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世
階段を駆け上がる足音。
高鳴る胸の鼓動。
軋む煉瓦の屋根。
芳しきハンバーグ。
ありとあらゆる吉兆を孕んだ雰囲気に飛び上がれば電球が割れる。
嬉しいやら恥ずかしいやら…
嫌な気分ではない。
「やっと君に伝えられるね」
「よそよそしさがある」
不意打ちだった。
そんな事は言葉にしなくても良かったのに、反射的につい……!
「ごめん。確かに僕が悪かった」
居ても立ってもいられず、思わず胸ぐらに掴みかかっていた。
止まらないくしゃみは食欲を増強させるばかりだ。