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ようやく国に到着・・・そして僕は誰?

1話の方に主人公の画像を放り込みました。

記憶喪失でも得に生きるのに困らなかったため、数年ほど自身の名前すらない状態でスルーして猫と旅をしている道中で、汚いおじさん集団を倒してツッコミ令嬢の金髪碧眼のスタイル抜群という属性盛りだくさんな人を助けた。

そして、汚いおっさん集団は良いお値段で門番の人に買い取ってもらったので懐が温かいです。

助けた報酬代わりに道を教えてもらおうと思ったけど、記憶喪失でも気にせず数年単位でスルーしてたり、命の恩人への報酬が道を教えるだけというのが非常に気にくわなかったりしたらしく強制的に馬車に引きずり込まれて馬っぽい何かに引っ張られている馬車に乗ってます。

「誰がツッコミ令嬢よ!」

どうして、口に出してないのにばれたんだろう。

それと、僕は男だというのにこのツッコミマスターは、全く気にせずに僕をひざに乗せて後ろから抱きしめてるので、背中というか肩に後ろから男のロマンが押しつけられてるので非常に幸せです。

ただし、男の象徴部分に鋭い視線が釘付け状態になってるので凄く落ち着かない。

「ツッコミマスター言うんじゃないわよ!後、誰が属性盛りだくさんだ!」

むぅ。

なぜバレる。

ツッコミマスターには、相手の考えていることを見抜くエスパー属性が追加されたようだ。



このツッコミ令嬢さんは、公爵という貴族の中でも一番偉いらしく、王様の次に偉いので命の恩人に大好きな激しいおさわりをしても、激しいツッコミを入れても問題ないらしい。

「おさわりなんてしてないわよ!それと私が変態みたいに言うんじゃないわよ!」

何を嘘おっしゃるツッコミマスターなリリィ・フォロスト様。

僕が男だって言ってるのに、信じてくれずに二人きりの個室で身につけている衣服を全てはぎ取ってしっかりと観察した挙げ句、僕のをこれでもかと直接あんなに真剣に楽しげに確認しまくってたじゃないですか。

おかげで腰くだけになって下半身に力が入らないよ。

「うぐっ!だ、だって・・ちっちゃいし可愛いし、何度見ても信じられないんだもの。」

この令嬢は、淑女の皮を被った変態さんのようです。

「う、うっさい!こんなことするのはあんただけよ!」

お顔を真っ赤にしてその台詞を言われると、別の意味で特別だって聞こえますよ?

僕、告白されてます?

「う・・・だって、これほど男要素が皆無な男・・初めて見たんだもの。そりゃあ触って確かめないと納得出来ないわよ。・・幻覚だと思ってたし・・本物だったけど」

そういうことはやめないと、変態系ツッコミ令嬢だって周囲に認知されますよ。

「それはいやぁ!!!」

やれやれだぜ。

性別が僕とこの美少女逆じゃね?

産まれる性別を間違ってるねツッコミマスター?

「うっさいわよ、って言うか、ツッコミマスター呼ぶな。」

と言うよりさっきから僕は声を口に出してないのにどうしてこうも普通に会話が出来るのでしょう?

「あんたがわかりやすいのがいけないのよ。」

「お嬢様は人の顔を見て相手が何を考えているか察することに関して非常に優れております。それに、あなた様は他の方よりも表情が豊かですので」

御者のおじいさんが遠回しに僕は考えていることが顔に出やすいと言ってきた。

まぁ、しゃべらずとも通じるのは便利だからまぁいいや。

「いいんかい。」

リリィ様、お名前をリリィ・Tツッコミマスター・フォロストに改名しません?

