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お船の中でお買い物と増殖してた義賊ファン

豪華客船に乗り、動き始めた後僕たちは船の中を探検して宝石店へやってきた。

主に僕が気になって首を突っ込んだというのが正しい。


「さすが豪華客船ね。船の中と言ってもかなりの品ぞろえね。」

「うん・・・まさか加工前と後の両方を並べて置いてたのは予想外。」

「確かに。」

「まぁ、家は純粋に宝石を売ってるからね。」

姉御と言いたくなる感じの凛々しさとたくましさを兼ね備えたような感じの高身長の女性が現れた。

「純粋にというのは?」

「普通宝石店ってのは、アクセサリーとかに着けるためのを買いに来るのが普通なんだよ。」

服に縫い付けたりペンダントに着けたりと身に着けるものを宝石店で買って、縫い付けてもらったりアクセサリーとして専門の人に加工してもらったりするのが普通らしい。

「で、家はそういうよその店と連携してってやってないんだよ。ただただ宝石だけを売る。その後は自分たちでそれぞれの店に持ち込んでもらうのさ。昔からそういうやり方をやってきたのさ。」

「連係した方が売り上げとかよさそうなイメージですけどどうして?」

「あたしのこだわりっていうか、わがままみたいなもんさ。人を見て売るか売らないか決めてんのさ。まぁ、値段を人を見て上げ下げしまくるがな」

からからと笑いながらそういうお姉さん。


なるほど。

宝石を純粋に気に入ってくれるかとか大事に扱うかとかそういうのを大事にしてるんだね。

「んで、どうした?なんかアクセサリーかなんかに使いたいって雰囲気じゃなさそうだが。」

「え?ただ宝石を見に来ただけで、加工する気はないわよ?」

「ほう?つまりは?」

「気に入ったのがあれば置物?」

原石って加工しないでそのまま飾るのが一番だと僕は思ってるけど?

まぁ、宝石をタダテーブルに転がしてる人なんてどこにも見たことないけど。

「あははははは!!!最高だあんたら!じっくり見ていきな!サービスするぜ!」

気に入ってもらえたらしい。

「にしても・・・」

とずいっとリリィさんの顔をすっごい至近距離でみつめだした。

リリィさんも相手が同性だというのと、悪意がないのでフリーズ

「良い色の目をしているな。一番近い色だとブルートパーズだな。」

「ブルートパーズ?」

「この宝石だ。」

すごく透き通っていて青空をイメージさせるすごくきれいな色で、確かにリリィさんの目と同じ色っぽい。

「それに・・」

今後は僕の目をずいっと至近距離で見つめてくる。

「あんたの目は・・すごいな。まさしくブルーゴールドストーンだ。あたしの一番のお気に入りの色の石でこいつだ。そんな目の色は凄く珍しいな。」

「わぁ・・満天の星空を閉じ込めたみたいだわ!確かにチェルニと同じ目の色ね!それに確かにチェルニの目の色って凄く珍しいわよね。目の中にキラキラした星みたいなのが散らばって見えるモノ。」

「確かに。光の当たり方で目の中のあちこちが光って見えるなんてかなり珍しい。」

リリィさんがすごくはしゃぎながらそういうと、お姉さんもすごくうれしそうに胸を張って答える。

と言うより、僕の目の色は珍しいらしい。

確かに、目の中にあちこちに不規則にキラキラうする何かが良くあるって言われてるけど、不純物とかじゃなくてれっきとした目の色の1種だってセバスさんが気になって手配してくれたお医者さんも太鼓判押してくれたからホントにある意味の謎。

「だろ?この石はなんでか知らんがいつまでも眺め続けられるんだよ。昔から好きでなぁ。あたしが宝石店を立ち上げたきっかけになった石でもあるのさ。」

「そうなのね・・。」

「んで・・そっちの猫の目も良いな。まさしくイエロートパーズだ。」

これだと指さす先の宝石を見るとシャルの目と同じ透き通ったきれいな黄色の宝石だ。

「後・・ドラゴンか?そいつの目もすごいな・・・まさしくレッドベリルだな。」

指さす宝石を見ると、炎をそのまま宝石に変えたようなすごく透き通っているのに凄く力強い緋色だ。

「いろんな連中の目を見てきたが、あんたら凄いな。ここまできれいな目を見たことがない。純粋で悪に染まらずそして揺らぎない力強さを感じる。特に、ブルーゴールドの坊ちゃんなんてこの中で桁違いだ。」

「チェルニ性別を見抜けるのっ!?」

「僕の性別をきちんと初見でわかってくれる人が存在した!?」

凄い、初めて会った。

そもそもそんな人が存在するなんて思わなかった!

