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いざ船旅・・の前に僕がこの島にやってきた理由

お船を求めて港町到着!

と思ったら、アホ軍団の暴走によってお船が全滅!

作り直そうにも素材が足りない!作る人はいるのに!

と言うところで、全部の船の造り直しが出来るほどの量の素材を持ってる僕たち登場。

おまけに魔石もいっぱいだから船関連の魔道具も全部修理出来るぞ!


よぉし、崇拝しちゃうぞ♪

ってところで今現在です。

・・素直に喜べないのは何なんだろうね?




とりあえず、素材は全部上げるから祈るのやめいと言ってやめさせて、報酬はとりあえず後回しで良いからさっさと修理に移った方が良いんじゃないの?

と言ってとりあえずその場を解散させる。

僕たち「はぁぁ・・」

「素材がはけたのは良いけど・・」

「その代償として面倒ごとを背負った気がする」

「悪い人じゃないししつこい人でもないし、素直に良い人なのがたちが悪いわ。」

「わかるー」(軽く投げやり)

と遠い目をする僕たち



とりあえず、色々と疲れたので宿に行くことにしました。

まぁ、お礼代わりにとかでこの町で一番豪華なお宿にタダで泊まることになったけど。


ちなみに、リリィさんにも実は内緒にしてる装備を1つ僕は持ってるんだ。




忍の口当て

闇夜に紛れ、あらゆる気配を他人に認識されにくくし、個人を特定させないようにする黒い口当て。

隠密関係の能力を向上させ、どこの誰か、どういう人物だったかを記憶に残りにくくする。

使用しない際は、片耳タイプの地味なイヤーカフに変わる。



一人旅してるときに色々あって正体がばれないようにしながら行動する必要があってそのときだけ使ってたやつだよ。

使わないときも目立たないように変わるから凄く便利でそう言う行動をとるときは愛用してるよ。

それもあってそれに合わせる服装と言うことで僕の和服って黒系統だったりするんだけどね。

タダ、僕が木刀を使うって部分が目立つようになったからそう言う行動をとるときは気をつけないとあっという間にバレるから気をつけないと。

まぁ、バレても指名手配されてるわけでも犯罪者ってワケでもないから良いんだけど。

むしろ褒美を与える必要があるのにどこの誰かわかんない!って各地で嘆く偉い人がいっぱいいるらしいから問題なさそう。

でも面倒だから言わない。




それはさておき、僕たちは嬉々としてものすごい勢いで船を作るおじさんたちを片目に町の観光をしてた。

けど、なぜ顔見せを覗くだけでノーマネーで嬉々としていろんなのをくれる。

それが欲しいものか否か関係なく僕たちがほんの少しでも気になったらくれるという有様だ。

・・何を言ってもくれるから、代替案としてさっきの材料のお山のお金はさっきまでただでくれた分のお値段で相殺でってことにしました。

・・そうしたら、この町に来たらなんでもただにしてやろうってことになった。

・・・僕とリリィさんは聞こえなかったことにしたけど、とりあえずはえげつないお金の山とかをもらわずに済んだことを喜ぶことにしました。


そして、彷徨いているときに

「にゃう」

「っ!見つけたんだ。どこ?」

「にゃう」

「あぁアレね了解。」

「ねぇ、さっきからシャルと何の話をしてるの?何を見つけたわけ?」

魔道具のおかげでシャルとやりとりしている内容を理解出来るリリィさんだけど、僕たちは割と会話をしなくても目で話せたりするので言葉がものすごく少なかったりするときがある。

それがさっき。

「実はこの島に来たのは、ちょっとした捜しものをするためなんだ。」

「捜しもの?」

「ちょっと手荒なことをするので離れててね。」

「手荒って・・・・一体何を探してるのよ・・。」


僕はとある大きな立派な建物に入り込んだ。

「いらっしゃいませ!何かお探しでしょうか?」

良い笑顔をしたお兄さんが出迎えてくれた。

・・・けど、僕の目には無理矢理貼り付けたような表情にしか見えないし、シャルの目が敵としてみている。

はぁ・・。

「やっぱり、あいつを逃がしたのは失敗だったね。」

「え?な、なにw-」

その後の台詞をしゃべらせる前に僕は相手を蹴り飛ばして意識を奪う。

そして、手足の神経を切って動かせないようにする。

リリィさんが何か言おうとするけど目で何も言わないように睨んでおく。

僕は、忍びの口当てを口元に装備する。



さぁて、とうとうリリィさんの前で公開しちゃうことになったけど仕方ないよね?