「絶対に嫌よ。」

お似合いなのに。

「うっさい、これでも食べて黙ってなさい。」

「むぐっ」

「ほれ、あんたも」

「にゃむっ」

僕と僕と一緒にいる黒猫の口に何か押し込まれた。

モゴモゴしてるとどうやら、ブロック状のクッキーみたいなやつで、ショートブレッドってやつっぽい。

味は、素朴だけどつい目の前にあれば手を出してしまうような味。

最近のは、甘ければ良いとか辛ければ良いとかそういう調味料とかで素材の味を台無しにする人がそこそこいるのでこれは凄く好みです。

元々僕は小食なのに加えて、他人よりも味覚が鋭いらしく濃い味付けが苦手なのだ。


これは、誰が作ったのかと口の中がクッキーもどきでいっぱいなので目を向けるとなぜか自信満々にご自慢のおっきいお胸を強調しながら教えてくれた。

「家のメイド長よ。お菓子作りが趣味で最近のテーマが持ち運び便利で長持ちらしいわ。で、これがその試作品。それと、スタイルが良いのはわかってるけど強調なんぞしとらんわ。」

なるほど


「あんたたちの反応的に味は結構アリのようね。」

僕&猫 (こくりこくり)

「あぁ、味が濃いタイプが苦手だったから余計に好みだと。・・ホント考えてることが丸わかりね。まぁ、今みたいに口の中がパンパンだと便利だけど。」

僕たちの口の中をパンパンにしたのはあなたですが?

「良いのよ。私は偉いんだから。」

確かに

偉い人は、食べ物を相手の口に押し込むことで黙らせる技術が必要らしい。

貴族とは大変そうだ。

「そんな貴族いてたまるか。」

僕の目の前にいますが。

「うっさいわよ。ここで黙ってなさい。」

はーい。

記憶ないから名前わかんないけど。

「そこ、ブラックジョークやめなさい。」

えーというか、記憶がないことに関して重く受け止めすぎでは?

ちょっと物忘れしてるだけじゃないですか。

「済んでた場所も、名前すらわからないなんて物忘れ程度で済ませるレベルを超えてるわよ。」

「私もそう思いますよ。」

えー自己紹介が省かれて楽なのに。

「その後の事情説明の方が面倒なんだから記憶はあったら名前を一言言えばそれで終わるからそっちが楽よ。」

なるほど、一理ある。


そして

ふむ黙って余計なことはするなと。

けど、僕はさっきからずっとしゃべってないんだけどなぁ。

「わかりやすい顔してるのが悪いのよ。」

りふじんだー。

あ、抱きしめる力加減はもうちょっと弱めでお願いします。

しっかり押し付けてもらって幸せだけどぐえってなりかけてるから。






「リリィ様お帰りなさいませ・・・・・・えぇっと、その子は?」

「命の恩人よ。」

「命の恩人というわりには、扱い方がおもちゃ扱いされる妹のようですが。」

ひざの上で抱きしめられてるように見えるかもしれないけど誰がどう見ても後ろから拘束されてまーす。

だって、リリィ様の目が余計なことはするなって僕を見張るって言ってるしさりげなく抱きしめる力が増して軽くぐえってなってる。

後、言いたいことはわかるけどせめて弟にして欲しい。

「こいつを放置しておくとツッコミ人間が量産されるから仕方がなくよ。」

えー

「は、はぁ・・その方の証明書はありますか?」

「ないわ。だから私が責任を取るわ。」

「わー男前-、惚れるわぁ。さすが姉御モテ期到来」

「うっさいわよ!というか姉御言うな!・・コホン、悪いやつじゃないから。」

僕が素直に褒めると速攻でツッコミが飛んできた。

そして、口をぽかんと開けたままフリーズしてる門番さんの視線に気付いて顔を赤くしてコホンと咳を1つしてから何もなかったことにしてたけど、それでごまかせる人はいないと思う。