「何驚いてんだ?確かにかわいい顔してるが男だろ?」

「そうです!そうなんです!誰に言っても全員信じてくれないんです!」

「あぁ・・・」

かわいそうなモノを見る目で僕をみないでください。

「ついでに言うと私よりも年上です。」

そっちはさすがにわからなかったらしく口を軽く開けたまま苦笑いされた。

「・・・まじか。そっちは予想外だったわ。にしても、世の中広いんだなぁ。これまでの中で一番やべぇぞ。まるであの伝説の義賊様を存在させたかのようなすごさだ。」

「ぎぞくさま?」

なんとなく嫌な予感がして舌足らず状態で聞いてみる。

「知らねぇのか?大義賊:殺戮猫キリングキャット

「あぁ・・私たちがいた島ではあまり知られてなかったわ。」

「そうなのか。・・ん?」

不意にシャルをお姉さんが見つめると偶然キラッとシャルの目が光る。(にゃんこの目はそう言うモノだから割としょっちゅうだけど)

そして、僕から感じたらしい強さを同時に味わったお姉さんは首を傾げながら僕を見つめたかと思うと

「そういえばどこかでみたことがあるような・・・・・・っ!?」

目を見開いて僕を見ながらフリーズしてる。

「お姉さん?」

「大丈夫?」

「え?え?・・・え?」

突然どうしたんだろう?

「・・・・・1つ訪ねても良いか?」

「どうぞ?」

声が震えてるけどお姉さん大丈夫?

「5年前に春の大陸、3年前に秋の大陸、4年前に夏の大陸にいたりしなかったか?」

「そのくらいの頃だったらその辺りを放浪してましたね。」

ねってシャルに尋ねるとそうだって鳴いて答えてくれる。

「!?・・・その中でさ・・・夏の大陸で頭が10は軽く超える数の町なんて軽く踏みつぶすくらいでっかいドラゴンを倒したりしなかったか?」

「あぁ・・そう言えばそんなのいましたね。口から複数の種類のブレスを吐いたり全身を覆う鱗が時々宙を浮いて本体とは別で勝手に動き出して攻撃しだしたり、辺り一面に毒を全身からばらまいたり周囲の魔力を根こそぎ吸い込んで鱗を硬くし続けるめんどくさいやつ。」

正しく言うと、毒をばらまいたと言うより毒を元々含んでいた血が霧状になって辺り一面にばらまかれたんだけど。

アレは、めんどくさかった。

確か、僕の毒も効きにくかったし、攻撃もなかなか通りにくければ鱗がとんでもなく硬いしでかなりの量の魔力を圧縮して一点集中で1か所を10日間連続で攻撃し続けてようやく貫通させたり隙間から攻撃を叩き込んでやっと倒したとんでもなくめんどくさかった奴。

おまけにブレスをたくさんある頭が全方位からブレスを吐いてくるし毒をバラまくし、あのとんでもない切れ味の顎で噛みついてくるし鋭い爪で斬りかかってきたりそのまま斬撃が飛んできたり、やけに首と手足の動きが素早いしって感じ大変で大変で。

今思うと、僕の属性魔法がフルで頑張ってくれたから長期戦でどうにか倒せたんだと思う。

それと、僕が持つ強化系の技ってたぶん芽生えたのはこの戦いの時だと思う。

おまけに、ひとりでに動き出す鱗を壊したかと思ったらあほみたいに硬い亀に壊れた瞬間に変化して別生物になって普通に継続して僕を襲ってくるし、鱗の数がえげつないから数がガンガン増えるし。

