第一話 目覚めと出会い
お待たせしました、第一話です!
目からを覚ますとそこは真っ暗な空間だった。
「…何処だここは」
何処か、自分の足下に近い場所から小さな声が聞こえる。
『…たく…い』
それは人間の子供の声だった。
「なんだ?」
そちらに顔を向ける。
そこには顔の無い人間のような物に囲まれ苦しそうに泣いている人間の子供がいた。
「…フン、全く愚かな人間とはいつの時代も醜いモノだ、この力は…かつて愚かなる神々に迎合した人の王の子孫か、自らが守るべき幼な子を害すとは…」
その声に驚愕したかのようにこちらを見て呆然とした様子の顔無し達と子供
「なんだ?我の領域に入り込んだ上、幼な子を責め立てその声で我の眠りを妨げたのだ……まさか生きて帰れるとは思っておるまいな?」
そう言い放ちほんの少しだけ威圧をかける。
その威圧感は全能神と互角に渡り合った龍の大帝の威圧
その威圧は物理的な威力を伴い圧倒的な力の奔流として現出した。
その力の奔流に飲み込まれた顔なし達は魂の一片すら残らず消し飛んだ
「所詮この程度か…他愛もない。さて、そこな幼な子よ無事か?」
「ひっ、こ、殺ざな゛いでくだざい!」
「⁉︎」
ファリア視点
「ここは…?」
意識を無くしたと思ったら次の瞬間には全く何処なのかも分からない暗闇の中に放り出され泣きそうになる。
しかし、遠くに真っ白な人影が見える
白い人影が目の前まで来るとこう言い放った。
「あら?黒髪とは…忌子ではございませんか貴方が私達の一部になるなど到底我慢できることではございませんわね、ほら私の下僕達あの娘を殺してしまいなさい。」
「嫌だ…嫌だよぉ…」
顔無しの中でも1人だけ際立つその人影は恐怖で泣き始めてしまったファリアを嘲笑う
「あら、それでも全能の神たるクリス様の加護を受けた私の子孫ですの?やはり忌子は忌子ですのね、さっさと死んで私の前から居なくなってちょうだい。」
そう言い放つと顔無したちが一斉に喋り出す
「さっさと死ね忌子が」
「何故貴様のような悍ましい存在が我らの血族から生まれたのだ!」
「我らの前から姿を消せ!」
そんな暴言が浴びせかけられる。それは
ずっと苦しかった
ずっと悲しかった
でも、やっぱり、
「死にたく…無い…!」
そう言い放つ。
彼女は神を信じる人間によって苦しめられてきた。
なればこそそれは必然だったのかもしれない
今、彼女の意思に呼応するかのように奇跡が起こる。
そう、全能たる神を殺し、世界を神の支配から解き放った龍帝が今、目を覚ます
「…ふん、全く愚かな人間とはいつの時代も醜いモノだ、この力は…かつて愚かなる神々に迎合した人の王の子孫か、自らが守るべき幼な子を害すとは…」
そこに居たのは“龍”人が決して叶わぬ存在。
そんな存在が
自らの領域と言い放ち、顔なしとあの人影をいとも容易く消しとばす。龍は自らの領域を汚す物を嫌うと言う、
(そっか、私ここで死ぬんだ。)
「そこな幼な子よ、無事か?」
「ひっ、こ、殺ざな゛いでぐだざい!」
「⁉︎」
そうこれは最弱の幼女と最強の龍帝が出会い、のんびり旅をするだけの物語である。
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