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ショートショート5月~

前世とか、来世とか。

作者: たかさば

実は私、前世とか、来世とか、見えちゃったりするんだよね。


わたしは前世で、自分の妻に春売る職業させた、ろくでなし。

あの、冷え切った、さげすんだ目。

今でも思い出せる。

あいつには、悪いことしたと思うよ。

今世では会ってないけど、幸せに暮らしてるといいな。




娘は、旦那の前前世で、旦那を独り占めできなくて悲しみに暮れた、ハーレムの下っ端の女の子。

どうしても旦那を独り占めしたくて、娘として生まれてきた。

娘は完全パパっ子だ。当然だね。

前世では旦那を見つけることができなくて、一人寂しく文字を綴ったんだよね。

まさかそれが、あの作品だとは。




息子は私の来世の旦那。

私、日系五世に生まれるんだ、次は。

で、漫画のイベントで、運命的な出会いをして、子供が三人生まれる予定。

あっちでさ、出会う手続きしたときに決めたんだよね。

絶対生きて私と出会ってねって約束したら、真っ赤になって、うんって言った。

めっちゃ恥ずかしがり屋なんだけどね、大切にしてくれると思うよ。




旦那はどこかの国の、王家の御付の人?

王様と、王子様と、姫様がいて、旦那は、王子のこと、本当に好きだったみたい。

王子が本当に好きで、誇りに思って、生きてきた人。


ずっと世話をしてきて、褒美をもらえることになったとき、王子の血縁が欲しいと切に、願った。

その願いは、生きているうちにはかなわなかったけれど、生まれ変わるときに叶ったんだよね。


王子の弟として、生まれてきた。


旦那は三兄弟なんだけどね、一番上のお兄さんは、前世で会ってる姫様なんだよね。

兄上が生まれるなら、私も一緒に生まれて、自分も世話してもらおうって思ったみたい。

この姫様、女だったから勉強させてもらえなくて、今回は好きなだけ勉強ができるように男に生まれてきたの。

だから、ずっと勉強してる。めっちゃ頭いいのも、頷ける。


でも、家のことは何もしない。

だって、勉強するために、面倒なことをしてくれる人がいるこの時代を選んで生まれてきたんだもん。


真ん中のお兄さんは、別にもう生まれなくてもいいやって思ってたんだけどね。

前世の旦那が、あまりにも血縁を求めるから、絆されちゃったんだね。

やりたいことも、目標もないまま、血縁だけ旦那に与えるために、生まれてきた。


毎日毎日、ただゲームをして、好きなもの食べて。

大きな家に、ただ一人、ゴミに囲まれ、過ごしてる。

前世ではゴミひとつない空間で過ごしてて、窮屈だったからか、ゴミがあることに感動すら覚えてるみたい。


自由気ままに生きる真ん中のお兄さんをしかる旦那だけど、絶対に見捨てたりしないって、わたしは知ってる。

だって旦那が何よりも望んで欲した、血縁という繋がり。

手放すはずがない。


真ん中のお兄さん、稼ぐことに意義を見出せないみたい。

前世でお金には苦労してなかったし、稼がなくても身近にあるもの?いや違うな、お金の存在が、あまりよく分かってない。

常に与えられ、お金で何かを買うことをした事がないから。


生きることにも、執着してない。やりたいことは、もうやったからね。血縁を与えるって仕事。


毎日毎日、目標も見つけられないまま、たった一人でゴミにまぎれて生きていく。

生きていく金があればいいと、毎日毎日、自由気ままに、旦那の稼いだ金で、生きていく。

旦那が見捨てないことを、魂レベルで理解してるから、何もしない。働かない。


親戚連中が、あいつを何とかしろといっているのを聞くけれど。

旦那はこのまま、魂レベルで嬉々としながら、真ん中のお兄さんの世話をしていくことを、わたしは知ってる。


いくら毎日、兄貴は本当にしょうがねえなあと愚痴をこぼしていても、旦那は毎月お金を渡すことをわたしは知ってる。


私、全部知ってるから、大丈夫なんだ。


結末はどうなってもいいと思ってる。

私、今回はそんなに目標持って生まれてきてないもん。


一人でぶらぶらしてたら、旦那がさ。一緒に人生楽しまない?って声かけてきてさ。

まあいっかって思って、乗っかっちゃただけだから。


適当に返事して、始まっちゃったこの人生、結構色々あって、勉強になった。


もう、勉強は、いいかな。


来世は愛情深い、幸せな人生にするって決めてるんだ。






だから、この辺で。


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― 新着の感想 ―
[一言] うわあ。考えながら読んでたら誰が誰なのかよくわからないことになってきた。前世は占いでぼんやり感じる程度が楽しいな。こんなにはっきり知ってると気まずくなりそう笑
[良い点] すごい! 話がぶわって広がってまた戻って来た。 [気になる点] 人間関係がこんがらがっちゃった。もう一回見直すかも。 [一言] 心に響きました。上手く言い表せないけど、すごかった
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