だって、僕が活動してたときに唯一逃げたやつがここにいるんだから。

すると想像通り建物の中にいた人たちが全員僕に気付いた。

正しく言うと騒動に気付いたという感じで、僕自身には気付かない。

だって、気配を消せるだけ消している状態で口当てをしてるから。

それに、今天井に張り付いてるし。

お客さんは出来るだけ傷つけずに意識のみを奪うようにして、お店のスタッフとしているやつはさっき最初にやったやつと同様の手段をしておく。


そうして続けて行き、最後に一人、騒動に気付いたこの建物のボスがのんきにやってきた。

「なんだなんだ騒がしい・・なっ!なんだこれは!!」

そりゃそうだろう。

全員がボロボロになって倒れてるんだから。

僕は瞬時にそいつの死角からそいつの首にサバイバルナイフを寸止めして殺気を放つ。

ちなみに、今壁に立ってるからリリィさんが口を開けたままフリーズしてる。

「な、何者だ。」

ガタガタしつつも僕が誰か尋ねるところは一応この建物のトップとしては及第点かな。

そこで僕は少し声を変えて応える。

「ようやく見つけたよ。」

「な、何のことだ。」

「そして逃げた先でもあの愚かな親と同じことをするとはさすが屑親子だ。」

「な、何を知っている!」

「3年前、貴様。秋の大陸からここに移り住んだな?」

「っ!なぜそれを知っている!」

「移り住んだ理由は、のどかな自然豊かなところで住みたいから大きくて広い秋の大陸は騒がしいとか言っていたそうだが、正しくは親子揃って大規模な人身売買をしていることがバレて壊滅させられた故に隙を見て自身の親を見捨てて逃げたからだろう?」

「っ!!」

リリィさんも僕が言っていることを聞いて驚いている。

「アレは失敗したよ。あまりにも貴様等親子が幅広く活躍していたおかげで関係者を全員潰している間に逃げられたんだから。・・あぁ、あのときは未熟な自分が憎かったよ。だが、ようやく会えた。ずいぶんと時間がかかった。これでようやくあの親子へ知らせを出すことが出来る。」

「っ!!」

キラリとそいつの視界の端にシャルの目が光って見えた。

そしてドンドン顔が青から白に変わっていき、ブルブルと震えていく。

「ま・・・まさか・・・・貴様・・あ、あのとき・・」

「ようやくわかったんだ?苦労したよ。まさか国全体に巣食ってたんだからさ。貴様の息がかかっていた連中が、それに無駄に凶暴な魔物を大量に町の真ん中で暴れさせるのに加えて国外でもスタンピートもどきが起きているんだ。冒険者連中をさりげなく誘導させて対処させつつ貴様等のような屑共を全員つぶすはずが、貴様を逃がしてしまったことが唯一の失敗だ。魔物は全て対処させてもらったがな、その苛立ちをぶつけることで。だが幸いだったのは貴様以外は全てつぶせたことと、被害者がそのとき出なかったことだ。