「そ、そうですか・・後で契約書の提出をお願いいたします。」

門番さんもなかったことにしないとダメなんだなと空気を読んだ後、引きつった表情ですっごいぎこちない笑顔。

「わかったわ。」

町と思い込んでたら、馬車の窓から外を見たらものすごく大きな国だった。

「ここは、私が育った国で、フォレスト王国よ」

「名字が似てますね。」

「家の歴史書に書いてあった話だと、初代党首が名字を決めるときに得に思いつかなかったからこの国名を一部もじったやつにしたのよ。後、それだと忘れないだろうだって。」

「適当すぎでは?」

「うん、それは先祖代々全員が口を揃えて言う決まった台詞ね。」

やっぱり言っちゃうんだ。

「ギルドに行きたいのは山々だけど、あんた汚いから家のお風呂で全身を磨いてご飯食べてからね。」

「はーい・・いつまで拘束されてるんです?」

「あんたがおとなしくするならすぐにでも離すわよ。」

「ずっとおとなしいつもりですよ-?リリィ様に流れるツッコミ魂が抑え切れてないだけで。」

「ツッコミ魂言うな。・・まぁ良いわ。とりあえず猫被っておとなしくしてなさい。」

そう言うと猫の方が空気を読んだらしく僕のひざの上から頭の上に移動した。

どや顔で。

「はぁ・・まぁどこにいても良いから好きにしなさい。」



そして町・・じゃなかった、フォレスト王国だったね。

門をくぐって馬車の窓から国内の風景を眺めているととても活気があって良いところだと思う。

「にゃう」

「君もそう思う?」

「にゅぁー」

「そっか、そうだね。」

「で?なんて言ってるの?」

「良いところだなーと僕が思ってたら嫌な雰囲気を醸し出すこともない良いとこだって」

「あら、うれしいこと言ってくれるじゃない。ここにいる間は家に泊めてあげるわよ。」

「ありがとうございます。」

「で、褒めてくれたのはうれしいけどその後は何言ってたのよ。」

「観光したいって」

「あぁ・・数日くらいはここにいるんでしょ?」

「そうですね。買い物して食べ歩きしたりして満足したら次に行こうと思います。」

「目的地がないのに?」

「ないです。」

「地図は?」

「あったら便利ですけど、この先に何があるかわかっちゃうので旅の楽しさが半減するので持ってないです。」

「そう言う考え方もあるのね。それで迷子になってたら楽しむ以前の問題と思うけど」

「そうやって5年くらいはなんだかんだで続いてるのでなんとかなりますよ。この子もいますし。」

「もう5年も名無しの権兵衛の状態で放置してたわけね・・。と言うより、その猫何か凄いこと出来たりするの?」

「戦ったりとか魔法使ったりとかは出来ないですけど、食べられるものか否か判別出来ますし、気配に凄く敏感なので凄く助かってます。」

「へぇ。魔物はいろんな種類がいると思うけど感知にばらつきとかは?」

「音もなく飛んでくる無機物でも、肉体のないお化けでも地面の下からでも歩いてくる植物でもきちんと感知してますよ?」

「ホントに感知に関しては万能ってことなのね。確かに一人旅のあんたにはちょうど良い相棒だわ。」

褒めてもらって猫はうれしいらしく僕の肩からリリィ様のお胸にダイブしてきた。

「わっと、どうしたの?」

リリィ様が抱っこし直して首を傾げる。

「褒めてもらってうれしかったので抱っこして撫でるのを許可してやるそうです。」

「そう・・わぁ・・撫で心地良いわね。良い毛並みしてるわ。」

2年くらい前に助けた老人夫婦にもらった櫛がすごく使い勝手が良い機能性重視な方面の高級品でこの子をよくブラッシングしてるからね。

それに気持ちが良いらしく定期的にしてくれと催促してくるしきれい好きだからお風呂も一緒だったりするし。(外だと水浴びだけど)





それからお屋敷にたどり着いたけど、さすが貴族の中でも一番 偉いお嬢様。

お屋敷にいた執事さんとかメイドさんたちに関しては、リリィ様に後ろから抱きしめる形でそのまま口も手で塞がれてたので何もしゃべってない。

と言うより、目が余計なことをしゃべるなと・・ちょっと怖かった。(ぷるぷる)