さすがに亀は倒すとただの魔石とか甲羅とかに変わってたから襲ってくる生物ではなかったのはほっとしたけど。

毒も周りにいる人たち(逃げ切れなかった人たちいっぱい)に掛からないように僕の属性魔法の風で頑張って散らしながら戦ったし。

「ま・・・まじか・・・」

そう言って膝からお姉さんが崩れ落ちた。

どうやらさっきまでそのときのことを思い出してたらそれがどうも声に出てたらしい。

「お姉さん!?」

「ちょっ・・どうしたんですか!?大丈夫ですか?病気!?」

突然崩れ落ちるから僕とリリィさんは慌ててお姉さんを介抱しようとするけど、

がっしりと僕の手を両手で握りしめながら泣きながら祈りを捧げ続けてる。

「あぁ・・・あの時・・あの時あたしらの村をたった1人で血まみれになりながら意識がもうろうとして立つのもやっとという状態になっても必死になって守ってくださって多くの国が見捨てたあの化け物を討伐して下さった殺戮猫キリングキャット様があなた様だったんですね。しかも、それらのモノを全てあたし等の村を始め、その他で被害が出たり出そうになった近隣の村や町の皆のために無償で全て下賜して下さった。あのときの・・あのときのお礼を言う前にあなた様はあんな血まみれでボロボロの状態のまま姿をお隠しになった。」

いやぁ・・なんか知らないけどそういうときって意識がかろうじてでも残ってたら人目のないところに生きたくなるんだよね。

猫さんも似たような習性を持ってたりすると聞いたことがあるので師匠枠であるシャルの影響でそんな考え方もうつったのかもしれない。

「・・あぁ、ご無事だったのですね。そしてありがとうございました。あの大陸で多くの国より見捨てられ、あなた様に救われた一同代表としてお礼を致します。

あの下賜して下さった品々によって我々はひもじい思いをすることも苦しい思いをすることもなく生き延びることが出来ました。あの化け物の影響で食べるものもろくに育たなかった状態でしたので生き延びたとしても微々たるモノでした。ですが、あなた様のおかげで今もこうして生きることが出来るのです。」

下賜って・・・・思い切り僕のこと現人神かなんかだと思われてる?

「チェルニ・・あんたアジダハーカまで倒してたのね。」

ジト目で睨んでるリリィさんと僕を神聖化しすぎてるお姉さんにどん引きしつつどういうやつか聞いてみた。



アジダハーカ

頭の数が1つだけでも最低SSランクと呼ばれ、頭の数が増えれば増えるほど力を増し続ける特徴を持つ100メートル級のとにかく暴食家でどう猛なドラゴン。

とにかく頑丈で、鋭い牙と爪を持つ。

体内に宿る血には猛毒が含まれ、鱗は非常に速い速度で生え替わり、抜けた鱗は周囲を飛び交って敵を攻撃し、破損すると全長5メートルサイズのひたすら頑丈でどう猛な亀へと姿を変える。

その亀は倒すと魔石とアホみたいに頑丈なだけの甲羅だけになる。

その口からは、複数の属性のブレスを発射する。

一定期間攻撃を受けなければ数時間で全身の怪我も消耗した魔力も回復し、怪我をしただけ耐性を高めてしまうため、戦い始めたら途中で投げればそれで全て無駄になることで非常に有名。

周囲に漂う魔力を無理矢理吸収することで全身の鱗を永続的に硬度を高める。




「その頭の数なら余裕でSSSを通り越すまさしく災厄よ。世界中の生物の中で最強格のドラゴンの中でもトップレベルよ。」

ちなみに、そいつのみに纏っていた鱗と牙と爪は数個ずつだけ一応持ってたりする。

なんかきれいだったから・・意識がもうろうとしてたからシャルがさっさと僕の元に駆け寄るついでに手持ちの袋に放り込んだのが真実だけど。

「あ、あたしさ・・ブルーゴールドストーンが好きだった本当の理由はあのとき救って下さったお方の瞳の色が同じ色をしていたからなんだ。」

「あぁ、なるほど。・・・・で、チェルニ。さすがに言い逃れは出来ないわよ。」

だよねぇ・・。

「えぇ・・僕が殺戮猫キリングキャットって呼ばれてる義賊だよ。・・けど、内緒にしててね。バレたくはないってワケじゃないけどバレると面倒くさそうだから。」

無理矢理隠してるつもりはないけど、率先してバラしたいとも思ってないし、周りのリアクションが鬱陶しそうだし。

一応僕が殺戮猫キリングキャットだって認める。

・・・だって、称号欄に載ってるし。

「かしこまりました。」

「言葉遣いは出会ったときのままでお願いします。」

「わ、わかった・・。・・・まさか殺戮猫キリングキャット様にこうして会えるなんて。」

「リリィさん・・こっちの巨乳美女がいたあの島に秋の大陸で潰した屑共の1匹が逃げ出したからそいつを始末するためにね。・・今は、それも解決したから僕の記憶の手がかりがあるらしい春の大陸に向かってるとこ。」