被害者のあの親子には、いつものメッセージが送れなかった詫びとして衣服と金を追加で渡した。

代わりとして必ず敵は討つことを僕は決意した。その決意を表明するためにわずかな証拠を手にここまでやってきたんだ。苦労させてもらったよ。」

「や、やは・・・やはり・・貴様だったのか・・。貴様が・・あ、あの!殺戮猫キリングキャット!!」

「僕は自分でそう名乗ったことはないよ。さて、終わりだ。」

「ま、待ってくれ!俺は心を洗った!足を洗って今は純粋にこの店のオーナーとして便利道具を売っているだけなんだ!」

「へぇ?地下への隠し通路にあるのも?」

「っ!な、なぜそれを・・」

「僕の前で見抜けないモノなんてないよ。」

正しくはシャルが地下に怪しい空間といろんな人の気配がするって聞いただけだけど。

「さて、もう貴様の言い訳なんて耳が腐るから終わりにしようか。」

「ま、まってk-」

まぁ殺しはしないけど死んだ方がマシなくらいに痛めつけてやろうか。

そして、手足を指先から根元まで複雑骨折と全身打撲にして、去勢とあばらを数本骨折させておく。

後、僕の木刀で毒の魔力をこれでもかと流し込んでおく。

これで二度と魔力を練ることすらも出来ないだろう。


そして、地下のことがわかるように大きな穴を開けておき、そいつのやらかした証拠を部屋のど真ん中に置いておく。

そして、今回は被害者がここにいないから殲滅完了の文字だけ砂で書いておく。

元凶に砂で矢印を書いておいてから。



それから僕は、この場をリリィさんをさりげなく連れて離れた。

「ねぇ・・あいつが言ってたのって何なの?」

殺戮猫キリングキャットのこと?」

「そう。」

「僕が言い出したわけじゃないんだけどね。記憶がないのは知ってるよね?」

「えぇ。」

「記憶をなくして唯一の味方はシャルだけだった。目的もなくタダ世界中をぶらついてたら他人の不幸が当たり前のようにしてのうのうと傲慢に生きる屑共がたくさん世界にはいた。僕はね?それをみて凄くイライラしたんだ。タダ証拠がないってだけで捕まえることが出来ない奴らも、その元凶も、脅されてたからなんて言い訳で他人を害する奴らも全部全部全部!!」

僕が感情的になって怒っている姿が珍しいのかリリィさんが驚いた顔をして少し距離をとる。

軽く謝ってから話を続ける。

「だから思ったんだ。じゃあ僕が全部潰せば良いんだって。全部潰せば良い。例えそれで僕が泥を被ることになってもつぶし続ける。それで不幸から解放される人がいるのなら。」

「そうやって旅をして悪人退治をしている中で唯一逃がしてしまったのがさっきのやつなのね?」

「そう。秋の大陸で複数の国をまるまる裏で支配して、人身売買を親子でやってたんだよそいつは。関係者もそれだけの規模だったから凄く多くてね。で、どうにか元凶を潰してからしらみつぶしに関係者を潰して回ろうとしたのにどうやったのか魔物を国の中と外同時にものすごい数のを暴走させたんだ。その対処のためにさりげなく冒険者を動かしたり、被害者が出ないように裏で支えながら潰して回ったり逃げられないように逃げる連中から潰して回ったんだけど、唯一その元凶の息子だけ逃げられてしまったんだ。

それで、シャルが唯一の証拠としてこの島行きの船にそいつの気配をかすかに感じたって言うからそいつを追ってこの島にやってきたんだ。」

「そういうことだったの・・それでその殺戮猫キリングキャットって言うのは?」

「それが、僕がそう言う活動をしている時の通り名だよ。裏世界の人たちの方で有名なんだけどね。恐怖の代名詞として。後は、活動した場所だと義賊として。」

「義賊?」

「うん。元凶を潰した後で被害者になった人たちの中で一番被害が酷かった人たち数人か数家族の元に果物と魔石、後砂で、殲滅完了って文字を残しておくの。」

「それで義賊なワケね・・。でも義賊と言ってもそれって・・指名手配されたりしないの?大丈夫なの?」

「証拠は一切残してないから大丈夫だし、探りを入れてみたけど、僕のことを探してはいても指名手配犯とか犯人としてじゃないよ。」

「どういうこと?」

「一切証拠を残さないようにした状態で黒い噂満載の連中だけを始末して回ってたからその場所の上層部の人たちがお礼を渡そうにもどこの誰かわからない!ってなってるだけ。」

「あぁ・・報酬を渡そうにもどこの誰かわからないし報酬を渡さないのも問題だしって感じなのね。」

「そういうこと。」

「でも殺さなかったのね。」

「今回はだいぶ本来の事件と時間が空いたからそいつから証拠を出してもらわないとダメだから。」

「なるほど。・・・だとしてもそれで義賊はわかったけど、何がどうなってそんな呼び名になったのよ。」

「相手を始末するとき暗闇に紛れて、僕のことを悟らせないようにしてたのと、気配が読めない状態で音も消して始末してたって言うのとどうも被害者が言うには始末する寸前でシャルの目がキラッて光るみたいでそれが凄くトラウマになるんだって。」