そして、お風呂に連行され全身を隅々まで嬉々とした表情のメイドさんたちに磨き上げられました。

まぁ、下半身のアレを見て、男!?って反応してたけど気にしない。

ちなみに、猫も一緒にお風呂して、僕が着てたモノはお風呂に入ってる間に洗濯されてしっかり乾かされてしわ伸ばしもしっかり終わってた。


まぁ・・嬉々とした表情で隅から隅まで洗われ、そして湯船に逆上せる寸前まで入ってたし。

僕わりと長風呂だったので合計で3時間くらいお風呂してたしそりゃあ洗濯終わるよね。








「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

「お父様?お母様?いかがなさいましたか?」

「いや・・事情は聞いたから礼として家に泊めるのは構わないし、放っておけないからしばらくリリィが世話をするというのも否定しないが・・・」

「ホントに男の子なの?」

「えぇ。しっかり確認しましたから。」

「・・・淑女が直接それを確認したらアウトではなくて?」

「・・・・」

「改めて、リリィの父でユリウスだ。」

「母のシャリーよ。」


そして、リリィ様によって事情説明されてご飯食べながらリリィパパさんとリリィママさんとお話ししてます。

パパさんは、貴族の当主さんでありながらなかなかな筋肉をお持ちなので、ワイルド系なイケメンさん。

そして、ママさんはリリィ様そっくりでそのまま大人の色気とか大人独特の余裕とかをプラスしたような美女さんでこっちもスタイル抜群。

あ、メイドさん、僕はかなりの小食だから全体の量を半分以下にしてください。

推定、子供レベルしか入らないので。


「それにしても、5年も記憶喪失でホントに大丈夫なのかい?」

「困ったことにはなってないので大丈夫ですよ?」

「無理はしてない?」

「してませんよ?この子とやりとりするのに名前はなくても出来ますし、買い物するときも店主とお客さんだったら名前をわざわざ呼び合うことはないですしその場に長期間滞在するワケでもないので顔見知りにもなりませんし。」

「なるほど」

「言われてみれば名前を呼び合うのは多少なりとも仲良くなってからだったわね。それなら確かになくてもなんとかなるかしら・・。」

「まぁ、時と場合によるところもあるがな。」

「それでリリィは、明日はどうさせる気?」

「ギルドで冒険者登録させてどこの誰かくらいはわからせようかと。・・・そうでもしないと本気で名無し状態で人生全うしそうだし」

夫婦「あぁ・・確かに」

それからは雑談してリリィ様の抱き枕(強制)になって寝ました。

それはただのご褒美です。


あと、リリィ様を助けたお礼に得に希望はなかったけど、お礼はしないとダメらしいので金貨を10枚くれました。

後、フォレスト公爵家のコインをもらいました。

いざって時にこれを見せたら大抵の人は黙るらしいから・・とのことです。





そして、朝ご飯を食べてギルドにやってきました。

「ところでずっとスルーしてたけど、その靴・・なんで靴跡が肉球なの?昨日、その靴見させてもらったけど得に変わったことも、肉球の柄も魔法の付与もなかったけど」

「ふと気付いたら今来てる服と一緒でこれも履いてたのでわからないですね。」

「またそれか・・まぁいいわ。入るわよ。」

「はーい、リリィ様ってツッコミ令嬢ですけど、城下町とか日頃からうろついたりしてるんですか?」

「流れるようにツッコミ令嬢言うな。まぁ、治安は良いし、陰から護衛が守ってくれてるからね。」

「護衛の人を増やしてるんです?」

「そうでもないわよ。屋敷周辺の治安を守ることも彼らの仕事の1つで、その中に私がいるだけだから。それに、ギルドに定期依頼として町中の警備と対策も頼んでるから。」

「なるほど」

定期依頼って言うのは、軽く言うと何でも屋の巣窟である冒険者ギルド所属の冒険者の人たちに頼むお仕事の1つで、普通の依頼は単発式だったりするんだけど、

例えば定期的に~のお肉が欲しいとかあったら、常に頼み続けてる状態にしてる依頼になる。

単発式のお仕事の方が内容にもよるけど報酬は高いから、お仕事争奪戦に負けたら大抵その定期依頼に張り出されてる討伐だったり採取だったり今みたいな町の警備だったりと言ったお仕事にありつくことになる。

