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裁定者の番

コメディです。

ふざけてます。

深く考えてはいけません。

ランバルディア王国には、約100年に一度の割合で王族の血統から『裁定者』なる人物が誕生する。



裁定者は神の目を持つ者。


あらゆるものを見通し、邪悪な者の心もその悪しき意図も、善良なる者の行いも願いも全て見通すと言う。故にその裁きは絶対だ。



王国の最高権力者である国王が裁定者に意見を求めることや、裁判の採決が裁定者に託されることもある。

その際も、裁定者の言葉は最終的かつ恒久的なものとされ、それが覆ることはない。


あくまで統治者は国王だが、裁定者はその助言者という立場になり、ランバルディア王国の最高権力の対をなす人物となる。


裁定者に関しては機密として秘されている部分が多く、民にとっては今も謎と神秘に包まれた存在なのだ。



そして、今代の裁定者は先国王の末弟ユスターシュ、23歳。9歳の時から裁定者としての役割を果たしている。



先国王の弟妹は合わせて12人、男子だけなら7人兄弟になる。兄弟姉妹を合わせても、ユスターシュは一番年下の王子だった。

兄である先国王とは、実に21歳離れている。現国王は甥に当たるが、ユスターシュよりも3歳上だ。


歴代の裁定者たちはその全員が独身を貫いている。勿論、法律による規制がある訳ではない。けれど何故か今まで結婚した裁定者はひとりもいなかった。



だから、王立図書館に勤める子爵令嬢ヘレナ・レウエルの名前が、ユスターシュの口から上った時、皆は驚いた。



けれどその驚きは、裁定者の関心を引く女性が現れたという事に限ってではない。



「・・・ユスターシュ。それはつまり」


「はい、陛下」



ユスターシュは堂々と告げる。



「私の番となる女性なのです。どうかヘレナ・レウエルを私の妻としてお与えください」



その場にいた誰もが驚いたのも、無理はない。



裁定者は獣人ではない。

なのに、ユスターシュはヘレナ・レウエルを自分の番と呼び、王命による婚姻を願い出たのだから。


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