「あぁ・・・暗闇から音もなく殺戮を行う猫の瞳・・と言うより敵を始末・・って感じなのね。」

「らしいよ?僕自身はそうな乗ったつもりはないけど気付いたらそう言う名前の噂が飛ぶようになったんだ。後、その関連で都市伝説もあるけど。」

「都市伝説?」

「他人の不幸を喜んでいると殺戮猫キリングキャットが闇夜に紛れて断罪しにやってくるってやつ」

「あぁ・・・もうすっかり悪人にとっては恐怖の代名詞になったわけね。」

「そのおかげで屑共を引きずり出すときの情報収集に苦戦するようになったけど。」

「なるほど・・・それにしてもあなた・・かなりの有名人だったのね。」

「裏側ではね。バレたらバレたでしょうがないけど色々とめんどくさそうだから黙っててくれるとうれしいかも。」

「わかったわ。今でも目立ってるのにそんな恐怖の代名詞の大義賊がクリアネス王国の第一王子だとわかったら色々とめんどくさそうだわ。・・まぁ、バレたら開き直りましょう。」

「そうする。・・」

「どうしたの?」

「僕が腐った連中と言っても殺して回ってたことは特に気にしないんだね?」

「山賊もどきだって殺す依頼があるじゃない?」

「あるね。」

「それに、全員殺してるわけじゃないんでしょ?」

「うん。トラウマを植え付けて自首するように誘導させてるけど。」

「だから分別は付けてるんだから大丈夫よ。私は人を見る目はあるのよ。」

「うん・・ありがとう。」

「いいえ。」


それから、その日の夕方にその建物にかかわってた人たちは全員捕まり、地面に砂で書かれている言葉と近くに空いている穴の中から人身売買されるために不法に捕まっている人たちが発見され、少しでも繋がりのある連中は捕まった。

そして、秋の大陸のとある3国で騒がせた人身売買事件の脱走者だと判明し、その分も追加で罪を受けたそうな。

その事実は、砂で書かれた言葉と共に被害者のいた国に新聞として届き、お金や服、果物やお金と共に書かれていた

--必ず殲滅させてみせるから待ってて欲しい。今殲滅出来なかった詫びとしてこれらの品を贈る--

と書いてあった言葉の意味をようやくその家族は思い出し涙を流して祈りを捧げたそうな。


「ちなみに、いつもは果物と魔石だけ置いていくのよね?」

「そうだよ?」

「その家族たちには、追加で服とお金を置いていったんでしょ?」

「うん。5グループいたかな。僕の認識だと。」

だいたい2~3組なのである。

「どれだけ置いて言ったわけ?」

「お金は当時有り余って使うこともそれほどなかったから。お金は今思い出したら白金貨を5枚と、服はその家族の大まかな年と性別は聞いてたから上下セットを10着ずつ。」

デザインはシンプルなタイプをチョイスしてるから好き嫌いの判別の対象外になる予定。

だって、お金だけ追加しようと思ったけどあの人たち服がボロッボロなのしかなかったのが凄い気になったんだもの。

・・・使ってくれて喜んでくれたら良いなぁ。

さすがにそれを確認しに行くわけには行かなかったし。


「・・・」

「どうしたの?」

「あんた、義賊って言うより英雄じゃないの?」

「えぇ、なんで?」

「想像以上に多すぎたのよ。」

「それだけ、あいつをあの場で始末出来なかったのが悔しかったんだよ。だから、中途半端でやめないって言う決意を知って欲しかったの。」

「あぁ・・・そう言う理由でそれだけ置いてったわけね。それと1つ聞きたかったんだけど」

「ん?」

「あのときどうやって壁とか天井に張り付いてたの?」

「アレ、僕のワザの1つに忍者ってあったの覚えてる?」

「覚えてるわ。」

「アレの効果。後、気配消したりするのもアレ。で、この口当てはそれらの効果を強めてくれるのと同時に僕を僕として認識されにくくなるの。」

「効果はわかったわ。けど、後半のチェルニとして認識出来ないってどういうこと?私は、アレを着けてる間普通にチェルニだってわかったけど。」

「リリィさんは別だけど、普通はアレを着けた状態だと後で思い出そうとしてもどういう人だったかどういう特徴だったかとか性別とか身長とか体格とか、何も思い出せなくなるんだよ。と言うより記憶に残らない。」

