煽り運転者の断末魔:道徳の授業で物語性を重視したら問題児扱いされました
思いつくままに書いたため乱文気味です。
煽り運転、最近話題ですよね。最近でもないか。
死亡事故を誘発して逮捕された被疑者(本エッセイ執筆時点)がまたぞろ余計なことを言い出して反感を買った、そんな報道を見かけまして。
反省しているか否かは他人からの印象を大きく左右しますし、司法判断でも考慮される要因の一つです。
そんな中で反省していないことを発信する。それでさらに追いつめられる。
道化を演じているようでもありませんし、後先をあまりに考えていない姿にはあっけにとられます。
今回の裁判を巡っては、これまで法が想定していなかった状況だけに難しい判断が求められそうです。
間違いなく法整備の歴史に残ることでしょう。
ただ、法整備が進もうとも煽り運転自体が減るとは思いづらい。残念なことですが。
「みんながやってるから」という軽い気持ちで行われるちょっとしたスピード違反などと比べ、煽り運転は強い悪意をもって襲い掛かってくる恐怖があります。あ、もちろんちょっとしたスピード違反もダメですよ。
意図して他人を脅すような精神の持ち主は法が強化されて自重するはずもなく、結局のところは関わり合いにならない以上の自衛方法が見つからないのが現状です。
あ、私もこの間ドライブレコーダーを買いました。「撮ってますよ」と伝えるのが有効な場面もある、らしいです。
小学校のころ、「道徳」という授業がありました。
教科書(正式な教科書ではなく副教材?)を読んで、その感想を話し合ったり書いたり。どうするべきだったか考える点が、国語(現代文)とは違う部分なのでしょう。
一連の報道を見て思い出したのが、低学年での1コマ。だんぷくんの話。
乱暴者で回りに迷惑をかけてばかりのだんぷくん。
脅し、割り込み、傍若無人な彼ですが、とある山道でくるま君を追い越したとき、悲劇が起きます。
追い越した勢いのままだんぷくんは山道のガードレールを突き破り、崖下に転落。
Q:この時だんぷくんは何を思ったのでしょう?
タイトルもストーリーも曖昧なのですが、だいたいこんな教材だったはず。
ちなみに模範解答は「くるまくんを追い越さなければよかった」「もっと優しい運転をすればよかった」「ごめんなさい」、になるのでしょうか。
そして幼い日の私が出した回答がこちら。
A1:ちくしょう、くるまくんのせいだ。絶対に許さねぇからな!!
先生に却下されました。
A2:助けてくれ謝るから!!
斜に構えた子だったのです。ごめんなさい。
A3:くるまくんがもっと強くオレを止めてくれなかったのが悪いんだ!
その日の保護者への連絡ノートには、道徳の授業でよくない答えをしていた旨が書かれました。解せぬ。
だんぷくんが追い越してから崖下に落ちるまで10秒ほどでしょうか。長く見ても30秒?
くるまくんが救助を行い一命をとりとめて、後日に考えた。そんな場面ならともかく、そんな短時間で反省して、良心に目覚めるとは思えなかったのです。
なお、教材のイラストを見て「あ、だんぷくん死んだな」と当時の私は判断しました。
運転手ならワンチャン重症で助かる可能性もありますが、少なくともだんぷくんの廃車は免れない。
3年生まで図書室を使ってはいけない小学校で、教室に置いてある低学年用の本は1月もかけず読み終えていました。
国語の教科書はもちろん、道徳の教材ももらった日には読み終わる。幼い時分から読書にのめりこんだ生粋の活字中毒者。
そんな私にとって、だんぷくんが反省するよりも、反省しないまま死んでいくストーリーのほうが自然に思えたのです。
今思うと、教材作成者や先生の意図を察して模範解答を出すのが一番正しい選択肢だったのだと感じます。
頭でっかちで空気が読めない。未だに治る見込みがない悪癖の片鱗もまた、この頃からあったのでしょうね……。
悪事を反省するためには、悪事であったと自覚する精神的衝撃、自省する時間、そしてその上で自分を受け入れてくれる居場所が必要なのではないか。
道徳の授業の一幕の時にはボンヤリと認識していたことを明文化すると、こうなります。
精神的衝撃(男女平等拳や“お話し”)を与えつつ、相手を受け入れ、自省を見守ってくれる主人公という物語が昔から好きでした。
最後に。
犯罪者が、あるいは犯罪でなくとも悪事を犯してしまった人でも、反省して身を改め、贖罪に努めている。そんな人も大勢います。
前科や経歴だけを見て人となりを決めつけることもまた、悪事なのでしょう。
被害者や遺族が救われる社会を構築することは非常に大切です。
加害者がやり直せる社会を構築することも非常に大切です。
そして、犯罪や悪事が少ない社会を構築するための法と教育、環境整備も非常に大切です。
一人一人ができる範囲で、心に余裕をもって生きていきたいものです。
話題の彼の反省を願い、被害者の冥福と遺族の幸福を祈りつつ、今回はここまで。
エッセイ3作目。前2つはレポート色が強かったので、まともなエッセイ?としては初めて。
年末年始は長距離を運転する予定があるので、事故・事件に巻き込まれぬよう安全に気を付けたいものです。
ご感想等ありましたら是非。