向かいましょうか。宿を先に取りましょう。」

再度チェルニが寝ぼけて暴走されても困るし、とりあえずしっかり宿で部屋を取って安全を確保して寝かせましょう。

じゃないとこっちが落ち着かないわ。

「それもそうね。でも、この町は実力者の町なら、さっきので全員黙るわよね?」

だいぶ余波があったようだし。(いろんな意味で)

「でしょうね。そうなると、あのやらかしの実行犯はチェルニ様の実力を見抜けなかった未熟者と言うことですね。」

「そうなるわね。」

周りにいた人たちに軽く手を振ると全員後は任せろ的な良い笑顔で手を振ってたので善意で止めに入った冒険者たちは赤字になることはないでしょうね。



これは、私は知らないことだけど、後にあの生意気門番はあの態度が原因で超膨大な賠償金を支払うことになった原因と、他にも同じような態度によってクレームを何度も受けており、それを隠蔽していたと言うことで首になったそうだ。

あ、賠償金はチェルニを思って止めに入った冒険者たちの武具一式や治療費による弁済と、チェルニの仕返しによってボロボロになったその他の武具一式等の修理や再購入等にかかった分のことよ。


まぁ、彼を筆頭に似たようなことをしていたのがいたらしくついでとばかりに似たような輩は全員一掃して、いろんな意味できれいにしてしまったらしい。


で、後にこの件(チェルニ寝ぼけて暴走事件)に関わった者たちを経由して、


寝ている人が近くに行たら絶対に騒がない

※特に幼女


と言う注意事項が心に刻まれ、門番たちというか、騎士団連中の教訓の1つにそれが追加されたらしい。


それと余談だけど、門番は騎士団の一部のメンバーが対処していることが普通。

そして、騎士団は町や国を警備しているメンバーの総称で必ず最低1グループは存在しており、国などのように大きな規模の拠点になると人数もそれだけ増えるのよ。



で、ギルドもしくは宿屋らしき場所を見つけるために、通りすがりの屋台の店主などにおすすめの宿を訪ねてみたところ、

割と寝れれば良いとかご飯の量が多ければ良いとかかなりおおざっぱなところばかりで私たちのようにセキュリティ的な部分と言われても高いところなら何カ所か知ってると言うかなりザックリとした情報しかないからなんとも言えないらしく、ギルドに尋ねた方が確実と言われ、ギルドにとりあえず向かうことにしたわ。

・・チェルニの寝ぼけ暴走の心配はあるけど。

あ、言っておくけど情報をもらう代わりにそのお店の商品は普通に買ったからね?

買ったついでに聞いたのよ?


それからギルドに向かい、道中倒した魔物を換金したりおすすめの宿屋を受付の男性に教えてもらったわ。

その間は、チェルニはシリウスの背中の上で寝たまま放置してたんだけど・・・・。




「・・・シリウス。一応聞いておくけどそれどうしたの?」

「む?降ってきた故に、受け止めたのだが、寝ぼけた主がちょうど良い抱き枕と認識してそのまま拾ったようだ。」

シリウスを枕にして白髪の青年(私と年が近そう)を抱き枕にしてすやすやと寝てるチェルニがいた。



うん。

とりあえず、言うことは1つね。

「元いた場所に返してきなさい。」

「降ってきた故に元に戻すのは無理だな。」

「くっっ!」

と言うか、降ってきたって何なのよ!!

拾うんじゃないわよ!人間を!!

それに、チェルニはチェルニで普段は知らない人間が近づいたら問答無用で仕留めるくせにそいつは抱き枕にするってどういうことよ!!


後、寝てるのか気絶してるのかどっちか知らないけどそこの男もさっさと起きろぉぉ!!!

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