「なるほど・・確かに義賊として動くならもってこいね。それに、あなた元々そう言う気配を消したり音を消したりするのって上手よね。」

「慣れかな。シャルとかくれんぼをよくしてたから。」

「とことんシャルが師匠なのね。」

感知能力が凄いからかくれんぼもハイレベルなのである。

後、他人の視線をさりげなく誘導させるワザも知ってるから僕に向ける視線を他に誘導させることも出来る。

たしか、ミスディレクションとか言うやつ。

他にもいろんなテクニックを知ってるよ。

「・・・私の旦那様が想像以上に凄かった。」

「そんなお嫁さんは、水神天使様と呼ばれてる件について一言どうぞ。」

「うっさいわ。とりあえず、あっちが気付かない限りはあの建物の件に関しては知らんぷりでいいわけね?」

「うん。相手が確信を持って聞いてきたら答えて良いけど、曖昧な感じだったら僕が適当にごまかすから。」

「あなたさりげなく相手にしゃべらせたり、黙らせたりするの上手よね・・。」

「何でか知らないけど、大抵の人ならニコッとしておけばしゃべるよ?一応さりげなくしゃべらせるワザはいくつか知ってるけど。」

「・・・やっぱり怖いわあんた。」

「はぁぁ・・でもごめんね?」

「何が?黙ってたこと?」

「と言うより、感情任せに暴れて驚かせたこと・・かな?」

「大丈夫よ。私もわりと好き放題してる方だから。」

「それならいい・・かな?」

「でも良かった・・・きちんとこなせて。・・やっとあの家族の憂いを晴らすことが出来た。」

「あなたやっぱり英雄よ。」

「なんで?」

「そうやって他人のことをそこまで心配して、他人のために全てを捨てて目的を果たすからよ。」

「捨ててるつもりはないんだけどね。でも、一度決めたら最後までやりたい。・・たぶん、世界を回るとこうやって動くことになるけど・・ついてきてくれる?」

「当たり前よ。あなたのおかげで私も色々と強くなれたし、あなたと同じくらい私も正義の心を持っているから気持ちは凄くわかるわ。それに、どうせ救いの天使って言われてるんだもの。こうなったら開き直ってとことんその呼び名で屑共をつぶして回ろうじゃないのよ!」

「そうだね・・うん、これからもよろしくね。」

「えぇ、よろしく頼むわ。じゃあ、地図もなく彷徨っていたのは?」

「僕元々寄り道が好きなんだ。後、そうやっていると割と良い感じに目的に果たされることがあるから。」

「なるほど・・凄い微妙なラインを走ってるわね。」

「でも、そうやって迷子になってたから結果としてリリィさんと出会ってこうして目的を果たすことが出来た。たぶん僕だけだったらまだあいつを見つけることは出来なかったと思うよ。だって、この港に行くとしたらこの島を全部調べた後の最後だったんだから。」

「なるほど・・そう考えると割と良いペースで結果として目的を果たしてるわね。確かに・・割とバカに出来ないわね。」

「でしょ?」

「でも、寄り道して回るような旅をするのはクリアネス王国で目的を果たした後よ?」

「・・はぁい。」

だと思った。


そうして、その日は特に何もしなかったけどリベラを枕にしてリリィさんと一緒に横になってゴロゴロしながらのんびりと過ごしました。

で、5日後に船は完成し、報酬はその5日間全部タダになったりタダでプレゼントされたモノたちだけで相殺することで了承された。

・・だって、結構な数のいろんなのをくれるんだモノこの町の人たち。

それと、一番先に優先して作ってくれた船の最高級の部屋のチケットをタダでくれることになった。

しかも、その船というのが僕たちが目的としている春の大陸行きの船だ。

僕たちがその大陸に用事があるとチラッと話していたことを聞いて優先してくれたらしい。

船のチケット代は最低ランクでも結構良い値段するからそれなりに溜めてたんだけどお礼としてタダになった。

まぁ、お礼の気持ちだからって言われたら・・ね?

