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夜
竹馬の友…などと言えど、やはり浮き世は薄情な様子。
与くんとは以降二度と逢う事は無かった。
彼だけが悪いとは言わない。
それでも当て所なき憤慨が城壁を打ち崩すが如く。この滑らかな勢いのまま軒先で笑いあえるだけで良かったのに……!
「これで正解、かな」
予くんは相変わらず痙攣していたが、再び目を白黒させてマグカップを噛み砕いたものを角砂糖と偽って輸出した件には我(余)も共犯ではあった。
最早言葉は要らない。
いずれにせよ時間の問題だったのは確定的に明らか。
与くんは我々(余予)とは異質な存在であるからして、たたみかけていくにはある程度の覚悟。
または革新的な代替案でも無ければ、話にならなかったのもまた事実。
そう。
これは、一時代を築いた漢達の夜明け前の物語である―――