いつもあるから出来高制にはなるけど、単発と比べるとちょいとお安め。


「ようこそいらっしゃいましたリリィ様。何か依頼の発注でしょうか?」

「この子のギルドカードの作成をお願いしたいのだけど。」

「タグじゃなくてカードなんです?」

「タグのことをカードって呼ぶから一緒のブツよ。」

なるほど。

「承知いたしました。新規のご登録でしょうか?」

受付のお姉さん(20歳ギリ過ぎたくらいの優しそうな人)が僕に尋ねる。

「さぁ、どうなんでしょう?」

「えぇっと?」

受付のお姉さんと一緒に首を傾げてたらリリィ様がため息を吐きながら僕の頭をがしがし撫で回す。

目が回って髪がぐちゃぐちゃになるのでやめてください。

「5年くらい前から自分の名前を含めて記憶喪失なのよこの子。」

「えぇ!?」

「なのにこのアホ・・・困らないからって今現在も名無し状態でスルーしてるからギルドカード作ればなんかわかるんじゃないかって無理矢理引きずってきたのよ。」

「な、なるほど・・過去に登録していたかどうかすらもわからないってことですね。」

「そういうこと。発行料はこっちから出しておくからその辺りの対応をお願いしても良いかしら?」

「お任せ下さい。あ、発行料は不要ですよ。」

「あら?どうしてかしら?」

「以前、冒険者と他の受付嬢のやりとりで制裁・・・コホン、対処して下さったことにギルマスが感謝しておりましてそのお礼です。」

「たいしたことじゃなかったのだけど?」

「いえ・・例のその冒険者・・かなり悪い評価が多くてそのせいで多くの受付嬢が心に傷を負って仕事を辞めることが多かったので。」

「あぁ・・」

「その柄の悪いクレーマーさんはどうなったんです?」

横で聞いてて気になった。

「あぁ、その方でしたら町の治安維持の依頼にかり出されていた当時の冒険者たちが笑顔で引きずって行きましたよ。それ以来、誰も姿を見てないですけど。」

「なるほど。」

どういう結末になったかわからないけどお仕置きは完了したと。

「それで・・と、お待たせしました。お名前もわからない状態なので、魔力をこちらの水晶玉へいただけますか?その情報から検索いたします。」

「はーい。」

テーブルに置かれた水晶玉に魔力を流し込む。

「はい。確認しました。・・・・えぇっと、登録はありませんね。ですので、新規登録を致しますね。カード発行時の魔力は先ほどの魔力で十分ですので1分ほどお待ち下さい。」

しばらくしてカード(と呼ばれてるけどドッグタグ)をくれた。

「そのギルドタグを首にかけてタグを握って魔力を流していただけますか?それで、完了です。」

言われたとおり、やってみる。

すると、はがきサイズの透明な板がタグの上にぴょんと出てきた。

「その透明なのの中にあんたの情報が書かれてるわ。普通はのぞき込むのは御法度なんだけど、あんたは気にしないでしょ?」

「気にしませんね。裸の付き合いをした仲ですからね。」

「なぁっ!?」

「まぁっ!リリィ様についに春が!?・・女の子同士がお好みだったんですね。」

「アホなこと言うんじゃないわよ!あんたが男だって言うから確認するために全身ひん剥いただけよ!」

「え!?男!?」

「嘘じゃないのに・・ツッコミ令嬢に全裸にされたから裸の付き合いであってるじゃないですか。」

「言い方ってモノがあるでしょ!というかツッコミ令嬢言うな!」

「さすがリリィ・Tツッコミマスター・フォロスト様だ。」

「勝手に人の名前に変なのを付け加えるんじゃないわよ。」

「あ、あの・・一応規則としてこちらに初回時の情報を登録する必要があるので私も確認させてもらいます・・ね?」

「良いですよ?」




名前:チェルニ・クリアネス

ランク:F

獣魔:シャル(猫っぽいナニカ)


性別:男の娘

年齢:20

種族:半妖精

身分:クリアネス王国第一王子

職業:魔法侍


属性:全耐性

体力:B

魔力:D

攻撃:B+

防御:C

俊敏:A+

練度:A-


攻撃1:【刀術】【足技】【属性纏い】【飛剣】【衝撃波】

特性1:【脚力強化】【魔力強化】【五感強化】【耐性強化】【打撃強化】【突貫強化】

補助1:【忍者】【自己再生】【自力解毒】【勤勉】【両利き】【技巧】

自動1:【猫感知】【猫察知】【猫探知】【野生の勘】【虫の知らせ】【体験学習】【全魔法耐性】【絶倫】


衣類:聖魔の着流し、癒しのニーハイソックス、猫好きブーツ

武器:魔断の神木刀

装飾:フォレスト王国フォロスト公爵家のコイン

その他:携帯式フライパン、安心安全水筒


加護

神々のお気に入り

称号

天然ボケ(無自覚)、迷子(不治)、愛され男の娘、お気楽マイペース、性別迷子、童顔、猫は親友



全員「・・・・」

「あ、あぁぁぁぁ・・あんた私より年上!?」

「あの・・リリィ様・・そっちも驚きですけど、身分が・・・」

「そうよ!それよ!あんた私よりも年齢も身分も上じゃないのよ!!」

「これ、僕のじゃなくて他の人のじゃないんですか?」

「なわけないでしょ!!あんたの魔力で出てきた情報なんだからあんたに決まってるでしょ!!」

「えー、まぁ気にしない。」

「こればかりは気にしないといけないと思いますよ?・・えぇっと、チェルニ様?」

「そうよ、絶対になかったことにしたらダメよ?わかったわね?」

ここで口先だけはーいって返事だけしたらダメかな?(面倒)