受け取らないと逆に失礼だし。


という感じで、船に無事に乗ることが出来た。

まぁ、その分僕とリリィさんは救いの天使とか木刀姫とか水神様とか天使様って呼ばれる頻度が爆増したけど。

リリィさんが僕の裏の通り名のことを聞いてからは多少遠い目をしつつも開き直ったらしく素直に受け取ることにしたみたい。

正しくは細かいことは気のせいと言うことにしてスルーするようになったって感じだけど。


「さすができたてほやほやって言うのもあるけど、最高級ね。眺めも最高なら部屋もすごく良いじゃない。」

「天井はガラス張りになってるんだね。」

「それに、特殊な作りをしてるから外からの日差しは熱かったりまぶしかったりしない程度に収まってるわ。それに、直接太陽をみても目が痛くならないようになってる・・すごいわね。」

「外もガラス張りになってるのに外からは見えないようになってるね。」

「ホント良く出来てるわ。これは、1ヶ月間の船旅も期待出来そうね。」

「そうだね。色々と苦労した分の幸福はあったね。」

「そうね。お金も結果として貯め込むことが出来たし、春の大陸で色々と買い物したりしても大丈夫ね。」

「そうだね。たまにはぱーっと使わないとね。・・なぜか増える一方だし」

「そうね。」

「だとしても、船が出来るには速すぎない?」

今乗ってる船も豪華客船サイズで、実際豪華で、サイズもデザインもどれも凄い。

これが10日足らずで出来るのが一番不思議で仕方がない。

「あぁ・・船って動かせないと港としては損にしかならないから修理も手早くないといけないとかで、そんじょそこらの建築関係の連中の中でも上位を占めるほどの実力者で、速くて上手くて、正確で確実、そして丁寧という部分が最低でも揃ってないといけないらしいわ。しかも、日々それらの実力向上の鍛錬は一生続くんだとか。」

「あぁ・・・船を作る人たちはプロフェッショナルな人たちが集まっててある意味化け物レベルが当たり前ってことなんだね。」

「言い方を悪くすればそういうことね。だから、建築業としては最終的に船の建築に関わることが最上位の目標というかあこがれというイメージらしいわよ。」

「そうなるんだ・・。」

「それと、港でものすごい数の紙とペンのインクを買っていたわね。」

「正しく言うと、買おうとしたら嬉々としてタダでプレゼントされたんだけど。」

「・・・・まぁ、私たちが無償配布した素材の山を全部適正価格で売ったとしたら一生を暮らせるくらいの値段は発生してたっぽいわね。その内、タダで色々もらったり宿泊費も無料になったのに咥えて、それらもタダでもらったとしても値段としては全体からすると微々たるモノだわ。」

「まぁねぇ・・という感じで一応港側が困ってる状態で懐もそれほど痛まないようにしたからそのくらいは受け取らないと逆に向こうが嫌がるから。ってことにした。」

「そうね。向こうからすると困っていたところで何の請求もなくえげつない量の素材を無償提供したんだから少しはお礼代わりに渡したいモノは渡しておきたくなるわよね。」

「うん、って感じで受け取ることにしたの。」

「なるほどねぇ。それで、その紙とインクはどうするの?」

「船旅は長そうだからそこそこたまってたアイディアを書き留めておこうかなって。」

「あぁ、歌の。」

そうです。

野営中はあまり集中して書けないからアイディアだけ頭の端にとどめてたからそれらをまとめて全部書き留めて、歌をいくつか作っておきたかったんだよね。


「いくつか聞かせてちょうだいな。」

「良いですよ。感想も聞かせて欲しいし。」

「それはお安いご用よ。」

「それにしても、リベラもゆっくり出来るくらい廊下も部屋も広くて凄いね。」

「そうね。色々あったけどありがたく船旅を楽しませてもらいましょう。」

「だね。」

そうして船は、動きだし、リリィさんは自身の故郷の島を離れ、ほんの少しのさみしさとこれからのことにわくわくを胸に抱きながら僕たちは出発しました。

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