「秋の大陸・・あぁ、あの秋の大陸全土を巣くっていた人身売買組織の。」

「それです。」

「その事件って有名なんですか?」

「有名さ。あの広い大陸全土を裏で支配してたかなり大規模な組織だったし、多くの国が対処に頭を抱えてたんだよ。証拠もなければ捕まえてもトカゲの尻尾切りが続くばっかで。」

「そうだったんですね。」

「そこで、誰もが証拠をつかめなかったその事件の主犯というか黒幕をピンポイントで始末したのが殺戮猫キリングキャット様さ。捕まえたやつをきっかけに芋づる式に関係してる連中の情報が大量に出てきたから大陸全土で対処に追われてたメンバー総勢で連携して始末したんだ。あれは、かなり大きな事件だった。」

「なるほど・・。」

「ちなみに、殺戮猫キリングキャット様と一緒にいるあんたは?」

「あぁ・・色々あってこの子・・チェルニ・クリアネスの妻になったのよ。」

なぜかリリィさんに抱っこされて足がプランプランしてる僕です。

「そうだったのか!おめでとう!よく見ればあんたもとんでもない力を秘めた目をしている。・・今はそうでもなかったとしても後にもっと殺戮猫キリングキャット様の相棒にふさわしい力を手にする未来に希望のある光を感じる。」

何気にこのお姉さん、僕たちの力を見抜いたりと凄く察しが良いというか観察力が凄いよね。

「ありがとうございます・・・なんでそう言うのがわかるの?」

「なんか、殺戮猫キリングキャット様・・」

隠してるってほどじゃないけどそれを普通の呼び名にするのは色々と面倒くさそうなのでやめてください。

「あ、チェルニって呼んであげてください。そっちで呼ぶと無駄に注目されるので。」

「あ、あぁ。チェルニ様とのその事件の後から、相手の目を見るとそいつのたましいの色って言うか、悪いやつか良いやつか、潜在能力とかそういうのが見えるようになったんだ。」

凄いナチュラルに様付けされた。

それと、何でだろ?

記憶がなくても王子だからかな?

様付けされても違和感を感じないのって。

「もしかして魔眼?」

「かもな。」

「ステータスに乗ってたりしないの?」

「そういえばそうだな・・みてなかったわ。」

自分のステータスをこまめに確認するという癖がこのお姉さんにはないらしい。

まぁ、戦闘をメインにしてなければそこまでこまめにチェックするような人はかなりマメな人くらいでこのお姉さんのように戦闘はしないような職業だと割と良くある習性?みたいなモノらしい。


で、みると乗ってたらしい。



真実の魔眼

相手が善人か悪人か目を見れば見抜くことが可能。

更に、相手の潜在能力もついでに感じ取ることが可能で、企んでるか否かも見抜ける。



「って感じだった。」

「凄い能力ね。警護する関連の職業としてはすごくうらやましいモノね。」

「この目のおかげでずっと助けられたんだ。じゃないとあたしが1人でこんな高いモノを扱う店をやれてねぇよ。」

「そうかもね。」

「そうだ。あのときの礼として、あんたらの目と同じ色の宝石を加工前と後と両方タダで持って行ってくれ。」

大変良い笑顔だ。

「良いの?と言うより赤字にならないの?」

「大丈夫だ。実はこの店はあのとき倒してくれた化け物のを換金して、あたしらを見捨てた複数の国からの賠償金を各地で等分した分の一部であたしの取り分だったんだ。・・あたしは、その事件の時に見捨てる宣言をした国の伝達役に思い切り蹴り飛ばされたから、その分の治療費と賠償金も含んでたからそこそこ金持ちだったからさ。」

ちなみに、そのときの伝達役の人は借金抱えて首になり、そのときに同行してその人の行動を止めなかった人たちは軒並み役職が最低レベルまで落っこちたそうな。

「それで、チェルニの目と同じ石を見つけてそれをきっかけに宝石店を始めたってワケね。」

何気に照れるなぁ・・。

一応名前は名乗らずとも殺戮猫キリングキャットについて噂話を嬉々としてやってる人たちは端から見たことはあったけどこれほど熱中的な人は初めてかも・・。

大抵は凄いとかさすがとかどんな人だろう?とかそういうことしか言わない人ばかりだから。

「まぁな。それに、あたしのダチが秋の大陸に何人かいて、全員チェルニ様に救ってもらってるんだ。その分のお礼も含んでるし、あたしの目が開眼したきっかけでもあるからむしろこれまで儲けた分のお礼でもあるから全く問題ないんだよ。」

授業料的な感じなのかな?