「口先だけの返事なんてしたらお嫁さんにいけない体にするわよ。」

「性別的に無理では?」

「見た目的にはいけそうですけど。」

「こっちもだけどね!あんたのせいで!あんたのせいで私のステータスの称号欄にツッコミマスターって乗っちゃったんだけど!?どうしてくれるわけ!?」

僕&受付嬢「おー」

「おーじゃないわよ!おーじゃ!はぁぁ・・・もう。とりあえずあんたの今後の目標が決まったわね。」

「え?」

「何他人のことのようなリアクションしてるのよ。とりあえずあんたは、クリアネス王国に行きなさい。」

「それどこです?」

「この大陸の端っこから出てる船に1ヶ月ほど乗ってたどり着く大陸にある超大国ですね。」

この世界には、大まかに大陸が5つあって、

暗黒、春、夏、秋、冬に分かれる。


暗黒:超高ランクの魔物が当たり前のようにうじゃうじゃいる危険地帯

 春:草花が豊富で穏やかな気候が特徴で、薬草が豊富

 夏:火山地帯が豊富で温泉が有名で鉱石や良く取れるため、鍛冶が盛ん

 秋:草花が豊富で穏やかな気候が特徴で、様々な食べ物が豊富

 冬:雪と氷に覆われた大陸で宝石が良く取れる


暗黒大陸が地図で言うところのど真ん中にあり、その周りを取り囲むようにその4つの大陸がある。

その隙間に小さな島がぽつぽつとたくさんあるようだ。



「私達が今いるのは、秋と冬の大陸の間くらいにあるそこそこ大きな島よ。あんたが目指すのは、春の大陸、良いわね?絶対に行かないとだめだからね?」

「僕困ってないもん。」

「可愛く言ってもダメよ。あんたが平気でもそこにいるかもしれない家族が心配してるわ。良いわね?」

「はぁい。」

「にゃう」

「まぁそうだね。」

「なんって?」

「どのみち世界を放浪してるんだから行き先が多少変わったくらいであまり影響ないだろって。」

「それもそうね。」

「それよりも、ステータス・・ものすごくお強いですね。」

「えぇ、正直数値だけで冒険者ランクはBはいけるし、技もよくわからない変なのも多いけどそれだけでも優秀ね。」

「だとしても・・そのお持ちの木刀・・・ただの木じゃないんですね・・。」

「なんか手放してもすぐに手元に戻ってくるらしいし、金属の剣とつばぜり合いしても傷つかなかったし燃えないらしいから普通のじゃないと思ってたけどやっぱり普通じゃなかったわ。」

「・・・確かに普通じゃないですね。と、とりあえず必要情報は登録いたしました。」

「詳しいことってどうやったらわかります?」

「その透明な板に乗ってる技とか称号について知りたかったらそれを長押ししたら詳細情報が出てくるわよ。」

「なるほど。」

「細かい情報はこちらとしては不要になりますので落ち着いたところでごゆっくりとご覧いただければと思います。」

「わかりました。」

「ありがと、とりあえず必要な情報は手に入ったしとりあえず家に帰るわ。付いてきなさい。」

「おねーちゃん、かんこーはー?」

「舌ったらずな妹みたいな言い方すんな。あんたが私より年上でしょうが。そのよくわからないステータスの中身の確認が先よ。」

「えー」

「あまり駄々こねるようなら私以外に反応しなくなる体にするわよ。」

「実はリリィ様がやりたいだけだったりして。」

「何か言ったかしら?」

「実はリリィ様がやりたいだけだったりして」

「本気で2回も言うな。それと・・あとで覚えておきなさい?」

その後、お家に帰った後、お風呂に強制連行され、腰砕けになりました。

リリィ様は非常に満足した顔でお肌つやつやでした。

色々とすごかったですマル。

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