第二話 龍帝ガチギレ
遅くなってすみません!学校の画題が溜まってしまって…
(何故泣く⁉︎我なんか変なことしたか⁉︎)
昔ならいざ知らず龍帝の姿を見て泣かない子供は今はむしろ珍しいであろう
「いやだぁ、食べないでください!」
『食べるかぁ⁉︎子供を食べる趣味は無い!』
「本当ですか…?龍さんは人を食べるって…ハキリが…」
『何処の龍だ?基本的に龍は何も食べなくても生きていけるはずだが……?』
「そ、そうなんですか?もう、ハキリめぇ!いつも私のことからかってぇ…!次会ったらこちょこちょしてやるんだからぁ!」
そんな微笑ましい光景をみて龍帝は
(なんだ…この、湧き上がる感情は、暖かいような、むず痒いようなこの感情は…)
「…でも、お父様とおねえ様がいるところに戻らなきゃいけないのかぁ…」
『…?父や姉とは暖かい、お主を守ってくれるような存在のでは無いのか?そんな者たちに会いたく無いとはどう言うことだ?』
そう龍帝が問うと一瞬悩む様子を見せるもファリアは自らの身の上をポツリ、ポツリと話し出した。
しばらく後龍帝は…号泣していた。
『辛かったなぁ、もう大丈夫だぞ、われが守ってやるからな!』
そんな様子に混乱したファリアは
「え、えっとドラゴンさんどうしてそんなに泣いているんですか?そ、そんなに悲しいこと今のお話にありましたか?」
そう、長い虐待生活の中でファリアの感覚は麻痺してしまっていたのだ。
そんな様子を見た龍帝は
『むしろ悲しく無い話がメイドとの思い出くらいしか無いでは無いか!
…どうやらここはお主の精神世界のようだし、お主の体を借りる許可をくれれば1秒もかからずにそいつらを全て魂滅させられるぞ!どうする?』
「イヤイヤイヤイヤ、そんなことしなくていいですぅ!でも、だけど、悪い子だって言われるかもしれないけど、…少し酷いことしたいのは事実です。」
『ほぉ、たとえばどんな?』
「えっと、ほっぺたを思い切り引っ張るとか、思いっきりこちょこちょするとか?」
….....そう、何年も虐待を受けていると言うのにファリアはとても純粋なのだ。付きのメイドが、そうなるように教育したとはいえである。
『ふむ…まぁ良いとりあえず体を借りてもいいか?』
そう聞くとファリアは
「あっ、はい、わか、わかりました!だけど、魂滅はやめてくださいね?」
と上目遣いで龍帝に言った。
『ふっ、任せよ。お主を虐めた奴等に絶大なる恐怖を刻みつけてやろう‼︎クハハハハ!』
そしてファリアの体を借りて、かつて全能の神を滅した龍帝が顕現する。
黒曜石のような漆黒だった髪は白銀に染まり、金色だった眼は深紅に変わり、可視化するほどの圧倒的な魔力を放つ。その魔力は世界各地に影響を及ぼした。
龍族はその魔力を受け皇帝の帰還に歓喜した、
他の生物は無意識な恐怖を覚えた。
とある火山が噴火した。
眠っていた災厄の魔獣が目を覚ました。
これは、この惑星の内側だけの話である。他の恒星系や次元にも影響を与えた…
そんな魔力を浴びたクズ(王)とクズ(姉)は叫ぶ。
「その無能を殺せ!手段は問わん!近衛ぇ!何をしておる、我を守らぬかぁ」
「ちょっと、お父様!美しい私を守る方が先でしょう⁉︎お父様より私を守りなさい‼︎」
そんな声を喚き散らす。
そして龍帝は
『その身を持って貴様らの罪を贖え。』
言い放った。
そこからは圧倒的だった。その国の中で最強と言われた騎士は一撃も当てる事もできずに吹き飛んだ。
近衛騎士団はその存在の前に立っただけで戦意を喪失した。
そして王と姉の頭を鷲掴みにして告げる
『これ以上、我に関わるな。お前たちの望み通りこの国から出て行ってやる。ただし、次我に関わってみろその魂の一片すら残らぬと思え…』
そう言い放ち手を離すと正面扉から悠々と出て行った。
それを追いかけるものなどいない…いや1人だけいた
「お待ち下さい!ファリア様!」
その方向を向き龍帝は言う
『なんだ?』
そこにいたのは1人のメイド。
ファリアのお付きのメイドであるハキリである、
「旅に出るのであれば、どうぞ私めをお連れください。ファリア様のいない王城に意味を感じられませんので、」
たった1人だけのファリアの味方である。
『構わん、好きにしろ。』
そうして1人の幼女とメイドとネックレス(龍帝)の奇妙な旅が始まるのである。
次回 常識知らずのファリアとドラゴ!そして頭を悩ませるハキリ!
次回第三話!常識講座!
というわけで1週間後更新です。最後まで読んでいただきありがとうございました!