「そういうことだったのね。」

ちなみに、このお姉さんは胸元にブルーゴールドストーンを原石のまま磨かずにあのドラゴンの鱗で覆って加工したペンダントを身につけており、彼女曰くお守りらしい。

「って・・さりげなくチェルニ様の名前を初めて聞いたんだが・・・クリアネスって・・まさか。」

「えぇ・・彼、5年くらい前から記憶喪失らしいけど、ステータスにはきちんとクリアネス王国第一王子って乗ってたわ。だから、その記憶探しのためにクリアネス王国に向かってるの。」

「・・・そういうことだったのか。ってことは、あたし等はあの大国の王子様に助けてもらったってことかよ・・マジかよぉ。」

どうやら、妄想してたことを上回ってしまって軽く混乱してるらしい。

「とりあえず、宝石はありがたく受け取っておくわ。けど、加工品はいらないけど1つお願いしたいのだけど。」

「何だ?なんでも言ってくれ。」

「この原石の一部だけを磨いてもらうのって可能?」

「なるほど・・面白いことを考えるな。まさしくその宝石だけを置物として楽しむって感じだな。・・任せてくれ!それと、そのアイディア買わせてくれ。」

「買わなくても上げるわよ。」

「良いのか?」

「えぇ。あなたのお店、我が家でも贔屓にしたいし。チェルニがクリアネス王国に行ったときに良いお店だって言っておくからその分の応援費ってところね。」

「おう!じゃあありがたく受け取っとくよ。」

そして、見事な手際でそこそこ大きなサイズの4つの宝石の原石は一部のみ磨かれて僕たちにプレゼントされた。

「ありがとう。」

「あぁ、こちらこそホントにありがとう。」

「助けて良かったと思えただけでも十分ですよ。僕は一応その正体を隠してるから被害者の人たちの後の状況を見に行けないから。」

「そっか・・。とりあえず、誰にも言わないから。」

「そこは信じてるので大丈夫。」


そうして、お姉さんと別れました。

ちなみに、ここだけの話。

世界中でも宝石店を営んでいてアクセサリー店とかの他の店と連携しないという非常に珍しいお店だったが、リリィさんにより原石の一部だけを磨き上げることで宝石単体をインテリアとして大人気店となったり、クリアネス王国の贔屓店となったりする。

新しい宝石の楽しみ方を広めた第一人者として。

そして、そうなったきっかけでもあるとある国の王子様を彷彿とさせる同じ色の目の宝石のペンダントとそんな彼j・・彼?を描いた姿絵を大事に飾る男勝りな心優しき女性店員が毎日の平穏に感謝を告げていたりする。






「あんた・・・一体世界中を放浪してたとしてもどんだけ大物に巻き込まれてるわけ?」

「あははは・・。」

何でそんなことを言われてるかと言われると、色々と寄り道したお店の悉くが僕が過去に殺戮猫キリングキャットとして活動して潰したアレやこれやで助かった人たちだったのである。

人間同士のアレこれだったり魔物だったり指名手配犯(特盛)だったりと内容も様々である。

そのため、全員がいろんなのを大量にくれるくれる。

全部タダで。

お金を渡そうとしても僕がきっかけで色々と儲かったからその分のお裾分けだから赤字じゃないとか言っちゃう。

と言うより、なんでこうもみんな僕の正体を見抜くの?

後、なんでここに僕が過去にやらかした関係の人たちが固まってるの?

確かに、世界中を放浪しながら片っ端から気に入らない人たちを根こそぎ始末して回ってたし、かすかな内容でも始末してたから被害者の人たちは自然と増えるのは当たり前と言えば当たり前だけど・・。

「偶然よ・・なぜかチェルニの性別を見抜ける連中ばっかいるんだもの。・・それが見抜けるならそのくらいわかるわ。」

「そうなんだよね・・。ここなら女風呂に引きずり込まれたりしない良いところ。」

目をキラキラさせるイメージで部屋の天井(ガラス状)から空を見上げながら天へ祈りを捧げながら告げると、かわいそうなモノを見るような目をリリィさんよりされてしまった。

「あんたが楽しそうで何よりよ。にしてもどうするのよ・・。」

「え?」

「可愛く首を傾げてる場合じゃないわよ。またお金が減らずにモノだけ増えたじゃないのよ。しかもえげつない量と種類が。」

薬草とか薬関係だけならいくらでも仕舞うことが出来ちゃう救急箱とか(当然中身もいっぱいセットで)

高価なお酒多数

お菓子とお弁当いっぱい(長期保存出来る特殊加工され量もしっかり仕舞える収納袋付き)

アクセサリー色々

カトラリーセットにそれらや武具系、宝飾品系など幅広くメンテナンスが出来るセット

投げナイフやサバイバルナイフ、鉄串に木製の串等の様々な消耗品やたくさんあっても困らないタイプがいっぱい(専用の収納袋付きで当然のようにいっぱい入る)

後、手鏡や化粧品とかのセット

調合用の高級お道具セット

木製から金属製、銀製のカトラリーセットと、お皿セット

種類多数のお鍋やフライパンセット

それと、あのもらった宝石を保管するための保護ケースと傷つかないようにする専用の座布団とか傷つかないようにするためにするやつとか。


まぁ、いっぱいもらってしまった。

「はぁ・・・まぁ、悪い人たちじゃなくて全員が良い人だったし口も硬そうだったから良いけどその代わりにクリアネス王国第一王子だって言う事実は広まりそうね。」

「そっちは、まぁ広めてもらっても気にしないかな。広まるのが前か後になるかどうかだと思うし。こういうときって大抵柄の悪いのがいたり、手癖の悪いナンパ野郎がいたりするんだよね。」

「あぁ・・それねぇ・・。私狙いだったりチェルニ狙いだったりとどっちにしても面倒くさいのよねぇ。そう言うのって、そう言うのと遭遇するとシャルがビームをぶっ放すのもわからなくはないのよね。」

「実際何度か発射したから近寄ってくる人が激減したけど。」

「まぁ、でしょうね。」

後おまけな情報だけど、僕とリリィさんはどちらも調合スキルを持ってるわけだけど、

僕は傷薬や解毒薬と行った実戦用?緊急用?をメインに作るけど

リリィさんの場合は化粧品関係か、スパイスとかの料理系と言った非戦闘関係を作ってるという感じでやることが別々で違ってたりする。


「色々もらったけど、素材シリーズみたいに1種類に集中してて後処理に困る系じゃなくて良かったね。」

「それはそうね。あって困らないタイプだし、色々と楽しめそうなモノも多いし。とりあえず、レストランに行きましょう?」

「だね。朝ご飯と夕ご飯もレストランはどんな感じか気になるけど、もらったお弁当とかも気になるね。」

「どうせ1ヶ月は船の上なんだし、日替わりで色々楽しみましょう?1ヶ月種類を毎回変えてチェルニとシェアしてさすがに食べきれない種類の数はないでしょ。」

「うん。賛成・・・・僕の宗教・・ホントに出来たりしないよね?」

「あぁ・・救いの天使教と、殺戮猫キリングキャット教?」

「うぅ・・冗談に聞こえなくなってきたぁ・・。」

殺戮猫キリングキャット教に関しては、あの感じからすると既にあるような気がする。」

「言わないでぇ・・必死に目をそらしてるんだからぁ・・。」

「そう言えば、その関係だと思うけど、聞いたわよ。」

「何を?」

「あんたがあちこちでやらかして報酬を全部放置して脱走した後、各地の偉い人が報酬を渡すのに密かに探してるって話は覚えてる?」

「うん」

「で、その報酬目当てに偽キャットがあちこちに出没したんだって。」

偽キャットって・・言い方。

「・・大丈夫だったの?騙された人たちとか。」

「あぁ、大丈夫よ。狂信者たちが嬉々として始末して回ってるらしいから。」

「始末?何で?」

なんとなく気付いてるから狂信者って言わないで・・必死に目を背けてるんだから。

それと、僕素顔は見せずに気配とかもとことん消してたからバレてないと思うのにどうやって?

後、敵以外に声は聞こえないようにしてたし。

服の上から体格とか身長とかはわかるかもしれないけど。

「野生の勘と、あれだけ活躍しておいて姿を見せることも素顔を見せることすらしなかった謎の英雄が堂々と自分から名乗りを上げるわけがないだろとか、報酬目当てで姿を現すようなゲスじゃないあのお方は高貴なる魂を持った現人神様であり、救世主なんだとかなんとか言って論破した後トラウマを植え付けるレベルでボコボコにしたらしいわよ。」

「・・・・聞かなかったことにさせてください。」

「それもそうね。」


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